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2024.9.30
【FX知識】リーマン・ショックとは?暴落から学ぶリスク管理
FXでリーマンショックという言葉を聞いたことがない方はおそらくいないでしょう。リーマンショックは、米国で始まり世界全体に拡がっていった歴史的な経済恐慌でした。 日本も大きな打撃を受け、いまだに世界は当時のダメージを引きずっているともいわれています。株式やFXは軒並み大暴落を起こしたわけですが、実のところいったい何だったのでしょうか。気になる方は多いようです。 今さら聞けないから・・・ 長い歴史の中で、暴落は何度も繰り返し発生しています。投資家が長期間生き残るためには、過去の暴落の情報からしっかり学び、次の暴落に備えることが重要です。 今回は読みやすい用語を使って、初心者にもわかりやすく解説します!ぜひ、最後までお付き合いください。 この記事でわかること リーマンショックとは何だったのか チャートで見るリーマンショック リーマンショックで大損した人・大儲けした人 リーマンショックで円高が進んだ理由 リーマンショックの再来はあるのか 今さら聞けないリーマンショックとは? リーマンショックは、2008年から2011年かけて世界を襲った経済恐慌のことをいいます。 大暴落だったことはわかるけど・・・。 何が起きたのかはあまり知らない。 リーマンショックで何があったのか、まずはわかりやすく、楽しめるように解説していきましょう。 リーマンショックとは? リーマンショックとは、簡単にいうと米国の大手投資銀行「Lehman Brothers(リーマン・ブラザーズ)」が経営破綻し、その衝撃から世界経済が巨額のダメージを受けたことをいいます。 リーマン・ブラザーズは、ドイツ出身の3兄弟が1850年に設立した商社。もともとは、兄弟の1人ヘンリーが商店を始めたのがきっかけでした。NY市場にて綿やコーヒーの取引を中心に、融資や投資のサポートを行い、たちまちにして米国を代表する大企業へと成長したのでした。 当時のリーマン・ブラザーズ 出典:Cotton, Mortgages, and the Lehman Brothers - Library of the Congress 米国の商取引で、重要な役割を果たしたリーマン・ブラザーズは1990年代に、低所得者向けのサブプライム・ローンを導入し、米国の住宅バブルの波に乗ります。ピーク時には米国第4位の巨大銀行として名をはせたのでした。 サブプライムローンとは? サブプライムローンとは、信用力が低い所得者を対象に金利を高くして住宅ローンを組むことをいいます。 では、これからリーマンショックを3時期に分けて見ていきます。 2006年~2007年 リーマンショックのまえぶれ リーマンショックのまえぶれは2006年あたりから出ていたようです。 リーマンブラザーズが手掛けたサブプライム・ローンは、2000年台に入ってから、多くの金融機関で採用されるようになっていました。さらに、単なる住宅ローンとしてだけではなく証券化されたサブプライムローンが世界中で売買されていました。 ちょうど、2000年前後は爆発的なハウジングブームがあり、サブプライムローンが急拡大していきます。米国の住宅価格は6年で2倍に上昇。このことが経済恐慌への道を後押しすることになったのです。 住宅価格・騰落率の推移 出典:Percentage Change in Real Home Price Index そして、とうとう過熱しすぎた米国の住宅ローンは、2005年にバブルがはじけて一気に崩壊に向かうのでした。 住宅を担保に高金利でローンを組んでいた、サブプライムローンの利用者たちは、もはや家を売ったとしても返済にあてられない悲惨な状況に陥りました。 この頃、一部のアナリストたちによって、「返済不可能となるサブプライムローンが大量に発生し、米経済が不測の事態に陥る」ことが懸念され始めます。 収入に対する住宅ローン・負債率の推移 Aggegate Household Debt as a share of Disposable Personal Income Mortgage debt (住宅ローンの負債) Consumer debt(一般消費の負債) バブル以降の米国経済は、減税による税収の減少と住宅購入の過剰消費による経常赤字が問題視されていました。ニューヨーク大学の経済学者 ヌリエル・ルービニは2007年からサブプライムローンのひずみが表面化することを予告します。 2007年バリバ・ショック リーマンショックの決定的なまえぶれは、2007年8月にフランス大手金融のBNPパリバがファンドの解約を凍結したことから始まります。この事象によって、サブプライムローンへの懸念が悪化していくのです。 日本でも、2006年あたりから米経済を危惧する声が上がり始めます。それでもまだ、2008年に入るまでは、米国市場の落ち込みを一時的なものとする見方が優勢でした。 具体的な措置がされないまま、サブプライムローン崩壊の深みにはまっていくのです。 2008年リーマンブラザーズの経営破綻 2008年に入るとしだいに事態は軽視できない雰囲気に。経営破綻寸前にある金融機関が名前を連ね始めます。米国の経済状況は思った以上にきびしい状況にあることが判明していくのでした。 まず、皮切りに2008年3月、Bear Stearns(ベア・スターンズ)という有名なヘッジファンドが経営破綻を起こします。衝撃を受けているうちに、Indy Mac、Fannie Mae、Freddie Macなどの投資・銀行系が立て続けに破綻寸前の状態であることを表明。 2008年 9月15日に破産宣告 出典:Lehman Brothers:When the Financial Crisis - CNN そして、いよいよ2008年9月15日、リーマンブラザーズが経営破綻を発表します。 リーマンブラザーズ、2008年9月15日に破産宣告! 世界全体で雇用者数25,000人! 負債額6,100億ドル以上(約75兆円)! 取引市場、約10兆ドル(約1,500兆円)の損害! 引用元:The Collapse of Lehman Brothers - Investpedia 57兆ドル規模(8,000兆円)の取引市場に深くかかわっていたリーマンブラザーズの退出に、世界は震えおののきパニックに陥りました。総額で、市場は約10兆ドル(約1,500兆円)の損害を受けたといわれています。 ここにきて事態が抜き差しならない状況にあることを改めて知らされたわけです。 数日前から倒産の噂は流れていて、発表前夜には金融関係者は徹夜で報道を待ち受けていたとのこと。 ダメ押し的にAIG、JPMorgan、Goldman Sachs、バンク・オブ・アメリカなどの超大手系も、かろうじて倒産はまぬがれたものの、いつ経営破綻を発表してもおかしくない状況ときます。 出典:The next financial crisis - USA TODAY 市場では、第2のリーマンショックとなる企業がどこなのか、噂が絶えませんでした。 Morgan StanleyのCEO、John Mackは、リーマンブラザーズ倒産の報道を受けて「次はうちだ。」と対策に急いだとのことです。 引用元:Major Players in the 2008 Financial Crisis - Investpedia 多くの金融機関にとって、リーマンブラザーズの崩壊はけっして他人事ではなかったわけです。明日はわが身と必死で策を練ったといいます。 2009年~2011年 リーマンショックの後 その後、リーマンブラザーズの経営破綻は、2009年以降も、じわじわと世界経済をどん底へと導いていきます。 というのも、サブプライムローンの打撃を受ける以前に、米国では「ドットコムバブル」が始まっていて、欧州では同時期にスペインやノルウェーなどの「欧州金融危機」が進み、日本でも一足早く「不動産バブルの崩壊」が始まっていたからです。 リーマンショック以前の経済打撃 ドットコムバブル(米国) 金融危機(欧州) 不動産バブル(日本) リーマンショック・タイムライン(2007年~2010年) 出典:Financial Memory Lane - Pew Research Center 相次ぐネガティブなニュースがありながらも、具体的な救済措置を見送っていた米国政府は、「これら米大手を倒産させるわけにはいかない!」とようやく助け船の出航に乗り出したのでした。 リーマンショック再発に向けた経済対策 2009年に入ってからも下落の痛手をひきずり、もっと早くに対策をとらなかったことが反省されました。これを機に米国の大規模な金融支援策など、経済恐慌への対策が徹底して打ち出されました。 政策金利の大幅引き下げ 不良資産の買取 資本注入 債務保証 引用元:「緊急経済安定化法」「ボルカー・ルール」「金融規制改革法(ドット・フランク法)」 政府の介入を得て、徐々に米経済は持ち直しへと向かいます。G7、G20の経済主要国も政策で協調し、世界は回復の兆しを見せていくのでした。 米国政府が行った、金融機関への救済措置は手始めに7,000億ドル(約90兆円)、総額12.8兆ドル(約3,000兆円)が費やされたと報告されています。 日本でも、経済回復に向けてさまざまな対策がとられました。 出典:リーマン・ショックダイアリー - 日経新聞 定額給付金などの生活支援に26.9兆円、減税や資金注入などの緊急対策に37兆円、再エネ導入やまちづくり支援などの経済危機対策に56.8兆円と、事業規模の総額120.7兆円(国費24.4兆円)にのぼる経済対策を発表しています。 以上がリーマンショックの大まかな流れです。 参考文献・資料 Cotton, Mortgages, and the Lehman Brothers - Library of the Congress Nouriel Roubini:金融危機前の「予言」と危機後の処方箋 - 東京大学金融教育研究センター Too big to fail - Investpedia FXに衝撃!チャートで見るリーマンショック では、ここで、リーマンショックの衝撃がどれくらいすごかったのか、株式をはじめ、メジャー通貨・マイナー通貨の暴落ぶりをチャートで見ていきます。 うわー!こんなにひどかったんだ! ※当時の大パニック売りをきっかけに、金融取引市場では急激な価格変動を食い止めるために一時的に取引を停止するサーキットブレーカーが適用されるようになりました。 リーマンショックの衝撃 株式 リーマンショックの経営破綻で最も打撃を受けたのが株式市場です。米株式市場を代表するNYダウの下落率は50~60%近くを記録し、価値は約半分に減少しました。 ダウ・ジョーンズインダストリアル平均株価(日足チャート) 2008年9月以降の世界株式の動向 出典:2008年9月以降 内外の株価の動向 - 内閣府 株式市場では米国の余波を受けて、日本・ドイツ株式の落ち込み・長引く停滞が目立ちました。 過去の大暴落の下落率 出典:2000年以降の日経株価を振り返る - 大和ネクスト 2000年以降ではリーマンショックの下落率は最大規模で、新型コロナウイルスを上回ります。 リーマンショックの衝撃 FXメジャー通貨 長期で見た時に特筆すべきなのがドルの暴落です。米国の金融機関への不信感・不安感は想定以上に長引きました。 株式が2011年あたりから回復を見せたのに対して、ドル円は2007年から2013年までの約5年間下がり続けているのです。 USDJPY 週足チャート 2008年のリーマンショックは、ドル売り・円買いに火をつけ、2012年1月には76.76、2013年に入ってからも100円以下の推移が続いています。 その他メジャー通貨 週足チャート その他メジャー通貨では、2007年の高値からAUDJPYが短期的に45%下落、EURJPYも数年にわたって安値を更新しています。 リーマンショックの衝撃 FXマイナー通貨 マイナー通貨においては、リーマンショック時の打撃はメジャー通貨よりも激しかったことがチャートにて明らかです。 TRYJPY 週足チャート TRYJPYは、2007年には何と90円以上で推移したところ、99.18から40.60の半分以下に価値を失いました。 その他のマイナー通貨においても、CNY(中国人民元)などのごく1部の通貨をのぞくと、総じて回復しきれていない状況にあるようです。リーマンショックをきっかけにマイナー通貨はメジャー通貨に対して長い下落基調が続いています。 短期間で一気に相場が落ち込んだことに加えて、じわじわと長期にわたってショックが長引いたことが、リーマンショックの大きな特徴であり恐ろしい点だといえるでしょう。 ドルがいつかは上がる、という一般的な観測から大損したトレーダーが続出したのです。 リーマンショック大損・大儲け 衝撃のコピペ では、ここで、実際に投資家やトレーダーはどのようなダメージを受けたのか、口コミや投稿からリアルな声をご紹介しましょう こんなことは滅多にないからこそ、痛手も大きいのです。 リーマンショックですべてを失ったケース:5チャンネル まずは、5チャンネルからいくつか見ていきます。 115円でロングのエントリー! by 5ちゃんねる ドル115円で安値だと判断し、ロングで入って損したケースです。しかし、94万円の損失なら、まだ立ち直れそうです。 FXロスカットで離婚にまで発展 by 5ちゃんねる 上記は、元手2,000万円でFXをスタートし、リーマンショックの真っただ中にロスカットされたケースです。金額が金額だけに、離婚問題にまで発展してしまいました。そもそも自宅を担保にトレード資金をつくった時点で無謀だといえるでしょう。 一生懸命働いて稼いだお金が・・・ by 5ちゃんねる by 5ちゃんねる 貯めたお金をすべて失って、自暴自棄になってしまったケースがリーマンショックの時期にたくさん投稿されています。おそらく損失が出れば出るほどに、ムキになった結果ではないでしょうか。 1200万の損失から見事に復活したトレーダーも 一般的には、FX損失で自分を見失ってしまうケースが多いのですが、中には損失をきっかけに転職・トレードスキルを身に着けて、勝ち組に挽回したケースもあるのです。 外為どっとコムのインタビューでは、リーマンショックで1200万円を失い、残った200万円から損失を取り戻して復活したYTK氏の実話が公開されています。TYK氏はIT技術者として働きながら、「大きめのロット、12時間体制のスキャルピング」で収益が安定するようになったとのことです。 リーマンショック時の1,200万円からの復活談はこちら 大損からレベルアップできるケースもあるということですね。 リーマンショックで大儲けした人 ちなみに、リーマンショックの大暴落を狙って大儲けした米投資家の話が映画化されています。「マネー・ショート 華麗なる大逆転」という米国の映画で、日本語の字幕付きで見ることができます。 2005年あたりから住宅バブルを予測していた4人の米投資家が、リーマンショックを機に4,000億ドルを稼いだというストーリー。自分の確信を疑わずに、最後まで信念に基づいて動いたことが成功につながった実話です。 興味がある方は、トレードの勉強も兼ねてぜひご覧になってみてください。 「マネー・ショート 華麗なる大逆転」の詳細はこちらから リーマンショックでFX口座開設が急増した!? 夢のような成功談はあっても、一般的には5年以上続いた円高相場(ドル暴落)にて、底を狙った負け組トレーダーがこれでもかと続出したようです。 米ドルのロングポジションと円高 出典:外為証拠金取引の再拡大 リーマンショック後 - 第一生命経済研究所 第一生命経済研究所のリーマンショック時の為替取引調査によると、2009年あたりから下がりきったドル円を目の当たりに、「国内のFX会社における新規口座開設とロングのポジションが急増している」とのこと。それに反比例してドルはその後も下落を続けたため、大損したトレーダーが急増してしまったのです。 注意しておきたいのは、大暴落で大損するのはリーマンショックだけではありません。下記の記事で、さまざまケースをご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 なぜリーマンショックで円高が進んだのか チャートでも見てきたように、リーマンショック以降は長期にわたってドル円は大きく下降しました。経済がとことん低迷し、資金が急激に流入したのが円だったわけですが、なぜ円が買われたのでしょうか。 ここでは、円が買われた理由を3つのポイントから見ていきます。 円が買われた理由1.投資家から安全だと評価された 2008年9月から3か月で円は18円上昇、ネガティブ要因となりがちな東日本大震災があったにもかかわらず、2011年3月には75.32円の高値をつけています。 当時、日本円に資金が流入した理由の1つに、安全性への評価が高まったことが挙げられています。日本は、リーマンショックによる経済打撃が、欧米に比べて小さかったため、金利差やインフレ格差などのファンダメンタルズの要因よりは、消去法で欧米よりも安全だと判断されたのです。 日本銀行の分析でも、ファンダメンタルズでは円高の説明がつかないと公表。投資家の主観的な評価の引き上げによるところが大きいとしています。 先進国の政策金利の推移 大規模な金利差時代 - マネックス証券 日本の保守的・慎重すぎる金融政策は、世界経済が活況な時には魅力に欠け、円は売られる傾向にあります。 しかし、一方では「有事の円」とも呼ばれ、欧米経済が弱まった時には「安全通貨」「リスク回避先」として買われることが多いのです。 円が買われた理由2.対外純資産は世界ナンバーワン もう1つ、円が買われる理由となるのが、日本は対外純資産の金額が極めて高いことです。 「対外純資産」とは、政府や企業が保有する海外資産から、負債額を引いた金額のことで、日本は30年以上も「対外純資産額」で世界トップの位置にあります。万が一の時には、売却する海外資産が負債額を上回るため、経済破綻に陥るリスクが低いと見なされているのです。 円が買われた理由3.東日本大震災が円高を加速させた さらに、リーマンショック後に円高が加速したのは、東日本大震災が起きたことです。大震災などの自然災害は、一見すると円売りの要因となりそうですが、当時の見解は違いました。 対外資産で世界トップをいく日本の中でも、とくに大手損害保険会社の海外資産保有率が高いことが世界的に有名です。震災後にマーケットでは「損害保険会社が保険金の支払いのために海外資産を売却する」とのうわさが飛び交いました。実際のところ、そのような事実はなかったようですが、噂が先行して円買いを促したとのことです。 以上のような理由から円に多額の資金が流入したのがリーマンショックの一面です。 リーマンショックの再来はある? さてここにきて気になるのが、果たしてリーマンショックのような経済恐慌が近いうちに再来するか、ということではないでしょうか。言い換えれば、円高相場の再来は来るのか?という問いにもなり得ます。 今後の経済恐慌の再来・円高の可能性をリサーチしてみました。 リーマンショック前と現在の状況は似ている!? ここ1,2年は米国の金利上昇によるドルの上昇が目立つ一方では、高金利による米中銀・金融機関の損失や消費者の過剰なクレジットカードやローンの負債が時々指摘されています。 「過剰な消費」「過剰な負債」という観点から見れば、リーマンショックを連想させる出来事やニュースも少なくないようです、現在の状況を当時とだぶらせる予想や見解もちらほらと出てきています。 2023年5月、米地銀とCredit Swissの崩壊 直近でリーマンショックを連想させた大きな出来事は、2023年5月、SVB(Sillicon Valley Bank)、Signature Bank、First Republic Bankなどの米地銀の崩壊。そして、Credit Swissの経営破綻です。 米政府や大手金融機関による地銀の救済や、Credit SwissとUBS(Union Bank of Switzerland)の合併にて最悪の事態は切り抜けました。 FED(米中央銀行)は、現状ではリーマンショック時とは全く異なるため大事には至らないと表明しています。 米金融機関の損益状況 出典:Banks Unrealized Loss - CRS Report その後、市場にはポジティブなムードが戻ってきてはいるものの、2022年~2023年にかけて米金融機関が抱える有価証券(各種金融商品)の含み損は、リーマンショック時の約7倍に拡大しているといいます。 上昇し続けるドルとは裏腹に、けっして楽観はできないと警告する声も聞かれているのです。 JPモルガン:ジェイミー・ダイモン JPMorganのCEOジェイミー・ダイモンは、行き過ぎた米政府の財政支出と、進む脱ドルや欧米のリーダーシップの脆弱さを指摘。米経済が近い将来危機に陥ることを、再三にわたって警告しています。 引用元:JPMorgan forecast unavoidable crisis for US dollar - Whatcher Guru とくに地政学リスクからくる、ドルの下落は避けられないとの見解です。 投資の巨匠:ウォーレン・バフェット 世界トップクラスの投資家、投資の神様とも呼ばれているウォーレン・バフェットは、リーマンショックを早くから予告していたエコノミストの1人です。 バフェットは、2023年に米国の商業系不動産の危機を予告しています。金利の上昇や住宅価格の高騰から、今じわじわと経済恐慌の火種を温めているようだ、と言っています。 引用元:Warren Buffett warns of commercial real estate crisis - Ticker News 拡大する米国の負債額 https://x.com/BruceIkeGold/ 米国の負債はリーマンショック時には8000億ドルにのぼり、GDPの7%に達したことで経済の脆弱性が問題視されたわけですが、現在ではそれをはるかに超える危険な状況にあります。 米国の負債額(GDP比) 出典:米政府債務は持続不可能 - Bloomberg 米議会予算局(CBO)の予測では、このペースでいけば2034年には対GDP比で123%まで上昇し、さらに悪化していくとの見方。かつてないほどの急ピッチで、米国の負債は拡大しているとのことです。 100万通りのシミュレーションを試みても、88%の確率で米国の債務状況は持続不可能な道に進むことが予想されているのです。 仮にもし、米経済の破綻っぽい事態が起こるとすれば、それこそ超慎重に利上げを回避して、コツコツと石橋を叩きながら海外資産を貯めこんできた日本円に再び注目が集まる可能性は高いかもしれません。 参考文献・資料 Fed Is Talking to Banks with High Levels of Uninsured Deposits - Brron's 米政府債務は持続不可能 - Bloomberg リーマンショック再来のリスクに備えるには? それでは最後に、リーマンショックのような万が一のリスクに備える方法をご紹介しておきましょう。 大規模な経済恐慌に備える方法は意外とシンプルです。 投資資金をすべて使わないこと → つねに余剰の投資資金を確保しておく! 低レバレッジを心がける → ロスカットに合う確率が低くなる! 十分な証拠金維持率を心がける → 定期的にポジション・証拠金のチェック! 多方面に投資をしておく → 大損しても他からの収益が期待できる! 生活資金・貯蓄には手をつけない → 投資資金と生活費、貯蓄を完全に分離しておく! FXで生き残っていくためには、こまめな資金管理がかかせないということです。 以下の記事では、FXで借金してしまった話や、FX資金管理の方法を解説しています。ぜひ、この機会に合わせて読んでおいてください。 まとめ いつ何が起きるのか誰にも予測はできないため、FXなどの投資には常に危険がつきまといます。 しかしながら、相場が暴落して口座残高がゼロになったとしても、余剰の投資資金を確保していれば、逆に暴落を利用して稼ぐことも可能。分散投資から負け分が補えることもあります。 このような投資判断が、投資家の“生き死にを分ける”と言っても過言ではありません。 少なくとも生活費や一定額の貯金を完全に投資資金と分離しておくならば、どんなに大恐慌が訪れたとしても、何とか切り抜けていけるはずです。 リーマンショックで何が起きたかを知った今、万が一の事態に備えて、リスクマネージメントを怠らないことが身を守る最大の方法だといえるでしょう。
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2024.9.30
たむの週間分析レポートEURUSD|2024年9月30日
4H足分析 EURUSD 4H足チャート 現在の日足以上の足では上昇トレンドを形成していますので、基本的に上昇戦略に重きを置いた分析をしていきます。 話を4H足に戻しますが、今はぱっと見上昇トレンドを形成しているように見えます。 これで日足と4H足のトレンド方向が合致していることになりますので、セオリーである順張りを狙っていける相場にあります。 高値と安値は大きい流れでの高値は1.12000、安値は1.1000です。 小さい流れでは高値は同様に1.12000、安値は1.11320を記録しており、このレートを元にダウ理論を判断していきます。 高値の部分に注目していただきたいのですが、大小両方とも1.12000でストップしており、1度反発し、今2度目のチャレンジをしている所で、とても堅い、意識されたレートであると判断する事できます。 しかもこのレートは前回の高値であり、トレンド継続の判断基準になる大事なレートです。 今までしっかりと安値の切り上げを行っているので、トレンドの勢い自体はありそうですが、このままじわじわと抜けていくには少し疑問が残ります。 小トレンドで2回底をついている場所をダブルボトムとして認識している場合は、ネックラインであることが追加されます。 そうなると1.12200あたりまで上昇したのち、押し目を形成するパターンが予測されます。 もう一つの可能性としては、現レートから一度大きく下降して反動をつけてから再上昇するパターンが挙げられます。 そうなると、安値切り上げが崩れるので分かりやすいと思います。 どのパターンになるのかまだ予測がつきませんので、いろいろな角度から分析し、起こったことに対して対処するように意識しましょう。 15M足分析 EURUSD 15M足チャート 15M足では、Wボトム疑惑のある場所を拡大しています。 こう見ると、全体的に高値安値を切り上げながらではなく、一気に動いているような、大きな動きであることが分かります。 大きく動いていても、1.11320で3回もストップしており、こちらのレートも意識されているレートと判断しても良さそうです。 もし4H足で想定したWボトムのパターンであれば、1.11320を割ることはないので、再上昇へ向けて予測しやすい相場になるかと思います。 もし割ってくるようであれば、もう一つのWボトム否定の大きな下落の後での上昇のパターンになります。 15M足を見ても最終的に絞り込めないので、一つのパターンを思い込むのではなく、様々なパターンを想定して、動きに合わせて戦略を変更できるように柔軟に待っておくようにしましょう。 現在のEURUSDの値段 TradingView提供のEURUSDチャート
