MT5でオリジナルのシグナルが発信できればいいなと思いませんか?
トレーダーごとに、何を売買シグナルとするかはそれぞれ。
メインで使う時間足も異なりますし、移動平均線を使ったり、ボリンジャーバンドや一目均衡表、RSIやMACDなど複数のインジケーターを組み合わせるトレーダーも多いでしょう。
各自のテクニカル手法や戦略に合わせて、シグナルアラートの配信を設定することがMT5なら可能です。
自作のシグナルを
この機会に設定してみませんか?
今回の記事では、それぞれのテクニカル手法と組み合わせやすい、MT5の売買シグナルをご紹介。パラメーターの設定をオリジナルでアレンジする方法や、自作の売買シグナルの作成方法をシンプルに解説していきますので、この機会にチャレンジしてみてください。
- MT5のシグナルアラート無料で使えるのか
- MT5の売買シグナルをオリジナルで設定する方法
- シグナルツールをアレンジして使う方法
- 売買シグナルを自分で作成する方法
- 売買シグナルのプログラミングについて
- シグナルツールを使うコツと注意点
MT5のシグナルアラートは無料で誰でも使える?
FXトレードに専念したいと思っても、24時間毎日チャートにつきっきりになることは不可能です。トレード以外にもやることはたくさんあります。
またチャンス逃した!ってよくあるんだよね。
もっと自分の戦略で売買シグナルを設定したいけど・・・
でも、どうすればよいかわからないって
悩んでしまうのです。
MT5では、豊富な売買シグナルがあり、誰でも無料で簡単に設定することができます。
しかし、やり方がわからなかったり、もっと独自のテクニカル分析を折り込みたかったりで、足踏み状態にいる方は結構多いのではないでしょうか。
まずは最初に、MT5では、一般的にどのような売買シグナルがあって、どのように入手すればよいのか概要を見ていきましょう。
MT5のシグナルツールの種類
MT5では、実に多くの売買シグナルがMQL5マーケットで配布されています。無料・有料、シンプルなものから高度なものまでさまざまです。
シグナルツールはサインツールと呼ばれたり、アラート機能もついているため、シグナルアラートと呼ばれたりしています。
一般的によく使われているシグナルツールには以下のようなものがあります。
- 移動平均線(クロス、ゴールデンクロス、デッドクロス)
- レンジブレイク
- レジスタンス・サポート、トレンド
- ローソク足、チャートパターン
- フィボナッチやボリンジャーバンド
- RSI、MACDなどオシレーター
豊富な種類の売買ポイントをシグナルツールで探ることが可能です。
売買シグナルとシグナルトレードとの違い
少しややこしいのが、MT5のシグナルというとコピートレードを指す場合があります。コピートレードとは、プロ・上級トレーダーのトレードをコピーするFXサービスのことです。
また、EAという売買ロジックが組み込まれたプログラムをMT5で使う方法もあります。
EAを使った自動売買もシグナルツールによるトレードに近いので、選択肢の一つと言えますね!
MT5用のオススメのEAは以下の記事で詳しく解説しています。
MT5のシグナルツールの入手方法
では、どうやってシグナルツールを導入するのでしょうか。シグナルツールに限らず、MT5で使えるインジケーターやEAは無料のものをMQL5マーケットで探すことができます。
MQL5(MT5コミュニティのサイト)に会員登録しておけば、簡単操作ですぐにダウンロード可能です。会員登録は無料です。
MQL5のサイトから、ダウンロードボタンを押すだけで各自のMT5に即反映されます。
インジケーターのダウンロードページ
MQL5マーケットはMT5に付随するサービスです。詳しい使い方は下記をご参照ください。
MT5のシグナルアラートの設定方法
MT5の売買シグナルや、任意のレート・時間などはアラート配信を設定することも可能です。
アラートの種類は4種類あります。
- アラーム通知
- ファイル通知
- メール通知
- スマホのプッシュ通知
アラートの設定方法はこちらから詳しくご覧になれます。
シグナルツールは大変便利ですが、単体はなく、複数のシグナルを組み合わせたい、自分の戦略に沿ってオリジナルで作成したい、などで悩むトレーダーも多いようです。
では、複数を組み合わせたり、自作でシグナルを作るにはどうすばよいのか。
といった問いに次の章で答えていきます。
シグナルツールをオリジナルで設定する方法
MT5では、カスタムインジケーターや自動売買を自分でプログラミングできます。自由自在に好きなようにシグナルツールを作成することが可能ですが、いきなりプログラミングなどと言われても戸惑ってしまいます。
そこで、おすすめなのが既存の売買シグナルを組み合わせたり、パラメーターの設定を変更したりして自分仕様にアレンジして使う方法です。
組み合わせたりできるの?
