FXの相場分析レポート|2022年4月4日(月)

米国債券市場の逆イールドカーブが話題になっています。景気後退のシグナルになることもあるのですが、バランスシートの縮小が始まれば順イールドカーブに戻るという声も聞かれます。

それでは先週の(3月28日~4月1日)のドル円相場の動きを振り返ってみましょう。

目次

ドル円相場の振り返りと今週の展望ファンダメンタルズ分析

28日、日銀が10年物国債の指値オペ(0.25%での無制限買い入れ)を通知すると、ドル円は急騰しました。
その後、29日から31日まで連続指し値オペを実地すると通知すると、ドル円は125.09円まで上昇しました。

この高値は『黒田シーリング』とも呼ばれ、2015年6月10日に黒田日銀総裁が口先介入をした値であり、市場で強く意識される節目となっています。

29日、鈴木財務相が「悪い円安にならないよう注視していく」と述べると下落に転じました。
『黒田シーリング』達成後の発言であり、上手いタイミングです。

トルコのイスタンブールでロシアとウクライナの停戦交渉が行われ、停戦への期待からユーロは大きく買われました。
会談後、ロシアとウクライナ双方が「一定の進展があった」との見方を示したとされ、ユーロは続伸しました。

FOMCに投票権を持つ米フィラデルフィア連銀のハーカー総裁が利上げ容認の発言をしましたが、市場への影響は限定的でした。
ここ最近は投票権を持つメンバーの発言が似たものとなっており、市場の反応は鈍くなっています。

30日、早朝に日銀が国債買い入れの増額を発表し、ドル円は上昇しています。
その後レパトリ関連の売りに押され急落しましたが、岸田総理と黒田総裁が会談し、為替相場は特に議論されなかったと報道されると下げ止まります。

31日、日本銀行は、国債の買い入れ予定を、短期から超長期まで幅広いゾーンで募集金額を増額しました。
この発表を受け、ドル売りが加速しました。

1日、米雇用統計では、非農業部門雇用者数は予想を下回ったものの、労働市場の回復が堅調であることが示されました。
これにより、米国経済が一連の利上げや金融引き締めを乗り切れる可能性が高まりました。

現在の状況です。

日米の金融政策の乖離から、ドル買い、円売りとなります。

ロシアとウクライナの停戦協議は合意に至ればドル、オージーは売り、円、ユーロは買い。

原油価格が上昇すれば資源国通貨は買われ、日本などの輸入国通貨は売られます。

アメリカの景気が良くなれば金利の上昇でドル買い、円売り。

米国は現在、インフレでドル高を容認する姿勢です。
2015年に黒田日銀総裁が口先介入した時は、日米の足並みが揃っていましたが、今回は状況が異なりますので、更に上値を目指す展開も予想されます。

今週の重要指標·発言

今週はFOMCが開かれますが、市場の注目は来月以降のFOMCに移っていると思われます。

日付イベント
4月4日英国 ベイリー英中銀総裁の発言
4月5日豪洲 豪準備銀行政策金利発表
4月5日米国 ISM非製造業景況指数
4月6日米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
4月7日欧州連合 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨
4月8日カナダ 3月新規雇用者数&失業者数

ドル円相場分析テクニカル分析

本日は下記の分析を中心にドル円を分析していきます。

·ボリンジャーバンドを使用した環境認識

ボリンジャーバンドを使用した環境認識

チャートはドル円週足です。

先週は主要な節目に到達後に長い上髭のピンバー(赤矢印)が出現しました。ローソク足の実体に対して、髭が長いので強いピンバーといえます。

しかし、ボリンジャーバンドで見るとバンドウォーク中であり、トレンドと反対方向の2σ(緑丸)も拡大中なので、上昇圧力は強いと判断できます。月足のボリンジャーバンドも同様です。

チャートは日足です。

こちらはトレンドと反対方向の2σが収縮しており、無条件で買えるような状況ではありません。
但し、ミドルバンド(20SMA)が右肩上がりとなっていますので、上昇圧力は強いと判断できます。

仮に反転する場合も、もう一度上値を試す、またはもみ合う可能性は高いので、基本は「買い」か「様子見」です。

個人的には売りを狙う場合も、あまり早い段階で入るとメンタルが消耗してしまい、利益を伸ばすのが難しくなるような気がします。

本日のトレード方針 -AUDJPY-

本日はオージー円で売買方針を示していきます。

アクション価格
エントリーポイント92.812
利益確定ポイント(T/P)①92.911
利益確定ポイント(T/P)93.281
損切りポイント(S/L)91.49

チャートはオージー円の1時間足です。

4時間足チャートではトレンド転換の予兆が出ましたので、1時間足でタイミングをはかります。1時間チャートでは、200SMA(青色移動平均線)で反転し、戻り高値を抜けていますので、現在値で買いました。ストップはもう少し深くて良いのですが、月曜日なのでタイトに設定しました。

直近の平均値変動幅

ADRとは、1日の平均的な価格変動幅のことです。

1日の高値から安値までの値幅は、この近辺に収まることが多いです。

材料が少ないときにより意識されやすくなります。

【ドル円】

ADR20=115

ADR10=155

ADR5=198

【オージー円】

ADR20=124

ADR10=147

ADR5=173

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