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2024.9.27
【ヒロセ通商】損切り設定のやり方を画像付きで丁寧に解説
やっぱり、損切りしておくべきだった! 下がり続けるチャートを見ながら、損切りしなかったことを心から悔やんだトレーダーは少なくないでしょう。損切り設定しておくことで少なくともロスカットは回避できます。 ヒロセ通商で損切り設定するのはどうすればよい? 損切りの設定方法は、FX会社の取引ツールごとに異なりますが、基本的な操作はほぼ同じです。今回は、ヒロセ通商(LION FX)の損切り設定のやり方を画像つきで丁寧に解説していきます。 ヒロセ通商じゃない方も参考にしてください。 この記事でわかること ヒロセ通商で一番簡単な損切り設定 ヒロセ通商の損切り設定の応用編 損切りと利確の設定はどれくらいがベスト? ヒロセ通商で損切り設定を削除・変更する方法 ロスカットで資金の大半を失ってしまうくらいなら、いさぎよく早めの損失を確定させておいた方がマシです。 ヒロセ通商での損切り方法を、この記事では紹介していますが、ヒロセ通商以外の方にも参考になる内容となっています。 ぜひ、この機会に読んでおいてください。 ヒロセ通商で損切りを設定する一番簡単な方法(基礎編) わずかな金額でも惜しいと思うのが人の心理です。できればぎりぎりまで待ちたいものですが、リーマンショックやスイスフランショックのような大暴落がいつ起きるか、誰にも予測はできません。 早めの損切りで、被害を最小限に抑えていくリスクマネージメントがFXでは重要です。 FXで注文を入れる方法は、「指値」「逆指値」「成行」の3つが基礎。 まずは、注文方法の基礎を確認しながら損切りの設定方法を見ていきます。 損切り設定は、「逆指値注文」を使うのが一般的です。 ヒロセ通商(LION FX)では、どのように設定するのか、画像で詳しく解説していきます。 通貨ペアでポジションを持つ時に損切りを設定 まずは、通貨ペアの売買でジションを持つやり方から見てみましょう。 FXトレードを始める時には、最初に「買い」か「売り」かで、エントリーの注文を発注します。 エントリーとは 新規でポジションを持つことをエントリー、ポジションを決済することをエグジットといいます。 ポジションを持つ時に、あらかじめ損切りを設定しておくことができます。 1.エントリーと決済注文 通貨ペアを買うか売るかで、エントリー注文を行います。 エントリーは注文画面から メニュー「注文」をクリックして、「買い注文」または「売り注文」のどちらかを選択します。次に「通常/IF」のタグを選択して、一番上の段の「指値」からエントリーの発注を行います。 次に「決済DONE」から決済注文を入れる エントリーの注文を入れたら、次に決済注文で利確と損切りを設定します。 決済は下の段の「決済DONE」から可能です。タグを選択して利確は「指値」、損切りは「逆指値注文」で発注します。 指値…売買注文を入れる 指値(決済DONE)…決済注文を入れる 通常/IF・決済DONEとは? メニューにある「通常/IF」「決済DONE」とは、「指値」や「逆指値」でエントリー・決済・損切りを設定する「IF DONE(イフダン)注文」を指しています。「もしこうなったら(IF)注文する(DONE)}という意味です。 逆指値で損切りを設定 エントリーと決済の注文を入れたら、次に「逆指値」で損切りを設定します。 逆指値(決済DONE)…損切り注文をする 「決済DONE」から損切り注文を入れる 決済の欄の「指値」をクリックすると「逆指値」が選択できるメニューが出てきます。 逆指値が表示されたら、損切りしたいレートを入力します。逆指値は、現在値よりも損失の方向にしか設定できませんので注意してください。 「買い」でエントリーした場合は、下降した場合の損切り値、「売り」でエントリーした場合は、上昇した場合の損切り値を設定してリスクに備えるわけです。 WikiFX 作成 例えば、USDJPY(usdjpy)を145円で「買いエントリー」した時には、設定するレートは143.70、144.00など買値よりも低いレートです。 WikiFX 作成 反対に145円で「売りエントリー」したとすれば、146.20、145.90など買値よりも高いレートで損切り注文を入れます。 損切りレートの設定例 USDJPYを150.0で「買い」… 143.0まで上がったら損切り USDJPYを145.0で「売り」…147.0まで上がったら損切り 各注文の入力が完了したら、あとは、確認ボタンを押して注文を執行するだけです。各種詳細に間違えがないか確認するようにしましょう。 あと、ヒロセ通商(LION FX)では、pipsや損益から損切りレートを決めることもできます。 損失がいくらになったら、損切りする!という決め方ですね。 pipsや損益から損切りが設定できる pipsで値動きの幅をを入力すると、損失額が自動計算されます。損失額や値幅を目安に希望するレートで損切り設定が行えます。 pipsを入力して損切りを設定 「決済DONE」→「逆指値」→「pip差」にて、pipsの値幅をクリックすると設定画面が出てきます。任意の数値を入力して「OK」で確定すると、損益額が自動で計算され、レートが表示されます。 例えば、反対方向に500pips動いたら損切りしたい時には、「pip差」に「500」と入力すれば、予想損失額は「-500円」で、レートが142.304の時に損切り注文が執行されます。 pipsや損失額を見ながら、損切り設定ができるので、リスクマネージメントや資金管理が行いやすいのです。 レート一覧からも注文できる 注文画面は、レート一覧からも表示できます。 レート画面から注文する レートに表示されている「BID」または「ASK」をクリックすると注文画面が表示できます。 チャート画面からも注文画面は表示できる メニュー「注文」「レート一覧」以外では、「チャート画面」からも注文画面は表示できます。チャート上で右クリック、メニューから「買い注文」か「売り注文」を選択すると注文画面の表示が可能です。 エントリーから決済・損切りまでを、「指値」「逆指値」で発注するやり方が、FXの最も重要な基礎です。 使いこなせるように操作方法を確認しておきましょう。 成行で損切りする方法 「指値」「逆指値」で注文ができるようになったら、成行注文でエントリーして損切りを設定することもできます。 成行注文とは 成行は、注文を入れた時のリアルタイムのレートでポジションを持つ注文方法のことをいいます。 成行注文は、即時で「買い」や「売り」が確定するため、デイトレードやスキャルピングの短期トレードで愛用されている注文方法です。注文を入力する時間が惜しい時や、チャートの流れを見て、その場でポジションを持ちたい時に有効です。 中長期のトレードにおいても、価格変動してタイミングを待つのが面倒な時には、成行注文が好まれています。 成行注文でエントリー 成行注文では、その時々のリアルタイムのチャートの動きを見ながら、先行きを予想分析し、その場で「買い」か「売り」かの結論を出すのが特徴です。 成行注文のエントリー 今から上昇に向かうだろう… 成行で「即買い」 今から下降に向かうだろう… 成行で「即売り」 クイック注文やストリーミング注文 ヒロセ通商では成行注文は「クイック注文」と表示されています。成行注文は、FX会社によって「ワンクリック注文」「スピード注文」「ストリーミング注文」などで、よりスピーディーな約定を提供するケースもあります。 成行注文のやり方は、メニュー「注文」→「クイック注文」を選択。注文画面を表示して行います。 次に、注文画面が出てきたらリアルタイムレートを見ながら、ロット数(lot)・許容スリップの入力です。次に、希望するレートで「即買注文」か「即売注文」のボタンをクリックします。 注文ボタンをクリックすると即時でポジションが決まります。 許容スリップとは? 許容スリップとは、スリッページが発生した時にどれくらいのレートのズレならOKかを設定するものです。取引が少なすぎる時や多すぎる時には、即時注文でも大幅にレートがずれることがあるからです。 ポジションを持ったら、次は、成行注文で決済・損切りを設定します。決済・損切り注文は、ポジション一覧から操作できます。 決済・損切りはポジション一覧から 各種ポジションを表示させる方法は、メニュー「ポジション一覧」を選択して、決済したいポジションの上で右クリックです。プルダウンメニューの一番上にある「成行決済」をクリックして、決済画面を出します。 成行の決済画面を出したら、決済も損切りもリアルタイムでレートを見ながら、いつでも執行できます。その場で判断して「成行決済」のボタンを押すと、利益や損失が確定します。 成行の損切りは、知らないうちに損失が拡大するリスクがあるため、逆指値に比べて安全性は低いです。また、損切りをするつもりでいても、つい含み損のまま保有してしまうことも多くなります。 後から「逆指値」で損切りを設定する 他にも、成行でポジションを持ったあとで、しばらく様子を見てから「逆指値」で損切りを設定するケースもあります。ヒロセ通商の設定方法を見ていきましょう。 あとから損切りを設定したいときは、メニュー「注文」→「決済注文」→「決済DONE」の画面から行います。 決済注文の画面を表示する 決済注文の画面を出したら、あとは、逆指値のレートを指して発注です。 成行注文はエントリーの際に損切りを設定しよう 成行注文の場合は、24時間、チャートを見続けるわけにはいきませんので、エントリーするときに損切りを「逆指値」で入れておく方法がおすすめです。 成行でポジションを持った後すぐに、「逆指値」で損切りを設定しておけば、含み損が拡大しすぎて損切りしづらくなる、という状況も避けられます。 ヒロセ通商の損切り設定を他にも覚えよう(応用編) ここでは、応用編として様々なタイプの損切り設定をご紹介していきます。「逆指値」や「成行き」以外の損切り方法も覚えておけば、状況に応じて便利に活用していけます。 どんな方法なのか、各注文のやり方を今後の参考に見ておきましょう。 トレール注文で損切り設定 トレール注文とは、一度設定したpips(値動きの幅・値幅)の損切り設定が、ポジションの方向に変動しながらもそのまま維持される注文方法のことをいいます。 損切りの値幅が繰り上がっていくイメージ 例えば、買いのポジションで300pipsの損切りを設定したとすれば、価格が上昇した場合も「300pips」の損切り設定が上昇に合わせて繰り上がっていくイメージです。 WikiFX作成 含み益が出ている状態でも、300pips下降すると決済(損切り)される仕組みですから、いったん上昇に向かった後で利益の取りこぼしが避けられます。下降したとしても、一定以上の利益が期待できるのです。 トレール注文のやり方 メニュー「注文」→「決済注文」を選択します。ポジション一覧が表示されますので、各ポジションの詳細を確認して、損切りしたいポジションにチェックを入れます。 メニューから「トレール決済」を選択して、値幅を入力します。確認画面で入力内容を確認し、問題がなければ「注文送信」で発注です。 トレール注文とは? - ヒロセ通商 OCO・IFDONE注文で損切り設定 次に、将来的に活用したい注文方法として見ておきたいのがOCO注文とIFDONE注文です。 IFDONE(イフダン)注文の特徴と設定方法 IFDONE注文のイメージ WkiFX作成 IFDONE注文とは IFDONE注文は、「新規ポジション」と「利益確定」「損切り設定」と2つ~3つの注文を同時に入れておく方法です。チャートを見ていなくとも、各自の戦略に沿って自動的に取引できます。 忙しくて、なかなかトレードの時間がとれない方や、寝ている間もトレード機会を逃したくないアクティブ派に最適です。 IFDONE注文で「決済」「損切り」するやり方は、「指値」「逆指値」の項目で解説しています。新規ポジションのエントリーも「買い注文」→「通常IF」「指値」で指定することができます。 OCO(オーシーオー)注文の特徴と設定方法 OCO注文のイメージ WIKIFX作成 OCO注文とは 「指値」「逆指値」「トレール」を組み合わせて、2つの注文を同時に入れておく方法を指します。どちらの方向に行くか全くわからない時に入れておけば、取りこぼしを防ぎ、損失も最小限に抑えられます。 新規ポジションの際に2つの注文、決済の際に2つの注文と入れて、どちらか一方の注文が決まると、他方はキャンセルされる仕組みです。損切り設定にはOCOの逆指値とトレールが使えます。 OCOで損切りを入れたい時は、メニュー「取引情報」→「ポジション一覧」から設定可能です。ポジションにチェックを入れて「右クリック」→「OCO注文」で設定画面が表示されます。 OCOで指値決済とトレール損切りが設定できる WikiFX作成 メニュータグ「OCO注文」を選択して、「OCO1…利確」で指値決済、「OCO2…損切」で逆指値・トレールの損切り設定ができます。 ひとまずは、こんなやり方もあるって覚えておいてください。 時間指定‐成行注文 他にも覚えておきたいのが、時間指定の成行注文です。 時間指定成行注文とは 時間指定成行注文とは、「買値」や「売値」ではなく、指定した時間に成行でエントリー・決済注文を入れることをいいます。時間指定注文とも呼ばれています。 爆発的な値動きが期待できる雇用統計や政策金利の発表、その他、各種経済指標の発表やニュースメディアの情報を基にトレードしたい時に利用されています。大きなトレード機会がゲットできるとメリットとは裏腹に、あくまでも成行ですから、いくらで決まるかわからなリスクがあります。 価格がわからないため、結果的に損切りになることはあっても、安全に損切りする方法としては不十分です。価格はどうあれ、とにかくポジションを決済しておきたい時に役に立つでしょう。 時間指定‐指値・逆指値 経済指標時の注文方法として、時間指定で「指値」「逆指値」を入れる方法もあります。時間指定の成行と組み合わせて売買されるケースも多く、損切りの設定にも使えます。 時間指定の指値・逆指値とは? 「時間指定の指値」は、指定した時間中に指定した価格になった時にエントリーや決済を行います。「時間指定の逆指値」は、指定した時間に、指定した価格にてエントリーや損切りを行います。 例えば、発表が予想を上回った時は価格が高騰しやすいため、「時間指定の指値」で利益を狙います。一方では、発表が予想を下回った時には価格が急落しやすいため、「時間指定の逆指値」を入れておくというやり方があります。両建て手法に近いやり方です。 入念な情報を収集を行い、各自のシナリオに沿って売買していくのが特徴です。 トレード経験が豊富な方向けのトレード手法です! 時間指定注文は、やや複雑でリスクが高いため初心者にはおすすめできません。 スマホアプリで損切り設定 この機会に、ヒロセ通商でぜひ覚えておきたいのが、スマホアプリの損切り設定です。FXは24時間稼働していますので、外出先における、いざという時のスマホの損切りが大変重宝します。 スマホで損切りするやり方は、ポジション一覧から保有中のポジションをタップして、「決済注文」を選択。次の画面で注文方法を選択して、レートやlot等の条件を入力します。 スマホ画面での損切りの手順 参照:LION FX スマートフォンアプリ取扱説明書 入力が完了したら、一番下の「確認画面を表示」を選択します。次の画面で注文内容を確認して問題なければ「注文実行」で完了です。 確認画面の表示は「オフ」にすると次回より、ダイレクトに注文実行となります。 なおヒロセ通商では、27種類の豊富な注文方法が用意されています。様々なタイプの注文方法を使いこなすことで、激しく変動する市場動向に応じたトレード戦略が立てやすくなります。 注文方法の豊富さで選ぶならヒロセ通商が一番おすすめです。 ヒロセ通商の27種類の注文方法はこちらからご覧になれます。 損切りと利確の設定はどれくらいがベスト? では、実際に損切りするとして、具体的にどれくらいの損失ですべきでしょうか。 とくに決まりはありませんので、自分にとって失ってもあきらめがつく金額を指定します。個人差はありますが、一般的に理想とされている、損切りの比率には「リスクリワード 1:2」や「2%損切り」があります。 「リスクリワード1:2」や「2%損切り」など、代表的な損切の基準について、この章では解説していきます。 精神的なストレスが少ない比率を選ぶのがコツ。 リスクリワード「1:2」とは リスクリワード「1:2」とは、リスク1に対して利益はその2倍を狙うやり方です。 リスクとリワードの関係 リスクとは「損失」を指し、リワードは「利益」を指す言葉です。1つのポジションで、想定する損失に対する利益の比率を表したものを「リスクリワード」といいます。 「リスクリワード1:2」の金額がどれくらいになるかは、それぞれの証拠金の金額やポジション、勝率などから変わってきます。よく使われている方法は、まず自分の平均利益から損失1の金額を割り出す方法です。 平均利益 =「勝ちトレードの合計金額」÷「勝ちトレードの回数」 10回の勝ちトレードの合計が50,000円だとすれば、50,000円÷10回で5,000円です。ということは、利確の目安は「5,000円」、そして損切りの目安はその半分の「2,500円」になります。 あるいは、チャートに「利確」と「損切り」のラインを引いて、大まかに「1:2」の割合を定める方法もあります。 利益よりも損失が大きくならないよう、「利大損小」の精神に基づいて損切りを設定するやり方です。 損切り比率2%とは もう1つ、損切りを決める目安となるのが、証拠金に対して2%の損切りを設定するやり方です。損切り2%ルールとも呼ばれています。金融取引では有名な損切りの比率です。 なぜ2%なのか 1万円に対して、「2,000円の損失なら許せるかな」というメンタル的なメッセージが背景にあります。100万円の場合、「2万円の損失ならOK、3万円だとちょっと痛いな」といったところです。 レジサポ損切りとは また、FXの経験を積んでくると、テクニカル分析・インジケーターのラインを目安に損切りを決めるトレーダーも多くなります。 例えば、移動平均線の短期線が中長期線を下回るタイミングで損切りしたり、RSIが下に向かい始めたら損切りしたりと様々な方法があります。初心者にもおすすめなのが、レジスタンスラインとサポートラインを目安にする方法です。 レジサポ損切りの目安 買い… サポートラインの下で損切り 売り… レジスタンスラインの上で損切り レジサポ損切りの考え方 買いポジションなら、サポートラインを下回ると下降の可能性が強まるため損切り。売りポジションではレジスタンスラインを上に抜けると、さらに上昇するかもしれないので損切りするという考え方です。 状況に応じて損切りを設定しよう 損切りの目安を決める際には、トレーダー自身の状況や、市場動向も考慮するとよいでしょう。 例えば、先月に負けが大きかった時は損失比率を通常よりも小さくするのが無難です。また、経済指標発表時には相場は急激に乱高下しますので、資金に余裕があれば損切り比率は大きい方がよいです。 大事なのは、自分にとっていくらの負けならOKかということ・・・ その時々の状況に応じて、臨機応変に損切りを計画していきたいですね。 ヒロセ通商の損切り設定を変更・削除する方法 さて、いったん損切りを設定しても、削除したい時や変更したいことも、当然ながら出てきます。そんな時は、ポジション一覧から簡単に変更・削除できます。 損切り設定を変更・削除する方法を見ていきます。 注文履歴から簡単に操作できる 損切りの変更・削除は、メニュー「取引情報」→「注文履歴」から簡単に行えます。 注文履歴から、変更・削除したいポジションにカーソルをあてます。そうすると、「変更」「削除」のボタンが出てきますので該当する方をクリックしてください。 希望するボタンを押して、それぞれ操作を行います。 損切り設定を変更する 損切りボタンを押すと、損切レートを変更する入力画面が出てきます。レートを入力して完了確認ボタンで発注です。 損切り設定を削除する 設定を削除する場合は、「削除」のボタンを押すと、確認画面が出てきます。本当に削除してよければ、完了ボタンを押します。 損切りを削除した時は、後で後悔することもあります。慎重に判断するようにしましょう。 なお、ヒロセ通商では、未来のFXチャートをを予測する「さきよみチャート」が利用可能です。損切り幅のヒントやチャート分析ツールとしてご活用ください。 損切りの実行には経験が必要 FXでは、ことあるごとに「損切りが大切」だとよく言われています。しかしながら、「損切りが大切」だとわかっていても、損切りできずにロスカットまで突入してしまうケースはかなり多いのです。 なぜ、簡単に損切りできないのでしょうか。 損切りは最も難しいスキル 心理学のプロスペクト理論によると、多くの人が「資金を失いたくない」と損失を回避したがる傾向にあることが報告されています。こういった傾向は「損失回避の心理」といわれ、損切りを避けたがるのは、人としてごく自然な行為だと見なされいます。 従って、損切りしたくない自分の気持ちをコントロールしていくのは、誰にとっても簡単ではないのです。 5年、10年、20年と経験を積んだトレーダーでも、損切りせずに後悔することもあるのが現状。損切りは、簡単なようで最も難しいFXのスキルだと言えます。 https://x.com/FLARE__FX/status/ 損切りしそびれることを考慮したトレード 各自のトレードルールとして、「必ず損切りする」と決めているトレーダーは非常に多いです。しかし、それだけでは勝てません。 各自の損切りルールに加えて、さらに、「損切りできないかもしれない」ことを考慮しておくことが肝心なポイントです。 損切りできないことを考慮したトレードとは、どういうものかというと・・・ GBPJPY日足チャート 中長期トレードでも利益が狙えそうなポジション 中長期での高値圏で「買いエントリー」はしない(売りならいずれ反転するかも?) 中長期での安値圏で「売りエントリー」はしない(買いならいずれ反転の可能性?) 以上のように、中長期にて安全性が高く、保有することで利益が期待できるようなポジションを心がけることです。具体的には4時間足・日足においての位置づけが判断材料となります。 この方法なら絶対に安全、とは言えないもののロスカットのリスクは低減できるでしょう。 中長期の動きをつねに考えておくということですね。 低レバレッジ・小ロットでリスクに備えよう また、「損切りできないかもしれない」自分への対策として、余裕のある証拠金で「低レバレッジ」「小ロット」に徹することも大切です。 勝てた後には、つい強気になって無謀なロット数で大きな勝負に出てしまうこともあります。どんな時にも「低レバレッジ」「小ロット」で、ロスカットまでの余裕を持たせておくようにしましょう。 証拠金維持率に十分な余裕があれば、万が一の急落にも持ちこたえられるかもしれません。 ちなみにヒロセ通商では、証拠金やロット数からロスカットリスクを調べるFX計算ツールが使えます。まだ使ったことがない方はヒロセ通商のLION FXで試してみましょう。 ヒロセ通商 FX計算ツール まとめ:ロスカットリスクを忘れないようにしよう 損切りは、FXでは最も重要でかつ最も難しいスキルだと言われています。損失を最小限に抑えるための行為だとわかっていても、損失を決定させるのは嫌だと思うのが人の心理だからです。 初心者のうちは、なかなか実行に移せない方は多いでしょう。経験を積んだトレーダーでも、うっかり忘れたり、あえて入れない勝負をしてしまうことがあります。「損切りできないかもしれない」トレードを考慮した対策が肝心です。 最高値圏の買い・最安値圏の売りを極力避けて、低レバレッジ・小ロットを心がけるようにしましょう。
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2024.9.27
たむの週間分析レポートGBPUSD|2024年9月27日
4H足分析 GBPUSD 4H足チャート まずは大きな流れですが、日足で上昇トレンドを形成していますので、セオリーで言うと上昇戦略をメインにしていきます。 時間足を落として4H足でもぱっと見で上昇トレンドを形成しており、日足と4H足の大まかな方向は合致しています。 具体的なポイントとしては、4H足以上の大きな足のトレンド、1.32730を既に超えているので、日足レベルで上昇トレンドの継続は確定している状態です。 次に小さいトレンドですが、高値は1.34250、安値は1.33120となっています。 状況としては、高値の1.34250を付けた後に安値である1.33120で高値と安値の切り上げを行った直後になります。さらに押し目をつけた直後になるので、狙うとしたらベストタイミングかと思います。 直近の所を見ると、上昇の角度がまだなだらかになっていないところを見ると、上昇の勢いはまだ衰えてなさそうです。 ですが一つ注意点とすると、トレンド(大)の高値である1.32730を付けた後に注目すると、レンジ相場になっていないことが分かります。 安値を付けた後も同じようにワンボトムで上昇しています。 このことから今の上昇トレンドも同じように終了する可能性があります。 なので、普段以上にダウ理論を構成する高値と安値に注目して観察を続けましょう。 15M足分析 GBPUSD 15M足チャート 15M足では小さいトレンドの高値と安値を付けた後の動きの詳細を表示しています。 左側の上昇部分と右側の上昇を比べてみると、明らかに動きが活発になっているのが確認できます。 恐らく、4H足の大トレンドのトレンド継続が確定し、その後の安値が1.33120で再上昇したことで、上昇を狙いトレーダーが増えたことによるトレンドの加速だと思います。 さらなる上昇のタイミングを予測するのであれば、近い高値である1.34250を超えたときに、さらにトレンドが加速することが予測されます。 直近の様子を見ると急騰しているように見えます。 このまま急騰の勢いが継続するというよりは、もう一回押し目を作って再上昇、その後にトレンド(小)の高値を実体レベルで更新するような動きをするかと思います。 少し大きめのリスクを抱えて、利益を望むもよし、トレンド更新後の確実性を上げてからトレードするのもよしです。 ただGBP系通貨であるため、動きは少し激し目であることを忘れてはいけません。 目の前の動きにつられがちですが、惑わされずに大きな流れに逆らうような難易度の高いトレードを避け、分かりやすい流れに沿ったトレードを心がけましょう。 現在のGBPUSDの値段 TradingView提供のGBPUSDチャート
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2024.9.26
移動平均線の設定でおすすめは?FXに最適な設定値を大公開!