パラメータって難しくない?
パラメーターって聞くと難しそうですが、
テンプレートみたいなもの。
使っているうちに理解できちゃいます!
パラメーターの設定を理解することで、EAやプログラミングの第一歩となり得ますので、この機会に覚えていきましょう。
では、組み合わせやアレンジ、自作に便利なツールをいくつかご紹介しましょう。
レジサポ・シグナルツール
まず、検討したいのがレジサポ系です。
Support and Resistance Levels Finderのダウンロードはこちら
Support and Resistance Levels Finder(サポート・アンド・レジスタンス・レベル・ファインダー)は、レジサポを自動で検出し売買シグナルを色で表示してくれるツールです。どのシグナルを使うとしてもレジサポはFXの超基本となるため、分析の基盤として使っていけます。
チャートに表示される黄色いボタンをクリックして「表示 or 非表示」を操作します。
リアルタイムの動きに合わせて、レジサポも最新状態に更新されます。しかも、マルチタイムのフレーム対応となっていて、短期足に4H足や日足と異なる時間足のレジサポを挿入して自分仕様にアレンジしていけます。
パラメーターの見方と設定方法を覚えよう
MT5のパラメーターは英語表記となり敬遠しがちです。ただ、すべてを理解する必要はないのでポイントだけ抑えるようにすれば、すぐに使いこなしていけます。
インジケーターのプロパティを開いてパラメーターの設定画面に行きます。
チャートの上で右クリック → インジケーターリスト → インジケーターを選択 → プロバティ
パラメーター画面を開く
具体的な設定方法の例
マルチタイムフレームで異なる時間足のレジサポを挿入する場合、以下のようなパターンがアレンジ可能です。
- 日足のレジサポを見ながら30分足でトレード
- 1時間足のレジサポを見ながら15分足でトレード
- 30分足のレジサポを見ながら1分足でトレード
例えば、日足のレジサポを見ながら30分足でトレードしたい場合は、まず30分足チャートを開いてパラメータの設定でローソク足の適用時間足を日足に変更して使えます。
デイトレードやスキャルピングでも、中長期でも、自由に設定して自分の手法に合ったシグナルが配信できるのです。
トレンド・シグナルツール
レジサポ同様にニーズが高いのがトレンド検知です。
トレンド系のインジケーター、Trend Catcher(トレンドキャッチャー)はベーシック情報としてカスタマイズしやすいツール。ローソク足の色が変わるだけなので、レジサポ・シグナルと合わせて使ったり、その他のインジケーターとも組み合わせが容易です。
Trend Catcherでは、ローソク足が下降基調から上昇基調へと転換した場合に、トレンド転換のアラートを配信します。下降トレンドは赤、上昇トレンドは緑(色の設定は任意)とひと目でわかりやすい表示です。
レジサポのシグナルツールと合わせて、シグナルの確証をつかむのに役立ちます。
どのインジケーターをメインで使うとしても、レジサポもトレンドも日常的に使うトレーダーは多いでしょう。ベーシックのシグナルとして活用できます。
さらにボリンジャーバンドやRSI、MACDなどのメインで使うインジケーターを挿入すれば、独自の手法に沿って最強のシグナルツールが構築していけます。
パラメーターで色を設定してみよう
パラメーターの画面メニューの「カラー」を開くと、ラインの太さや色の変更が可能です。
それぞれのチャート画面に合わせて、使いやすい設定に変えていきましょう。
移動平均線・シグナルツール
移動平均線シグナルもテクニカルでは定番のツールです。
Double Line Crossingのダウンロードはこちら
Double Line Crossing(ダブル・ライン・クロッシング)は2本の移動平均線を使ったシグナルです。短期線と長期線と2本のラインのクロスラインで売買シグナルを配信します。
青いマークで「買い」、赤いマークが「売り」のシグナルです。
先に見た、レジサポやトレンド系のシグナルを組み合わせてみましょう。
- 移動平均線シグナル → 買い
- レジサポシグナル → 買いラインのやや上
- トレンドシグナル → 買い
というように、ほぼ3つのシグナルがそろったタイミングでより確実なエントリー・エグジットへとつながるのです。
パラメーターで期間を設定してみよう
インジケーターの期間はトレード戦略に合わせて変更することができます。
Double Line Crossingの場合は、長期線と短期線と2つ項目を任意の設定が行えます。短期トレードの場合は期間を「8、15」「9、20」などと短めに、長期トレードの場合は「40、75」「50、100」などと期間を長めに設定すると効果的です。
RSIダイバージェンス・シグナルツール
オシレーター系を1つ入れるなら、RSI系のシグナルが人気です。
RSI Divergence(RSIダイバージェンス)を挿入すれば、RSIのダイバージェンスが発生したことをアラート配信で教えてくれます。
