米国連邦捜査局(FBI)のインターネット犯罪苦情センターは2023年の仮想通貨詐欺報告書を発表しました。報告書によると、被害総額は56億ドルに達し、前年比45%増加しました。これは金融詐欺による損失全体の約50%を占める規模です。
仮想通貨詐欺の中で最も被害額が大きかったのは投資詐欺で、全体の71%を占める39.6億ドルに上りました。投資詐欺の被害額は前年比53%増加しており、急速に拡大しています。
インターネット犯罪苦情センターに寄せられた仮想通貨関連の苦情件数は69,468件でした。被害者の年齢層では30〜49歳が最も多いですが、金額面では60歳以上の高齢者層が最大の金銭的損失を被っています。このデータは米国のものですが、日本の被害状況も似ていると思われます。
詐欺の手口として最も多いのは豚殺しです。豚殺しとは長期間にわたって被害者との関係を築き、信頼や好意を抱いた後に騙すという手口です。利益を最大化してから騙すという手口が豚を肥え太らせてから食べるのに似ていることから豚殺しと名付けられました。豚殺しでは被害者との関係を築いた後、偽の仮想通貨に投資するよう誘導します。仮想通貨だけではなく、FXや他の投資案件に誘導される場合もあります。
FBIは、「詐欺師が絶対にしないことがある。それは実際に会うことだ。もし実際に会ったことのない人から投資を勧められたら、そのアドバイスには注意が必要だ」とアドバイスしています。
豚殺しの他、トークン購入後にウォレットを凍結されるプレイ・トゥ・アーン詐欺が増えています。また、「騙し取られた仮想通貨を回収する」として被害者をさらに騙す悪徳企業もあります。日本でも「国際ロマンス詐欺で騙し取られたお金を回収します」という弁護士に依頼し、着手金を支払ったけど対応してもらえず騙されたという二次被害が増えています。
投資詐欺が急増しています。投資詐欺に騙されないためにも、詐欺の手口を知りましょう。
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