移動平均線を使っても利益を残せない... トレンド相場で損切りが続いてしまう... 移動平均線は、投資全般で人気の高い「トレンドの勢いや方向性を正確に判断できる」インジケーターです。 しかし、移動平均線を生成するパラメータは自由に設定できるので、適切に設定しないと利益を残せません。移動平均線の使い方も重要ですが、具体的な設定値(パラメーター値)の情報も非常に重要なのです。 本記事では全てのトレーダーが学習しておくべき、移動平均線のおすすめ設定や組み合わせについて徹底的に解説していきます。 移動平均線を用いた実際の取引手法についても解説していくので、ぜひ参考にしてください。 利益を得られる場面を増やし、得られる利益も大きく成長させましょう。 移動平均線とは 移動平均線とは、設定した期間内の価格の変化を平均して、グラフ形式で表現するインジケーターです。 継続的に価格が上昇していれば平均値も上昇していくため、移動平均線は右肩上がりの動きを見せます。 価格を素直に反映するため、トレンドの勢いや方向性がわかりやすく描画されるのが特徴です。 移動平均線の歴史 移動平均線は、1920年ごろにアメリカで開発されたといわれています。 広く知れ渡ったのは、1960年にアメリカの経済アナリスト「ジョゼフ・E・グランビル」が「グランビルの法則」という解説書を発行したのがきっかけです。 同じ時期に日本でも「からみ足」と呼ばれる移動平均線と同じ機能のインジケーターが使われていました。 ただし、からみ足そのものは世界的な知名度があったわけではなく、一般に知られるようになったのはグランビルの影響が大きいといえます。 移動平均線はかなり前から使われている定番のインジケーターなんですね。 移動平均線の計算方法 移動平均線にはいくつかの種類がありますが、最も一般的な単純移動平均線(SMA)の計算式は以下の通りです。 (最新ローソク足の終値+1本前ローソク足の終値・・・+n本前ローソク足の終値)÷n 設定した期間分の終値の平均値を求めるだけの、簡単な計算で算出できます。 移動平均線には他にも様々な種類があり、それぞれの計算方法は以下の通りです。 移動平均線の種類計算式指数平滑移動平均線(EMA)1本目:(最新のローソク足の終値+1本前のローソク足の終値・・・+n本前のローソク足の終値)÷n2本目以降:前日のEMA+{2÷(n+1)})×(当日終値-前日のEMA)加重移動平均線(WMA){n日前終値×1+(n-1)日前終値×2+・・・+1日前終値×n)÷(n×3) 指数平滑移動平均線(EMA)はSMAよりもより短期の値動きに着目した動きをしています。 加重移動平均線(WMA)ではさらに短期的な値動きへの反応が顕著で、SMAで見られる直近の値動きに対するダマシを回避できるよう構築されています。 ただし、ゴールデンクロスやグランビルの法則など様々な理論はSMAを基準に開発されてきたので、まずはSMAを理解するのがおすすめです。 移動平均線の種類による違いは以下の記事でも解説しているので、さらに詳しい知識をつけたい人は参考にしてください。 【取引スタイル別】移動平均線のおすすめ設定 移動平均線は場面によって様々な期間設定で活用されているため、自身のトレードスタイルに合わせた設定を使いこなせるようにしましょう。 スキャルピングで使いやすい期間設定 デイトレードで使いやすい期間設定 スイングトレードで使いやすい期間設定 どんな相場状況でも対応したいならコレ スキャルピングで使いやすい期間設定 スキャルピングは、数秒〜数分程度でスピーディーな取引を繰り返す取引スタイルのため、以下のような組み合わせで表示させるのがおすすめです。 1本目:超短期設定2本目:短期設定5、1014、20、21 期間14〜21に設定した移動平均線で短期的なトレンドを判断し、期間5〜10に設定した移動平均線で取引タイミングを掴みます。 1分足や5分足で短いトレンドを瞬時に捉えるには、移動平均線はおすすめのインジケーターです。 特に、短期的な値動きはダマシが発生する場合も多いため、ゴールデンクロスなどの定量的な判断材料が非常に重要です。 また、スキャルピングは「小さな利益を積み上げて大きな損失を被る」というスタイルになりがちなので、時間をかけても利益が残らないケースも。 そのため、リスクリワードを意識した作戦を立てる必要があります。 デイトレードで使いやすい期間設定 デイトレードは原則1日以内にトレードを完結させるトレードスタイルのため、短期〜中期トレンドの方向性を正確に把握する必要があります。 1本目:中期足(1時間足や4時間足)の短期設定2本目:短期足(5分足や15分足)の中期設定5、10、14、20、2150、60、75 デイトレードでは、複数の時間足を活用してトレードする「マルチタイムフレーム分析」がおすすめです。 短期足のトレンドだけを確認しても、上位の流れに逆らってしまうと損切りの可能性が増えてしまう可能性も。 そのため、数時間以上にわたり安定したポジションを保有するためには、上位足から順に大局の方向性を理解する作業が必要です。 まずは、1時間足や4時間足といった上位足で短期設定にした移動平均線を表示させ、直近の流れを把握します。 次に下位足でもトレンドの方向が一致していれば、トレンドフォローの勝率を大きく上げられるでしょう。 逆に、スキャルピングは一瞬の値動きを捉えるのがメインのため、マルチタイムフレーム分析の重要度は低いといえます。 スイングトレードで使いやすい期間設定 スイングトレードは数日以上にわたりポジションを保有するため、デイトレードと同じくマルチタイムフレーム分析を活用しましょう。 1本目:長期足(日足、週足)の短期設定2本目:中期足(1時間足、4時間足)の中期〜長期設定5、10、14、20、2150、60、75、100、200 まずは日足や週足で短期設定の移動平均線を表示させ、長期足の中の短期トレンドを確認します。 次に、1時間足や4時間足などの中期足で中期設定の移動平均線を表示させ、トレンドの方向に合わせたトレード戦略を組み立ててください。 1時間足や4時間足で中期〜長期的なトレンドを捉えられれば、長期足トレンドと合わせた複合的な判断ができるようになります。 なお日足や長期足で期間200などの移動平均線を使ってしまうと、超長期トレンドに合わせたトレードスタイルになります。 調整だけでも数100pips以上の値幅になるため、資金効率が悪くなってしまうのがデメリットです。 FXでは短期的なトレードを繰り返すのが最も効率的で、スイングトレードは仕事で忙しく副業的に稼ぎたい人におすすめです。 どんな相場状況でも対応したいならコレ できるだけ設定を変えずに幅広い相場状況に対応したいと考えている人は、短期・中期・長期の移動平均線を固定で1つずつ表示させるのもおすすめです。 長期設定・・・期間200 中期設定・・・期間100 短期設定・・・期間20 以上の設定はどんなトレードスタイルにも応用できる組み合わせで、どんな時間足でも活用できます。 上位足レベルのトレンドから直近のトレンドまでを一瞬で判別できるので、各移動平均線によって全体的なトレンドの強さや方向性を瞬時に判別できるようになります。 ただし、強いトレンドが発生している時にエントリーしても直後にトレンドが終了してしまう可能性も。 そのため、3つの移動平均線が角度をつけて同じ方向を向いているタイミングでエントリーすれば、トレンドが終わるまで大きな値幅を得られるでしょう。 【手法別】移動平均線のおすすめ設定 トレードスタイル別におすすめの設定を確認したところで、ゴールデンクロスやグランビルの法則など、有名な手法で使われる移動平均線の期間についても解説していきます。 ゴールデンクロス・デッドクロス グランビルの法則 GMMA(12本移動平均線) 古くから利用される「アレンの4-9-18手法」とは ゴールデンクロス・デッドクロス ゴールデンクロスやデッドクロスは、2つの移動平均線がクロスした方向にトレンドが発生しやすいのを利用し、トレンドフォローを行う手法です。 ゴールデンクロス上向きの短期移動平均線が上向きの長期移動平均線を上抜けるデッドクロス下向きの短期移動平均線が下向きの長期移動平均線を下抜ける クロスを判断するためには短期設定と中期設定の移動平均線を用いて、比較的短いトレンドを捉えます。 短期設定・・・期間5、10、21 中期設定・・・期間75、100 比較的短期のトレンドを捉えるためダマシが発生する場面も多く、期間200や期間100など比較的長期の移動平均線でもトレンド判断をするといいですよ。 中期設定・・・期間75、100 長期設定・・・期間200 画像の通り、短期に比べて中長期設定はダマシのサインは大幅に減りますが、エントリータイミングは遅れてしまうため注意が必要です。 そのため、クロス発生後の押し目が終わってからエントリーすると勝率を上げられますよ。 通常のゴールデン・デッドクロスは2本の移動平均線をもとに判断が行われますが、移動平均線同士の位置関係や動きを循環という流れで表現した「移動平均線大循環分析」という分析方法も存在します。 ほとんどのチャート状況を定型化して分析に組み込めるため、より勝率を上げたい人は使いこなしておくべきだといえます。 移動平均線大循環分析の概要や使用方法について記載している記事もアップしているので、ぜひ参考にしてください。 グランビルの法則 グランビルの法則は、移動平均線の名を知らしめたジョゼフ・E・グランビルが開発した、トレンドの発生から押し戻り、終焉まで全てを判断できるチャートの法則です。 期間設定200の移動平均線のみを用いた非常にシンプルな判断基準で、以下8つの売買パターンから構成されています。 どのサインも期間200の移動平均線と価格の位置関係という一目でわかるサインによって分析できるうえ、狙えるパターンが非常に多いのが特徴です。 先ほど紹介したゴールデンクロスを狙っていても、長期トレンドの判断として期間200の移動平均線を表示させれば、2つの分析基準からトレードできます。 もちろん全く別のインジケーターとの相性も良いため、必ず使いこなせるようにしておきたいですね。 GMMA(12本移動平均線) GMMAは合計12本の指数平滑移動平均線(EMA)によって構成されるインジケーターで、各移動平均線の期間は以下のように定められています。 短期移動平均線グループ3、5、8、10、12、15長期移動平均線グループ30、35、40、45、50、60 以上のように、GMMAは短期と長期で2つのグループに分かれており、それぞれの状態によって以下のような特徴があります。 GMMAの状態GMMAのトレンド判断移動平均線グループのねじれねじれる方向へのトレンド転換移動平均線グループ同士の交差短期が長期を上抜け:上昇方向へのトレンド転換短期が長期を下抜け:下落方向へのトレンド転換移動平均線同士の間隔が広がっているトレンドが強くなっている移動平均線同士の間隔が狭まっているトレンドが弱くなっている移動平均線グループ同士が横向きに絡まっているレンジ相場が発生している 移動平均線が表す様々な形や向きによってトレンドを判断できるインジケーターで、平均線グループ同士の交差はゴールデン・デッドクロスと同じ意味を持ちます。 加えて移動平均線同士の間隔や角度によってもトレンド判断が可能なため、取引戦略を立てやすくなりますよ。 古くから利用される「アレンの4-9-18手法」とは 「どんな相場状況でも対応したいならコレ」でも説明したのと同じく、「アレンの4-9-18手法」では3つの平均線を用いて分析を行います。 古くから期間1、9、18が用いられており、平均線同士の位置関係によってトレンドの判断をできます。 移動平均線同士の位置関係位置関係により判断できるトレンド方向上から期間1、9、18の順で並んでいる強い上昇トレンド上から期間18、9、1の順で並んでいる強い下降トレンドそれ以外の並びレンジ相場および弱いトレンド 全ての移動平均線が上向きかつ下から短期・中期・長期の並び順だと上昇トレンドなど、非常にシンプルな判断で取引できます。 逆に、移動平均線2本だけでの判断だと分析の範囲が狭まってしまうため、勝率を上げきれない原因になってしまいます。 移動平均線同士の並び順トレンド判断上から長期、短期の順で並んでいる下降トレンド上から短期、長期の順で並んでいる上昇トレンド 画像を見ればわかる通り、移動平均線が2本だけだとレンジ相場で移動平均線が絡み合う場面で判断に困って振り回されてしまいます。 デメリットを克服した「アレンの4-9-18手法」は、数十年前から多くのトレーダーに愛されている設定方法です。 移動平均線を使う際の注意点 移動平均線は初心者から上級者まで幅広いトレーダーの助けになる魅力的なインジケーターですが、以下の弱みを理解したうえで利用しましょう。 短期設定にした移動平均線ではダマシが発生しやすい レンジ相場内でのプライスアクション判断は苦手 実際の値動きよりも必ず遅れて描画される どんなインジケーターであっても完璧ではないため、弱みを補填できるように事前に立ち回りを考えておく必要があります。 短期設定にした移動平均線ではダマシが発生しやすい 短期設定の移動平均線は直近の値動きに影響されやすいため、短期設定の平均線ばかりに注目しているとダマシに悩まされてしまいます。 チャートを拡大してみるとわかりますが、トレンド発生中でも細かい押し戻りは繰り返し発生しているため注意が必要です。 例えば、上昇トレンド中にゴールデンクロスが発生した場面でロングエントリーしても、直後に押し目が見られるとゴールデンクロスが否定されてしまいます。 このように、短期の動きをメインにトレードを行うとダマシによる損切りが増えてしまう可能性も。 そのため、短い期間設定を用いてダマシに悩まされていると感じる人は、期間設定を少しずつ長くしていくと損切りにかかりにくくなりますよ。 ただし、短期設定に比べると長期設定はチャンスが少なくなってしまうので、自分に合った設定を探してみてください。 レンジ相場内でのプライスアクション判断は苦手 移動平均線はトレンドの方向性や強弱を判断するのは得意ですが、レンジ相場での判断は非常に難しいのが弱みです。 以下のチャートを確認すると、トレンドではかかりやすい動きをしている反面、レンジ相場では方向性が頻繁に変わっているのがわかります。 移動平均線だけではレンジ相場の正しい値幅や終わる時を判断できないため、他の指標を用いて判断するしかありません。 例えば、相場がレンジ相場で膠着している場面で重要な経済指標発表が行われると、一気にレンジ相場をブレイクする可能性があります。 このように、タイミングによっては移動平均線とは別の方法で分析を行い、弱点をカバーしながら戦略を組み立てましょう。 WikiFX Japanトップページにも経済指標カレンダーを掲載しているので、ぜひ確認してみてくださいね。 実際の値動きよりも必ず遅れて描画される 移動平均線は値動きの平均値をとって描画するため、実際の値動きよりもエントリーサインが遅れて表現される点には注意しましょう。 わかりやすいサインであるデッドクロスを見てみると、価格がある程度下落してからクロスしているのがわかります。 そのため、下降トレンドの初動から取ろうと考えている人は、別のインジケーターで判断を補填する必要があります。 移動平均線を短期設定にすれば比較的早くエントリーできますが、ダマシが発生しやすい原因になってしまうメリットも。 そのため、エントリーが遅れてしまうからといって無闇に短期設定にするのは得策ではありません。 損切りが多くなっては意味がないため、あまりにも短い期間設定にしないように注意してください。 TradingViewやMT5で移動平均線を表示させる方法 移動平均線はどんなチャートツールにも標準で搭載されており、簡単に表示させられます。 よく利用される、TradingViewやMT5で移動平均線を表示させるには、以下の手順で操作してください。 チャートツール移動平均線の表示方法TradingView1.チャート画面で「インジケーター」を選択2.検索欄でSMAと入力する3.表示された移動平均線の「設定」ボタンをクリックし、期間を設定するMT51.ツールバー「挿入」→「インジケーター」→トレンド系→「Indicator」→「MovingAverage」の順でクリック2.設定画面で期間を選択して「OK」をクリック ほかにも、国内FX業者の中にはオリジナルのチャートツールを持っている業者もありますが、ほとんどのツールで移動平均線を表示させられます。 本記事では使えそうな戦略を数多く紹介しているので、ぜひ試してください。 移動平均線を用いた実際のトレード手法3選 本記事では、これまで紹介してきた移動平均線の戦略を活用した実際のトレード例を3つ解説していきます。 ゴールデン・デッドクロスとオシレーターを組み合わせた手法 グランビルの法則と水平線を組み合わせた手法 GMMAを用いたデイトレード手法 移動平均線だけでは判断が難しい場面もあるため、他のテクニカル指標と組み合わせた戦略も紹介していきます。 ゴールデン・デッドクロスとオシレーターを組み合わせた手法 1つ目に紹介する手法では、ゴールデンクロス特有のダマシをオシレーターで補ったトレード手法を紹介していきます。 オシレーターによって価格の売られすぎサインを確認する ゴールデンクロスによって上昇トレンドの再開を確認する ゴールデンクロス発生からローソク足が2〜3本進んだタイミングでエントリー 買われすぎサインを確認後、価格が移動平均線を下抜けたタイミングで利益確定 すぐに価格が下落して直近安値をした抜けたタイミングで損切り 今回はオシレーターであるRSIを表示させ、下落トレンドによる売られすぎサインが発生するのを確認してください。 売られすぎサインが発生すれば、上昇トレンドの始まりを予測できます。 RSIの売られすぎはTradingViewなどで通知設定しておけるため、忙しい会社員でもサインに対応しやすいですよ。 今回のトレードでゴールデンクロスを判断するため、期間20と100の移動平均線を表示させておきます。 そのまま下落トレンドが一段落して価格上昇が始まると、ゴールデンクロスが発生するのを確認してください。 ダマシの可能性を抑えるために、ゴールデンクロス発生からローソク足が2〜3本続けて上昇を続ければロングエントリーできます。 その後価格が大きく上昇していくとRSIの買われすぎサインが発生しますが、勢いが強ければそのまま上昇が続く可能性があります。 そのため、買われすぎサイン発生後に価格が移動平均線を下抜けてしまったタイミングで利益確定しましょう。 逆に、エントリー後すぐに価格が下落して直近安値を下抜けてしまったら損切りします。 直近安値を下抜けたら下降トレンド継続のため、デッドクロスによるショートエントリーを狙えます。 グランビルの法則と水平線を組み合わせた手法 2つ目に紹介する手法では、グランビルの法則を水平線でさらに勝率を上げる作戦を用います。 上昇トレンド中に押し目によって価格が移動平均線を下抜け、水平線にサポートされるのを確認する 水平線によって価格上昇が再開して移動平均線を上抜けるのを確認する 上抜けの勢いが強ければロングエントリー 下落を示すチャートパターン出現で利益確定 エントリー後すぐに価格が下落して移動平均線を実体で割ったら損切り まずは長期足から順に水平線を引いていき、価格が反発しそうなラインを事前に把握しておきましょう。 今回はグランビルの法則における買いサイン②を狙うため、上昇トレンド中の押し目が発生するまで待ちます。 押し目の発生により移動平均線を下抜けたら、押し目が水平線で反発して上昇再開するのを確認してください。 サインなしで価格が反発しても、本当にトレンドが再開するか判断できないため、水平線などのサインは必ず確認しましょう。 価格の上昇が続いて移動平均線を上抜けしたら買いサイン②が完成するため、ロングエントリーで着いていきましょう。 価格が上昇しつづけると、ダブルトップや三尊などの下落を示唆するチャートパターンが発生するため、そこで利益確定を行います。 エントリー後すぐに価格が下落して、移動平均線を下抜けると買いサイン②が否定されてしまうため、すぐに損切りしてください。 水平線はどんな手法とも組み合わせやすい分析方法のため、初心者でも必ず活用しておくべきですね。 GMMAを用いたデイトレード手法 特に初心者トレーダーはGMMAに馴染みがない人が多いため、ここではGMMAを用いた基本的なトレード手法を解説していきます。 下降トレンドの勢いが落ちて、価格上昇が開始するのを確認する 価格上昇とともに短期グループのねじれと短期・長期グループの交差、長期グループのねじれを確認してエントリー 短期・長期グループが下向きに交差したら利益確定 価格下落が発生してエントリーサインが否定されたら損切り まずは下降トレンドを確認し、徐々に勢いが弱まって上昇が始まるのを確認しましょう。 次に、GMMAの上昇サインとされている以下3つのサインを確認してください。 短期グループが上向きにねじれる 短期グループと長期トレンドが上向きにねじれる 長期グループが上向きにねじれる 全てのサインが発生してローソク足が1〜2本以内に逆行しなければ簡単には下落しません。 そのため、ロングエントリーで上昇トレンドの値幅を丸ごと取りましょう。 上昇トレンドの終了が近づくと、短期グループの下向きねじれから順に下落転換のサインが現れます。 短期・長期グループが下向きに交差したら下落転換が濃厚になるため、本格的に下降する前に利益確定してください。 逆に、GMMAの上昇サインが発生したにも関わらずすぐに下落し、上昇サインを否定したらすぐに損切りしましょう。 移動平均線を使いこなして勝てる場面を増やそう 移動平均線は様々な期間設定が可能で、短期から長期まで幅広い戦略を立てられます。 特に、デイトレードやスイングトレードなどは上位足と組み合わせた「マルチタイムフレーム分析」を活用すればさらにトレード精度を上げられます。 逆に、短期移動平均線特有のダマシや長期平均線のエントリーサインの少なさなど、デメリットを理解してカバーしながら使うのが重要です。 本記事で紹介している「移動平均線を用いた実際のトレード手法3選」では、移動平均線特有の弱点を克服できる戦略を紹介しています。 また、移動平均線の基礎知識を学びたい人は以下の記事も参考に、より移動平均線を使いこなせるように学習してください。
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2024.9.25
FXはCCIだけで勝てる?テクニカル最強の噂&使い方を大調査
絶対に勝てる手法を知りたい… 適当なエントリーが多く収益が安定しない… FXで安定した収益を出すには、一定の根拠でエントリーを行い、トレード後の反省や検証によって手法を改善していく必要があります。 しかし、勝てないトレーダーの多くは毎回エントリー理由がバラバラになっており、理論的なトレード分析ができていません。 本記事では、最強のテクニカル指標と呼ぶ人もいる「CCI」の特徴や使い方、実際のトレード手法などを詳しく解説していきます。 内容を参考に手法の基礎を築き、勝ちトレーダーとしての第一歩を踏み出しましょう。 FXのCCIとは CCI(Commodity Chanel Index)は、価格の買われすぎや売られすぎを示すオシレーターです。 「商品チャネル指数」とも呼ばれ、もともとは商品先物取引の判断に用いられていましたが、現在ではFX取引でもメジャーな指標として有名です。 テクニカルアナリストのドナルド・ランバート氏によって、米「Future」誌の前身である「Commodities」誌に1980年代に初めて掲載されました。 利便性や有効性はたちまち広まっていき、すぐにメジャー指標の1つとして数えられるようになりました。 以下の通り、数値によって観測できる相場状況が異なります。 CCIの数値チャートの状態200以上買われすぎの状態100以上強い上昇トレンド-100以下強い下降トレンド-200以下売られすぎの状態 数値によってトレンド継続も終了も判断できるため、逆張りだけでなく順張りにも利用できます。 CCIはオシレーターの中でも幅広い使い方ができるので、使いこなせるようになりたいですね。 RSIや移動平均線乖離率との違い RSIや移動平均線乖離率も、同じく買われすぎや売られすぎを示すテクニカル指標ですが、CCIとは異なる点も多いため知っておく必要があります。 CCIの特徴 ヒゲ先までを含めて計算を行うため、ボラティリティを反映できる 上限下限が存在しないため、逆張りにも順張りにも使える RSIの特徴 終値だけで計算するため、ボラティリティは反映されない 上限下限が存在するため、逆張りに向いている 移動平均線乖離率の特徴 移動平均線と価格の乖離だけで計算するため、ボラティリティは反映されない 平均からの価格の乖離を示すため、逆張りに向いている RSIや移動平均線に比べ、CCIはボラティリティも反映されるため、より正確なエントリー判断が可能です。 また、CCIは平均偏差をもとにして計算が行われているため、単純な乖離を示すだけの移動平均線乖離率の上位オシレーターともいわれています。 さらに、CCIは数値の上限下限が存在しないため、ある程度の買われすぎや売られすぎは順張りのサインとして活用できます。 そのため、レベルの高い分析をしたいと考えているトレーダーは、オシレーターとしてCCIを利用するケースが多く見られます。 TradingViewやMT5でCCIを設定する方法 多くのトレーダーが相場分析のツールとして利用しているTradingViewやMT5では、CCIが標準搭載されているためすぐに利用できます。 まずは、TradingViewを用いたCCIの表示方法を見ていきましょう。 画面上部の「インジケーター」をクリックし、検索欄に「CCI」と検索する 設定変更を行う場合は、画面左下の「CCI」をダブルクリック、任意の期間や色を選択して「OK」をクリックする TradingViewであれば無料会員登録だけでCCIを表示してチャート情報を保存できるので、誰でも気軽に利用できます。 次に、MT5を用いたCCIの表示方法を解説していきます。 チャートをダブルクリックして「ナビゲーター」を選択する 「指標」→「オシレーター」→「Average True Range」の順でクリックしていく 設定画面が開くので、期間や色を設定して「OK」をクリックする MT5を便利に利用するには、対応しているFX業者の口座を開設してWindows環境でインストールする必要があります。 そのため、より気軽に利用したい人はTradingViewの利用をおすすめします。 CCIの計算式 CCIは統計学の平均偏差と呼ばれる概念を用いた計算式が採用されており、複雑な内容になっています。 平均偏差とは・・・各データの平均からの偏差(隔たり)の絶対値を平均した値 実際の計算式は以下のようになっています。 CCI=(TP-MA)÷{0.015×MD} CCI計算の要素内容TP(高値+安値+終値)÷3MAn日間のTPの移動平均MDTP-MAの平均偏差 非常に難しい計算が行われているので、計算内容をそのまま覚える必要はありません。 シンプルに、平均値に対する現在価格の乖離を示していると覚えておけばOKです。 CCIのおすすめ期間設定 CCIの期間設定はデフォルトで14に設定されており、まずは初期設定値で利用するのがおすすめです。 多くのトレーダーも期間設定14を利用しており、その分サインが機能しやすいのが理由です。 FXに限らず、相場は売買ポジション比率によって動いています。 例えば、期間14のCCIが買いサインを示せば、ロングポジションの比率が高くなるため、相場が上昇する可能性は高いといえます。 逆に、誰も見ていない期間設定にしても、買いサインが現れてもロングポジションの比率は増えにくいため価格上昇は期待できません。 そのため、まずは期間14のCCIを利用して効き目を確かめるようにしましょう。 なお、期間設定をカスタマイズすると以下のようにCCIの使い方も変わってきます。 設定数値使い方14より上に設定売買サインの発生頻度が減り、厳選したエントリーができる14より下に設定売買サインの発生頻度が増え、チャンスは増えるがダマシも増える トレードスタイルによって最適な期間設定は違うので、各自で検証する必要があります。 CCIの基本的な使い方 CCIはRSIや移動平均線乖離率よりも優れたオシレーターと解説しましたが、具体的には以下のような利用方法があります。 順張り・逆張りエントリーの判断に利用できる ゴールデンクロス・デッドクロスでトレンドの方向性を判断できる CCIの機能を正しく理解し、利益を得られるように検証してみてください。 