ダイバージェンスのように、頻繁には発生しないシグナルを活用することで、高いトレード効果が期待できます。
例えば、先に見た移動平均線シグナルなど、メインチャートで表示するシグナルと合わせて使うこともできます。
さらには、レジサポやトレンドのシグナルを合わせて使うことで確証が強まります。
レジサポ、トレンド、移動平均線、RSIとすべてのインジケーターで売買シグナルが発信されていれば、エントリー・エグジットの絶好の機会だと判断できるのです。
シグナルの条件を設定してみよう
シグナルの条件をパラメーターの設定画面にて調整・変更することができます。RSIダイバージェンスのパラメーターを例に自分流の設定にチャレンジしてみましょう。
- ダイバージェンスの種類を選択 → Regular(レギュラー) or Hidden(微妙)
- Regularの数値を設定 → 売られすぎ・買われすぎの数値を変更
- Hiddenの数値を設定 → 中央値付近の微妙な数値を変更
- RSIの期間 → トレードスタイルに合わせて変更
などの設定から、より自分のトレード戦略に沿ったシグナルが形成されていくのです。
以上見てきたように、各種シグナルを組み合わせたり、パラメーターを自分仕様に設定したりすることで、独自の手法に沿ったシグナルが実現していけるのです。
様々なタイプのシグナルツールをMQL5のマーケットから探すことができます。
おすすめのMT5のシグナルツール・サインツールは、以下の記事でも詳しくご紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。
2つのインジを合わせた
サインツールもご紹介していますので、
自分の手法に合ったものを探してみましょう。
オリジナルのシグナルを無料で作成する
もう1つ、ご紹介しておきたいのがオリジナルでシグナルが作成できるインジケーター、Rule Plotter(ルール・プロッター)です。
Rule Plotterはオリジナルの売買シグナルを作成するためのテンプレートを提供するインジケーターで、トレーダー自身で1から細かい条件が設定できます。
Rule Plotter
条件で使える項目は、ローソク足、価格(数値、pips)、計算(倍数、分割)、インジケーターです。「Open Signal(エントリー)」と「Close Signal(エグジット)」の条件が各自の手法に合わせて設定できます。
一番簡単なのがローソク足またはインジケーターで設定する方法。チャートにインストール済みのインジケーターならほとんどが対応できます。(一部対応できないものもある)
ローソク足とボリンジャーバンドで設定してみよう!
例えば、ローソク足の安値がボリンジャーバンドの下値バンドを下回った時にシグナルを出したいとします。
①ローソク足の設定をする
まず、「Open Signal」をクリックして、「Value」の設定で「Candle(ローソク足)」と「Low(安値)」を選択します。すると安値以下の部分がすべてシグナルとなってしまうので多すぎます。
そこで、追加条件として「Lower than(~よりも下)」をクリックしてボリンジャーバンドの下値バンドを設定します。
②ボリンジャーバンドの設定をする
「Indicator」をプルダウンから選択して、「Reload」を押すと挿入済みのインジのリストがプルダウンで表示されます。メニューから「Bollinger Bands」を選択します。
「Buffer(バッファ)」とはインジケーターのパートのことです。下値バンドのBuffer番号をクリックして探ります。クリックで色が変わるものが該当する番号です。
ここでは「Lower Buffer2」が下値バンドになります。「Lower Buffer2」を選択したら「Back」で確定です。
③エントリーシグナルを確認
以上で下記チャートのように、ローソク足の安値がボリンジャーバンドの下値を下回った時にシグナルが表示できるようになります。
④エグジットのシグナルも設定
同様に、エグジットのシグナルも「Close Signal」の条件設定で作成することができます。例えば、エグジットの場合はボリンジャーバンドの上値バンドをローソク足の高値が上回った時とするのが1つの方法です。
その場合、「Candle」を「High」で設定して、「Higher than」→「Bollinger Bands」「Buffer1(上値バンド)」でシグナルが表示できます。
ローソク足とインジケーターだけでも、数多くの組み合わせを考案していけますので、ぜひ試してみてください。
なお、MT5のインジケーターはこちらの記事からも色々とご覧になれます。
簡単なプログラミングでシグナルを設定する
さて、MT5のシグナルツールのことがだいぶ分かってきました。MT5のすごいところは、完全にオリジナルでシグナルやインジケーターがプログラミングできることです。
プログラミングの心得がある方や、興味がある方のために、どのようなプログラミングがあるのかを参考までに軽くご紹介しておきましょう。
