2024年6月10日、ニューヨーク外国為替市場は、米長期金利の上昇を受けて活発な取引が行われました。ドル円ペアは、円売り・ドル買いの流れにより、157.10円付近まで価格が上昇しました。この動きは、金融市場におけるリスク許容度の増加と経済指標に対する投資家の反応を反映しています。
一方、ユーロドルは、欧州議会選挙の結果とフランスの政治的不安定さが影響し、1.0733ドルまで下落しました。しかし、クリスティーヌ・ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の発言が市場に安心感を与え、1.0767ドルまで回復しました。ユーロ円も同様に、欧州時間の安値168.30円から169.08円まで下げ幅を縮める展開を見せました。
世界最大の資産運用会社であるブラックロックの研究機関ブラックロック・インベストメント・インスティテュート(BII)は、11月の米大統領選挙を前に、米長期債投資に対する慎重な姿勢を示しました。BIIは、現在の高水準の財政赤字に懸念を表明しており、バイデン大統領とトランプ前大統領のどちらが勝利しても、財政赤字が継続すると予測しています。
市場参加者は、利下げが開始されても、10年債や30年債の利回りが大幅に低下することは期待できないとの見方を示しています。2年債の利回りは低下する可能性がありますが、米インフレ見通しの不透明感が短期間で払しょくされる保証はなく、長期債利回りの動向は予断を許さない状況が続いています。
東京外国為替市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を控え、ドル円ペアは動きづらい展開を見せています。市場はタカ派的な金利予測分布図(ドット・プロット)への警戒感から、底堅い展開を予想しています。昨日のドル円は、米雇用統計の好結果を受けて157.20円まで上昇しましたが、FOMCの開催と日本の通貨当局による介入への警戒から、その後は伸び悩みました。
ウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者は、Fedが非対称的なアプローチを採用しており、労働市場の動向に応じて利下げの可能性があると述べています。明日のFOMCでは、米消費者物価指数(CPI)の発表があり、その結果がFOMCの声明やパウエル議長の会見に影響を与える可能性があります。
最後に、日本の通貨当局は、為替介入を抑制的に行う方針を示しています。ドル円が157円台後半まで上昇した場合、市場は引き続き警戒する必要があります。今後の市場動向に注目が集まっています。
ドル円相場は現在、1ドル157円台前半で推移しています。
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