順張り・逆張りエントリーの判断に利用できる CCIは値動きの勢いによって数値が変化する性質を持ち、以下のような判断軸で売買サインが現れます。 CCIの状況相場状況200以上を示す相場状況に対して買われすぎ100~200を示す強い上昇トレンド-100~-200を示す強い下降トレンド-200以下を示す相場状況に対して売られすぎ ±100を超えた値動きを見せると強いトレンドが発生していると判断できるため、順張りトレードと相性が良い相場だといえます。 ±200を超えるか±100を下回ると相場状況が変わった証拠なので、早めに決済するのがおすすめです。 また、±200を超えてしまうと価格の行き過ぎが示唆されているため、基本的には逆張りを狙ったトレードが推奨されます。 逆張りトレードは決済のタイミングが難しい一面もありますが、CCIでであれば±100以内に落ち着いたタイミングで決済というわかりやすいサインがあります。 数値による判断ができるので、チャートを見てすぐに環境がわかるのは強みですね。 ゴールデンクロス・デッドクロスでトレンドの方向性を判断できる CCIが0より大きければ上昇トレンド、0より小さければ下降トレンドを示す性質を利用すれば、数値によるトレンド判断をすぐに行えます。 さらに、0ラインとCCIのクロスを確認すれば、トレンドの発生も捉えられます。 CCIの状態売買サインCCIが0ラインを上抜ける【ゴールデンクロス】上昇トレンドの発生を示唆CCIが0ラインを下抜ける【デッドクロス】下降トレンドの発生を示唆 非常にわかりやすいサインですが、レンジ相場ではCCIと0ラインのクロスが発生するため、ダマシに注意しましょう。 ダマシに対する具体的な対策は、「天井や底が設定されていないためダマシに注意」で解説しています。 CCIで知っておくべき注意点やデメリット CCIは非常にわかりやすいサインで勝率を上げてくれるオシレーターですが、運用に際して注意するべきポイントも多くあります。 天井や底が設定されていないためダマシに注意 長期的なトレンドを判断するのは難しい どんなテクニカル指標にも弱みはあるので、理解したうえで使いこなす必要があります。 天井や底が設定されていないためダマシに注意 CCIはRSIとは違い上限と下限の数値が設定されていないため、±200を大きく超えるような極端に強い値動きが発生する可能性も。 特に、ゴールドやポンド系通貨ペアなど値幅が広い商品ではイレギュラーが発生してしまうケースも多いため、注意してください。 ±200を超える値動きによる損失を減らすには、水平線やチャネルラインの利用がおすすめです。 ラインによる反発や反転はどの時間足でも毎日発生しているため、描画しておけば値動きが止まるポイントを予測しやすくなります。 例えば、CCIが±200を超えてもラインが直近に無く距離がある状態なら、逆張りトレードは様子を見るという判断ができます。 どんなに優れたテクニカル指標でも完璧なものは存在しないため、他の指標で補完するのが勝ちトレーダーの考え方です。 長期的なトレンドを判断するのは難しい CCIは値動きを細かく察知して売買サインを提示してくれますが、長期的なトレンドを判断するのは苦手です。 画像の通り、上昇トレンドであってもCCIが0よりも下回っている場面は多く見られます。 トレードで勝っている多くのトレーダーはまずは長期トレンドを確認し、短期トレンドで順張りか逆張りどちらを狙うか決定します。 長期的なトレンドを見抜けないと戦略を立てられないため、以下のテクニカル指標を組み合わせて判断を行うのがおすすめです。 CCIと組み合わせやすい期間100~200の移動平均線傾きによってチャートを見なくても長期トレンドを判断上位足のダウ理論 高安値の切り上がりや切り下がりによって長期トレンドを判断上位足のトレンドライン安値を結びつけて、傾きによって長期トレンドを判断 どの方法もFXを学び始めてすぐに覚える内容ですが、基礎こそがトレードで勝ち抜くためのポイントになります。 CCIは強い根拠ではありますが、他のインジケーターとの組み合わせは積極的に行いましょう。 トレンドを判断するのに役立つインジケーターに関しても解説しているので、トレーダーとしての実力をつけたい人には以下の記事を読んでみましょう。 CCIと相性のいいインジケーターを組み合わせた実践的なトレード手法4選 CCIの基礎知識や使用方法について学んだところで、相性の良いインジケーターを組み合わせた実際のトレード手法についても見ていきましょう。 移動平均線のクロスと組み合わせたトレンド発生手法 ボリンジャーバンドと組み合わせたトレンド発生手法 CCIとRSIを組み合わせた逆張り手法 期間の違う2つのCCIを組み合わせたデュアルCCI手法 4つのトレード例を解説していくので、使いやすいと思った手法があったら試してみてください。 移動平均線のクロスと組み合わせたトレンド発生手法 移動平均線はCCIと同じく、2本が上向きに重なればゴールデンクロス、下向きに重なればデッドクロスの発生によってトレンド発生を判断できます。 CCIと0ラインのクロスと合わせて、二重の根拠でトレンド発生を捉える手法です。 CCIと0ラインのゴールデンクロスを見つける 期間9と期間21移動平均線のゴールデンクロスを確認してロングエントリー CCIが200を超えてから100を下回ったタイミングで利益確定 価格下落によって移動平均線とCCIのゴールデンクロスが否定されたら損切り 前提条件として上昇トレンド相場を見つけ、CCIと0ラインがゴールデンクロスするのを確認してください。 これだけではダマシが発生してしまう可能性もあるため、短期的な上昇の可能性をさらに上げるため期間9と期間21の移動平均線のゴールデンクロスも確認します。 ダウ理論による中期的なトレンド判断、CCIと移動平均線による短期的なトレンド判断と3つの根拠でエントリー判断を行なっています。 移動平均線のゴールデンクロスからローソク足が2〜3本進んでも上昇が続いている場合、安心してロングエントリーできます。 上昇が続くとCCIが200を超えるため、値動きが落ち着いてCCIが100を下回った段階で利益確定してください。 もちろんゴールデンクロスが発生しても反落してしまう可能性があるため、移動平均線とCCIのゴールデンクロスが否定されたタイミングで損切りになります。 非常にシンプルな手法ながら非常に有効な手段なので、CCIを用いた基本的な手法の1つとして知られています。 なお、移動平均線に関する基本的なスペックや使用方法について開発している記事もあるため、確認してみてください。 ボリンジャーバンドと組み合わせたトレンド発生手法 ボリンジャーバンドは、上下に対する値動きの勢いを判断するのに最適なインジケーターです。 CCIのクロスと合わせてトレンド発生を判断できるため、大きな値幅を狙える可能性がある手法です。 レンジ相場中でのCCIが-200を上抜けるのを確認 ローソク足がボリンジャーバンドの+2σを上抜けたタイミングでロングエントリー CCIが+200を上回り、再び下回った時点で利益確定 価格が伸びずにローソク足がボリンジャーバンドの標準偏差を下回ったら損切り まずはレンジ相場を確認して、CCIが-200より下から上抜けしてレンジ相場の下限から上昇しはじめるのを確認してください。 勢いの良い上昇が定着しはじめたらボリンジャーバンドの+2σを上抜けるため、このタイミングでロングエントリーを行います。 強い上昇トレンドが進んでいくとCCIが+200を突破するので、その間はポジションを保有し続けます。 次に、価格上昇が+200を下回るとそのまま押し目に移行するケースがあるため、そのタイミングで利益確定をしてください。 逆に、エントリー後にローソク足がボリンジャーバンドの標準偏差にタッチして下落してしまう場合や、標準偏差を一度上回ってすぐに下回ってしまったら損切りをしましょう。 相場の7割はレンジ相場であるともいわれるため、トレードが毎回成功するわけではないのは理解していきましょう。 CCIとRSIを組み合わせた逆張り手法 RSIはCCIと同じく価格の買われすぎや売られすぎを示してくれるオシレーターのため、組み合わせれば強い逆張りの根拠を示してくれます。 トレンド相場中にRSIと買われすぎを確認 CCIが200を超えて下回った時点でショートエントリー CCIが-200を下回り、RSIが売られすぎを示した時点で利益確定 さらに価格が上昇し、直近高値を上抜けた時点で損切り まずはトレンド相場を確認し、RSIが買われすぎゾーンに到達したらCCIも買われすぎゾーン(100〜200)や強い上昇トレンドゾーン(200〜)に到達するのを見つけてください。 200を上回ったCCIが200を下回って買われすぎゾーンに入ると、RSIと共に買われすぎの状態になるのがわかります。 ここでショートエントリーを行い、各オシレーターが売られすぎを示すまでの大きな値幅を狙っていきましょう。 買われすぎゾーンに達した価格は大きく下落する傾向があるため、比較的長いポジション保有になるのが予測されます。 今回のトレードでも1時間足でローソク足で数えて数十本分以上にわたりポジションを保有しているため、1週間程度のポジション保有となっています。 次に、CCIが-200を下回りRSIが売られすぎゾーンに達した段階で決済してください。 両方の決済根拠が満たされないと利益確定にはならないため、決済根拠は必ず把握しておきましょう。 手法通りにトレードを終えられれば1,000pips程度の大きな値幅を獲得できるため、ロットによっては数月分の利益を1回のトレードで獲得できます。 また、何度かトレードに失敗しても1回利益確定できれば損失以上の利益を獲得できるため、ルール通りの損切りを行うのが重要です。 RSIをさらに深く解説している記事もリリースしているので、気になる人は確認しておきましょう。 期間の違う2つのCCIを組み合わせたデュアルCCI手法 期間の違うCCIを2つ重ね合わせれば、トレンドの発生や再開をより繊細にキャッチするトレードができるようになります。 期間6と期間14のCCIを表示させる 期間6CCIがゴールデンクロス→デッドクロス︎ →ゴールデンクロスの順で推移するのを確認する 期間14CCIのゴールデンクロスを確認してロングエントリー 期間14のCCIがデッドクロスした時点で利益確定 価格が上がる前に期間14のCCIがデッドクロスしたら損切り 通常の期間14のCCIとさらに細かい期間6のCCIを同時に表示させ、まずは期間6のCCIでゴールデンクロス→デッドクロス→ゴールデンクロスの順で動くのを確認します。 期間6のCCIの反応が完了するのと同時に期間14のCCIもゴールデンクロスも確認されたら、そのタイミングでロングエントリーしましょう。 CCIでしかエントリー判断をしていませんが、2つのCCIを利用しているためダマシの可能性を下げられます。 エントリー後は、期間14のCCIが0を下回るデッドクロスが発生するまではポジションを保有してください。 今回のトレードのように上昇の勢いが弱い場合、期間14のCCIは比較的短い時間でデッドクロスが発生します。 エントリーサインが確認できても価格が思うように伸びない場合もあるため、エントリー後すぐにCCIのデッドクロスが発生して損切りになってしまうケースも。 前提となる環境認識で上昇トレンドも確認できれば勝率が上がるので、ダウ理論や移動平均線によっても事前にトレンド方向を確認しておきましょう。 CCIを利用して勝てる手法を編み出そう CCIは短期トレンドの勢いや方向性を判断するのに優れたオシレーターで、RSIや移動平均線乖離率よりも使いやすいため「最強」と呼ばれるケースも。 そのため、トレンド相場で大きく稼ぎたい人にはおすすめのテクニカル指標です。 ただし、最強と呼ばれるCCIであっても注意点は存在するので、他のインジケーターを組み合わせるなど工夫して勝率を上げる必要があります。 本記事では、CCIの強みだけではなく弱みも詳しく解説しているので、何度も読み込んで理解度を上げてください。 また、実践的な使用方法がわからない人は実際のトレード例を参考に、自分なりの戦略を組み立てましょう。 長期的に利益を残すには時間がかかるかもしれませんが、理論に基づいた苦労は無駄にはなりませんよ。
WikiFX Japan独占配信「猪首秀明のFX講座」
- 1983~2012年 ひまわり証券株式会社 取締役営業本部長
- 2012~2016年 東岳証券株式会社 代表取締役社長
- 2022年5月~ WikiFX Japan 講師
ひまわり証券時代に日本初となる外国為替証拠金取引(FX)を商品化させ、
その普及に貢献する。
延べ3000人を超える個人投資家と接した経験から、
個人向けの金融トレード運用アドバイザーとして活動中。
猪首秀明の監修記事
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IMアカデミーは違法?問題点はないのかプロが検証してみた
IMアカデミーは違法? IMアカデミーは、投資のオンラインスクールですが、MLMの企業なだけに極端に良い評判と悪い評判があります。 売りたい人は極端に良い評価を下し、押し売りされた方は悪評を行いがちです。 実際のIMアカデミーのコンテンツや営業、会社の実態は問題がないのか?専門家が検証していきます。 この記事で分かること IMアカデミーの会社概要 MLMとねずみ講の違い IMアカデミーは詐欺業者なのか? IMアカデミーのMLMに対する疑惑 IMアカデミーのコンテンツに対する疑惑 IMアカデミーの商品に対する疑惑 IMアカデミーを評価している格付けサイトBTHに対する疑惑 結論から先に申し上げますと、IMアカデミーは完全に黒とは言い切れないものの、かなり違法性の高い行為を行っている業者というのが本メディアの見解です。 WikiFXとしては絶対にお勧めできませんので、もし利用する場合は自己責任で行ってください。 IMアカデミーの会社概要 IMアカデミーの会社概要 会社名im mastery academy(アイム・マステリー・アカデミー)公式サイトIM Academy (imarketslive.com)本社アメリカ・ニューヨーク州設立2013年代表クリストファー・テリー事業内容FX・バイナリーオプション・仮想通貨等のeラーニング事業 IMアカデミーは正式名称をアイム・マステリー・アカデミーという、運営歴が長いマルチ企業(MLM)です。 コンテンツとしてはFX・バイナリーオプション・仮想通貨のオンラインスクールとなっており、勝率7割越えの講師によってリアルタイムでエントリーに対するアドバイスを貰えるというものです。 自動売買ではありませんが、ミラートレードに近い実態といえます。 会員数は10万人以上となっています。 IMアカデミーは詐欺業者なのか? IMアカデミーは詐欺業者なのかについて以下の10つの項目から解説していきます。 投資助言業の資格を有していない業者が国内で勧誘・営業を行うことは禁止されている IMアカデミーの問題点に対しての10の検証 MLMは日本では合法 ねずみ講は違法だがIMアカデミーは実態のある商品を扱っている IMアカデミーを利用する違法者や団体は存在する IMアカデミーは投資助言業の資格を有していない 講師のエントリーポイントの指導は違法に当たる可能性がある 法律違反でヨーロッパ圏で警告を受け改名した過去がある キャッシュトラップには特商法の表記がない キャッシュトラップの勝率7割以上に対する疑惑 講師の勝率に対する疑惑 BTHの5つ星評価に対する疑惑 MLMは日本では合法 MLMとは、マルチ商法を使って集客を行うことを指しますが、日本においてMLMは合法です。 IMアカデミーの場合は、リンクを渡され、自分のリンクからIMアカデミーに登録してもらえれば、報酬が発生するという仕組みです。 確かにMLMは無理やり勧誘されたりして、人間関係が壊れたりするので良いイメージはありませんが、IMアカデミーの行っているマルチ商法自体に問題はありません。 ねずみ講は違法だがIMアカデミーは実態のある商品を扱っている ねずみ講とマルチ商法との違いは、製品の売買がされているかどうかです。 IMアカデミーはスクールを運営しており、運営歴も長いです。 MLMの信頼性の目安として、運営歴が5年以上あれば優秀という考え方があり、IMアカデミーの運営歴は5年を優に超えているため、スクールの実態は十分機能していると考えられます。 例えば、FXの情報商材をマルチ商法で売ろうと考え、中身が誰でも知っているような内容である場合、MLMのために架空の商品をでっち上げたという評価という判断もできますが、IMアカデミーの場合はそういった違法性は今のところ少ないと言えるでしょう。 IMアカデミーを利用する違法者や団体は存在する IMアカデミーの信頼性はある程度高いと言えますが、IMアカデミーをビジネスに利用する個人アフェリエイターや集団、グループの中には悪質な違法者も存在します。 例えば、「一緒に食事をしよう」という口実で会って、初めてIMアカデミーの話をする場合違法となります。 MLMの勧誘をする場合は、「IMアカデミーの話をします」と宣言し、予め相手の了解を得る必要があるからです。 こういったことは、IMアカデミーの規約にも記載されています。 強引に勧誘を行い、IMアカデミーに登録するまで帰さないといったようなやり口の場合は監禁罪に当たります。 MLMの勧誘には上記のような違法行為を行う勧誘者が多発する傾向があるのです。 IMアカデミーは投資助言業の資格を有していない IMアカデミーは日本人向けに明らかに営業をしていますが、日本の金融庁に未登録であり、投資助言業の資格を有していません。 なので、日本の法律では守られません。 トラブルが発生したりお金を持ち逃げされても保証がないということです。 金融庁は投資助言業の資格を有していない業者を国内で勧誘・営業を行うことも禁止しています。 講師のエントリーポイントの指導は違法に当たる可能性がある IMアカデミーでは、講師がリアルタイムにエントリーポイントの解説などを行っていますが、有料で投資に関する助言を行う場合、金融庁の許可がないと違法になります。 講師は「投資助言業」の資格を持っていない場合、有料でエントリーポイントを教えるのは違法です。 金銭が発生しない場合は、エントリーポイントの配信などは違法ではありませんが、IMアカデミーは月額費が発生してるので違法です。 処罰の対象の範囲に関しては曖昧ですが、IMアカデミーに参加し、MLMを行っている場合も、違法と判断される可能性はあります。 違法という判決が下された場合、「5年以下の懲役若しくは5百万円以下の罰金」に課せられます。 今のところ問題ないからと言って将来も問題がないわけではないので、利用は自己責任で行ってください。 法律違反でヨーロッパ圏で警告を受け改名した過去がある IMアカデミーは2019年に改名しており、前身はiMarketslive(International Markets Live)というもので、法律違反でヨーロッパから警告を受けています。 ヨーロッパやアメリカが投資の本場であることを考えると、IMアカデミーのシステムはヨーロッパやアメリカで通じなかったので、投資に関する知識が低い日本にやってきたということも考えられ、コンテンツのクオリティに対する疑惑も浮かびます。 キャッシュトラップには特商法の表記がない IMアカデミーが販売しているバイナリオプションの投資ツール「キャッシュトラップ」についてですが、特商法の表記が現在見当たりません。 特商法の表記がない場合、金銭トラブルや個人情報の漏洩・悪用が行われた場合、自己責任となってしまうので、注意が必要です。 キャッシュトラップの勝率7割以上に対する疑惑 基本的に、システム的なトレードは、ある期間では勝率7割以上だが、別の期間では全く機能しないというものとなります。 なので、キャッシュトラップが謳っている勝率7割以上という表記に意味があるのが疑問です。 講師の勝率に対する疑惑 IMアカデミーでは勝率7割以下の講師は首になるから、勝率の高いトレードを学べると謳っておりますが、トレードにおいて勝率は重要ではありません。 7割勝ててもトータルで負けてしまうことは十分に考えられます。 重要なのはリスクリワードと資金管理です。 例えば、7割勝てても残りの3割で大きく負ける場合、7割勝てる意味がなくなります。 逆に3割しか勝てなくてもトータルで利益を残せることは十分現実的に考えられ、そういった手法を行うトレーダーも多いです。 なので、勝率が悪いからと言って投資のスキルがないとみなし、首にするという行いには疑問を感じます。 BTHの5つ星評価に対する疑惑 IMアカデミーは格付けサイトのBFH(Business for home)に5つ星の評価を受けております。 しかし、BTHの権威はかなり怪しいのではないか?という疑惑があります。 BTHの創業者が米国当局から閉鎖されたマルチ運営の1人であるし、過去にお金を受け取ってポジティブなレビューをしたという経歴も存在するのです。 BTHから五つ星満点を貰っているからと言ってIMアカデミーの権威性が高いかと言われると疑惑が生じます。 IMアカデミーは詐欺とは言い切れないが、違法行為を行っている 「IMアカデミー違法なのか知りたい!」「IMアカデミーの問題点は?」ご要望にお応えすべく、IMアカデミーの問題について調査と検証を行い、解説してきました。 この記事で分かること IMアカデミーの会社概要 MLMとねずみ講の違い IMアカデミーは詐欺業者なのか? IMアカデミーのMLMに対する疑惑 IMアカデミーのコンテンツに対する疑惑 IMアカデミーの商品に対する疑惑 IMアカデミーを評価している格付けサイトBTHに対する疑惑 IMアカデミーは実態としてスクールを営業しており、間違いはありません。 スクールのクオリティも顧客資金を奪うのが目的の「詐欺」とは言い切れないレベルではあります。 しかし、日本の金融庁に未登録であり、違法性が高いのは事実です。 MLMの会員も場合によっては罪に問われる可能性もある点があるため、WikiFXとしてはIMアカデミーをお勧めできません。 利用する場合は、自己責任で行ってください。 猪首顧問のFXコラム:IMアカデミーは 本稿記事の執筆者は、冒頭で… 「IMアカデミーは完全に黒とは言い切れないものの、かなり違法性の高い行為を行っている業者というのが本メディアの見解です。」 と結論付けています。 確かに「真っ黒な詐欺業者」では無いものの、IMアカデミーに対して、私の視点では3つの課題(問題点)があると思います。 MLM(特定商取引)なのか? 金融商品取引法からの観点 トレードの学校としての内容と質はどうなのか? 既に本稿記事にても、以上の3点について解説がされていますが、私からも監修させていただきます。 ①MLM(特定商取引)なのか? 日本に営業拠点が無い、マルチ(ネットワーク)形態は明らかです。 商品(サービス)の実態はありますから、ねずみ講ではありませんが、特定商取引法の対象になります。 特定商取引法では「集客・勧誘」の際には必ず事前に以下の点を明示することが義務付けられています。 統括者や勧誘者、または連鎖販売業を行う者の氏名 特定負担が発生するMLM(連鎖販売取引)への勧誘が目的であること 商品またはサービスの種類 私は全国各地にある、IMアカデミーの営業現場に潜入しているのですが、恐ろしいくらい、この事前告知義務がなされていないところばかりでした。 販売元からの、営業モラルやルールなどの徹底が全くされていない感じでした。 ②金融商品取引法からの観点 IMアカデミーが提供しているサービスは、トレードにおける技術の向上のための学校ということですが、同社が前面に出してる“売り”は、同社所属のプロトレーダーの生トレードが見れるというもの。 勝率が70%~80%が無ければ、同社の公認トレーダーにはなれず、この勝率を下回ればクビになるらしいです。会員(顧客)は、このプロトレーダーの通り真似てトレードすれば、同じように勝てるというものです。 しかしながら、実際にこれだけの勝率で勝てたという実績は聞いたことがありません。 このように具体定な売り買いの情報を、対価をもらって提供するには、金融庁に金融商品取引法における「投資助言業」の登録が義務付けられています。 しかしながら、同社は日本国内に活動拠点を持っておらず、無登録業者ということになります。 これは、もうグレーどころか、真っ黒です… このことを指摘すると、 アメリカの会社だから、日本の法律は適用されないんです これは弁護士にも確認済みですから、問題ありません。 との回答でした。 正直な話、弁護士がこのような回答をすることは考えられません。もう“嘘の説明”の部類です。 「海外(アメリカ)の会社だったら、日本でなんでもやっていい」なんてことあるわけないですし、明らかな違法行為です。 そして、投資助言業に関する登録が必要なのにもかかわらず、無登録で投資助言業を行った場合、「五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金」に課される可能性があります。 重要な点として、この処罰の対象はグループリーダーだけではありません。 顧客を紹介することで紹介料がもらえる「IBO契約」に月々16.71ドルを払ってる人がいますが、これは代理店契約ですから立派なビジネス行為に該当します。。 「紹介するだけなら…」というような軽い気持ちでやってると、個人でも大きな代償を負うことになりますので注意が必要です。 ③トレードの学校としての内容と質はどうなのか? これについては下記の記事にて詳しく監修したいと思います。
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FXはメンタルコントロールが全て!?鍛え方をプロが徹底解説
