MT5の詐欺で資金を取り戻す方法は?返金手続きについて解説

MT5詐欺で取られた資金は戻ってくるの?

詐欺被害にあったらどこに相談すればいいの?

昨今ではMT5に絡んだ国際ロマンス詐欺が横行しており、被害にあう人が続出しています。

ここではMT5詐欺で取られてしまった資金を取り返す方法について解説していきますが、実際にMT5詐欺で資金を取り戻すことは難しいとされています。

ここでは、MT5詐欺の返金に焦点を絞って、以下の5つについて解説していきます。

  • MT5詐欺とは?
  • MT5詐欺にあった場合の対象法
  • MT5詐欺の返金が難しい理由
  • MT5詐欺で返金される可能性を高くする方法
  • MT5詐欺にあわないための予防策

この記事を読めば、MT5詐欺の被害にあった場合でも、適切な行動をとることができます。

目次

MT5詐欺とは?

MT5詐欺とは、取引プラットフォームである「MT5」を介して行われる詐欺行為のことであり、マッチングアプリやSNSで被害にあう人が多いです。

MT5自体は詐欺アプリではありません。

MT5詐欺は以下のような手口が用いられることが多いです。

  1. マッチングアプリやSNSで知り合う
  2. 会話の中に投資の話が増える
  3. MT5口座を開設してほしいと言われる
  4. LINEやWeChatに移行する
  5. 少額での投資を指示通りに行う
  6. より高額の入金を求められる
  7. 出金拒否される
  8. 連絡がつかなくなる

例えば、以下のようなケースがMT5詐欺に当たります。

マッチングアプリで知り合った自称外国人女性と、無料会話アプリでやり取りしていると、海外の暗号資産(仮想通貨)の取引所で投資をするように勧誘された。

勧められたアプリ(MT5)で指示どおり投資したところ利益が出たので、アプリから資金を国内の暗号資産交換業者に送付しようとしたら、アプリの運営事業者から「保証金を支払う必要がある」と連絡があった。

さらに「手数料」等の名目で次々に費用を請求されている。一部支払ったが、結局アプリ内の資金を出金できなかった。どうしたらよいか。

国民生活センター

このケースで被害者は出金の際に「保証金を払う必要がある」というそれらしい理由をつけられて、出金拒否されてしまっています。

詳しくは以下の記事で詳しく解説しています。

MT4/MT5がApp Storeから削除

2022年9月24日にメタクオーツ社の取引プラットフォームである、MT4/MT5がApp Storeから削除されました。

削除された原因は明確になっていないものの、これまでMT5を介した暗号資産詐欺が多数報告されており、これ以上の被害を食い止めるための施策であったと考えられています。

なお、インストール済みのMT4/MT5や、Android版のMT4/MT5、ウェブ版のMT4/MT5に関しては引き続き利用可能です。

詳しくは以下の記事で解説しています。

MT5詐欺にあった場合の対処法

ここではMT5詐欺にあってしまった場合の対処法について解説していきます。

詐欺被害にあった場合の相談先としては、以下の3つが挙げられます。

  • 警察へ相談
  • 弁護士へ相談
  • 支援センターへ相談
  • 振り込め詐欺救済法を使う

警察へ相談

MT5詐欺の相談先の一つが警察です。

警察に相談する際は、最寄りの警察署に直接行っても良いですが、警察相談専用電話(#9110)で問い合わせる方法もあります。

警察相談専用電話の受付時間は平日の午前8:30~午後17:15で、寄せられた相談に対しては真摯に答えてくれます。

110番は緊急に駆けつけてもらいたいとき専用の番号なので、かけないようにしましょう。

また、被害届を出す場合は、被害にあった場所を管轄する警察署に行きましょう。

警察署に被害届を提出する際は、

  • 被害にあった年月日時
  • 被害の詳細
  • 被害の証拠
  • 犯人の氏名や特徴

以上の情報を整理しておくことで、スムーズに手続きを進めることができます。

被害届が受理されれば、MT5詐欺の解決に向けて、警察が捜査に動いてくれます。

もし犯人が逮捕されたら示談金という形で、被害額の一部を返還してもらえるかもしれません。

弁護士へ相談

MT5詐欺の相談先として弁護士もオススメです。

弁護士に相談する際は、投資詐欺や国際ロマンス詐欺に強い、専門の弁護士に相談するようにしましょう。

弁護士に相談した場合、以下のようなステップたどることになります。

  1. 仮差押え
  2. 内容証明郵便の送付
  3. 犯人との直接交渉
  4. 決裂の場合、提訴

まず、犯人の財産を仮差押えすることで、直接交渉や民事訴訟をする前に財産を持ち逃げされてしまうことを防ぎます。

仮差押えを行ったら、実際に犯人に対して内容証明郵便を送付します。

この時点で犯人は被害者が訴訟の準備をしていることに気づきますが、仮差押えを行っているので、被害者資金の持ち逃げや証拠隠滅の心配はありません。

内容証明郵便って何?

