三菱UFJ銀行の貸金庫窃盗事件で元行員の今村由香理容疑者が逮捕されました。
今村容疑者の動機はFXや競馬で多額の借金を抱えており、借金を返済するためでした。
今村容疑者はなんと、FXで約10億円の損失を出していました…。
今村容疑者がなぜFXで10億円の損を出したのか、FXのプロの視点から詳しく解説します。
三菱UFJ銀行貸金庫窃盗事件の概要

まず、事件の概要を紹介します。
2024年10月末、一部顧客から「貸金庫内の資産がなくなっている」との訴えがあり、それをきっかけに三菱UFJ銀行では内部調査が進められました。
その結果、今村由香理容疑者による不正行為が明らかになり、三菱UFJ銀行は11月22日に事件を公表しました。
そして、2025年1月14日、今村由香理容疑者は警視庁に窃盗容疑で逮捕されました。
犯行は2020年4月から2024年10月までの約4年半にわたり東京都内の練馬支店と玉川支店で行われ、被害総額は17億円以上、被害者は60人以上に上ります。
盗まれた資産は、現金、金塊(約20キロ)、貴重な宝飾品などで、金塊は犯行が発覚するのを防ぐため、質入れして換金していました。
今村容疑者は犯行当時、支店長代理や営業課長として貸金庫管理業務を担当していました。
この地位を利用して、貸金庫の予備鍵を不正に利用して貸金庫を開錠し、顧客が預けていた現金や貴金属、宝飾品などを盗み出しました。
予備鍵は封筒に入っており、顧客印と銀行印で封緘が施されていましたが、彼女は顧客印と銀行印で封緘を破って、犯行後、封筒を再度糊付けして再封緘して隠ぺいしました。
なお、貸金庫室への頻繁な出入りや長時間滞在、不自然な荷物の持ち込みなども指摘されていましたが、彼女の立場上、同僚らがそれを問題視することはありませんでした。
また、防犯カメラ映像も確認されることが少なく、不正発覚が遅れた一因となりました。
この事件は銀行業界全体への信頼を揺るがすものであり、特に「顧客資産の安全性」に対する不安感を増幅させました。三菱UFJ銀行では頭取を含む複数の経営陣が報酬減額処分を受ける事態となり、再発防止策が急務となっています。
現在、事件は捜査中ですが、被害者本人が貸金庫内の詳細な中身を証言する必要があるため、一部顧客がプライバシー保護や秘密保持を理由に協力を渋る可能性も指摘されています。
このため捜査には困難が伴うと考えられています。
三菱UFJ銀行では、本事件を受けて、貸金庫の予備鍵の本部一括管理、防犯カメラの増設など再発防止策を講じる方針です。
なお、一部では「後手に回った対応」と批判されており、根本的な管理体制改革や経営陣の責任追及も求められています。
この事件は金融機関への信頼性に大きな打撃を与えただけでなく、日本国内外で銀行業界全体への不信感も引き起こしました。
特に「内部犯行」という点で衝撃的であり、多くの顧客が資産管理方法について再考する契機となっています。
また、金融庁による監督責任や業界全体でのリスク共有・対策強化も問われる事態となっています。
こちらの記事で、三菱UFJ銀行貸金庫窃盗事件の概要、犯行手口、今村由香理容疑者の人物像などを詳しく解説しているので、詳細を知りたい場合はぜひご覧ください。

今村由香理容疑者が10億円損したFXとは?

今村由香理容疑者はFXと競馬などのギャンブルにハマって多額の借金をし、借金を返済しFXの損失を補填するために犯行に及びました。
特にFXで10億円も損失を出しました。
FXとはどのような投資なのかについて、解説します。
FXとは?
FX(外国為替証拠金取引)は、異なる通貨を売買し、その差益を得ることを目的とした金融商品です。
少額の資金で大きな取引が可能な「レバレッジ」の仕組みや、通貨の価格変動を利用して利益を狙う点が特徴です。
FXでは、2つの通貨をペアとして取引します。
例えば「USD/JPY(米ドル/円)」の場合、米ドルを買うと同時に円を売ることになります。
価格が上昇すれば利益が出ますが、下落すれば損失となります。
また、現物の受け渡しを行わず、売買価格の差額で決済する差金決済のため、実際に通貨を保有する必要はありません。
なお、各通貨にはそれぞれ金利があり、金利は通貨ごとによって異なります。
この通貨間の金利差をスワップポイントと言い、スワップポイントも利益源となります。
金利差がプラスなればスワップポイントを受け取れますが、反対に金利差がマイナスになればその分を支払う必要があります。
FXの最大の特徴はレバレッジです。
レバレッジは「てこ」のことで、担保となる証拠金をFX口座に預けることで、何倍もの資金で取引できる仕組みです。
例えば、レバレッジ10倍で取引を行えば、10倍の資金量で取引できるので、利益は10倍となります。
しかし、逆に負けた場合は損も10倍となる、諸刃の剣です。
今村容疑者がFXで10億円を損した理由の一つに、レバレッジがあります。
FXには、以下のメリットがあります。
- 少額から始められる:初心者でも1,000通貨単位(約数千円)から取引可能であり、小額資金で始められる点が魅力です。
- 24時間取引可能:世界中の市場が連続して開いているため、平日は24時間いつでも取引できます。これにより、自分のライフスタイルに合わせた投資が可能です。
- 上昇でも下落でもで利益を狙える:通貨価格が上昇する場合は「買い」で入り、下落する場合は「売り」で入ることで、どちらでも利益を狙える点が株式投資と異なる特徴です。
一方、以下のリスクがあります。
- 為替変動リスク:為替相場は経済指標や政治情勢などさまざまな要因で変動します。この予測が外れると損失が発生します。
- レバレッジリスク:レバレッジは資金効率を高める一方で、損失も拡大します。特に初心者は高い倍率で取引すると大きな損失につながる可能性があります。
FXは少額から始められ、高い収益性が期待できる一方で、大きなリスクも伴います。
そのため、十分な知識と慎重に取引する必要があります。
不十分な知識のままトレードすると、今村容疑者のように大損することになるので注意が必要です。


