MT5のスプレッドを見やすくするインジケーターの導入方法

MT5のスプレッドは、デフォルトのままだとレート一覧やレートパネルに表示されていません。ぱっと見でスプレッドがわからないため、注文してからスプレッドの広さに気づくこともあり、しまった!と後悔することも。

MT5では、スプレッドは表示できないの?

MT5でスプレッドを表示するのは
どうすればよいのでしょうか?

FXトレードでは、スプレッドを確認しておくのは必須です。今回は、MT5でスプレッドを確認する方法や、簡単にスプレッドが表示できるインジケーターをご紹介します。ぜひ、この機会にチェックしておいてください。

この記事でわかること
  • スプレッドのリスクとは
  • スプレッドを計算する方法(pipsの見方)
  • M5でスプレッドを表示する方法
  • 気配値やチャートでスプレッドが見れる
  • MT5でスプレッドを表示するインジケーター
  • MT5のスプレッドの注意点
目次

スプレッドのリスクと計算方法

MT5のチャートやレートパネルを見ただけでは、自分で計算しないとスプレッドが表示されません。スプレッドがわからないと、不利な価格でエントリーしてしまったりと、リスクが高まります。

あれ!
こんな価格で約定しちゃってる!

約定した時点のマイナス額を見て驚くこともしばしば。MT5でもスプレッドを表示することは可能ですが、まずは自分でスプレッドを計算する方法を覚えておきましょう。

MT5のスプレッドはどこにある?

通常のチャートツールでは、スプレッドがレート一覧やレートパネルに表示されています。

スプレッドが表示される例

自分でpipsを計算しなくとも、スプレッドがひと目でわかるため、おおよその買値と売値の差額がわかりやすいのです。

しかし、MT5のレートパネルにはスプレッドは表示されません。買値と売値の価格しか表示されないため、実質のスプレッドがわかりづらいのが特徴です。

MT5のレート一覧とレートパネル

スプレッドが把握しづらいのは、MT5の意外な落とし穴です。「買値」「売値」を見て自分で計算する方法を覚えておきましょう。

チャート画面の価格ラインは、デフォルトの状態だと「売値ライン(Bid)」のみが表示されています。実際の「買値ライン(Ask)」を把握しないまま、注文が約定してから慌てることも少なくないでしょう。

あれ、こんなにスプレッドが広かったんだ!

スプレッドが広いと損失リスクが高まる

スプレッドは売買にかかるコストとして認識されていますが、スプレッドが確認できないことで、単にコストがかかるというだけではありません。

何が問題かというと損失リスクが高まるということです。

スプレッドのコスト
  • スプレッドの数値が大きい → コストがかかる・損失リスクが大きい
  • スプレッドの数値が小さい → コストが少ない・損失リスクが小さい

スプレッドが大きいと、エントリーからまずプラスマイナスゼロの地点に戻るまでに時間がかかるため、損失リスクが高くなるのです。

せっかくテクニカルでタイミング見ても
あまりにも不利だと流れが変わっちゃうのです。

スプレッドを自分で計算する方法

エントリーしてから後悔しないためにも、エントリー前には必ず「買値」「売値」「スプレッド」を確認するようにしましょう。

では、どのようにスプレッドを計算すればよいでしょうか。

「買値」から「売値」を差し引いた数値がスプレッドです。

スプレッドの計算方法
USDJPYの場合

154.600(買値)- 154.620(売値)= 0.02 (差額)

0.01円 = 2pips

スプレッドは2pipsになります。

スプレッドのpipsとは

ここで、pipsについておさらいです。

pipsとはすべての通貨に共通する値幅のことで、1pipの換算方法は2つのタイプがあります。

円の通貨ペア

円の通貨ペアの場合は、第2小数点が1pipです。

筆者作成

左から、「10,000pips」「4,000pips」「500pips」「50pips」「0pip」「0.1pips」となります。

外貨の通貨ペア

外貨の通貨ペアの場合は、第4小数点が1pipです。

筆者作成

左から「10,000pips」「1,000pips」「700pips」「50pips」「3pips」「0pips」と見ていきます。

1pipsはいくら?