FXではメンタルに関して次のように意見が分かれます。 FXメンタル2つの意見 ✔「FXにメンタルなんかいらない。確かな手法があれば十分だ。」 ✔「FXではメンタルコントロールが何よりも重要だ。」 あなたはどちらが正しいと思いますか? 結論から先に申し上げますと、FXではメンタルを適切にコントロールできないと、長く勝ち続けることはできません。 確かにトレード手法も大事です。しかしどんなに優れたトレード手法であろうと、メンタルをコントロールできない限りは、その手法は意味をなしません。 ここではFXにおけるメンタルの重要性と、メンタルの鍛え方やメンタルダメージの軽減法についてプロが徹底解説していきます。ぜひ最後までお付き合いください。 動画での解説はコチラ https://youtu.be/K4eyC6pmupI FXではメンタルコントロールが手法よりも重要な理由 FXでメンタルが重要なのは、常に損失と隣合わせだからです。 FXの世界ではプロトレーダーでさえ、勝率は5割未満というケースが多いです。 つまり、プロといえど半分以上のトレードを損切りで終えることになります。 私に至っては勝率は40%くらいです。それでも、適切なリスク・リワード設定ができていれば、トータルではプラス(勝ち)になるんです。 FXで勝てないトレーダーの多くは、目の前で自分の大切なお金が失われていくことに耐えられません。 恐怖・不安・焦り・イライラ・後悔、といった負の感情が一気に押し寄せ、冷静さが奪われるのは典型的な例と言えます。 冷静さを欠いたトレーダーはどうなるかというと、トレードルールを破ったり、根拠のないトレードをしてみたり、損切りができなくなるというわけです。 このようなメンタルが崩壊寸前の状態では、感情が先行し、決められたルール通りに行動できなくなるためトレード手法は意味をなしません。 もちろん、トレード手法は大切です。FXはメンタルのみで勝てるものではありません。 しかし順番としましては、まずはメンタルありき。 FXでは損失や含み損に耐えうるメンタルを持ち合わせていないことには、トレード手法を使いこなすことはできないのです。 FXで勝つためのメンタルの鍛え方 FXでは「メンタルの強化」=「勝つ」ことに直接つながります。そしてメンタルは誰もが強化できるものです。 ここからはFXで勝つためのメンタルの鍛え方について詳しく解説していきます。 FXの最高のメンタルトレーニングはルールに従うこと トレードルールを作るのは、FXをやる上では当然のことです。 エントリーや損切り、ポジションサイズや資金管理等にルールがないと感覚のみのギャンブルトレードを繰り返すことになります。 まずはトレードルールを作りましょう。 そしてメンタルを鍛えるために重要なのが、自分が作ったルールを愚直に守り続けることです。 ルールに従って出た損失であれば自分でも納得ができ、次のトレードにフラットな気持ちで臨むことができます。 相場の値動きはコントロールできるものではありません。しかし、自分の行動はコントロールできるものです。 つまり、自分の作ったルールに従うことによって、損失や含み損にも動じないメンタルが自然と作られていくのです。 猪首顧問からのアドバイス 相場の値動きはコントロールできない…そんなこと言われなくてもわかってるよ! という声が聞こえて来そうですが、落ち着いて聞いてください。 例えばトレードにおいて… 「もうこれ以上は下がってくれるな!」「ここからは下がるはずだ、とか、これ以上上がるな!」 というような、感情が前面に出た「期待感」で無駄な神頼みをしていませんか? わかってる(知っている)ということと、できる(実行)ということは、別物だと理解する必要があるのです。 トレードルールに従うというのは、 相場がどのように動いても決められたルールに則り、粛々に淡々とトレードを行うという事です。 含み益になっても含み損になっても、感情を揺さぶられることなく、機械的にアクションを起こせるようにならなければいけません。 FXでは損切り慣れることがメンタル強化になる 損切りを躊躇なく行えることはFXではとても大切なことです。 前述したように、FXではプロのトレーダーでも4割のトレードが損失になります。 つまり、FXをやる上で損切りは必ずあるものなのです。 その必ず存在するものに対してネガティブな感情を抱いていてはいつまでもメンタルは強化されません。 たしかに損失を確定させる行為には痛みを伴います。 しかし、損切りしないことにはいつまで経っても新たなトレードに向かうことはできません。 損切りはいわば仕切り直しをするためのもの。 損切りという行為をポジティブに捉え、迷いなく行えるようになれば自ずとメンタルが強化されるのです。 猪首顧問からのアドバイス FXの初心者は、 利食ったトレード=良いトレード損切りのトレード=悪いトレード と考えがちですが…これは間違いです。 トレードと言うのは、勝ったり負けたりの繰り返しです。 プロであっても、その勝率はせいぜい50%程度のものです。 だから、利食ったトレードも、損切りしたトレードも、どちらも単なるトレードにおける結果でしかなく、トレード結果に対して、良いトレードも悪いトレードも無いのです。 悪いトレードがあるとしたら、「損小利大」ができていないトレードです。 まずはこの大前提になる考え方を、しっかり身に着けましょう。 FXのメンタル強化に知っておきたい「プロスペクト理論」 プロスペクト理論とは「人は得する喜びよりも、損する痛みを避ける」とした、人間の行動心理を表したものです。 このプロスペクト理論を知っているか知らないかで、メンタルコントロールに大きな影響が出てきます。 例えば次のような選択肢があった場合、あなたはどちらを選ぶでしょうか? 質問① どちらか選んでください。 A: 100万円が無条件でもらえる B: コインを投げ、表が出たら200万円がもらえるが、裏であったらもらえない。 質問② あなたに200万円の借金があったとします。そのとき、以下の二つの選択肢が与えられました。どちらか選んでください。 A: 無条件で借金100万円が減る B:コインを投げ、表が出たら借金が全額免除されるが、裏が出たら借金はそのままである。 この2つの質問で、多くの人は質問①ではAを選択し、質問②ではBを選択します。 実は2つの質問の「期待値」はともに100万円です。 それにも関わらず多くの人は目の前に利益が転がっていると、利益が手に入らないことを恐れてリスクを回避しようとし、損失が目の前にあると損失そのものを回避しようとします。 つまり、人は得をすることよりも、損をすることのほうに敏感に反応してしまうのです。 これをFXに置き換えると「損失を可能な限り先延ばしにして、利益を可能な限り速く確定する」という行動になります。 自分のトレードルールや損切りポイントがあるのにも関わらず、コツコツ確定してきた利益を先延ばしにして膨らんだ損失によって吹き飛ばしてしまう「コツコツドカン」がその典型的な例でしょう。 このようにプロスペクト理論は、人はお金が絡む意思決定の際には合理的な判断ができないということを示すものでもあります。 したがって、このプロスペクト理論の罠に陥らないためには、前述した「ルールに従う」「損切りに慣れる」ということを徹底して行う必要があるということです。 そこに余計な判断や感情は要りません。 そうすることによってプロスペクト理論に打ち勝ち、メンタルを自分でコントロールできるようになるのです。 FXでメンタルがやられるのを防ぐトレード日記の書き方 自身のトレードを記録しておくこと、つまりトレード日記を書くことはトレード技術の向上だけでなくメンタルの強化にもつながります。 一般的なトレード日記に必要な項目は以下のようなものです。 トレード日時 通貨ペア ロット(取引数量) トレード方向 エントリーポイント エントリーの根拠 利確と損切りの位置 トレードの反省 チャートの写真 トレード毎にこれらの項目を埋めていけば、後からデータとしてトレード技術の向上に役立たせることができます。 これにプラスして、メンタル強化のために自分の「感情」を記入するのがおすすめです。 「エントリーした時」「損切りになってしまった時」「利益を確定した時」、その時々の細かな感情を記入することによって、感情の起伏パターンの癖がわかるようになります。 パターンがわかればコントロールもしやすくなり、よっぽどのことがない限りメンタルをやられることはありません。 このように書き方次第でトレード日記はメンタル強化に役立つアイテムになります。 なお、詳しいトレード日記の書き方についてはこちらの記事でも解説しておりますので参考にしてみてください。 https://japan.wikifx.com/overseas-fx-trading-diary/ FXのメンタル管理におすすめの本 世の中にはFX関連の本が多数発行されており、メンタルを題材にしている本も非常に多くあります。 それだけFXにおけるメンタルの果たす役割は大きいということでしょう。 ちなみに、メンタルコントロールにおすすのFX関連の本は以下の5冊です。 「デイトレード」 「ゾーン 相場心理学入門」 「マーケットの魔術師」 「悩めるトレーダーのためのメンタルコーチ術」 「トレーダーの精神分析」 いずれもFXだけなく、投資全般について書かれた古典とも言うべき本で、FXトレーダーであれば一度は目を通しておきたい5冊です。 Amazonに飛べるようになってますのでよろしければチェックしてみてください。 中でも特におすすめなのは「デイトレード」です。 デイトレードの心構えを説いた本で、損切りの重要性についてあらためて学ぶことができます。 この5冊の他では、厳密にはFX以外のジャンルの本になるのですが、前述したプロスペクト理論の提唱者であるダニエル・カーネマンの本もおすすめです。 ダニエル・カーネマンはノーベル経済学賞を受賞した心理学者です。 「ファストアンドスロー」や「ダニエル・カーネマン 心理と経済を語る」からはプロスペクト理論のようなFXにも役立つ行動経済学を学ぶことができます。 こちらもチェックしてみてください。 【厳禁】FXでこれをやったらメンタル崩壊の始まり FXでは損失や含み損がメンタルに大きく影響を及ぼすことは前述したとおりです。 そこでここからは、そうした損失や含み損を拡大させてしまうような、決してやってはいけない行動について見ていきます。 これをやったらメンタル崩壊まっしぐらですので気をつけましょう。 感情にまかせたトレード FXではいくら損失が出たとしても感情的になってしまってはいけません。 冷静さを失った時にありがちなのが「損失を取り返そう」と感情の赴くままにトレードしてしまうことです。 そのようなリベンジトレードでは、買いでダメなら売りというような根拠のないドテンのエントリーや、ギャンブル性の高いエントリーをしてしまいがち。 しかし、当然ながら勝てるはずもなく、さらに深みにはまりメンタル崩壊を引き起こすのです。 したがって、損失が出たときこそ冷静になり、トレードの量ではなく質にこだわりましょう。 感情にまかせたポジポジ病はメンタルを崩壊させるだけです。 ロット上げる これもリベンジトレードの一種になりますが、損失を取り返そうとむやみにロットを上げてはいけません。 投資の世界では「2%ルール」というものがあります。これは1回のトレードにおける損失を口座資金の2%までに抑えるというもの。 つまり、もし損切りになった場合の金額から逆算してポジションサイズを決めなくてはいけないということです。 ロットを上げてトレードすることは、それだけ損失のリスクも増すことを意味します。 むやみやたらとロット上げるのは自らメンタルに負荷をかけているようなものです。 メンタルが崩壊する要因になりますので、適切なポジションサイズでトレードを行うようにしましょう。 猪首顧問からのアドバイス リベンジトレードは元の金額に戻したいという気持ちだけでなく、「早く戻したい」という気持ちが生じることが多いと思います。 トレードと言うのは時間給で稼ぐものではありません。 然るべくタイミングでポジションを持つことによって、収益の可能性が生じるのがトレードです。 そして、その然るべくタイミングと言うのは、のべつ幕なくやってくるものではありません。 「その時を待つ」というのもトレードだと認識してください。 間違っても「昨日の損を今日中に取り返そう」だなんて発想は絶対に持たないように。 リスクリワードを正しく設定して、優位性のあるトレードを繰り返せば、必ず挽回できますから。 ポジション塩漬け 損切りできずに含み損を抱え続ける「塩漬け」をすることは、損失を先送りするというプロスペクト理論に支配されている状態です。 それまでに重ねてきた利益を吹っ飛ばす、コツコツドカンが起きてしまうのも安易にポジションを塩漬けしてしまうから。 たしかに含み損に耐え続ければプラスに転ずることもあります。 しかし多くの場合、強制的に相場から退場させられるほどの損失を被るのが現実です。 問題を先送りしても損失が拡大しメンタルが崩壊に向かうだけ。 何度も言いますが、損切りはしっかりと行うようにしましょう。 聖杯探し FXにおける聖杯探しとは、必ず勝てる特別な手法を延々と探し続けることです。 もちろん、必ず勝てる手法などというのは存在しません。 そのような聖杯があるとしたら、このインターネット時代ではすぐに拡散されていることでしょう。 トレードというのはある意味ひとつのスキルです。 自ら考え、仮説・検証を繰り返さないことには磨かれるものではありません。 その過程を飛ばして必勝法を探すというのは、思考が停止し何かに依存しようとしている状態です。 そのような状態ではひとつの損切りや含み損ですぐにメンタルが崩壊してもおかしくはありません。 思考停止の依存状態では、メンタルももろいものになってしまうのです。 海外FXの高レバレッジトレード 日本のFX業者では法律によりレバレッジが25倍と定められていますが、国内の金融商品取引業の登録を受けていない海外のFX業者そうではありません。 海外FX業者の中には1,000倍を超えるレバレッジのところも見受けられます。 そのような高レバレッジは、一見魅力的に映りますが諸刃の剣です。 少ない資金で大きなサイズのトレードができるということは、その分損失額も大きくなるということ。 もちろん大きな利益を狙うこともできるでしょう。 しかしFXに損切りはつきものだということを忘れてはいけません。 海外FXの高レバレッジトレードでは、ひとつの損切りでメンタルが崩壊してしまうということが起こり得るのです。 また、SNS等で度々話題になりますが、海外FX業者には出金拒否などのネガティブな噂が常につきまといます。 もし本当にそのようなことがあれば、メンタル崩壊どころではないでしょう。 信頼性という意味でも、メンタルの安定という意味でも日本のFX会社で堅実にトレードすることをおすすめします。 https://japan.wikifx.com/overseas-forex-strike-it-rich/ FXで大負けした時のメンタルダメージ軽減法 FXでは連敗や大損してしまった際にメンタルがやられることが多々あります。 そんな場合のメンタルダメージ軽減法についてまとめてみました。 ロットを下げる 連敗や大負けの後は、いつもよりロットを下げてトレードすることをおすすめします。 ポジションサイズを下げるだけで、メンタルにかかる負荷は大幅に軽減されます。 あるいは一旦デモトレードに戻って練習するというのもいいでしょう。 要するに、資金を失うリスクを抑えればメンタルダメージも軽減されるということです。 トレード日記を見直す FXで大負けしてメンタルがやられている時というのは、自分ことが見えなくなっている状態です。 無意識のうちに自分の悪い癖が出ている場合がほとんどですので、そんな時はトレード日記を見直してみましょう。 自分の悪い癖や、負けパターンを確認することで、負けトレードを冷静に分析できるようになり、メンタルダメージが軽減されます。 FX仲間をつくる トレードは孤独との戦いでもあります。 たとえ家族がいたとしても、FXのことは話しづらいものです。ましてや損失に関してならなおさらでしょう。 そうした時に力になってくれるのがFX仲間です。 同じFXをやる者同士、損切りになったトレードや、利益確定に失敗してしまったトレードなど、失敗を共有することによってメンタルのダメージは大幅に軽減されます。 もし身近にFXをやっている人がいなければ、コミュニティに入るのもおすすめです。 SNS等でのつながりだけでも、メンタルダメージは大幅に軽減されます。 トレードの情報発信する ブログやTwitterなどのSNSで情報発信することもメンタルダメージ軽減にはおすすめの方法です。 どんなに大負けした場合でも、それを発信することによって辛い経験もひとつのネタになり、コンテンツになります。 負けトレードも、受け取る人にとっては格好の学習材料になるということです。 ネガティブな感情を溜め込んでおくより発信することによって気分が晴れるでしょうし、人の役に立てるということで一石二鳥の方法になります。 トレードから一旦離れる どうしてもメンタルダメージが回復しない場合は、思い切ってトレードから離れてみることをおすすめします。 チャートも一切見てはいけません。もちろんデモトレードもやらないようにしましょう。 完全にFXから離れ、トレードのことを一切考えないようにしてください。 相場の世界では「休むも相場」という格言があるように、無理にトレードしても良い結果は出ません。 休むことが結果として、勝ちにつながっていくのです。 まとめ ここまで見てきて、FXではメンタルが非常に重要な要素であることがおわかりいただけたかと思います。 FXで勝てるようになるにはまずはメンタルを鍛えましょう。 ただメンタルを鍛える上で難しいのが、デモトレードではなかなかメンタルは鍛えられないということです。 やはり実際のお金が動くリアルトレードでしかメンタルを鍛えることはできません。 こつこつ積み重ねていくしかないということです。 ぜひここでご紹介したメンタルの鍛え方を地道に実践してみてください。 もちろん、メンタル崩壊につながるような行動はしてはいけませんよ。 毎日の積み重ねが強いメンタルを生み、勝てるFXトレーダーを生みます。 勝ち組トレーダー目指して、まずはメンタルを鍛えていきましょう。 猪首顧問のFXコラム:勝ち組になるためには「負け慣れ」を身に付けよ トレードを続けてると、連敗という場面はときに発生するものです。 1年を通せば、3連敗とか、5連敗なんて、何回か遭遇するもの… 確率的には早々起こるものでは無いです。 例えば5連敗が起こる確率というのは… 50%×50%×50%×50%×50%=3.12% 100回トレードやって、3回あるか無いかくらいの小さなもんです。でも、起こるときは起るんですよね。 ただ、その滅多に来ない5連敗に遭遇したとき、平常心でトレードを続けられるか?そのためのメンタルコントロールなのです。 これができるようになるためには、理屈で分かってるだけではダメなんです。 とにかくトレード数をこなして、経験数を増やして、負け慣れ(損切り慣れ)をすることが重要です。 何の世界でも、練習をたくさんやった人の方が、たくさん経験した人の方が、上手になるのは当たり前ですよね。 例えば、100回トレードをやって、50勝50敗(勝率5割)だったとしても、リスクリワードの設定が間違っていなければ、そんなに大負けしません。それどころか勝率が50%未満でも、トータルでは勝っているはずです。 あと、金額慣れも必要です。 まだ経験が浅いからとか、練習中だからと言うことで、控えめすぎる金額やデモ取引だと、ゲーム(お遊び)の延長になってしまい、本当の技術「負け慣れ」が身につきません。 お遊びで養った感覚は、お遊び場でしか機能しないのです。 特定の金額を言うのは難しいのですが、やはり真剣になれる金額、例えば「このお金が無くなったら痛いな・・・・」なくらいの金額でやるのが、上達への早道かと思います。(だからと言って生活に必要な資金を使ってまではダメですよ) 上記を経て、損切り慣れの感覚が身についてきたころには、トレードの結果に一喜一憂しないメンタルが出来上がっています。 この領域まで来れれば、あなたは既に勝ち組に入っています!
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FXの押し目とは?押し目買い・戻り売りのオススメ手法を解説
FXの押し目買いと戻り売りで大きな値幅を取り切るトレードができるようになりたい! 押し目と戻り目は何となく分かるけど、さらに押したり戻されたりしそうで不安……。 FXチャートを前に、苦戦しながらテクニカル分析をしている方も多いのではないでしょうか。 ところで、FXの押し目買い・戻り売りで勝つために大切なポイントを押さえていますか? この記事でわかること FXの押し目買い・戻り売りの概要と勝てるトレードの条件 FXの押し目買い・戻り売りに必要な分析方法について 成功するFXの押し目買い・戻り売りの具体的なエントリー方法 FXの裁量トレードで押し目買いと戻り売りをするときの重要なポイントを分かりやすく解説します。 時間の経過とともに廃れることのない手法ですので、せひ実際のトレードに役立ててください。 FXの押し目・戻り目とは FXの押し目とは、通貨ペアの価格が上昇している中で一時的に下がった局面のことで、その後に再度上昇に向かったときのみに使われる言葉です。 押し目となる理由は、利益確定やリスクオフなど外的要因を背景にした売りによるものですが、上昇トレンド中の押し目は絶好の買い場となります。 また、FXの戻り目は押し目をひっくり返して考えるだけです。通貨ペアの価格が下落している中で一時的に上がった局面を指しています。 FXの押し目買い・戻り売りについて ここからはFXの押し目買い・戻り売りの概要を解説します。「押し目と思ったところが実は押し目じゃなかった......」なんて事態を避けるためにも、順々に読み進めてくださいね。 FXの押し目買い・戻り売りのエントリーや拾い方 FXの押し目買い・戻り売りは、トレンドに合わせることで通用するトレード手法です。 押し目買いであれば上昇トレンドにおける一時的な下落で買い、戻り売りであれば下降トレンドにおける一時的な上昇で売ることになります。 仮に下降トレンドにおける一時的な反発で拾ってしまうとどうなるでしょうか。 下降トレンドで戻り売りが優勢にも関わらず安値①で押し目買いをした場合、そのままズルズルと下落に巻き込まれ、損切りしなかったときには瞬時に大きな含み損を抱えてしまいます。 FXの押し目買い・戻り売りのメリット FXの押し目買い・戻り売りのメリットを2つにまとめました。 トレンドフォローの初動エントリーで利益が伸びる 1つ目のメリットは、トレンドフォローの初動エントリーで利益を伸ばせることです。 トレンドが継続する※限りポジションを取った方向に値が伸び続けます。つまり順張りFXトレーダーは、トレンド方向に再度値動きが生まれる初動を捉えることが収益率を最大化する最良の方法です。 トレンドが継続するとは: ダウ理論の6つの基本原則の一つ「トレンドは転換の明白なシグナルが発生するまで継続する」が該当します。つまり、上昇トレンドであれば安値切上・高値更新、下降トレンドであれば高値切下・安値更新をしている間はトレンドが継続しています。 狙う利益幅に対する損失幅が狭くなる 2つ目のメリットは、狙う利益幅に対する損失幅が狭くなることです。 成功するFXトレーダーの大半はエントリー前から目安の利確値と損切値を定め、リスクリワードの良いトレードを積み重ねていきます。 例えば、上昇トレンドにおける押し目①で拾った場合と上昇途中②でロングしたときを比較すると、同じ安値に損切り設定した場合の損失幅の違いは一目瞭然ですね。 FXで値幅ある押し目買い・戻り売りを成功させるために、押し目と戻り目を見極めてエントリーすることが大切です。 FXの押し目買い・戻り売りのデメリット 続いてFXの押し目買い・戻り売りのデメリットを2つにまとめました。 エントリー直後の逆行で損切りが積み重なる可能性 1つ目のデメリットは、損切り値が適切でないとエントリー直後の逆行で損切りが積み重なる可能性があります。 押し目買い・戻り売りを狙うトレーダーは利益幅を伸ばす目的の他に、損失幅を狭くすることがあげられます。 それゆえ、テクニカル分析が甘い状態で変に狭い逆指値を設定すると、エントリー直後の逆行ですぐに刈られて損切り貧乏になってしまいます。 マルチタイムフレーム分析が必要で初心者には難しい 2つ目のデメリットは、マルチタイムフレーム分析が必要で初心者の方には難しいことです。 マルチタイムフレーム分析とは:上位足と下位足を総合的に分析してトレードの精度を上げる分析方法です。トレードの優位性が高いエントリーポイントを絞り込むことができ、勝率アップが期待できます。 FX初心者の方には大変難しく、裁量トレードに挫折する大きな原因でもあります。しかし、トレンドに合わせる順張りトレードで稼ぐためには必須の技術であることを忘れないようにしましょう。 参考記事:マルチタイムフレーム分析ってなに?使いこなせれば勝率アップ! FXの押し目買い・戻り売り成功の鍵はマルチタイムフレーム分析でトレンドを見極めることです。 FXの押し目買い・戻り売りの注意点 FXの押し目買い・戻り売りの注意点を3つご紹介します。 トレンドに沿った順張りで使う手法 1つ目の注意点は、トレンドに沿った順張りで使う手法であることです。 FXの押し目買いと戻り売りが機能するのは、トレンド方向に再度価格が継続して動き出すことが大前提です。 なぜならFXトレーダーの共通認識として、先述のダウ理論「トレンドは転換の明白なシグナルが発生するまで継続する」があります。それゆえ、上昇トレンドであれば安値切上げ高値更新することを想定し、その過程における一旦の押し目を拾っていくことになります。 高値掴みと底値売りによる含み損 2つ目の注意点は、高値掴みと底値売りによる含み損です。FXチャートは高値と安値を作りながら波打っています。 いくら上昇トレンドや下降トレンドが続いていても、必ず新たな安値や高値を作りにいくものです。 それゆえ順張りトレーダーはロング勢力の買い疲れやショート勢力の売り疲れが起きるポイントをテクニカル分析で見極めていく必要があります。たとえ損切りにならずとも、含み損は資金効率を悪くして心理面にも悪影響があるので避けたいものですね。 押し目待ちに押し目なし【相場格言】 3つ目の注意点は、相場格言「押し目待ちに押し目なし」です。 予測に反して対象通貨ペアの価格が上昇し続けてしまい、トレードや投資の好機を逃すことを指しています。 例えば2022年3月10日以降のドル円の急上昇、116円を上限とするレンジから解放された途端に130円まで駆け上りました。年に数回あるかも分からない本当に強い相場では、待ち姿勢でいては稼ぐ機会を丸ごと失う好例となりました。 猪首顧問からのアドバイス 強いトレンドが発生しているときほど、押し目や戻りを付けにくいのも事実です。 ひたすら押し目を待っていて、結果エントリーができないまま上げを眺めている…なんてことも 下げトレンドからの転換で上げトレンドに変化した後の第1エントリーは、下げ途上の高値切り下げ・安値更新から、直近高値を上抜いたタイミングが狙い目です。 一見高値掴みに見えるかもしれませんが、エントリーの機会を逃さないためには、このポイントで買いエントリーしてみるしかありません。 ここで、本来持とうと思っているポジション数を一度で全て買うのではなく、2分の1もしくは3分の1くらいの買いポジションを持ってみるというのが重要です。 その後上手く上げの流れに乗れたことを確認できたら、そこから押し目が発生したタイミングで、残りの2分の1、3分の2をエントリーするくらいの分割売買がオススメです。 これなら大きな上げ相場でエントリーの機会を失うことはありませんし、仮にそれが高値掴みになったとしても、損失は2分の1か、3分の1に抑えることができます。 FXの押し目買い・戻り売りで勝てないトレーダーの共通点 FXの押し目買いと戻り売りが「分からない」「待てない」「難しい」と悩んでいる方もいるでしょう。勝てないトレーダーの共通点は「マルチタイムフレーム分析ができていない」に尽きると言って過言ではありません。 FXの押し目買いと戻り売りはトレンドをフォローする順張りで使う手法だとお伝えしました。しかし、異なる時間足を分析して最適なエントリーポイントを見極めることは大変むずかしいことです。 ここからは実践できる押し目買い・戻り売りを解説するので、少しでも順張りトレードのパフォーマンス向上に役立ててください。よろしければ「マルチタイムフレーム分析ってなに?使いこなせれば勝率アップ!」も合わせて参考にしてください。 FX押し目買い・戻り売りで勝てるポイントの判断方法 ここからはチャートを用いて実践的な内容を解説していきます。FXの押し目買い・戻り売りで勝てるポイントの判断方法は、マルチタイムフレーム分析で伸びやすい価格帯を明確にすることです。この価格帯には2つのポイントがあります。 長い時間足の押し目・戻り目である 長い時間足の反対勢力が存在しない FXの順張り裁量トレーダーは、この2つをハッキリさせるためにテクニカル分析をしています。 長い時間足の押し目・戻り目を見極める 1つ目のポイントは、長い時間足の押し目・戻り目を見極めることです。 シンプルに考えるため、押し目買いのみを例にします。 押し目買いをしてからレートが大きく伸びるためには、エントリー後により多くの買い注文を必要とします。注文には新規・追加・損切りしかないので、3つの注文が重なるポイントを分析すれば良いわけです。 どうやって3つの注文が重なるポイントが分かるの? これこそがマルチタイムフレーム分析です!15分足・1時間足・4時間足・日足と異なる時間足を分析する中で、エントリーに使用する時間足が異なるトレーダーが買いたいと思う価格が合致したら最高にレートが伸びるポイントになります。 もっと具体的に教えて! それこそが長い時間足の押し目・戻り目の見極めです。ドル円の日足を用いて解説しますね。 ドル円の日足は安値①をつける前に高値を更新しており、レートが安値①近辺にあるときは押し目を作って上昇トレンドへ転換することを考える場面です。 日足ベースで押し目から反転上昇したのを確認してロングをしても遅いですよね。なので、4時間足以下を分析することになります。 ドル円の4時間足を見ると随分景色が変わりますね。 日足よりも下げ止まる印象が強くなったのではないでしょうか。理由は日足が①を安値にして上昇トレンドに転じるかを見極めていく場面において、4時間足が安値②の前に高値を作っています。さらには②の安値を左に延長すると、過去の安値と直近の売買が交錯した価格帯(支持帯)を支えにして反転上昇に向かうことを想定しやすくなります。日足で押し目買いが入りやすい水準において、4時間足でも拾っていける価格帯であることが分かりますね。続いて1時間足を見てみましょう。 ドル円の1時間足は4時間足の安値②で明確なダブルボトムを作っています。日足や4時間足よりもさらに下げ止まる印象を強く受けるのではないでしょうか。 ここで各時間足をエントリーに使うトレーダーの心理を想像してみましょう。 日足トレーダー:今は上昇トレンドへ転換する目前、押し目になりそうだから買いたい4時間足トレーダー:今は上昇トレンドへ転換する目前、押し目になりそうだから買いたい1時間足トレーダー:今は…… 一番長い時間足の日足で上昇トレンドに転換しそうな局面だからこそ、みんな同じことを考えるのです。そして1時間足の高値③においては、次の3つの注文が集中することを想定できます。 ・1時間足高値③ブレイクアウトによる新規の買い注文・安値①、②で押し目買いをした買い勢力による高値③ブレイクアウトでの追加注文・売り勢力の損切り注文 FXの押し目買い・戻り売りで実際に稼ぐためにも、3つの注文の重なりを意識すると良いですね。 これは4時間足以下までブレイクダウンしたときに見えてくるものなので、頭の片隅に置いておいていただけたらなと思います。 さらには長い時間足のトレンドは短い足のトレンドより優先するという市場参加者の共通認識があります。なぜなら、巨額の資金を動かす機関投資家やヘッジファンドは日足をメインに取引している場合が多いためです。 それゆえ個人のFXデイトレーダーは4時間足以下の分析に注力し、大きな流れに一歩早く乗れる押し目買いに注力します。つまり、FXの押し目買いの精度を高めるために異なる時間足の分析が必須になり、それこそがマルチタイムフレーム分析となります。 長い時間足の反対勢力が存在しない価格帯を見極める 2つ目のポイントは、長い時間足の反対勢力が存在しない価格帯を見極めることです。 押し目と思って拾ってみたけど、ちょっと逆行しただけで利確しちゃった...... 理想的な押し目買いであったにもかかわらず利確を急いだがために、その後想定方向に大きく値が伸びて悔しい思いをしたことはないですか? それは押し目買いからレートが伸びる価格帯の見極め(利確目安)が甘いことが原因です。FXの押し目買い・戻り売りからレートが伸びる価格帯には長い時間足の反対勢力が存在しません。 まずはドル円の1時間足を見てみましょう。 ドル円の1時間足は上昇トレンドからレンジに入り、高値①を抜けたくらいで再度上昇トレンドを作る流れに見えますね。高値①を抜けてロングしたらどうなったでしょうか? 押し目買いが少しだけ入ってすぐに売り込まれてしまいました。4時間足を見てみましょう。 ドル円の4時間足を見ると大きなレンジ内をレートが推移しており、少し前に売り込まれていたことから、押し目買いよりも戻り売りが優勢になりやすい環境であることが分かります。 1時間足の高値①をブレイクアウトで買うことや、その前に押し目買いをすることは難しいですね。 さらに日足を見てみましょう。 ドル円の日足をみると高値切下げ安値更新で下降トレンドだと分かります。ここで長い時間足の売り勢力の存在を青い四角で示しました。過去の安値で直近の2つの高値(①の左側)が上値を抑えられており、青い四角が日足の抵抗帯になっていることが分かります。 1時間足では買いで入っていけるように見えた局面が長い時間足にすることで反対勢力の存在を明確にすることができます。つまりドル円の1時間足では押し目買いに見えたポイントが、長い足を分析することで反対勢力の存在を確認することができます。 実際にFXトレードをする際には4時間足以下を多用してエントリーを探ることになるでしょう。しかし近視眼的なチャート分析だと、機関投資家やヘッジファンドなどの反対勢力の存在を忘れがちです。 このような反対勢力が存在しない価格帯を見極めることが伸びる価格帯の選別にそのままつながるので、マルチタイムフレーム分析は順張りに必須条件となります。 戻り売りで勝てるポイントの判断方法はチャートの見方を真逆にするのみです。 FXの押し目買い・戻り売りで勝率を高めるエントリー方法 ここからは勝率の高いFXの押し目買いと戻り売りを2つご紹介します。上記の伸びる価格帯でエントリーできたら一気に値幅を取れるので、なんとか習得していきましょう! 長い時間足の支持線・抵抗線反発でエントリー 1つ目のエントリー方法は、長い時間足の支持線・抵抗線反発でエントリーすることです。再び上述の上昇トレンドに入ったドル円の日足を見ていきます。 シンプルに考えるため、押し目買いのみを例にします。 結果論ですが、安値①は上昇トレンドにおける絶好の押し目買いポイントでした。ただし実際にトレードをしていた場合、①で安値を作らずにさらに下落する不安にかられた方も多いでしょう。 では、安値①が押し目の候補になると判断するにはどうしたら良いのでしょうか?一つ短い4時間足で確認します。 なんか様子が変わったけど、どう考えたらいいのだろう? ドル円の日足を見ていたときよりも安値①が押し目になりそうに感じますよね。その理由は安値①の水平線を左に延長したところに、4時間足で認識できる売買が交錯した価格帯(支持帯)が存在するからです。 日足はすでに高値を更新しており、安値切上げを想定した押し目買いが意識されやすい環境です。そこに表れた水平線①ですから、資金管理をしつつも押し目買いで積極的に拾っていく局面となります。 それでは、さらに短い1時間足を見てみましょう。 ①で押し目買いしたいと思わない。なんでだろう…… FX初心者の方も感覚的に安値①で買いたい!とは感じないでしょう。なぜならドル円の1時間足では明確に高値切下げ安値更新がおきて下降トレンドに転換しているからです。 ところが、この流れこそがFXの押し目買いポイントの理想形です! 冒頭で長い時間足の支持線・抵抗線反発でのエントリーがポイントだとお伝えしましたが、1時間足だけの短期思考になっていると、4時間足で確認した長い時間足の支持帯の存在を見落としてしまいます。 ですので、1時間足以下の短い時間足で反転ポイントを細かく探りながら、4時間足以上の長い時間足の支持線近辺の反発を確認して、資金管理をして押し目買いで拾っていく手法になります。 なお、日足の通り強い支持帯が作られていないことや1時間足の下降トレンドが継続して、短い足のトレンドが長い時間足へ波及することも想定すべき場面です。 よって、一括で全て損切りするか、もう一段・二段と下で押し目買いするために資金を分散させて反転上昇想定で拾っていくことになります。 短い時間足の支持線・抵抗線ブレイクアウトでエントリー 2つ目のエントリー方法は、短い時間足の支持線・抵抗線ブレイクアウトでエントリーすることです。 上述の上昇トレンドに入ったドル円の1時間足で解説します。 早速ですが1時間足の高値③に注目してください。この水平線をブレイク・アウトして急伸した理由がわかるでしょうか? 1時間足だけみると下降トレンドだけど、今まで習ったマルチタイムレーム分析だと......考えが整理できない。 FXのマルチタイムフレーム分析では長い時間足を優先することをお伝えしました。先述のとおりドル円の日足は上昇トレンドへ転換する局面に入っており、4時間足は安値①で押し目買いされて新たな高値を作っていましたね。 そしてドル円の1時間足は、過去の支持帯に支えられた安値②でダブルボトムを形成してから高値③を新たに作りました。 高値③をブレイクアウトしそう! リアルチャートでも誰もがブレイクアウトまで想像できるでしょう。日足は高値更新しており長い時間足の強い反対勢力は存在しません。ここでのポイントは、高値③に上述の3つの注文が集中しているかの見極めです。 ・1時間足高値③ブレイクアウトによる新規の買い注文・安値①、②で押し目買いをした買い勢力による高値③ブレイクアウトでの追加注文・売り勢力の損切り注文 1時間足高値③はデイトレードで理想的な買いのポイントになっています。買いが買いを呼び込み、売り勢力が慌てて買戻しに迫られています。 FXの押し目買い・戻り売りのためにマルチタイムフレーム分析をする過程で、常にこの3点を意識することをおすすめします。デイトレードで多用する1時間足をメインにし、スイングトレードでは4時間足で同じようにチャート分析すると、伸びやすい価格帯を明確に判断できるでしょう。 戻り売りで勝率を高めるエントリー方法はチャートの見方を真逆にするのみです。 FXの押し目買い・戻り売り手法の精度を高める方法 マルチタイムフレーム分析からFXの押し目買い・戻り売りの目安となる水平線を定めたものの、これだけでは心もとなく感じることもあるでしょう。 その際にエントリーを後押しして精度を高める4つの方法をご紹介します。 トレンドラインでエントリーポイントを見極める 移動平均線でエントリータイミングを判断する フィボナッチで押し目・戻り目の深さを判断する オシレーター系のインジケーターでエントリー精度を高める 選定の基準は古くから使われ続けているテクニカル指標です。 FXでは大衆心理が相場に影響を与えるため、誰もが意識するものを基本とします。 引き続きシンプルに考えるため、押し目買いのみを例にします。 トレンドラインでエントリーポイントを見極める 1つ目は、トレンドラインです。ダウ理論でトレンド継続を確認したら、押し目買い・戻り売りの目安となる水平線にトレンドラインが重なるかを見ていきます。 ドル円の4時間足です。安値切上げから高値更新で上昇トレンドを形成しているので、安値①と安値②を結ぶことで上昇トレンドラインを引くことができます。そして前回高値の水平線③と重なることから、押し目買いが強く意識されるポイントになっています。 参考記事:プロがオススメの手法を解説 | トレンドラインについて 移動平均線でエントリータイミングを判断する 2つ目は、移動平均線です。トレンド継続中における押し目買い・戻り売りの目安となる水平線を移動平均線が支えるか・抑えるかで判断します。 また、トレンド形成が再加速する初動を捉えるために移動平均線の収縮から拡散をイメージしていきます。 先述のドル円4時間足の時間軸を長くしました。 まず④について、上昇トレンドが継続しているので赤色の移動平均線が支えになることを想定します。そこに売買が交錯して作られた安値と重なることから、押し目買いのポイントになります。 また、トレンド形成が再加速するときの初動は、2つの移動平均線の収縮から拡散をイメージしていきます。赤色より一つ長期の青色の移動平均線を追加しました。 トレンドラインの項目で確認した水平線③の押し目買いが入るあたりで、二本の移動平均線が収縮しているのが分かります。リアルタイムでチャートを見ていると、まだドル円が買われていない状態ですから、もっとギュッと近寄った状態になっています。 すでにドル円は上昇トレンドに転換しているので、水平線③にレートが近づいている時点で、再度上昇トレンドの形成が加速するとともに、二本の移動平均線が拡散に入るイメージを持てるかがエントリー精度を高めるポイントになります。 なお移動平均線の使い方は十人十色なので、FX初心者の方は使い方に迷うでしょう。こちらの記事「移動平均線がパーフェクトオーダーになっているか」で種類や期間設定を解説しているので、参考にしてくださいね。 フィボナッチで押し目の深さを判断する 3つ目に紹介するフィボナッチにはいくつか種類がありますが、FXで広く使われるフィボナッチ・リトレースメントで押し目・戻り目の深さを判断します。 ダウ理論で相場が上昇トレンドまたは下降トレンドにあると認識できたときに使うツールで、一般的に用いられる水準は「23.6%、38.2%、50%、61.8%」です。 実際のチャートで押し目の深さを判断する方法を見ていきましょう。 先述のドル円の4時間足です。終点の高値を「0%」、上昇起点の安値を「100%」に指定して結びます。すると「23.6%、38.2%、50%、61.8%」の押し目水準が自動表示されます。 今回は高値から38.2%下落して押し目を作り、反転上昇に転じています。実際に強い支持線がないのでフィボナッチのみで押し目買いをするのは難しいですが、上述のトレンドラインや移動平均線と重ね合わせることで、押し目買いの目安になることが分かります。 戻り売り手法の精度を高める方法はチャートの見方を真逆にするのみです。 オシレーター系のインジケーターでエントリー精度を高める 4つ目に紹介するオシレーター系インジケーターの代表例は、ストキャスティクス・RSI・RCIなどが上げられます。利用者の多いMACDはオシレーター系に分類されることが多いですが、トレンド系の性質も合わせもっています。 オシレーター系インジケーターは移動平均線よりも百人百様の色合いが強いため、本記事ではオシレーター系インジケーターの共通の考え方のみ簡単にふれておきます。 オシレーター系のインジケーターはFXトレーダーの心理状態を数値化したものだと捉えてください。 押し目買い・戻り売りに対するトレーダーの強気・弱気度合いを客観的に判断できます。ただし単独で使うと非常に精度が悪く、通常はトレンド系の指標と合わせて使います。 例えばトレンド転換を示唆するサインにダイバージェンスがあります。トレンドの方向性とトレーダーの心理状態の不一致を表しますが、ダイバージェンスが起こってからもトレンドが継続することは多々あります。 FXの押し目買い・戻り売りの基本はダウ理論に基づいたトレンド判定、そして水平線によるエントリーポイントの明確化です。その上にトレンドライン等のトレンド系指標を重ね合わせ、その後にオシレーター系インジケーターで補足することが基本です。優先順位を間違えないようにしましょう。 確かなテクニカル分析のもとでオシレーター系インジケーターが効果を発揮します。 FXの押し目買い・戻り売りを極めて一歩先のトレードを実現 ここまでFXの押し目・戻り目から始まり、相場で勝つための押し目買い・戻り売りの考え方や実践的なトレード手法をお伝えしてきました。 この記事を2つにまとめると FXの押し目買い・戻り売りは長い時間足のトレンドフォローの順張りで使用する FXの押し目買い・戻り売りで勝つためにはマルチタイムフレーム分析が必須 FXの押し目買い・戻り売りで稼ぎ続けるには、この2点を徹底することが大切ですね。 マルチタイムフレーム分析は職人技です。真摯に日々FX相場に向き合い、異なる時間足を分析して総合的な判断を積み重ねる。その先には、大衆の一歩先をゆく理想的なトレードを実現できるようになっているでしょう。 猪首顧問のFXコラム:我々の目標は後講釈の評論家になることではない 今回の「押し目買い・戻り売りのテクニック」に限らず、相場の分析は過去のチャートに当てはめれば、いかようにも解釈することができます。 「この時の相場は、オシレーター系のこのインジケーターが機能していた」…だとか、「あの時の相場は、ボリンジャーバンドをトレンド系的に使えば大きな幅が取れた」…とか。 いずれの手法も、チャートを後から振り返れば、必ず何かの分析手法にあてはまるものなんです。 大事なことは、我々は後講釈の評論家になることが目的では無いということ。 記事の中で「職人技」と言う表現がありましたが、まさに職人芸が必要なのかもしれません。 職人と言うのは、あれもこれもと技術の目移りをするのではなく、一つの技術を繰り返し繰り返し追及して、“一つの完成された技を持っている人”のことだと言えます。 トレードの世界も同じです。手法や分析方法はそれこそ無限にあります。相場分析手法が「後から講釈」の道具にならないように、自身の得意な手法や分析方法を極めることを意識してください。
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FXのアノマリーとは?効果的な活用法も解説|検証結果アリ
FXやその他投資関連の書籍などを読んでいると「アノマリー」というものを目にすることもあると思います。 「FXのアノマリーってどんなものがあるの? FXのアノマリーは本当に信憑性があるの? この記事を読んでいる方はきっとこのように考えていることでしょう。 そこで今回はFXのアノマリーについて徹底解説していこうと思います。 アノマリーが本当に信憑性があるのか検証もしているので、ぜひ参考にしてくださいね。 FXのアノマリーとは アノマリーという言葉は、「一定の法則・理論に基づいても説明できない事象・物体」という意味を指します。 FXにおいてもアノマリーがあり、なぜそのように動くのかを論理的に解説することはできないが、過去の傾向からそのように動きやすいという法則が存在しているのです。 アノマリーを理解し、自分のトレード手法に組み込んでいくことなど、トレード判断の参考にしている方も多く存在します。 FXのアノマリー 一覧 今回ご紹介するアノマリーを一覧にしてまとめています。 気になるものだけでもいいので、ぜひ参考にしてみてくださいね。 年間でのアノマリー一覧 月アノマリーの内容1月1月にドル円が下落(月足が陰線)したらその年は下降相場に1月にドル円が上昇(月足が陽線)したらその年は上昇相場に2月ドル円が円高(下落)傾向になりやすい3月ドル円は下落傾向になりやすい4月円安方向になりやすい5月株が売られるのでドル円も影響して円高になる傾向がある6月夏休みに入るファンドが多くなり、市場参加者が減るので市場の動きが少なくなる7月夏のボーナスかつバカンス前でアメリカの人が株を買いやすくなる時期のため、株価が上昇しやすいドル円が上昇しやすい8月日本の夏休み・お盆・海外のバケーションが重なり、市場参加者が減り、値動きが鈍くなりやすいアメリカ国債の利払いが行われる時期でもあり、円高になりやすい9月9月は大相場を形成しやすい日本企業の中間決算に向けたリパトリが始まり、ドル円は下落傾向となる10月相場は10月に底をつけやすい過去の歴史的な大暴落もこの月によく起こっている11月相場は月末にかけて反転する可能性が高い12月ドルが買われドル高になりやすいクリスマス自は各国の株式市場が休場なので動きが鈍くなる1月効果(その年一年の動きが決まる)を期待して、クリスマス後に買いを入れてくる動きもある 月次でのアノマリー一覧 アノマリー名称アノマリー内容ゴトー日(5の倍数の日付)ゴトー日(5の倍数の日付)に円安になる傾向がある米国雇用統計発表(毎月第一金曜日の22:30)米国雇用統計の結果が良いとドル高傾向になる米国雇用統計の結果が悪いとドル安傾向になるロンドンフィキシング(月末の24:00〜25:00)欧州時間で16:00〜のポンドドルやユーロドルの方向についていくと、夜中のロンドンフィキシングは同じ方向に動きやすい 曜日・時間でのアノマリー一覧 アノマリー名称アノマリー内容水曜日のスワップ金利水曜日の深夜から木曜日の早朝に向けて金利の低い日本円が売られ、金利の高い通貨(主に資源国通貨)が買われる傾向が強くなる月曜日の早朝(7:00〜8:00)の窓埋め月曜日の朝に生まれたギャップが閉じられる傾向にある FXの年間での代表的なアノマリー それでは、FXの年間での代表的なアノマリーを見ていきましょう。 FXでは月毎のアノマリーとして以下のようなものが存在します。 FXの年間での代表的なアノマリー 1月のアノマリー(ジャニュアリーエフェクト) 2月のアノマリー(節分天井・彼岸底) 3月のアノマリー(日本企業の決算) 4月のアノマリー(新年度) 5月のアノマリー(セル・イン・メイ) 6月のアノマリー(ファンドの夏休み) 7月のアノマリー(サマーラリー) 8月のアノマリー(夏枯れ相場) 9月のアノマリー(彼岸底) 10月のアノマリー(10月効果・ハロウィン) 11月のアノマリー(休暇前調整) 12月のアノマリー(クリスマス・年末・欧米決算) それぞれ順番に詳しく見ていきましょう。 1月のアノマリー(ジャニュアリーエフェクト) 1月のアノマリー(ジャニュアリーエフェクト)概要 1月にドル円が下落(月足が陰線)したらその年は下降相場に 1月にドル円が上昇(月足が陽線)したらその年は上昇相場に 米ドル円において1月で出た方向感が1年の相場大きく影響していると言われています。 1月にドル円が下落(月足が陰線)したらその年は下降相場に、逆に1月にドル円が上昇(月足が陽線)したらその年は上昇相場になるということです。 2月のアノマリー(節分天井・彼岸底) 2月のアノマリー(節分天井・彼岸底)概要 ドル円が円高(下落)傾向になりやすい 2月のアノマリーは、節分天井、彼岸底と言われています。 米国債の償還や利払いがあるため、ドルを円に帰る動きが活発化し円高傾向になりやすいのです。 また、ヘッジファンドの決算に関連した45日ルールなどにより、ポジション解消に向けた動きも影響しています。 2月は特に月初めから月末にかけての下落傾向が顕著に現れると言われています。 3月のアノマリー(日本企業の決算) 3月のアノマリー(日本企業の決算)概要 ドル円は下落傾向になりやすい 3月は日本の決算期にあたり、リパトリエーション(リパトリ)を行うため保有外貨を円に換える動きが多くみられます。 そのため、3月は円高傾向になりやすいと言われています。 4月のアノマリー(新年度) 4月のアノマリー(新年度)概要 円安方向になりやすい 3月の決算時に外貨を円に交換する動きが多くなったあと、新年度に変わり、新たな外貨の仕入れのために円を売りやすくなります。 資金流動が盛んになる時期であり、為替が大きく動く月ともいわれています。 5月のアノマリー(セル・イン・メイ) 5月のアノマリー(セル・イン・メイ)概要 株が売られるのでドル円も影響して円高になる傾向がある 5月の「SELL IN MAY」というアノマリーは世界的に有名なものです。 「SELL IN MAY」とは「Sell in May and go away; don't come back until St Leger day」を省略した名称です。 日本語に翻訳すると「5月には全てを売って、Leger day(9月第2土曜日)まで相場に戻って来るな」という意味になります。 5月は株が売られやすく、それい影響され円高傾向になりやすいと言われています。 6月のアノマリー(ファンドの夏休み) 6月のアノマリー(ファンドの夏休み)概要 夏休みに入るファンドが多くなり、市場参加者が減るので市場の動きが少なくなる 6月は夏休みに入るファンドが徐々に増え出し、市場の動きが落ち着いてきます。 7月のアノマリー(サマーラリー) 7月のアノマリー(サマーラリー)概要 夏のボーナスかつバカンス前でアメリカの人が株を買いやすくなる時期のため、株価が上昇しやすい ドル円が上昇しやすい 7月になると夏のボーナスでバカンス前でアメリカの人が株を買いやすくなります。 それに伴い、株価が上昇し、影響されたドル円相場も上昇しやすいといわれています。 8月のアノマリー(夏枯れ相場) 8月のアノマリー(夏枯れ相場)概要 日本の夏休み・お盆・海外のバケーションが重なり、市場参加者が減り、値動きが鈍くなりやすい アメリカ国債の利払いが行われる時期でもあり、円高になりやすい 8月になると、日本の夏休み・お盆と海外のバケーションが重なることで、市場参加者がかなり減ります。 特にお盆休みのある日本のマーケットは実需を中心に売り相場となり、アメリカ国債の利払いが行われる時期でもあることから、円高になりやすい傾向にあります。 9月のアノマリー(彼岸底) 9月のアノマリー(彼岸底)概要 9月は大相場を形成しやすい 日本企業の中間決算に向けたリパトリが始まり、ドル円は下落傾向となる 9月は休み明けで市場参加者が帰ってくる月です。 セル・イン・メイの「9月まで戻ってくるな」という言葉からもみて取れるように、9月まで下落傾向にあると言われています。 日本企業の中間決算に向けたリパトリが始まることもドル円の下落傾向に影響を及ぼしています。 10月のアノマリー(10月効果・ハロウィン) 10月のアノマリー(10月効果・ハロウィン)概要 相場は10月に底をつけやすい 過去の歴史的な大暴落もこの月によく起こっている 10月は、アメリカで広まっている「10月効果」と呼ばれるアノマリーがあります。 株価が底を付けやすく、時に大暴落する可能性もあるのです。 ドル円も株価の影響を受け、10月には底をつけやすいとされています。 11月のアノマリー(休暇前調整) 11月のアノマリー(休暇前調整)概要 相場は月末にかけて反転する可能性が高い 11月は9月から続きたトレンドの調整局面とされています。 月の後半にあるアメリカの連休の影響もあって値動きが鈍くなるとも言われています。 12月のアノマリー(クリスマス・年末・欧米決算) 12月のアノマリー(クリスマス・年末・欧米決算)概要 ドルが買われドル高になりやすい クリスマスは各国の株式市場が休場なので動きが鈍くなる 1月効果(その年一年の動きが決まる)を期待して、クリスマス後に買いを入れてくる動きもある 12月は欧米の決算時期です。 日本の決算時期には円が多く買われたのと同様に、アメリカの決算時期にはドルが多く買われドル高になりやすいとされています。 また、12月後半のクリスマスは各国の株式市場が休場なので動きが鈍くなります。 1月効果(その年一年の動きが決まる)を期待して、クリスマス後に買いを入れてくる動きもあるとも言われています。 FXの月次での代表的なアノマリー 次に、FXの月次での代表的なアノマリーを見ていきましょう。 FXの月次での代表的なアノマリー ゴトー日(5の倍数の日付) 米国雇用統計発表(毎月第一金曜日の22:30) ロンドンフィキシング(月末の24:00〜25:00) こちらも順番に詳しく見ていきましょう。 ゴトー日(5の倍数の日付) ゴトー日(5の倍数の日付)概要 ゴトー日(5の倍数の日付)に円安になる傾向がある ゴトー日(5の倍数の日付)は日本特有のアノマリーで、5や10がつく日には円安になる傾向にあります。 日本の輸入企業では、取引先への支払いをドル建て決済する場合が多いのですが、その決済日がゴトー日となっているのです。 ドル建て決済が増えることで、金融機関のドルが少なくなり、ドル高円安傾向になりやすいと言われています。 米国雇用統計発表(毎月第一金曜日の22:30) 米国雇用統計発表(毎月第一金曜日の22:30)の概要 米国雇用統計の結果が良いとドル高傾向になる 米国雇用統計の結果が悪いとドル安傾向になる 米国雇用統計とは、アメリカの雇用の情勢(失業している人数や就業している人数など)を調査した統計です。 最も重要な経済指標の一つとされており、毎月第一金曜日の22:30に発表されます。 発表される指標は10項目あるのですが、「失業率」「非農業部門雇用者数」「平均時給」の3つが特に注目されている指標です。 これらの指標がいいとドル高になり、逆にこれらの指標が悪いとドル安傾向になると言われています。 ロンドンフィキシング(月末の24:00〜25:00) ロンドンフィキシング(月末の24:00〜25:00)の概要 欧州時間で16:00〜のポンドドルやユーロドルの方向についていくと、夜中のロンドンフィキシングは同じ方向に動きやすい ロンドンフィキシングとは、ロンドン市場の値決め(フィキシング)のことです。 ここでの値決め(フィキシング)とは金の取引価格決定のことをさしており、 ロンドン時間の午後4時(夏時間は午後3時)、日本時間の午前1時(夏時間は午前0時)に行われます。 この時間帯は注文が盛んに行われ、 金は主にドル建てで取引されることから、外国為替相場にも影響を与えるとされています。 FXの曜日・時間での代表的なアノマリー それでは次に、FXの曜日・時間での代表的なアノマリーを見ていきましょう。 FXの曜日・時間での代表的なアノマリー 水曜日のスワップ金利 月曜日の早朝(7:00〜8:00)の窓埋め こちらもそれぞれ順番に詳しく見ていきましょう。 水曜日のスワップ金利 水曜日のスワップ金利概要 水曜日の深夜から木曜日の早朝に向けて金利の低い日本円が売られ、金利の高い通貨(主に資源国通貨)が買われる傾向が強くなる FX特有のアノマリーになりますが、水曜日の深夜から木曜日の早朝に向けて金利の低い日本円が売られ、金利の高い通貨(主に資源国通貨)が買われる傾向が強くなります。 FXでは土日に市場が開いていないため、土日分のスワップポイントが水曜日にまとめて付与されて仕組みになっています。 そのスワップ金利の付与される時間帯である水曜日の深夜から木曜日の早朝に向けて金利の高い通貨に買い注文が集まるというわけです。 月曜日の早朝(7:00〜8:00)の窓埋め 月曜日の早朝(7:00〜8:00)の窓埋め概要 月曜日の朝に生まれたギャップが閉じられる傾向にある こちらFXをやっていれば一度は耳にしたことがある「月曜日の窓埋め」です。 先述しましたが、FXでは土日が休場となっており、月曜日の朝にギャップができて始まることがあります。 このギャップを埋めることが「月曜日の窓埋め」です。 月曜日のこうした傾向もアノマリーとして広く知られています。 FXの代表的なアノマリー分析手法 それでは次に、FXの代表的なアノマリー分析手法について解説します。 FXの代表的なアノマリー分析手法 ウィンターブレイク スーパーボウル理論 花見ラリー それぞれ順番に解説していきます。 ウィンターブレイク ウィンターブレイクは1月の前半から中盤にかけて行うアノマリー手法です。 大口の投資家や機関投資家は、年末になると損失しているポジションを意図的に確定することで節税のための施策を行います。 そのため、「ポジションを年末に整理してから、新年になって新しくトレードをスタート」という流れ生じやすいのです。 