日銀の植田総裁が岸田首相と会談「円安を注視」

外国為替市場では円安が進行する中、先週1ドル=160円台から151円台まで円が急落しました。この急落を受けて、政府や日本銀行による為替介入の可能性が指摘される中、日本銀行の植田総裁は官邸で岸田首相と会談を行いました。

会談後の記者会見で、植田総裁は「円安は経済や物価に影響を与える可能性がある」として、引き続き為替動向を注視していく考えを示しました。また、最近の円安について、「日銀の政策運営上、十分注視をしていくことを岸田首相と確認した」と語りました。

一方、昨日4月7日の東京市場でドル円相場は154円台で揉み合いになっています。先週の米雇用統計を受けて、FRBの年内利下げ観測が高まる中、ドル高への過度な期待は和らいでいる様子です。

しかし、中東情勢の地政学リスクからドルの安全通貨需要が根強く、下半期のドル軟化期待は根付きにくい状況とされています。今後の米指標次第では、再びドル高・円安が加速する可能性も指摘されています。

ドル高が続く中、一部のストラテジストは、「ドルは依然として非常に割高だ」と主張しています。中東情勢を巡る地政学的リスクが逃避通貨の位置づけとしてドルを買い支えているが、FRBが先日のFOMCでタカ派スタンスへの回帰を控えていたこともあり、ドルはFRBの利下げを見越した下半期の軟化を前に、すでに頭打ちに近い可能性があるとの意見も出ています。

政府・日銀と市場の駆け引きが続く中、過度の円安に一服は着いたものの、方向感は不透明な状況が継続しています。政策当局の対応と共に、今後の経済指標の行方が注目されます。

ユーロドル相場は1.07ドル台後半で推移が続いていますが、1.0795ドル付近の重要な200日移動平均線を意識する動きがみられます。市場ではECBの6月利下げが有力視されており、ECB理事もその期待に肯定的な発言をしています。しかし、利下げ自体はすでに織り込み済みで、市場の関心は年内のさらなる利下げ観測に移っているようです。現在の短期金融市場では、6月を含め年内3回の利下げがコンセンサスとなっています。

一方で、4月7日発表のドイツ貿易収支は輸出の伸びから黒字幅を拡大しましたが、一部からは輸出主導の成長モデルには限界があるとの指摘が出ています。地政学リスクの高まりや世界的な競争環境の厳しさから、純輸出が長期的な成長牽引役を務めることは難しいとの見方があります。

ドル円に関しては、ユーロ円の動きが大きな影響を与えると考えられます。ECBの利下げ観測が高まれば、ユーロ売り・円買い需要がさらに強まる可能性があります。また、ドイツ経済の先行き不透明感からユーロ安が続けば、その動きがドル高・円安圧力となるでしょう。一方で、地政学リスクの高まりはドル高のけん制材料ともなり得ます。また、FRBの利下げ観測の高まりはドル売り要因にもなるため、ユーロドル と合わせてドル円相場の動向を慎重に見守る必要があります。総じて、欧州情勢の不透明感が為替市場の変動性を高める可能性は否めません。

ドル円相場は現在154円台後半で推移しています。

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