では、1pipsとはいくらなのか、数pipsでどれくらいの損失となり得るのかを見ておきましょう。

円の通貨ペアの場合

1pips = 0.01円

USDJPYで3pipsのスプレッドで約定した場合、「1,000通貨でー30円」「10,000通貨で-300円」「100,000通貨で-3,000円」からのスタートとなるわけです。

外貨の通貨ペアの場合

1pips = 0.0001(ドル、ユーロ、ポンド)

EURUSDで4pipsのスプレッドで約定した場合、「1,000通貨で-0.4ドル」「10,000通貨でー4ドル」「100,000通貨で-40ドル」も損失が出た状態からトレード開始となるのです。

数週間から数か月の中長期であれば、そこまでのコストではありません。しかし、デイトレードやスキャルピングなどの短期で何回もトレードするとすれば、大きなコストとなって利益を押し下げてしまいます。

スプレッドの重みを理解して
おくことがとても大切。

MT5の気配値やチャートでスプレッドを見る方法

自分でスプレッドを計算するクセをつけておくのは、FXではとても大切です。ただ、できれば計算などしなくともスプレッドがチェックできた方が便利です。

ついつい、スプレッドを見ないで
エントリーしてしまうから・・・

MT5でも、スプレッドを表示させる方法がいくつかあります。ここで、どんな方法で表示できるのかを見ていきましょう。

スプレッドを気配値に表示させる方法

まず、スプレッドを気配値に表示させる方法が2つあります。

気配値一覧にスプレッドを追加

1つは気配値一覧にスプレッド値を追加する方法です。気配値の上で右クリック→「表示列」→「スプレッド」で表示できます。

MT5のスプレッドはポイントで表示されます。 1ポイントは0.1pipsとなります。

スプレッド 1ポイント = 0.1 pips

気配値をレートパネルに切り替えてスプレッドを表示

MT5の気配値表のタグを「プライスボード」に切り替えると、スプレッドが表示されたレートパネルの一覧が出てきます。

以下のように、スプレッドがレートパネルに加えられています。スクロールして気配値に登録しているすべての通貨の情報が確認できます。

スワップポイントも同時に表示されるので便利です。

チャートに買値・売値ラインを表示する方法

チャートに直接、「買値(Ask)ライン」と「売値(Bid)ライン」と2本を挿入することも可能です。ぱっと見で視覚的にリスクの把握が容易となります。

2本のラインをチャートに表示させる方法は、チャート画面上で右クリック → 「プロパティ」を選択して行います。まず、「プロパティー」の画面を開いて、タグメニューから「表示」を選択します。

設定項目の「売りラインを表示」と「買いラインを表示」の双方にチェックを入れてください。

チェックを入れる箇所
  • 売りラインを表示
  • 買いラインを表示

次に、タグメニューから「カラー」を選択して、「Bid(売り)ライン」と「Ask(買い)ライン」の色を設定します。何色でも、自分がわかりやすい色で大丈夫です。

色を設定する箇所
  • 売値(Bid)ライン
  • 買値(Ask)ライン

デフォルトでは「売値(Bid)ライン」のみが表示されています。追加で「買値(Ask)ライン」も表示させれば、計算したり調べたりせずとも、おおむねのスプレッド幅がチェックできます。

チャートで見るスプレッドの例

例えば、上図チャートの場合は「買値」と「売値」が結構広がっていて、「買値ライン」まで価格が戻ってくるのに時間がかかりそうです。リスクが高いな、とひと目で判断できます。

MT5のスプレッドをスマホで見る方法

上記のような方法を見てきましたが、実はMT5のスプレッドを確認する最も簡単な方法は、MT5のスマホアプリで確認することなのです。スマホ版をダウンロードしてログインすれば、通貨ペア一覧(気配値)にスプレッドが表示されています。

というように、MT5のスプレッドはスマホで見れば簡単にわかる、というオチだったのですが、やはり自分で「買値」と「売値」を見ながらスプレッドを意識していくことがトレードの基本です。あくまでもスマホは補足ツールとして使っていくのが望ましいです。

なお、MT5のスマホアプリはFX業者のダウンロード画面やMetaTrader5のダウンロード画面からインストールすることができます。詳しいやり方は以下をご参照ください。

MT5でスプレッドを表示するインジケーター

MT5でスプレッドを確認する方法がいろいろとあることがわかりました。さらに踏み込んで、MT5でもっと便利に使えるスプレッドのインジケーターをいくつかご紹介しましょう。

スプレッドで絶対に損したくないからね!

