森永卓郎さん死去!死因の原発不明がんとは?

経済アナリストの森永卓郎さんが1月28日、原発不明がんのため自宅で死去しました。

森永卓郎さんのご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。

森永さんが亡くなったというニュースに、驚いた方もいるのではないでしょうか?

この記事では、森永卓郎さんとはどのような人物だったのか、死因である原発不明がんは何なのか、など詳しく解説します。

目次

森永卓郎さんとは?

森永卓郎さんの人物像を知るため、経歴や主張をまとめました。

森永卓郎さんの経歴

森永卓郎(もりなが たくろう)さんは、日本の経済学者、評論家、大学教授であり、その多岐にわたる活動と独特な視点から、日本の経済問題や社会現象に対して積極的に発言してきた人物です。

1957年7月12日の東京都の出身です。

2025年1月28日に67歳で死去しました。

1976年に東京都立戸山高等学校を卒業後、1980年に東京大学経済学部経済学科を卒業しました。

新卒で日本専売公社(現:日本たばこ産業)に入社し、管理調整本部主計課に配属されましたが、その後、日本経済研究センターや経済企画庁総合計画局などに出向し、経済研究の道へと進みました。

1991年には三和総合研究所に移籍し、本格的にエコノミストとしてのキャリアをスタートさせました。

2002年にはUFJ総合研究所(現:三菱東京UFJリサーチ&コンサルティング)に移籍し、主席研究員を務めました。

2006年、獨協大学経済学部教授に就任し、教育者としての顔も持つようになりました。
大学では、経済理論だけでなく、自身の社会経験を踏まえた実践的な講義を行い、学生たちに現実の経済の仕組みや課題を伝えていました。

森永卓郎さんの研究分野

森永卓郎さんの専門分野は、マクロ経済、計量経済、労働経済、経済政策など多岐にわたります。

研究テーマは、マクロ経済政策と雇用政策、ライフスタイルなど幅広く、現代社会における経済問題や人々の生活に関わるテーマに取り組んでいました。

教育者としては、経済理論だけでなく、実社会での意思決定とその影響について、自身の社会経験を踏まえた実践的な講義を行っていました。

また、日本が再び戦争をすることなく、意欲と能力のある人に雇用機会が与えられ、安全で安心して楽しく暮らせる平等な社会の構築を目指していました。

メディア活動と著作

森永卓郎さんはテレビ、ラジオ、雑誌など、多数のメディアに出演し、経済問題をわかりやすく解説してきました。
特に、TBS「がっちりマンデー!」、文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」、ニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー!」など、長年レギュラー出演している番組も多く、幅広い層に支持されています。

また、森永さんには多くの著作があります。
例えば、『書いてはいけない――日本経済墜落の真相』、『ザイム真理教――それは信者8000万人の巨大カルト』、『年収300万円時代を生き抜く経済学 給料半減が現実化する社会で「豊かな」ライフスタイルを確立する!』などがあります。

著作は経済分野が多いですが、『森永卓郎の「マイクロ農業」のすすめ: 都会を飛びだし、「自産自消」で豊かに暮らす』という農業分野の本も出しています。
これは、安全で楽しく豊かに暮らすための”トカイナカ”での自産自消を提案しています。

このほか、子供にも経済のことをわかりやすく伝えるため、『絵本でわかる経済のおはなし バブルが村にやってきた!』という絵本も出しています。

晩年の活動

森永卓郎さんは2023年11月に人間ドックを受け、検査の結果、膵臓がんが見つかりました。
そして、12月27日にすい臓がん(ステージ4)の診断を医師から受けたことを公表しました。

しかし、その後も執筆、講演、メディア出演と精力的に活動を続け、病と闘いながらも自身の考えを発信し続けました。

森永さんはがんの発覚後、1日18時間働いていたそうです。

闘病中に書いた著書の中には『書いてはいけない――日本経済墜落の真相』などがあります。

また、森永さんは死去する前日までラジオに出演していました。
彼が最後に出演したのは、文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」です。

