政府・日銀が2回にわたり為替介入を実施したことが判明!

4月末から5月にかけて、政府と日本銀行が2回にわたり為替介入を実施したことが明らかになりました。

歴史的な円安基調が続く中、外国為替市場では4月29日に1ドル=160円台と34年ぶりの円安水準を記録しました。しかしその後、円高方向への変動が見られたほか、5月2日の早朝にも円が急騰する展開となりました。こうした中で政府関係者が、テレビ東京の取材に対して政府と日銀が4月29日と5月2日の2回にわたり為替介入を行ったと認めました。

市場関係者の間では合わせて8兆円規模の介入があったとの観測が広がっていました。

日銀の植田和男総裁は、7日に岸田文雄首相と会談を行った際、「最近の円安について、日銀の政策運営上、十分に注視することを確認した」と述べています。これは政府と日銀が連携を強化し、円安に毅然として対応することをアピールする狙いがあったと見られます。

その後の為替市場でドル円相場は買い戻しが続き、円安が進行する展開となり155円台に再浮上してきました。全体的にドル高の動きが優勢な中、米国債利回りの上昇もドル円の下値をサポートしている状況にあります。

先週のFOMC(米連邦公開市場委員会)や米雇用統計を受けて、年内の利下げ期待が一時復活しています。しかし、FOMC明けのFRB(連邦準備制度)幹部の発言は比較的タカ派な内容が多く見られ、利下げ期待への若干の見直しの動きも出てきている中、市場参加者の間では、来週の米インフレ指標を待ちたいとの雰囲気に入ってきています。

ドル円相場については、介入観測を受けた先週の160円台前半から151円台後半への急落の38.2%戻しが155円ちょうど付近に来ており、その水準を回復してきています。再び積極的に160円を目指そうという動きまではない状況です。なお、5月8日の東京時間23時のニューヨークカットでのオプションの期日到来は155円60銭に観測されています。

一方で植田総裁は4月8日の講演で、物価を巡るリスクとして今後の為替相場の変動や国際商品市況の動向を挙げました。日銀は輸入物価の上昇が次第に落ち着いていくと見ているが、植田総裁は円安がその前提を弱める可能性があると指摘。質疑応答では、急速かつ一方的な円安は日本経済にマイナスになると警戒感を示しています。

今後の金融政策運営については、日銀の見通しに沿って基調的な物価上昇率が高まれば「緩和度合いを調整していく」と述べました。物価を巡るリスクが上下双方向に引き続き大きいことを認識した上で、「仮に物価見通しが上振れたり、上振れリスクが大きくなった場合には、金利をより早めに調整することが適当になる」と語り、経済・物価見通しやそれを巡るリスクが変化すれば「当然、金利を動かす理由となる」との見解を示しました。

しかし、日米の金利差から円安へのトレンドは続いていると思われます。ドル円相場は現在、1ドル155円中盤で推移しています。

免責事項
トレードの際は自身の投資経験、目標、財務状況、リスクを取る能力等について十分検討する必要があります。
本記事はあくまでも情報提供を目的としており、投資を推奨するものではありません。
また、本記事を参考して投資した結果被った損失について、弊社は一切の責任を負いかねます。

この記事をシェアする
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

WikiFXでは、テクニカル分析のやり方から、FX会社の安全性に関する情報まで『今日から役立つFXの情報』を幅広く発信しています。
そして私たちは、FX会社アフィリエイトを一切していません。
だからこそ、正しく・信頼性の高い情報を読者の皆様にお届けする自信があります。