初心者にも使えるシンプルなものから、トレードツールとしても使える高度なものまで、MQL5マーケットから探してみました。MQL5にログインしておけば、ダウンロードボタンを押すだけで、MT5に簡単にインストールすることができます

新規登録は無料で、メールアドレスだけなので簡単です。

MQL5の新規登録はこちら

MQL5の会員登録やログイン方法は、こちらの記事をご覧ください。

超シンプルに秒単位でスプレッドを表示!

“spread Actual”は、チャート画面にスプレッド値を数字で表示してくれる超シンプルなインジケーターです。秒単位で変動するスプレッドをどの時間足でも表示できます。

今ならどれくらいのスプレッドが最小・最大なのかをチェックしながら最適なエントリーが計れます。しばらくスプレッドがどれくらいの数値で動いているのかチェックしてみましょう。

例えば、スプレッドが5~9ポイントで動いているとすれば、最小値の5ポイントでエントリーすれば、約定時のマイナスも小さくできます。

Spread Actual のダウンロードはこちら

こんな人におすすめ!

簡単に数字でスプレッドをチェックしたい方や、秒単位で最小値を狙いたいトレーダーにおすすめです。

色でスプレッドの広さがわかる!

こちらもシンプルなスプレッドのインジケーター。“Custom Spread”は、スプレッドの数値をpipsで表示するだけでなく、色でスプレッドの広さ具合を表示してくれます。

  • 黄緑系 → スプレッドがかなり狭い
  • オレンジ系 → スプレッドが平均的
  • ダークレッド系 → スプレッドがかなり広い

色はグラデーションのように何色もあるので、最初はちょっと戸惑うかもしれません。

「黄緑から赤になるほどスプレッドが広くなる」と覚えればわかりやすいでしょう。数値や計算ではなく、直観的に色を見て判別できるためスピーディな取引に最適です。

Custom Spreadのダウンロードはこちら

こんな人におすすめ

現在のスプレッドが狭いのか広いのか、ぱっと見で判断したいトレーダーの役に立つでしょう。

スプレッドをTicksラインで表示!

“Ticks”はTickチャートをサブ画面に表示してくれるインジケーターです。注文画面や気配値のタグを開かないとTickで確認できないことがMT5のデメリットです。

しかし、このインジケーターを使えば、ローソク足の動きを見ながらTikcのスプレッドラインで最適な売買タイミングが計れます。

上図のティックラインは「青:買値」「赤:売値」を表しています。青と赤のラインが最小に近づいた時が売買のチャンスです。狭いスプレッドでの約定が狙えます。

一方では、青と赤のラインが広がっていれば、トレードを控えるなどリスク管理にもつながるのです。

エントリーコストを最小限に抑えて、最大の利益を出すために役に立ちます。

Ticksのダウンロードはこちら

こんな人におすすめ

秒速でスプレッドを確認したい、スキャルピングトレーダーに大満足のインジケーターです。

スリッページのリスクが回避できる!

“Bid Ask Spread”では、表示スプレッドと実際のスプレッドとの差を教えてくれます。

リアルな約定価格と表示スプレッドとで差が生じることをスリッページといい、大抵の場合、表示されているスプレッド通りに約定することは少ないのが現状です。

赤いラインが実際のスプレッド、黒い点線が表示されたスプレッドです。2本のラインが近づくほど、表示スプレッドに近い状態での約定が期待できます。2本の差が大きいほどスリッページの可能性が高いことを表しています。

“Bid Ask Spread”を使うことでスリッページのリスク回避につながるのです。

Bid Ask Spreadのダウンロードはこちら 

経済指標トレードやマイナー通貨トレードなどで、隠れたスリッページのリスクを調べたい方。

複数の通貨ペアのスプレッドがわかる!