こんなものがあるんだなって
先々の参考として
軽く見ておいてください。
MQL5とは
MT5のインジケーターやEAが探せるサイトをMQL5マーケットといって、聞いたことがある方は多いでしょう。そもそもMQL5とは何なのでしょうか。
MQL5とは、MT5を構成するプログラミング言語のことです。MT4ではMQL4が使われていて、MQL5はMT5専用の言語になります。
MQL5でカスタムインジケーター・EAが作成できる
MQL5は、MetaEditor5と呼ばれるプラットフォームを使ってプログラミングが行えます。MQL5のプログラミングさえ覚えれば、インジケーターやシグナル、EA、その他さまざまなタイプの便利なツールが開発できます。自分が使うために開発するだけでなく、MQL5にアップして販売することも可能です。
トレードやテクニカル分析のスキルの向上だけでなく、FXをビジネスとして捉える可能性がぐっと拡がるのです。
自作の売買シグナルをプログラミング
では、この機会にメタエディターでプログラミングする方法をチェックしておきましょう。
MT5のメニュー「ツール」から「IDE」を選択します。
MetaEditorが立ち上がりますので、左上の「新規作成」→「ウィザードファイル」→「カスタムインジケーター」にチェックを入れて「NEXT」します。
プロパティの画面が出てきますので、「インジケーターの名称」を任意で入力します。
「NEXT」を押して「OnCalculate(…,open,high,low,close)」にチェックを入れます。
「Next」で次に進むと、インジケーターの挿入が「サブウィンドウ」か「メインチャート」かを選択する画面が出てきます。「メインチャート」の場合はこのまま何も入力しないで「Finish」で完了です。
そうすると、最小限のプログラミングがされた画面が出てきますので、この画面をベースに、必要なパラメーターやコードを入力していけます。
プログラミングのテンプレートは、MQL5の「プログラミングコンテンツ」やプログラミング系のサイトからコードを探すことができます。
売買シグナルのコードを探そう
シンプルに移動平均線を1本入れるコード(一部)
上図はMQL5に掲載されているコードです。手始めに1本の移動平均線を挿入する方法やシグナルを表示する方法が公開されています。
MQL5ではプログラミングに関する教育コンテンツが豊富にあります。積極的に活用していきましょう。
参考資料
初心者のためのMQL5のカスタムインジケーター – MQL5
移動平均線のシグナルを表示するコード(一部)
OANDA証券でもMQLを使ってシグナルを表示するコードを全公開しています。
参照:MQLプログラミング言語で移動平均線の売買サインを表示する方法 – OANDA証券
スクリプトの入手方法
また、MQL5マーケットの「スクリプト」「ライブラリ」からも、ダイレクトにインジケーターやシグナルのコードがダウンロードできます。
プログラミングはハードルが高いことは否めませんが、初心者向けの情報は意外と多いです。調べながら容易に学ぶことができます。
すき間時間に少しづつ
覚えていくのがおすすめです。
オリジナルの売買シグナルを作成するコツ・注意点
これから自作で売買シグナルを作成していくには、何が必要でしょうか。使いこなすコツや注意点をまとめておきました。
楽しみながら
チャレンジしていきたいですね!
売買シグナルを使いこなすコツは?
売買シグナルを使いこなすコツは、色々な種類を試してみることです。シグナルごとに仕組み・ルールが異なります。いろいろ知ることで、扱いやすくなるでしょう。
あとは、パラメーターの用語や設定方法に慣れていくことです。用語に慣れてくれば、オリジナルの設定やプログラミングへの近道になります。
売買シグナルを自作する注意点は?
注意したいのが、プログラミングは著作物になることです。無断でコピーしたり一部を使ったりすることが禁止されていコードもあります。コピーや使用が制限されているものは、参考資料として使うのにとどめておくのがよいです。
なお、プログラミングの初心者にはPythonもわかりやすいと評判です。下記で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
まとめ
今回はMT5の売買シグナルを、オリジナル設定でアレンジして使う方法をご紹介しました。売買シグナルを組み合わせる時は、ライン系(レジサポ・トレンド)、メインチャートもの(移動平均線・フィボナッチなど)、オシレーター系と3つぐらいがベストです。
多すぎてもごちゃごちゃしますし、少なすぎてもダマシのリスクが高くなります。さっそく、MQL5で気になるインジケーターやシグナルを試してみましょう。パラメーターの用語に慣れてきたら、少し高度なものやプログラミングにもぜひチャレンジしてみてください。
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