毎年必ず起こる現象というわけではありませんが、相場は上昇しやすい傾向にあり、うまく相場間を捉えられれば利益を伸ばすことができるでしょう。 スーパーボウル理論 スーパーボウルとはアメリカで行われるスポーツの一大イベントのことで、スパーボールの勝敗を利用するアノマリー手法です。 ナショナルカンファレンスが勝利したときには米国株式が上昇し、アメリカンカンファレンスが勝利したときには米国株式が下落といった内容のアノマリーになります。 スポーツ好きでスーパーボールを毎年観戦しているという方は、一度取り入れてみたらおもしろい手法かと思います。 花見ラリー 花御ラリーは、3月中旬から4月上旬お花見シーズンのアノマリー手法になります。 日本特有のアノマリー手法で、お花見シーズンには「各企業の決算発表」や「配当確定の時期」と重なるということで、相場が上昇しやすい傾向にあります。 もちろん条件によっては必ずしも上昇するとは限りませんが、うまく上昇の気配を察知することができれば、いつもよりも大きな利幅が取れるかもしれません。 FXのアノマリーを実際に検証してみた ここまでFXのアノマリーについて見ていきましたが、果たしてどれほど信憑性のあるものなのでしょうか? 過去10年間のデータを下に、FXの年間での代表的なアノマリーを実際に検証してみました。 検証結果は以下の通りです。 月的中率1月10%2月50%3月10%4月20%5月60%6月30%7月30%8月40%9月20%10月50%11月40% 12月は複数の要素が絡んでいるため除外しましたが、1月〜11月までを検証してみると、ほとんど傾向が見られません。 有名である5月のセル・イン・メイは60%とその傾向が見られましたが、その他は50%以下のとなっています。 アノマリーは参考程度に考えておこう いかがだったでしょうか? 今回はFXのアノマリーについて徹底解説していきました。 検証結果からもわかるようにアノマリーだけでトレードをするというのは根拠が不十分なように思えます。 相場は様々な要素が絡んだ上で変動しているため、アノマリーは参考程度に考えておくのがいいでしょう。 猪首顧問のFXコラム:アノマリーを参考にしても勝ったり負けたりするのがFX いかがだったでしょうか。本記事では、FXのトレードに直結するアノマリーの数々を紹介していきました。 そもそもアノマリー(anomaly)って初耳の方も多いのではないかと思います。 恥ずかしながら、私も「?」って感じでしたので、さっそく英辞典で調べてみました。 せっかくなので、アノマリーという言葉の語源を調べながら、その意味を掘り下げてみたいと思います。 FXにおけるアノマリーとは先人たちの経験則であり、格言でもある アノマリー(anomaly)直訳すると…… アノマリー(anomaly):変則、例外、異例、変態、例外的な人引用元:Weblio辞書 anomalyとは という意味だそうです。 「えっ?これってトレードと関係あるの?」って思ってしまいましたが、金融(トレード)の世界においては以下のような意味もあるそうです。 アノマリー(anomaly):理論的根拠があるわけではないが、よく当たる相場での経験則のこと。相場格言として伝えられているものが数多くある。一般的には、いわゆる法則や理論から合理的な説明ができない現象。引用元:大和証券 金融・証券用語解説 [アノマリー] アノマリーとは、相場の世界で信じられている「根拠のない経験則」であると同時に、偉大な先人たちが経験則から言い伝えてる「相場格言」でもあるのです。 であれば、私のように長くにわたってトレードに携わってる者の頭の中には、格言の数々が記憶として蓄積されています! 世に数多く存在して語り継がれてるアノマリーの数々を紹介していくときりがありませんが、私が知ってるアノマリーの中から、少しの事例をお話しします。 アノマリーその1:「風が吹けば桶屋が儲かる」 まず一つ目。これは、トレードには直結しませんが、あまりにも有名な一つです。 ある事によって、まったく無関係と思われるところに影響が出る。また、とてもあてにできそうもないことに期待をかける例えです。 強い風によって砂ぼこりがたつと、砂ぼこりが目に入ったために盲人がふえ、その人たちが三味線で生計を立てようとするため、三味線が多く必要になり、三味線の胴に張る猫の皮の需要も増え、そのために猫がへり、その結果、増えた鼠が桶をかじるので桶屋がもうかって喜ぶ。 いかがでしょうか。これって立派なアノマリーの1つと思いませんか? アノマリーその2:「麦わら帽子は冬に買え」 麦わら帽子は夏場は欲しいけど、冬場に欲しいと思う人はいません。 なので、冬場の需要が無い時の安価で買っておけば、夏場の需要が高まったときの高値で売れば儲かる。 マーケットのファンダメンタルを考えれば、これほど的を得た説明って無いですよね。 日本の相場格言は、このようにまるで隠語のような面白いものが存在してます。一見すると意味不明なように見える暗号のようですが、実際にはその意味は深く頷けるものです。 FXのアノマリーは未来が不確定な相場に対する“期待感”から生まれたものかもしれない 私はFXが日本に初登場する1998年からさかのぼること15年前の1983年(昭和58年)から、相場(トレード)業界に身を置いており、商品相場、先物相場、株式相場にどっぷり浸ってきたことから、外国為替相場に限らず、あらゆるマーケットで語り継がれている「アノマリー」に接してきた一人だと思います。 その観点から、あくまでも私なりの意見を述べさせていただきたいと思います。 世に出回っている、また昔から語り継がれてる、金融(トレード)の世界でのアノマリーを列挙すれば、それだけで1冊の(いや、それ以上)本が書けるくらいの量になると思います。 数多く存在するアノマリーの中には、ストーリー的に納得してしまうような奥深いものもあれば、「出かけるときは右足から」みたいな、単なるジンクスでしかないものまで。 未来の予測が困難な金融マーケットだからこそ、人々はわらをもすがる思いで、なんらかの法則、ルール、コツ、再現性…的なものを探し求めて来たのでしょう。 つまるところ、アノマリーと言うのは、未来が不確定なマーケットに関わってる人にとって、なんらかの期待とか可能性が欲しいという気持ちから生まれたものでは無いでしょうか? アノマリーを全否定するものでもありませんし、科学的な(統計的な)分析が万能なわけでもありません。 しかしながら、いずれの考え方によってアクションを起こしても、マーケットの世界ではいずれも、当たったりハズレたり…。 これが現実であり答えではないでしょうか。 結局、アノマリーも相場の未来を予測するツールにはなり切れません。 トレードの優位性にのみ固執せず、資金管理やメンタル管理など、総合的なトレードスキルを磨くことが勝ち組への近道と言えるでしょう。 ただ、アノマリーで語られている中には、トレードに携わるための「心得」や「戒め」として、大切なものは多いと思います。 心情的なものではありますが、これもトレードでは大事な要素だと思います
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FXの名言を一挙紹介|伝説の投資家から学ぶトレードの極意
いまいちトレードが上手くなってない気がする 結局FXで何を意識すればいいのだろう? FXの学習に行き詰まっている方も多いのではないでしょうか。 そもそもFXの最適なトレード方法や勉強方法に関しても全く体系化されていないのが現状です。 しかし、これまでの歴史上でFXを始めとしたトレードで大成功を収めたトレーダーや投資家はたくさん存在しています。 したがって、このような成功した人が残した名言に触れておくことは、今後のトレードの考え方に大きな影響を与えることになります。 そこでこの記事では以下の2つについて解説していきます。 FXで役立つ伝説の投資家やトレーダーによる名言集 2chに寄せられたFXの名言 それでは見ていきましょう。 FXの名言・格言を参考にすべき理由は? 最初に、なぜ過去の名言を今のトレーダーが教訓にすべきなのか、その理由について解説します。 金融マーケットの歴史は古く、株式においては世界最初の株式は1553年にイギリスで設立された合資会社「ロシア会社」のもとで発行されました。 株式という形で小口の資金を集約し、大きな投資を可能にするこの便利なシステム(市場)は1602年、オランダで設立されました。その後、東インド会社によって本格的に活用され、合理的な資金調達方法としてヨーロッパ、アメリカ、そして全世界に広まりました。 金融マーケットには、なんと500年近い歴史があります。この間、数多くの投資家(投機家)がマーケットに挑んできたわけです。 常に勝者と敗者が存在しうる金融マーケットですが、独自の感性、理論、哲学で継続的に勝者側になれた伝説のトレーダーが存在したことも事実です。 時代は変わっても、この事実は揺らぎません。 過去に相場で成功を収めた先人の知恵は、少なくとも現在の世に溢れる「小手先のトレードテクニック」より価値があることは確かと言えるでしょう。 FXで役立つ伝説の投資家やトレーダーによる名言集 ここでは以下の6人の伝説の投資家・投機家の名言を紹介していきます。 この記事では名言の中でもメンタル管理に関するものをピックアップしていきます。 ジェシー・リバモア エド・シコータ マイケル・スタインハルト ブレア・ハル マーティン・シュワルツ リチャード・デニス それでは見ていきましょう。 ジェシー・リバモア:ウォール街のグレートベア ジェシー・リバモア 初めて取引をしたのは14歳の時 世界恐慌に向けて大量の空売りを行ったことにより1億ドル以上の利益を稼いだ ここではジェシー・リバモアによる投資の名言を紹介していきます。 損失は、それを出してしまったあとは自分を苦しめたりしない。私は一晩寝たら忘れてしまう。しかし、過ちを犯し、損切りをしないというのは、財布と心身にとって実にダメージになる ジェシー・リバモア この名言では損切りがどれだけメンタル管理に影響をもたらすかを言い表しています。 FXで勝てない人は、自分が間違った側でポジションを持っていることを認めることができずに、なかなか損切りに踏み切れないという特徴があります。 トレード計画に反して逆指値をずらして損切りを回避してしまった場合は、後に大きな心理的かつ金銭的なダメージがあるだろうことを言い表しています。 FXには損失が付きものであり、FXで利益を挙げていくためにはいかに損失を抑えていくべきかに集中する必要があります。 FXにおいて損失は必ずしも失敗を意味するものではないことを覚えておきましょう。 猪首顧問からのアドバイス 「含み損になってるポジション=間違った側のポジション」と言う解釈は、私はあまり好きじゃありません。 ポジションを持ったことにより生じる結果は、含み益になるか含み損になるか、のどちらかでしかないのです。 そしてその確率は常に2分の1です。 ①含み益はしっかりと伸ばして利益を確定できたか②含み損はできるだけ傷が浅いうちに損切ができたか 利益ではなく、生じた結果(含み益or含み損)に対して、どういう処理を行ったかが重要です。 ①②のポイントを忠実に実行できたならそれは「良いトレード」。感情に流され実行できなかったのであればそれは「悪いトレード」と言えます。 ジェシー・リバモアによる名言をもう一つ紹介します。 市場を予想しようとしたら、それはギャンブルと同じことになる。忍耐強く市場がシグナルを出した時だけ反応するのなら、それは投資になる ジェシー・リバモア これはトレードにおいてルールを持つことがいかに大切かを説いた言葉です。 FXで勝てない人は市場を予想しようとします。 しかしFXの本質は、値動きを予測することではなく、検証済みのエッジに基づいてエントリーをすることです。 「エッジ」とは確率的に優位性があることを指します。 検証されたエッジに忠実なエントリーを行うことによって、感情に左右されないFXが可能になります。 「市場を予想しようとしたら、それはギャンブルと同じことになる」これって重い(深い)名言ですね。多くのトレーダーは「予想が当たることが成功への道」と勘違いしてると思います。しかしマーケットの明日は、神様でも予想できないものです。神様でも予想できないものを、人様が…おこがましいと思いませんか? エド・シコータ:システムトレードの先駆者 エド・シコータ 先物市場のためのコンピュータートレードシステムを開発 5000ドルで始めた顧客の口座を25万%の運用益にまで成長させた 希望や恐怖心、欲望と同じで、プライドというヤツは素敵なバナナの皮みたいなものだ。これまでで一番ハデにすっころんだのは、感情的にポジションを取ったすぐ後のことだったよ エド・シコータ エド・シコータが先駆けとなったシステムトレードとは、トレードの実行にトレーダーの主観を挟まないトレード手法のことを言います。 システムトレードの対義語にあたるのが、裁量トレードです。 裁量トレードでは最終的にポジションを取るかの決断をトレーダーの裁量に任せているので、システムトレードに比べて感情的なトレードにつながりやすいというリスクをはらんでいます。 エド・シコータは感情に任せてポジションを取ることの危険性を当時の誰よりも理解していたのではないでしょうか。 負けが続く期間に取引をしようとするのは感情面で破滅的だ。「追いつこう」と投資するのは致命傷になりうる。 エド・シコータ また、トレードで負けが込んでいる時に、損失分を取り戻そうと資金を投じてしまうことのリスクの高さについても主張しています。 損失分を取り返すためにさらに大きな資金率でポジションを取り続ける手法は「ピラミッティング」として知られています。 この名言からもわかるように、ピラミッティングは口座に取り返しのつかない致命傷を負わせることにつながることを覚えておく必要があります。 猪首顧問からのアドバイス 「感情に任せてポジションをとってしまう…」これは私の経験上、負けが続くときに起きやすい心理です。 人って地道に利益をつみあげていくことって、決して苦手じゃ無いのです。 それが日々わずかな金額でも、日々少しづつでも増えていく分には、心穏やかに眺められます。 ところが、ある日コツコツドカンで大きく負けると、損した分を早急に戻したくなる本能(本心)から、それまで地道に守ってきた売買ルールなんかすっとばして、無謀なトレードを躊躇なく始めることが多いです。 焦りから、一気に損失を取り戻したいという心理が働きます。そんな経験、あなたにもありませんか? 仮に大きな損失を出しても、本来やるべきトレードを冷静に繰り返せば、時間の経過とともに損失は取り返せます。 「大きく負けてしまっても、一気に損失を挽回しようとしない」これが重要です。 マイケル・スタインハルト:ヘッジファンドの帝王 マイケル・スタインハルト 子供の頃に父親から株式200株をプレゼントされたことがきっかけに株式市場に興味をもつ 自身が設立したヘッジファンドは年複利30%以上の成績を挙げていた 優れた投資というのは、自分のアイデアに断固従おうとする信念と、間違いを犯したときに率直に認める柔軟性の間の、特異なバランスの上に成り立っている マイケル・スタインハルト 優れた投資を行うためには、他人の相場観に振り回されることなく、自らの相場観に断固として従う姿勢をもつ必要があります。 しかし同時に自らの相場観に固執しすぎずに、素直に自分の間違いを認める柔軟性も必要であることを説いています。 この名言はFXなどのトレードが持つ特異な性質を言い表しているといえます。 ブレア・ハル:ギャンブラー出身のトレーダー ブレア・ハル カジノでブラックジャックのプレイヤーをしていた 投資会社を設立して、大口の取引を展開した 勝つために決定的に必要なのは数学的なスキルではない。システムにどこまで執着して行動できるかの規律である ブレア・ハル トレードで勝てていない人に限って、 全てのテクニカル分析やテクニカルツールを使いこなすことができれば、勝てるようになる 勝てる人には何か特別な数学的才能があるに違いない といった考え方をします。 しかしブレア・ハルは、トレードで勝つために必要なのは自らが作ったトレードルールにいかに執着することができるかだと主張しています。 ブレア・ハルがかつてプレイしていたブラックジャックも確率のゲームという点でトレードと同じ性質を持ち合わせています。 確率を味方につけるには、同じルールに則り十分な試行回数を重ねる必要があります。 ギャンブラーとして大金を手に入れた経験のあるブレア・ハルは、経験的に規律を守り続けることの大切さを理解していたと言えます。 猪首顧問からのアドバイス ギャンブルの世界でもトレードの世界でも、共通して言えることは、「勝ち組の人間は必ず自分なりのマイルールを持ってる」ということです。 そして、そのマイルールは、端から見ればまるで相反する真逆の発送にすら見えるようなルールなことが多々あります。 大事なことは、継続して行える、自分の信念が持てるルールかということ。 目先の表面的な結果ばかりを見て、常に後追いで流行の手法を探すのではなく、自分自身のマイルールを作り、忠実に実行することが何よりも大切です。 マーティン・シュワルツ:チャンピオントレーダー マーティン・シュワルツ スタンフォード大学主催のトレーディング・チャンピオンシップで優勝 1日で数百万ドルの利益を挙げた記録がある 私の投資キャリアのうちで最も重要な変化は、自分のエゴを投資から決別させることを学んだ時に生じた。投資は心理的なゲームだ。ほとんどの人々は自分が市場と対決していると考えているが、市場はそんなことは気にしていない。あなたは実はあなた自身と戦っているのだ。あなたは自分が正しいと証明されるために、こんなふうになってほしいと願うことを止めなくてはいけない。市場が今、あなたに何を語りかけているかだけに耳を澄ますのだ。何を語っているかと5分前に考えたことは忘れなさい。投資の唯一の目的は自分が正しいと証明することではない。レジに入金されるチャリンという音を聞くのが目的なのだ マーティン・シュワルツ マーティン・シュワルツは自分が正しいことを証明するためにトレードを行うことをやめるように警告しています。 FXで大金を稼いで、自分が優秀であることを友人にアピールしたい。 私の分析によれば、価格は間違いなくこの水平線で反転する。 以上のように、トレードで成功して他人からの評価を向上させることや、自分の相場観が正しいことを証明するためにトレードをしている人は多いのではないでしょうか。 トレードの目的は利益を得ること以外にありません。 トレードで利益を得るという目的を達成するには、正しくありたいというエゴを捨て去って相場の現状を素直に受け止めることが必要だということを主張しています。 あはは、この言葉、重いですね~。マーケットは貴方が思ってるほど貴方のことを意識もしてないし、気にもしてないし、いやいや、貴方のことなんか知りもしません。貴方が勝手にマーケットと戦っている気になってるだけです。マーケットにおいて正しさなんて証明する必要はありません。貴方はただただマーケットの動きを素直に受け止めて、ついて行くだけに徹しましょう。 リチャード・デニス:ピットの王子様 リチャード・デニス トレードをはじめた当初の元手は400ドルだったが、最終的に数十億ドルの利益を出した タートルズという名目で、トレーダーの育成を行い、優秀なトレーダーの輩出に成功する 鍵となるのは一貫性と規律だ。我々が人に教えているルールのうちの8割くらいはほとんど誰でもリストアップすることができる。彼らにできないのは、物事が暗転した場合でもそれらのルールにしっかりと従い続けられるような自信を持つことだ リチャード・デニス 勝ち続けているトレーダーが使っているトレードルールはかなりシンプルであり、誰にでも考え得るような手法であると述べています。 しかし、勝ち続けているトレーダーとそれ以外を決定的に分けるのは、その手法を信じて使い続けられるかどうかです。 トレードでは勝ち負けがランダムに訪れるので、勝ち続ける時期があれば負け続ける時期もあります。 負け続けの時期にはかなりの損失を被る上に、メンタル的にもダメージを受けることになります。 リチャード・デニスはこのような負け続けの時期にでも、自分のトレードルールを信じて使い続けられるような一貫性と規律が鍵であると主張しています。 2chに寄せられたFXの名言 ここまで伝説のトレーダーや投資家による名言を紹介してきました。 ここからは2chのスレッドに寄せられたFXの名言を紹介していきます。 5 名無しさん@お金いっぱい。2019/08/08(木) 04:21:16.57 ID:7Tegy7KZ0 たしか昔にこの板のどこかのスレで見つけた金言「祈り始めたら損切りのタイミング」 14 名無しさん@お金いっぱい。2019/08/11(日) 18:52:13.64 ID:LZJzFidS0 >>5希望を持ったら手仕舞いって本で読んだ 自分が抱えているポジションに対して「祈る」や「希望を持つ」などの感情を持ってしまった場合は、トレードのギャンブル性がかなり高まっていることを示唆していることになります。 この名言はトレードからギャンブル要素を排除することがいかに大切かを言い表しているのではないでしょうか。 「祈り始めたら損切りのタイミング」これって最高に通用するトレード(損切り)の本質だと思います(笑)人知が及ばないマーケットなのに、神頼みしちゃう人って本当に多いです。私も…笑マーケットは常に人がいない方に動きますから、これって究極のインジケーターかもしれません。 もう一件、2chから名言を紹介します。 17名無しさん@お金いっぱい。2019/08/14(水) 10:50:35.71ID:La3Fc9RC0 名無しさん@お金いっぱい。[sage] 投稿日:2019/08/14(水) 10:05:42.02 ID:4HMVsk0K0 [1/2] >>45チャート分析してもその通りに動くか分からないしどんなにチャート分析しても突然起こる要人の発言で全てブッ飛ぶ可能性も大いにある 資金力でカバーしていても急激なトレンド相場が起きて押し潰されることもある FXは実際ほとんどの要素が運 運以外のものがあるとすればそれは損切り行為だけ勝つも負けるも全て運が支配するゲームで生き残るには損切りする勇気を持つか逆指値をキチンと設定する冷静さが大事 この名言は大胆でありながらも、FXにおける本質をついた発言といえるでしょう。 どのトレーダーも相場の方向性を完全に予測することはできません。 どれだけ相場を分析していても、たった一つのファンダメンタルズ要因によって全ての分析が通用しないような値動きを見せることは多々あります。 したがって「FXはほとんどの要素が運」と割り切った上で、損切りを行なっていかに上手に負けるかが相場で生き残るための秘訣だと主張しています。 まとめ:先人の名言からFXにおけるメンタル管理を学ぼう ここまでFXの名言について解説してきました。 どの名言でも、感情的にポジションを持つことに対して警鐘を鳴らしつつ、規律を守ったトレードを強く推奨していることがわかります。 この記事で扱った名言から学べることは以下の3つです。 感情的なトレードでは必ず大きな痛手を食らうことになる 一貫性と規律を持ったトレードをしよう 必ず損切りを行う WikiFXでは安全性に優れた国内FX業者の利用をオススメしています。 猪首顧問からのアドバイス 「時代が変わっても、参加者が変わっても、科学がどれだけ発達しても…」 参加しているプレイヤーが人間である以上、そこで行われてるアクションは常に、その時々の欲望を持った“人間”のものです。 人間がマーケットを作ってる以上は、そこでは常に間違ったアクションが繰り返されます。 だからマーケットは存在しうるのです。そしてそこに勝ち組(チャンス)が存在する。 その道しるべが、先人の言葉に隠されていると思います。今一度、今だからこそ、先人の言葉に傾聴しましょう。
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FXは資金管理が超重要!基礎知識や具体的な管理手法を解説
FXの資金管理ってそんなに重要なの? オススメの資金管理法は? 「資金管理」と聞いて上記のようにお悩みの方も多いのではないでしょうか? 結論から言うと、資金管理はFXで継続的に利益を出す上で重要な要素になってきます。 しかし実際のところテクニカル分析ばかりを重視して、資金管理を疎かにしているトレーダーはかなり多いです。 資金管理に向き合わなければ、いつまで経ってもFXの収益をプラスにすることができません。 この記事では以下の6つについて解説していきます。 FXは資金管理だけでも勝てるって本当? FXの資金管理で知っておくべき基礎知識を解説 FXの資金管理法にはどんなものがある?それぞれの良い点と悪い点を解説 トレードスタイルごとにオススメの資金管理法は? FXの資金管理についてよくある質問 動画での解説はコチラ 猪首顧問からのアドバイス 「資金管理」と一言で言っても、その考え方や実践方法にはいろいろなものがあります。ただし共通して言えることは、トレード活動を続けていく上で、マーケットで生き残るために絶対に必要なことだということです。 初心者の方が最初に勘違いしてしまってるのが「トレードで成功するためには」が一番重要だと思ってることです。 「相場の行方(上げ?下げ?)を高い確率で予測できるようになること」が重要だと考えてしまう人は多いです。 もちろん自分が持ったポジションが思惑通り動いてくれなければ、利益にならないことは事実です。 しかし、エントリーしたポジションが思惑通り動くかどうかは、相場次第です。 大雑把に言えば、当たったりハズれたりを繰り返すのがトレードです。 そして、ポジションを持った後は、貴方がどんな努力をしても、神頼みをしても、思惑通りには動いてくれません。相場次第なんです。 しかし、貴方の思惑通りの結果に誘導(コントロール)できるのが「資金管理」なのです。 資金管理についての具体的な考え方や実践方法(検証)について、以下本文をお読みください。 FXは資金管理だけでも勝てるって本当? FXは資金管理が全て FXは資金管理さえ徹底していれば負けない FXにおける資金管理は以上のような表現がされるほど重要とされています。 資金管理だけということは、チャート分析を全く行わずにランダムなエントリーをしていても、資金管理さえ徹底していればFXでは利益をあげることができるということです。 果たしてこれは誇張された表現なのでしょうか。 資金管理のイントロダクションとして、ここではコイントスによるエントリーを想定して資金管理だけで利益を出していくことが理論上可能なのかを検討していきます。 そもそもコイントストレードとはベテラントレーダーであるトム・バッソがとある講演の質疑応答の中で述べたトレード手法のことをさします。 具体的には以下のような手法になっています。 トム・バッソのコイントストレード トレードの資金率は1%以下 ATR(期間10)3倍の位置にトレーリングストップを置く ロングかショートはコイントスの裏表で決定する 手法の内容をみてわかるように、テクニカル分析などによるチャート分析は全く行われておらず、エントリーの方向はその名の通りコイントスの結果のみに委ねられています。 ちなみにATRとはAverage True Rangeの略で、市場のボラティリティを表すオシレーターです。 ランダムなエントリーの後はボラティリティの変化と値動きに合わせて損切りの逆指値を狭くしていく(トレーリングストップ)手法です。 実際にこの手法をGBPUSDの1時間足で検証してみます。 ここでは「表」が出た場合はロング「裏」が出た場合はショートをし、トレーリングストップは1時間足の終値が更新されるたびに行うこととします。 試行回数コイントス損益口座資金0--$10,000.001裏-$100.08$9,899.922表$42.47$9,942.393裏$189.52$10,131.914表-$101.28$10,030.635表$49.25$10,079.886裏$231.00$10,310.887表-$103.20$10,207.688表-$102.03$10,105.659裏-$100.80$10,004.8510表-$99.96$9,904.8911裏$240.54$10,145.4312裏-$101.25$10,044.1813裏-$100.80$9,943.3814裏-$99.36$9,844.0215裏-$98.40$9,745.6216裏-$97.44$9,648.1817裏-$96.60$9,551.5818表-$95.55$9,456.0319裏-$94.38$9,361.6520裏$2,535.52$11,897.1721裏-$119.28$11,777.8922裏-$117.81$11,660.0823裏$196.56$11,856.6424裏$28.28$11,884.9225裏$297.18$12,182.10トレード記録 項目結果トレード数25勝ちトレード数9負けトレード数16総利益$2182.10平均利益$423.37平均損失-$101.76リスクリワード2.34最大利益$2535.52トレード結果 以上が25回のトレード結果です。 