もう1つ、知っておくと便利なインジケーターは、複数の通貨ペアのスプレッドが表示できる“Spread Screener”です。1つの通貨ペアのチャートを見ながら、20種類以上の通貨ペアのスプレッドがひと目で確認できます。

ローソク足のタイマー(あとどれくらいで完結するか)も表示されるため、最適なタイミングを狙うことが可能です。

スプレッドはpipsで表示されます。

  • 赤:スプレッドが拡大
  • 緑:スプレッドが狭い
  • 白:平均的なスプレッド
  • 黄:計測中

ただ、デフォルトのままだと、通貨ペア数が多すぎます。また、スプレッドの色分け設定が大きすぎるため、すべての通貨ペアが緑(狭い)に分類されてしまう問題があるのです。

パラメーターを少し調整する必要があり、調整すれば使い勝手がぐっと良くなります。

パラメーターの設定
Pairslist

Pairslistの欄は通貨ペアリストのことです。このリストから、不要な通貨ペアをすべて削除します。あるいは、全部削除してから表示したい通貨ペアを入力してもよいでしょう。

SPREAD HIGH LEVEL

HIGH LEVELは、スプレッドが拡大していると見なす数値のことです。7.0は大きすぎますので、2.0~3.0あたりに変更します。

SPREAD LOW LEVEL

LOW LEVELは、スプレッドが狭いと見なす数値のことです。3.0は大きすぎますので、1.0~2.0あたりが適切です。

あとは、スプレッドをチェックしながら、「AUDUSD」「EURUSD」など、気になる通貨ペアをクリックするとチャートが自動で切り替わるからすごいのです。

Spread Screenerのダウンロードはこちら

こんな人におすすめ

複数の通貨ペアをチェックしたい。最適なタイミングを逃したくないトレーダーに重宝するツールです。

MT5のスプレッドで注意したいこと

最後にMT5のスプレッドで注意したいことを、チェックしておきましょう。

スプレッドが狭くなるだけで
勝ちやすくなるのです!

スプレッドは短期足(チャート)でチェックしよう

スプレッドは、短期足のチャートで視覚的に見た方がリスクが見えやすいため、必ず短期足でチェックするようにしましょう。(1分足~15分足)

1H足チャートの買値ラインと売値ライン

1H足で2本のラインを比較するとほぼ重なっていてリスクがなさそうに感じてしまいます。これを1分足で見てみると、思った以上に広いことがわかります。

1分足チャートの買値ラインと売値ライン

短期足で見た方が、実際にスプレッドがどれくらい離れているのかリスクの大きさがリアルです。

スプレッドが大きすぎて、買値ラインが同一画面上に表示されないことすらあるので要チェックです。

MT5のスプレッドはFX業者によって異なる

MT5だから広いとかMT5だから狭い、と評価するトレーダーもいますが、これは間違いです。MT5はFXトレードに使うプラットフォームの名称で、買値や売値などトレード条件は各FX業者が提供する仕組みです。

スプレッドは、FX業者・通貨ペアごとに異なります。

できるだけ狭いスプレッドのFX業者や通貨ペアを選ぶようにしましょう。ちなみにスプレッドが狭いと評判のFX業者は、「ヒロセ通称」「マネーパートナーズ」「GMOクリック証券」などがあります。

スプレッドはあくまでも目安であること

表示されているスプレッドは、あくまでも目安です。「買値」や「売値」どおりには約定しないのが普通だと思っていてちょうどよいです。

価格高騰や急落時のスプレッドは、表示されている数値よりも広がりやすいので注意しましょう。

注文する際に、許容するスリッページ値
を設定することが可能です。

スリッページについては、下記の記事で詳しく解説しています。合わせて参考にしてみてください。

まとめ

慌てて注文すると、スプレッドで痛い目に合うことが度々あります。その時々でスプレッドは変動するため、必ず買値と売値の位置を確認しておくことが大切です。

今回は、MT5のスプレッドはどこを見ればよいのか、どのような表示方法があるのかを解説し、さらに、便利なインジケーターもご紹介してみました。中長期トレードでは、さほど重要ではないかもしれませんが、デイトレードやスキャルピングは、短時間のトレードが基本となるため、スプレッドによって利益が大きく左右されてしまいます。

それぞれにとって使いやすい方法で、MT5のスプレッド管理をしっかりと極めていきましょう。

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この記事を書いた人

海外在住トレーダー&ライター: NY移住歴5年、ロンドン、ロシアと海外移住しながら、 トレーディングとライティングをこなす。 日本・海外と徹底したリサーチと情報収集力が強み。毎日数社のニュースメディアの情報を追っている。 FX、CFD、株式、エネルギー、貴金属、仮想通貨と分散投資でヘッジしながら短期・中長期でバランスをとる手法。 投資歴9年、ライター歴7年 前職: IT商材・太陽光発電・蓄電池等の営業、IT・エネルギーの専門知識あり Xにて投資・金融・エネルギー・政治・動物系の情報を発信。

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