森永卓郎さんの主張

森永卓郎さんは「年収300万円時代」を早くから予測し著書などで主張し、その後「ワーキングプア」が社会問題として注目されることとなりました。

さらに、2000年代後半以降では「年収100万円時代」を予測し、低賃金で勤勉に働くことを強いる社会を批判しました。

また、大企業の下請けイジメを指摘し、強者が弱者から奪う日本の商習慣を指摘しました。

ほかには、男女の格差、産業の格差、職業の格差、年齢の格差、職階の格差、地域の格差、学歴の格差などの格差の拡大も指摘しています。

経済政策については、日本銀行の量的緩和政策と政府による減税および社会投資の前倒しによる景気回復の主張し、小泉・竹中路線の構造改革にに反対し新自由主義や市場原理主義を「弱者切り捨て」として批判していました。

最近では、「新NISAはやめろ」、「日経平均株価は最悪2000円まで暴落する」など、バブル崩壊の警鐘を鳴らしているのがポイントです。

森永卓郎さんは、経済学者、評論家、大学教授として、日本の経済問題や社会現象に対して積極的にメッセージを伝え、多岐にわたる活動を通じて社会に貢献してきました。

彼の残した数々の著書やメディア出演は、今後も日本の経済や社会について考える上で貴重な資料となるでしょう。

森永卓郎さんの最近の主張

森永卓郎さんの最近の主張をまとめました。

株価・経済に関する予測

2025年の株価について、日経平均が2000円程度まで下落する可能性があると主張しています。

その理由として、トランプ氏の再登板による日本への利上げ圧力と、為替市場での円高傾向を挙げています。

具体的には、トランプ氏がアメリカ大統領に再選された場合、アメリカの利上げ圧力が強まり、日本もそれに追随せざるを得なくなると予測しています。また、為替市場では、円高が進むことで日本企業の収益が悪化し、株価下落につながると考えています。

さらに、日銀の利上げは、中小企業や住宅ローンを抱える一般市民にとって大きな負担となり、経済全体の低迷を招くと予測しています。

為替相場の見通し

IMF(国際通貨基金)の購買力平価によると、円の適正レートは1ドル91円であり、現在の為替市場は投機的な動きが99%を占めていると指摘しています。

歴史的に見て、為替のゴール地点は購買力平価に基づくと主張し、「2025年には1ドル70円になってもおかしくない」と語っていました。

投資教育に関する見解

投資教育において「お金が自動的に増えることはない」という基本的な考えを重視しています。

現在の高株価は企業価値に裏付けられたものではなく、根拠なき熱狂に支えられているとし、近い将来、世界の株価が突然10分の1以下になる可能性を指摘しました。

投資教育においては、リスク管理の重要性を強調し、安易な投資話に乗らないよう注意を呼びかけています。

社会問題への発言

社会的な問題についても積極的に発言しています。

例えば、トランプ大統領の就任演説での「この世にジェンダーは2つしかない。男か女か。これ以外は一切ない」という発言に対して強く批判し、「ドラえもんを読め」とコメントしました。

森永卓郎さんは、多様性を尊重する社会の重要性を訴え、ジェンダー問題をはじめとする社会問題に対して積極的に意見を発信しています。

森永さんは最近、株価大暴落の可能性や為替相場の変動、そして投資教育におけるリスク管理の重要性については、多くの人々に警鐘を鳴らしています。

彼の主張は、必ずしも的中するとは限りませんが、その独特な視点と警鐘は、私たちに経済や社会のあり方について改めて考えるきっかけを与えてくれます。

原発不明がんとは?

森永卓郎さんの死因は原発不明がんです。

しかし、原発不明がんは聞き慣れない病気なので、知らない人も少なくありません。

原発不明がんって何?