内容証明郵便は、「いつどんな文章を誰から誰へ送ったか」を郵便局が証明してくれるので、民事訴訟を行う際に「返金請求をし続けていること」の証拠として提出することもできます。

内容証明郵便には被害を受けた証拠を添えつつ、請求内容を記載します。

また、ここからの交渉は弁護士がすべて行うことになり、返金の合意が取れた場合には、合意書を締結したうえで所定の金額を返金してもらいます。

返金してもらった場合は事件解決となりますが、交渉が決裂した場合には民事訴訟を起こすことになります。

訴訟を有利に進めるためにも、

  • 犯人の氏名
  • 犯人の国籍や居住地
  • 指定された口座の詳細
  • 詐欺被害に至る経緯を示す書類
  • 自分の被害を証明する書類
  • 契約書

以上のような情報をできるだけ多く集めておきましょう。

支援センターへ相談

NPO法人などの支援センターへMT5詐欺の相談をすることもおすすめです。

具体的には、

  • 法テラス
  • 消費生活センター
  • 越境消費者センター
  • 消費者ホットライン

以上のような相談先が挙げられます。

支援センターはあくまでも相談所なので、詐欺事件を解決してくれるわけではありませんが、MT5詐欺にあってしまった場合の対処法やアドバイスを提供してくれます。

最近では、SNSで被害者どうしがグループを組織していることもあります。

同様の被害にあった人が多数集まれば、弁護士費用の負担を軽減させるために「集団訴訟」を行うことが可能になったり、被害者どうしで被害回復に向けての情報交換を行うことができます。

振り込め詐欺救済法を使う

MT5詐欺にあった場合でも、「振り込め詐欺救済法」による救済の申し立てを行うことをオススメします。

振り込め詐欺救済法を使うことで、金融機関が犯人の銀行口座を凍結させ、凍結口座の残金や被害額に応じて、被害額の一部または全部を取り戻すことができます。

振り込め詐欺救済法を使った場合、

  1. 警察と振込先の金融機関に被害を報告する
  2. 金融機関が振込先の口座を凍結する
  3. 金融機関が振込先の口座を使用不能にする
  4. 被害者に被害額の一部または全部を返還する

以上のような手続きを経ることになります。

詳しくは以下のサイトを参考にしてください。

MT5詐欺の返金が難しい理由

ここまでMT5詐欺にあってしまった場合の対処法について解説していきましたが、実際には資金が返還されることなく、泣き寝入りに終わってしまう被害者が多いです。

ここでは、MT5詐欺の返金が現実的に難しい理由を3つ解説していきます。

  • 被害届が受理されにくい
  • 詐欺罪が成立しにくい
  • 弁護士費用が高額

被害届が受理されにくい

まず、警察がMT5詐欺の被害とどけを受理してくれる可能性はかなり低いです。

日本では警察の職権乱用を防ぐために、民事事件には介入することができない「民事不介入の原則」というものが存在します。

つまり、MT5詐欺が刑事事件として立件されなければ、警察は動くことができません。

MT5詐欺の性質上、契約上のトラブルと判断されやすく、民事事件として対処することが妥当とされることが多いです。

また、被害届がすぐに受理されなかった場合、その間に犯人との連絡手段が絶たれてしまったり、資金を持ち逃げされてしまったりします。

被害届を出す場合は、被害届が受理されるのを待たずに、同時進行で弁護士に相談するなどした方が良いでしょう。

詐欺罪が成立しにくい

被害届が受理されにくいことに関連して、MT5詐欺は「詐欺罪」が成立しにくいです。

そもそも詐欺罪が成立するための条件は難しく、

  • 相手を欺く意思をもった上での行為
  • 相手が錯誤に陥った
  • 財産的処分行為をすること
  • 財物の交付または財産上の移転があること

以上4つをすべて満たしている必要があります。

特に、「相手を欺く意思」を立証するのは難しく、犯人が

本当に手助けしようと思ってやった。

騙すつもりは全くなかった。

と主張するだけで、詐欺罪として立件できる可能性が著しく下がってしまいます。

このように、刑事事件としてMT5詐欺を扱うためには、高いハードルが存在するのです。

弁護士費用が高額

MT5詐欺にあった場合は、弁護士に相談するのが最も効果的ではありますが、弁護士を依頼するにはかなりお金がかかります。

私はどう考えても不自然だと思って、消費者センターに相談しました。すると、警察に行って口座を凍結してもらえれば、お金があれば戻ってくるかもしれないと言われ、警察に行きました。しかし、警察では、刑事としては取り上げられない、あとは民事で何かできるかもしれないから、弁護士とかに相談してみるように、と言われました。