今村由香理容疑者がFXで10億円損した理由

今村由香理容疑者は2013年頃、FXや競馬などで約700万円の借金を抱え、民事再生法を申請しました。
この時点で一度は負債整理を行い、生活を立て直す方向に進んだとされています。
しかし、約1年後、FXを再開しました。
そして、高いリスクを取り、最終的に10億円の損失を出すまでに至りました。
ところで、「FXには損するリスクがあると言っても、10億円も損をするのはあり得ない」と思ったかもしれません。
なぜ彼女はFXで10億円も損をしたのかというと、海外FX業者を利用していたからです。
海外FXとは?
海外FXとは、金融庁に登録していない海外を拠点にサービスを提供するFX業者のことです。
海外FXには国内FXにはない特徴があります。
- 高レバレッジ:国内FX業者は金融庁の規制によりレバレッジが最大25倍までに制限されていますが、海外FXでは制限がありません。レバレッジの高い業者は1,000倍、3,000倍、5,000倍、さらには無制限といった業者もあります。25倍のレバレッジでは満足できない日本居住者が海外FX業者を利用する傾向にあります。
- ゼロカットシステム:多くの海外FX業者では「ゼロカットシステム」を採用しており、相場急変時に口座残高がマイナスになった場合でも追加入金(追証)が不要です。これにより、大きな借金を背負うリスクを回避できます。国内FXにはゼロカットがないため、多額の借金を背負うリスクがあります。
- 取扱通貨ペアや商品が豊富:マイナー通貨やCFD商品(株価指数・原油・仮想通貨など)も取り扱い対象となっており、多様な投資機会があります。
- 豊富なボーナスキャンペーン:口座開設時や入金時にボーナスが付与されることが多く、自己資金を増やすことなくトレード資金を拡大できます。
これらの理由により、国内業者ではなく、海外業者を使う人は少なくありません。
一方、海外FXには大きなリスクがあります。
- 税制面で不利:海外FXで得た利益は総合課税扱いとなり、高所得者ほど税率が上昇します。一方、国内FXでは一律20.315%の分離課税です。
- 保証が不十分:国内FX業者は金融庁の規制により、分別管理や信託保全を行っていない業者が数多くあります。そのため、破綻した場合に預け入れた証拠金が返金されないリスクがあります。
- 出金拒否:海外FX業者の中には出金申請しても出金を拒否するがあります。
- 詐欺:海外には金融ライセンスを取得せずにペーパーカンパニーで運営できる国もあります。なので、詐欺目的で架空のFX業者を設立し、お金を詐取する業者があります。近年、海外FX業者による詐欺被害が増えています。



今村由香理容疑者が大損した理由
今村容疑者がFXで10億円もの大損を出した理由は、海外FXの高レバレッジです。
国内FXは最大25倍なので、最大でも25倍の損で済みます。
しかし、海外FXのレバレッジは1,000倍以上はザラです。
なので、国内FXで25倍のレバレッジを掛けて1万円損したとしても、海外FXでレバレッジ1,000倍を掛けたとしたら、国内FXの40倍のレバレッジなので、40万円損することになります。
もしも5,000倍のレバレッジを設定していたら、200万円の損になります。
これを積み重ねれば、10億円損しても不思議ではありません。
さらに、人間の心理にプロスペクト理論があります。
プロスペクト理論とは損失回避性とも呼ばれ、何としても損失を避けようとする人間心理です。
さらに、損失を避けるためなら、高いリスクを取ることも厭いません。
今村容疑者は海外FXの高いレバレッジで大損してしまいました。
彼女はその損を取り戻すために、さらに高いレバレッジを掛けたり、取引量を増やしたりして、その結果、損を広げたのだと考えられます。
そして、運が悪いことに、彼女は貸金庫管理責任者という立場であったため、顧客の資産を使ってでも、損を取り返そうとしたのだと考えられます。
海外FXはリスクが高いです!
三菱UFJ銀行の貸金庫窃盗事件を犯した元行員の今村由香理容疑者は、FXで大損したのが犯行の動機です。
彼女は海外FXを利用して、約10億円の損失を出しました。
海外FXは国内FXと比べるとレバレッジが高いのが特徴です。
勝ったら国内FXよりも稼げますが、逆に負けたら国内FXよりも大損します。
そのため、ギャンブルの要素が強くなります。
また、海外FXには出金拒否、破綻しても証拠金が返金されない、詐欺などのリスクもあります。
なので、

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