韓国の非常戒厳は戦時・事変またはこれに準じる国家非常事態が発生した際に、軍事上の必要や公共の安寧秩序を維持のために出されるものです。
なお、非常戒厳の宣言は1980年の全斗煥(チョン・ドゥホアン)大統領以来の非常戒厳であり、大韓民国憲法第77条に基づいて発令されました。
尹大統領が非常戒厳宣言を出した背景には、主に韓国内の政治的混乱と野党による大統領弾劾の動きに対する対抗措置があります。尹大統領は、「国政がまひ状態にある」と述べ、最大野党「共に民主党」の行動を「内乱を企てる明白な反国家的行為」と非難し、北朝鮮の共産勢力から韓国を守り、自由な憲政秩序を維持するとして、「憲政の秩序を守るために非常戒厳を宣布する」と宣言しました。
非常戒厳が発令されると、政治活動の禁止、メディア統制、集会やデモの禁止という措置が取られます。
非常戒厳の宣言を受け、多くの人が国会周辺に集まり抗議活動を行い、「大統領は辞めろ」といったシュプレヒコールが上げました。国会は非常戒厳を解除するよう要求する決議案を可決しました。
そして、尹大統領は4日未明、国会による投票結果を尊重し、非常戒厳を解除すると発表しました。解除を受け、国会に展開していた軍は撤収しました。
最大野党「共に民主党」は決議文を発表し、尹大統領の非常戒厳宣言に対して避難し、大統領を辞めるよう要求しました。そして退陣しない場合、弾劾手続きに入るとしています。
非常戒厳宣言受け、ドル円相場は大きく動きました。リスクオフの円買いが進み、149円を割り込み、一時148.64円を付けました。解除後は反発しています。ドル円相場は現在、1ドル149円台後半で推移しています。
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