そこで、原発不明がんについて、わかりやすく解説します。

原発不明がんの特徴

原発不明がんとは、転移したがんであることは判明していても、最初にどの部位に発生したか、詳しい検査を行ってもわからないがんを総称したものです。

日本での罹患数は約7,000人で、がん全体の1~5%と推定されています。女性に少し多い傾向があり、年齢では65歳以上の方に多く認められます。

「原発」という文字があるので、放射能に被ばくしたと勘違いするかもしれませんが、原子力発電所とは無関係です。

発見の多い部位と症状

原発不明がんとして見つかる転移でもっとも多いのはリンパ節転移です。

次いで、肺、肝、骨や脳などの転移が多く見られます。

また、これらの転移が重複してみられることもあります。

頚部(首のまわり)、腋窩部(わきの下)、そけい部(足のつけね近く)などのリンパ節転移は身体の表面付近にあるので気付かれやすく、よほど大きくなければ通常は痛みを伴いません。

原発不明がんの診断方法

原発不明がんの診断には以下のような検査が行われます。

  • 診察(内科、外科、頭頚部、乳房、婦人科、泌尿器科など)
  • 血液検査(一般的項目、腫瘍マーカーなど)
  • 全身のCT
  • 必要に応じてPET検査、MRI検査、超音波検査
  • 上部消化管内視鏡検査、下部消化管内視鏡検査
  • 必要に応じて気管支内視鏡検査

原発不明がんの治療方針

原発不明がんの多くは、すでに進行して転移している状態で診断されます。
その場合には、抗がん剤(薬物療法)を主体とした治療が行われます。

原発不明がんの治療方針は大きく以下の2つに分類されます。

原発不明がんの治療方針
  • 特定の治療を想定できる場合(全体の約20%):
    原発巣が見つからなくても、組織診断と全身の病気の拡がっている部位から推定された原発巣に効果のある特定の治療が行われます。
  • 特定の治療を想定できない場合(全体の約80%):
    特定の治療は想定できず、化学療法や症状緩和の治療が中心となります。

原発不明がんの予後

原発不明がん1,000例の予後解析では、生存期間中央値(全体の50%の患者さんが亡くなるまでの期間)は11ヶ月と報告されています。

予後良好群と予後不良群があり、例えば女性、腺がん、腋窩リンパ節転移のみを認める場合には、乳がんに準じた治療を行い、10年生存割合は約65%と報告されています。

原発不明がんに対する最新の治療アプローチ

各種検査を行っても原発巣が推定できない原発不明がんに関しては標準治療とされる治療はありませんが、腫瘍内科が中心となり薬物療法、症状緩和のための放射線治療などが行われます。

まとめると、原発不明がんの診断にあたっては、原発巣を検索・推定するだけではなく、予後良好群をいかに同定するか、予後不良群であっても治療可能な病状であるかを判断することが重要です。

原発不明がんは、転移したがんであることはわかっていても、元々どこにできたがんか特定できないものです。

症状は転移した場所によって異なり、リンパ節、肺、肝臓、骨などに多く見られます。

診断にはCT検査などが用いられ、治療は抗がん剤が中心となります。予後は様々ですが、早期発見・治療が大切です。

森永卓郎さんまとめ

森永卓郎さんの所属事務所が「1月28日(火)13時33分、原発不明がんのため、自宅にて逝去いたしました」と発表しました。
享年67歳です。

森永さんは経済アナリストとして死ぬ前日まで精力的に活動し、独自の視点と歯に衣着せぬ弁舌で人気がありました。

特に最近ではバブルの崩壊に警鐘を鳴らしています。

また、森永さんの死因である原発不明がんについても紹介しました。
がん全体の1~5%であり、決して珍しい病気ではありません。

森永卓郎さんのご冥福を心よりお祈りいたします。

この記事をシェアする
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

WikiFXでは、テクニカル分析のやり方から、FX会社の安全性に関する情報まで『今日から役立つFXの情報』を幅広く発信しています。
そして私たちは、FX会社アフィリエイトを一切していません。
だからこそ、正しく・信頼性の高い情報を読者の皆様にお届けする自信があります。