イランは4月13日夜から14日未明にかけ、イスラエルに報復攻撃をしました。これは4月1日に在シリアのイラン大使館をイスラエルが空爆したことに対する報復攻撃です。
イランはイスラエルに向け、300機以上の無人機とミサイルで攻撃をしました。イラン革命防衛隊のホセイン・サラミ司令官とイラン軍モハンマド・バゲリ参謀総長は国営テレビで、「イスラエルに対する報復攻撃が完了した」、「作戦が成功した」と発表しました。そして、「イスラエルが反撃した、より厳しい措置で対抗する」と強調しました。
一方、イスラエルは、「イランの攻撃を99%迎撃した」と発表しました。イスラエルによると、イスラエル領内に着弾したのは数発だけで、一部がイスラエル南部のネバティム空軍基地に着弾し、被害は小さいとのことです。
イスラエルは4月14日、戦時内閣による閣議を開き、今後の対応を協議しました。戦時内閣のガンツ前国防相は、「適切な時期に、正しい方法で、イランに代償を支払わせる」と述べました。また、ガラント国防相は、「イランの脅威に対抗するため、戦略的同盟を立ち上げるときだ」と声明を出しました。なお、イスラエルは具体的な反撃については、語っておりません。
イランとイスラエルは長年に渡って代理勢力による戦争をしてきましたが、イランがイスラエルを直接攻撃したのはこれが初めてです。そのため、世界の指導者たちはイランを非難し、中東地域での戦争がエスカレートすることを懸念しています。国連のグテレス事務総長は国連安全保障理事会の緊急会合で、「国家の領土保全や政治的独立に対するいかなる武力行使も国連憲章で禁じられている」と非難し、さらに、「壊滅的な全面衝突の瀬戸際にある」、「今こそ情勢の沈静化、緊張緩和を図るべき時だ」と訴えました。米国のウッド国連次席大使は安保理に対してイランの報復攻撃を非難するよう呼びかけ、数日内に他の加盟国との協議を通じて国連の場でイランに責任を取らせるための追加措置を検討するとしました。
なお、このまま中東の地政学的リスクが高まり、原油高が進めば、円安がさらに進む可能性があります。ドル円相場は現在、1ドル153円台中盤で推移しています。
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