このようなランダムエントリーであっても、資金管理のルールさえ徹底していれば利益を残すことができています。 この結果を踏まえれば、資金管理だけで勝てるという話もあながち嘘ではないことをわかっていただけると思います。 しかし実際に自らの資金でトレードを行う際には、自分のトレード手法やメンタルに合った資金管理法を選択する必要があります。 ここからはみなさんが自分が採用するべき資金管理法を見つけることができるように、資金管理法を徹底解説していきます。 FXの資金管理で知っておくべき基礎知識を解説 FXでは少しでも相場で生き残るために資金管理を徹底しておく必要があります。 FXの資金管理を考える際に必ず知っておくべき要素が4つあります。 要素①:リスクリワード 要素②:期待値 要素③:複利 要素④:資金率 ここではこれら4つの要素について解説していきます。 要素①:リスクリワード リスクリワードとは、トレード全体の平均利益と平均損失を比率に直した数値のことです。 FXの資金管理を考える上で、トレード手法のリスクリワードを考えることは、リスク管理上最も重要になります。 リスクリワードの計算 例えば、25回のトレードを行ったとします。 勝ち数:15回 負け数:10回 トータル利益:30万円 トータル損失:-10万円 この時平均利益と平均損失は、 平均利益:30÷15=2万円 平均損失:10÷10=1万円 したがってこの25回のトレードのリスクリワードは2になります。 また、注意点としてリスクリワードは十分な試行回数を確保した上で計算するようにしましょう。 試行回数が少ない場合勝ち負けが偏ってしまうので、使用しているトレード手法の成績を正確に反映しているとは言えません。 正確なリスクリワードの数値を得るためには、なるべく多くのトレード回数をもとにリスクリワードを求めるようにしましょう。 要素②:期待値 先ほど解説したリスクリワードは勝率との関係が深く、トレード手法の良し悪しは勝率とリスクリワードの両方を考慮する必要があります。 その際出てくるのが「期待値」という考え方です。 期待値は、一回あたりのトレードで期待できる利益のことで、以下のような計算式で求めることができます。 期待値の計算方法 期待値=勝率×平均利益ー負率×平均損失 例えば、以下の成績を持つトレード手法の期待値を計算していきます。 期待値の計算 勝ち数:15回 負け数:10回 平均利益:2万円 平均損失:1万円 このトレード手法の勝率は 15÷25=0.6(60%) よってこのトレード手法の期待値は 0.6×2ー0.4×1=0.8(8,000円) 以上のように期待値を求めることで、使用しているトレード手法は使用し続ける価値があるものなのかを判断することができます。 期待値を求めたら、その数値が0を上回っているかを確認してください。 もし期待値が0を下回っている場合、理論上トレードをするごとに損をしている手法になってしまうので、今すぐにトレード手法を改めた方が良いということになります。 期待値はFXの資金管理を考える上で必ず考慮しなければならない要素なので、自分が現在使用しているトレード手法の期待値は常に気にしながらトレードを行うことをオススメします。 要素③:複利 FXの資金管理では複利を取り入れることが大切です。 複利とは、元本に利息を合わせた金額に金利が適用されることをさします。 例えば、FXの運用を単利2%で行うのと複利2%で行うのでは、運用額に差が生じます。 単利2%の場合 1ヶ月目:100万円+2万円=102万円 2ヶ月目:102万円+2万円=104万円 3ヶ月目:104万円+2万円=106万円 複利2%の場合 1ヶ月目:100万円×102%=102万円 2ヶ月目:102万円×102%=104万400円 3ヶ月目:104万400円×102%=106万1,280円 複利運用に関しては以下の記事で詳しく解説しています。 要素④:資金率 資金管理を行う際は、トレードごとの資金率を意識することが大切です。 資金率とは1回のトレードごとにリスクに晒す金額の割合のことです。 資金率の計算 例えば口座資金が100万円で、毎回のトレードで損切りの逆指値を最大損失額が2万円になるように設定していたとします。 この時、このトレードの資金率は 2÷100×100=2%です 資金率は使用しているトレード手法の破産確率を求めるために使用する「バルサラの破産確率」に必要な要素です。 バルサラの破産確率については以下の記事で詳しく解説しています。 FXの資金管理法にはどんなものがある?それぞれの良い点と悪い点を解説 まず、資金管理はマーチンゲール法と逆マーチンゲール法に大別することができます。 これら2つは具体的な資金管理法というよりは、資金管理の考え方を表す言葉として理解しておくことが正しいです。 FXに限らず、トレードの資金管理法では逆マーチンゲール法の考え方に沿っている方が好ましいとされています。 この点を踏まえて、ここではマーチンゲール法や逆マーチンゲール法を解説しつつ、実際の資金管理法をいくつか紹介していきます。 マーチンゲール法とは 逆マーチンゲール法とは 資金管理法①トレードリスクを固定する 資金管理法②階層的にロットを増やす 資金管理法③資金率を固定する マーチンゲール法とは? マーチンゲール法とはトレードで勝った場合にロットを減らし、トレードで負けた場合にロットを増やす資金管理法のことをいいます。 これは負けた場合に倍賭けを行うことで、負け分を取り戻すことを目的としたギャンブル要素の高い資金管理法になります。 トレードではいつか勝つことを考えれば、負けるたびに倍賭けをしておけば理論上いずれ利益を出すことができますが、軍資金の限界を考慮していない点に大きな落とし穴があります。 マーチンゲール法の落とし穴 例えば、最初のトレードで負けて1万円の損失が発生したとします。 マーチンゲール法に則れば、次のトレードでは倍のロット数でエントリーすることになるので、負けた場合の損失額は2倍の2万円になります。 もしマーチンゲール法で10回連続で負けてしまった場合、最大損失額は 1×2×2・・・×2=512万円になります。 FXでは10回連続で負けてしまうことも往往にしてあることを考えれば、マーチンゲール法はかなり危ない資金管理法であることがわかると思います。 また、資金率の面でもマーチンゲール法は破産確率を高める危険な資金管理法であることがわかります。 「資金率」「勝率」「リスクリワード」の3要素から破産確率を求める「バルサラの破産確率」では、同じ手法であっても資金率が高くなるほど破産確率が上がっていくと知られています。 マーチンゲール法では、トレードで負けるたびにさらに大きな金額を賭けていく方法なので、口座状況が悪くなるたびに資金率は上がっていきます。 これはバルサラの破産確率から考えれば好ましくない資金管理ということができます。 以上の点を踏まえて、FXの資金管理を考える際はマーチンゲール法に陥っていないかを確認することが大切になってきます。 逆マーチンゲール法とは? 先ほどまでマーチンゲール法について解説してきましたが、逆マーチンゲール法とはその名の通りマーチンゲール法とは逆の方法で資金管理を行います。 逆マーチンゲール法の場合トレードで勝った場合にロットを増やし、トレードで負けた場合にロットを減らしていきます。 これによって、負けた時にはよりリスクを抑えることができる上に、勝った時には大きく利益を伸ばすことができます。 バルサラの破産確率から考えれば逆マーチンゲール法は最も安全であり、逆マーチンゲール法に則った資金管理法を採用することが最も合理的であるとされています。 ただし、逆マーチンゲール法には損失分を取り返すためにより大きな利益率が必要になるという弱点が存在することも覚えておく必要があります。 これ以降で見ていく具体的な資金管理法では逆マーチンゲール法に則っているかが採用するための重要な判断基準になるので、ぜひ覚えておきましょう。 資金管理法①トレードリスクを固定する 1つ目はトレードリスクを固定する資金管理法です。 つまり、1トレードあたりのトレードリスク額を1万円に設定した場合は、口座資金の増減にかかわらず最大損失額が1万円になるということです。 この資金管理法のメリットは大きなドローダウンが発生しないことです。 しかし、この資金管理法は逆マーチンゲール法に則っていないためあまりオススメできません。 トレードリスクを固定する資金管理法では、連敗が続いている時は口座資金に対するリスク額の割合が常に高まり続けることになります。 トレードリスクを固定する 口座資金:100万円 固定リスク額:10万円 3回連続で負けた際の資金率の推移を見ていきます。 【1トレード目】 資金率は、10÷100×100=10% 【2トレード目】 1トレード目で負けた場合、口座資金は90万円になるので、 資金率は、10÷90×100=11.1% 【3トレード目】 2トレード目でも負けた場合、口座資金は80万円になるので、 資金率は、10÷80×100=12.5% このように連敗という最もリスクの高い状況下で、トレードリスクを固定することはさらに破産確率を高めてしまうことになります。 また、連勝が重なって口座資金を積極的に増やすべきタイミングでリスク額を増やすことができない点もあまりオススメできない理由の一つです。 このように固定リスク額の資金管理法は、「リスクを取るべき時に消極的になり、リスクを避けるべき時に限って積極的になる」という特徴を持っているため、オススメできません。 資金管理法②階層的にロットを増やす 2つ目は階層的にロットを増やす資金管理法です。 「階層的に」とは口座資金を額に応じて複数の階層に分け、その階層ごとに取引できるロット数を定めておくということです。 この時の階層の分け方には2種類あるので、それぞれのメリットやデメリットを解説していきます。 階層の幅が等間隔 階層の幅が等間隔でない ⑴階層の幅が等間隔 まずはロットを増やす基準となる階層が等間隔な資金管理法です。 口座資金ロット数〜¥1,000,0001ロット¥1,000,001〜¥2,000,000(100万円)1ロット¥2,000,001〜¥3,000,000(100万円)2ロット¥3,000,001〜¥4,000,000(100万円)3ロット階層ごとのロット この資金管理法では以上のように等間隔に階層を設けて、ロット数を増やしていく点が特徴的です。 ここでは100万円未満の階層に関しては0ロットとならないように、1ロットでの取引を認めています この資金管理法のメリットは2つあります。 逆マーチンゲールに則っている ロット数を上げやすい まず、口座資金が一定以上に増加すればロット数を増やし、口座資金が一定以下に減少すればロット数を抑えるという、逆マーチンゲール法に則っています。 したがって、資金管理法としての最低基準はクリアしているといえます。 また階層を上げるほど、ロット数が上がりやすくなっています。 100万円から200万円までは1ロットのみ100万円を稼ぐ必要がありますが、200万円から300万円までは2倍の2ロットで100万円を稼ぐことになるので、労力は半分になります。 したがって、トレードの調子が良い時はどんどんとロット数を増やして、大きな利益をあげることができます。 一方でデメリットとして、大きなドローダウンが発生しやすいことが挙げられます。 ドローダウンとは? ドローダウンとは口座資金が最大の時をベンチマークとし、そのあとにどれだけの額が減少したかを指しています。 一回の損失額ではなく、口座資金がどこまで下がり続けたかに着目します 例えば、一時的に口座資金が200万円に増加したが、そのあと複数の勝ち負けを繰り返して150万円にまで口座資金が落ち込み、再び180万円まで戻したとします。 この場合のドローダウンは200万円と150万円の差の50万円です。 資金増に合わせてロット数を増やすことになるので、リスクにさらされる金額が大きくなるのは仕方のないことですが、メンタル管理ができていないトレーダーにとっては苦痛が伴うでしょう。 つまり、「10万円から9万円になる10%減」と「500万円から450万円になる10%減」を同等に捉えられない場合は、かなり不安になる場面が多くなると考えられます。 ⑵階層の幅が等間隔でない 次にロットを増やす基準となる階層が等間隔でない資金管理法です。 口座資金ロット数¥500,001〜¥1,000,000(50万円)1¥1,000,001〜¥2,000,000(50万円×2=100万円)2¥2,000,001〜¥3,500,000(50万円×3=150万円)3階層ごとのロット この資金管理法では以上のように階層ごとに間隔が異なり、ロット数と比例する形で間隔が広がっています。 この資金管理法では「⑴階層の幅が等間隔」とは違って、各ロットで稼ぐべき利益がずっと一定であることに特徴があります。 つまりロット数が増えても、「1ロットあたり50万円を稼ぐという労力がかかる」という点は変わらないということです。 この資金管理法のメリットは2つです。 逆マーチンゲール法に則っている 大きなドローダウンを防ぐことができる この資金管理法も、口座資金が一定以上に増加すればロット数を増やし、口座資金が一定以下に減少すればロット数を抑えるという、逆マーチンゲール法に則っています。 また「⑴階層の幅が等間隔」に比べてロットを増やすまでに時間や労力がかかるというデメリットがありますが、そのおかげで大きなドローダウンの発生を防ぐことができるというメリットもあります。 資金管理法③資金率を固定する 3つ目は資金率を固定する資金管理法です。 この資金管理法は初心者トレーダーからプロトレーダーまで幅広く利用されており、あらかじめ資金率、つまり各トレードごとで許容する損失率を定めておく方法です。 この資金管理法を利用する場合、口座資金が増えるほど許容する損失額が増えていくことになるので、その分大きなトレードが可能になります。 資金管理法②では口座資金がどの階層にあるかによって保有できるロット数が決まっていましたが、この資金管理法では資金率の数値や損切りの逆指値の位置によって決まります。 資金率を固定する 口座資金:100万円 許容する損失率:2% 以上のような資金管理を行なっている場合、1回のトレードの損失額は最大で2万円になります。 ここでUSDJPYでエントリーを検討しているポイントがあり、テクニカル分析の結果20pips離れたところに逆指値を置くことにしました。 この際、エントリーするロット数(1ロット=100,000通貨)は、 5,000÷0.2/100,000=0.25ロット この資金管理法のメリットは3つあります。 逆マーチンゲール法に則っている ロット数や損切り幅が自由 破産確率をかなり下げることができる まず、この資金管理法は常に口座資金の2%を許容損失額として設定しているので、資金が増えればリスクを取り、資金が減ればリスクを減らすようにできているため、逆マーチンゲール法に則っているといえます。 また、資金管理法によってルール化されているのがトレードリスクだけなので、「ロット数」と「損切り幅」を自由に設定することができます。 テクニカル的に優位性のある場所に損切りの逆指値をして、それに合わせてロットを調節することで、相場観が外れていたとわかる前に損切りしてしまうのを防ぐことができます。 また、他の資金管理法に比べて破産確率をかなり下げることができます。 資金率破産までの連敗数1%528回2%263回5%104回連敗数 以上はそれぞれの資金率でトレードを行なった場合に、どれだけの連敗数に耐えられるかを示した表です。 資金率が少ないほど破産に至るまでの連敗数が多いということは、それだけ安全な運用ができることを示しています。 資金率を固定する方法でFXの資金管理を行う場合は、最大でも資金率を5%までにとどめておくことが相場で生き残り続けるためには必要です。 トレードスタイルごとにオススメの資金管理法は? ここまで具体的なFXの資金管理法について解説してきましたが、トレードスタイルごとにオススメの資金管理法はあるのでしょうか。 ここではトレードスタイルごとに適切な資金管理法を検討していきます。 スキャルピングにオススメの資金管理法 デイトレードやスイングトレードにオススメの資金管理法 自動売買にオススメの資金管理法 海外FXでのハイレバトレードにオススメの資金管理法 スキャルピングにオススメの資金管理法 スキャルピングには「資金管理法②階層的にロットを増やす」がオススメです。 スキャルピングでは高頻度に高レバレッジのトレードを重ねることが特徴のトレードスタイルです。 少しでもシナリオと異なる値動きをした場合はすぐに損切りをし、利益が乗ったらすぐに利確することになるので、トレードごとのリスクリワードや勝率はあまり重視されません。 勝率の低いスキャルピングでは複利の悪影響を受けてしまう可能性が高いので、複利効果の高い資金管理法③はあまりオススメできません。 また「資金管理法①トレードリスクを固定する」でも問題はありませんが、ロットの変更ができるという点では資金管理法②の方が優れていると考えられます。 デイトレードやスイングトレードにオススメの資金管理法 デイトレードやスイングトレードには「資金管理法③資金率を固定する」がオススメです。 資金率を固定するという管理手法は最もトレーダーに支持されており、トレーダー人口の多いデイトレードやスイングトレードとの親和性は当然高いです。 デイトレードやスイングトレードではある程度の値幅を狙っていくことになるので、スキャルピングよりもトレード手法の期待値にもこだわる必要があります。 したがって、プラスの期待値を持っているトレード手法であれば複利の良い影響を受けることができます。 また、人によっては資金管理法②の「階層的にロットを増やす」という方法を選んでも良いでしょう。 項目資金管理法②:階層的にロットを増やす資金管理法③:資金率を固定するドローダウン大小損失からの立ち直り早い遅い資金管理法②と資金管理法③の違い 両社の違いは、主に「ドローダウンの大きさ」と「損失からの立ち直りの早さ」なので、どちらを重要視するかによって採用する資金管理法を変えてください。 自動売買にオススメの資金管理法 FXのEAを動かしている場合は、「資金管理法②階層的にロットを増やす」がオススメです。 EAは複利運用することが理想的ですが、その分ドローダウンが発生した時の目減りが激しく映り、人によっては運用し続けることに苦痛を感じてしまうかもしれません。 よって、階層的にロットを増やすことで、単利と複利の両方の性質を活かすことができます。 詳しくは以下の記事で解説しています。 海外FXでのハイレバトレードにオススメの資金管理法 海外FXのハイレバレッジを一番活かすのは「資金管理法③資金率を固定する」です。 海外FXは最大レバレッジがかなり大きいので、高い資金率での運用が可能です。 高い資金率で運用すればそれだけ破産リスクも高まりますが、資金率を固定すれば、少ないトレード回数を重ねただけでも大きな複利効果を得ることができます。 ただし、この手法は損失分を取り返すのに労力がかかるので、勝率に不安が残る場合は階層的にロットを増やす資金管理法②を利用しても良いでしょう。 階層的にロットを増やす手法であれ、階層を下回らない限り損失分を取り返すことは比較的容易なので、すぐに口座状況を立て直すことができます。 FXの資金管理についてよくある質問 ここではFXの資金管理に関してよくある質問に回答していきます。 FXの資金管理のシミュレーションをエクセルで行う方法は? 資産管理やロット計算を行なってくれるツールや無料アプリはある? FXの資金管理を学ぶのにオススメの本は? FXの資金管理に「出金」をどう組み込めばいいの? ゴールドのトレードでもFXの資金管理法は利用できるのか? 両建てやナンピンは資金管理的にアリ? 利益が出るまで損切りをしないのは資金管理的にアリ? FXの資金管理のシミュレーションをエクセルで行う方法は? FXの資金管理法が定まったら、エクセルやスプレッドシートを用いてシミュレーションを行なってみましょう。 エクセルやスプレッドシートの作成方法や実際にシミュレーションを行う様子は以下の記事で詳しく解説しています。 資金管理シートは以下から無料でダウンロードできます。 同じファイル内で切り替えができるようになっているので、ぜひご活用ください。 資金管理シミュレーション(期待値、ロット計算)ダウンロード 資金管理やロット計算を行ってくれるツールや無料アプリはある? デベロッパー対応OSアプリ名kuraberu appsAndroid・iPhoneFXなびthibault zaniniAndroid・iPhoneForex 計算機FX CoreAndroidFore Calculatorsアプリ 先ほどは資金管理シートやロット計算シートを自作する方法を紹介しましたが、作成に手間を感じる場合は、無料アプリに頼るのも良いでしょう。 FX、CFD用資産シミュレーション(OANDA JAPAN) https://www.oanda.jp/lab-education/asset_simulation/ また、OANDA JAPANの公式サイトでは勝率やリスクリワードを入力することで口座資産の推移をシミュレーションしてくれます。 インジケーターリンク料金【MT4】ロット自動調整エントリーツールhttps://www.gogojungle.co.jp/tools/indicators/26799有料ロット自動計算インジケーター for MT4&MT5【EasyOrder】https://www.gogojungle.co.jp/tools/indicators/32266無料Breakeven(損益分岐点)/Stopout(強制ロスカット)表示インジケータhttps://www.gogojungle.co.jp/tools/indicators/25172無料インジケーター MT4やMT5でトレードをしている場合、インジケーターとして資金管理を行なってくれるものもあるので、有効活用しましょう。 FXの資金管理を学ぶのにオススメの本は? 資金管理を学ぶのに一番オススメの本は「システムトレード基本と原則」です。 この記事で紹介した資金管理法は本書を大いに参考にしています。 ただし、FX初心者やFXや投資に触れたことのない人にとっては少々難解な部分があります。 また、筆者が先物トレードをメインとするトレーダーであることから、先物トレード独特の表現をすることがあります。 「ロット」ではなく「枚」と表現したりなど… したがってこの記事で書いた内容をしっかりと理解した上で本書を読んでみることをオススメします。 FXの資金管理に「出金」をどう組み込めばいいの? 資金管理の戦略の中には出金するタイミングも組み込んでおくことをオススメします。 口座資金が順調に増加していったとしても、現金として出金するまでは実際の利益とはなりません。 いくら資金管理を徹底していても、相場で急激な値動きが発生した際には逆指値注文やロスカットが間に合わず、想定以上の損失が発生してしまうことがあります。 このような事態が発生したことが原因で口座資金が大きく減少してしまうのを防ぐためにも、出金の計画を資金管理に含めておくべきです。 例えば、トレード頻度の高いスキャルパーやデイトレーダーであれば月末または週末に利益分のみを出金するなどの戦略が考えられます。 長期的にポジションを持つ必要があるスイングトレーダーであれば、半年に一度くらいのペースで出金する戦略が考えられます。 ゴールドのトレードでもFX資金管理法は利用できるのか? ゴールドのトレードでもFXの資金管理法は利用できます。 「勝率」「リスクリワード」「複利」「逆マーチンゲール」などのキーワードはFXの領域だけにとどまらず、カジノのギャンブルの世界でも使用される考え方です。 したがって、この記事で紹介した資金管理法はあらゆるトレードに対応していると言えます。 両建てやナンピンは資金管理的にアリ? 両建てとナンピンはFXにおける典型的なNG手法として説明されることが多いです。 実際に資金管理の観点から言っても両建てやナンピンはあまり推奨できる手法ではありません。 まずは両建てが資金管理の観点からオススメできない理由を解説していきます。 両建てとは保有ポジションと同量の反対のポジションを保有することで、損益の変動を抑える手法のことをさします。 両建ては実質的にポジションを決済している状態にはなりますが、ポジションを保有する際のスプレッドやスワップポイントを考慮すれば、損を被りやすい状態になっています。 またFX業者によっては反対ポジション分の証拠金も必要になるため、通常よりも強制ロスカットにかかりやすい状況になってしまいます。 このように資金管理上では想定していない損失が発生する可能性が高いので、両建てはあまりオススメできません。 そもそも両建てを禁止している業者も多いです 次にナンピンが資金管理の観点からオススメできない理由を検討していきます。 ナンピンとは最初にエントリーしたレートよりも低い価格で同じ方向のエントリーを繰り返すことによって、ポジションの平均取得価格を改善する手法のことをさします。 同じ方向へのポジションを積み重ねてしまうと、トレードごとの資金率が高まってしまうので、破産確率が格段に上昇します。 したがってナンピンも同様にオススメできません。 利益が出るまで損切りをしないのは資金管理的にアリ? 中にはポジションを持ったら損切りはせずに、利益が出るまでホールドするという戦略をとる人もいます。 しかし、資金管理の側面から考えればかなり危ない戦略です。 確かに勝率が100%であれば理論上破産することはありませんが、実際の相場では何が起こるかわかりません。 どれだけ小さなポジションしか持っていなくても、2015年に発生したスイスフランショックや2019年に発生したフラッシュクラッシュほどの大暴落には耐えられません。 したがって、相場に生き残り続けることが大切であるFXにおいては、好ましくない戦略と言えるでしょう。 まとめ:自分のトレード手法にあった資金管理法を選ぼう ここまでFXの資金管理について解説してきました。 この記事のポイントは以下の2つです。 「資金管理法だけで勝てる」はあながち嘘ではない FXの資金管理で大切なのは逆マーチンゲール法に則っていること この記事では資金管理の重要性を伝えてきましたが、テクニカル分析をおろそかにしてもいいということではありません。 コイントストレードはテクニカル分析は無意味であることを伝えているのではなく、シンプルなルールでも一貫した運用を続けていくことの大切さを伝えています。 テクニカル分析と資金管理は自分が定めたルールを辛抱強く守り続けることによって初めて効果を発揮するものであることを覚えておきましょう。 WikiFXでは安全性に優れた国内FX業者の利用をオススメしています。 猪首顧問のFXコラム:マーケットから退場しない立ち回りを身に付けよ いかがでしたでしょうか? 一口に「資金管理」といっても、ずいぶん奥深いものかということを感じていただけたと思います。 日本の相場格言に「相場の金と凧(タコ)の糸は出し切るな」というのがあります。 凧の糸は出し過ぎると、突発的な強い風が吹いたりすると切れてしまいます。それと同じように「投資用のお金も出し切ってしまうと危険だ」という意味の格言です。 いかなる状況が起こっても、手元でコントロールできるように、余裕の糸を余らせておくことが必要なのです。 大事なことは、相場の動き(行方)はコントロールできなくても、資金管理はコントロールできるということです。そして、マーケットから退場させられないためには、元手である運用資金を無くしてしまわないこと。 手元に資金が残っていれば、必ず浮上の機会は生じてきます。 トレードごとの結果は勝っても負けても、その都度の結果でしかありません。そして、その結果は等分に生じます。 だから「勝ちトレードが良し」「負けトレードは悪し」という考えも良くありません。どちらも1トレードの結果なのです。 トレードごとに「当たった!」「負けた!」と一喜一憂するのではなく、継続してトレードした結果をちゃんと記録し(売買履歴)、それを振り返りながら、自分自身の資金管理のルールを確立していくことが成功への最重要課題となります。 これができれば、勝ち組への仲間入りは約束されたようなものです。