知人から投資被害弁護士研究会を紹介され、そこに相談して、昨日専門の弁護士に相談してきましたが、取り返すには相手を特定できないが、SNSで知り合った女性はたぶん情報は偽造だから特定はできず、できるのは口座を凍結し、差し押さえをすることしかないが、お金が返ってくる可能性は低い。

着手金と費用で50万円かかると言われました。900万円振り込んでしまった私には可能性が低いのに、50万円も支払うことはできず、依頼はできませんでした。

Amebaブログより一部抜粋

以上はSNSで知り合った台湾系の女性からMT5詐欺をされた事例ですが、この方の被害額は900万円にものぼるため、弁護士費用の50万円など到底払えない状況です。

このように、資金的に追い詰められている状況では、弁護士を雇うという手段も取りづらくなってしまうのが現状です。

MT5詐欺にあわないための予防策

ここでは、そもそもMT5詐欺にあわないための予防策を紹介していきます。

  • 海外FX業者を利用しない
  • SNSで事前に調べる
  • 紹介されたURLを疑う

海外FX業者を利用しない

海外FX業者を利用しないようにすれば、MT5詐欺にあうリスクを格段に下げることができます。

海外所在業者であったとしても、日本の居住者のために又は日本の居住者を相手方として金融商品取引を業として行う場合は、金融商品取引業の登録(日本の「金融商品取引法」に基づく登録)が必要です。日本で登録を受けずに金融商品取引業を行うことは、禁止されています。(違反者は罰則の対象となります。)

金融庁

FX業者が日本でサービスを提供するためには、金融商品取引法に則った「金融商品取引業者」として金融庁に登録する必要があります。

金融商品取引法はFX業者の取り締まりと、投資家保護のための法律なので、日本の金融庁に登録しているFX業者には大きな信頼があります。

無登録の海外所在業者は、業務の実態等の把握が難しく、仮にトラブルが生じたとしても業者への追及は極めて困難ですので、無登録業者との契約は行わないようにしてください。

金融庁

しかし、海外FX業者は日本の金融庁に無登録のため、金融庁は日本のトレーダーが海外FX業者から詐欺行為にあったとしても、保護することができません。

したがって、日本の金融庁に登録している国内FX業者を使うことが、MT5詐欺への何よりの予防策となります。

SNSで事前に調べる

マッチングアプリやSNS知り合った相手から紹介されたFX業者を、一度TwitterなどのSNSやGoogleで検索してみることも予防策となります。

紹介されたFX業者に関連して、詐欺被害にあった等のツイートや、検索結果が表示された場合は、MT5詐欺を疑った方がよいでしょう。

紹介されたURLを疑う

詐欺師は実在するFX業者の名前を使って、偽装FX業者のURLをクリックさせようとします。

マッチングアプリやSNSで出会った人から紹介されたFX業者のURLは、一度疑うようにしましょう。

例えば上の画像は、有名な海外FX業者である「FxPro」を名乗っている詐欺業者ですが、本物のURLである「https://www.fxpro.jpn.com/」と見比べれば偽物であることがすぐにわかります。

インターネット上に同じURLは存在しません。

本物のURLを調べたい場合は、ぜひWikiFXを利用してみてください。

まずWikiFXにアクセスして、中央の検索バーにURLを調べたいFX業者を入力して、「検索」をクリックします。

該当するFX業者をクリックします。

表示されたページを下にスクロールすると、そのFX業者のURLを確認することができます。

詐欺リンクをクリックしてしまう前に、必ず確認するようにしましょう。

まとめ

ここまで、MT5詐欺の対処法について解説してきました。

この記事のポイントは以下の通りです。

  • MT5詐欺の対処法は大きく分けて「警察へ相談」と「弁護士へ相談」
  • MT5詐欺は刑事事件として扱ってもらいにくい
  • MT5詐欺にあった場合は、弁護士への相談が一番効果的
  • MT5詐欺で返金してもらうのは現実的に難しい

WikiFXではMT5詐欺にあいにくい国内FX業者の利用をオススメしています。

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この記事を書いた人

早稲田大学法学部を卒業後、FXでトレードを続けながらFX専門のWebライターとして活動。
海外滞在を通して身につけた英語力を武器に、英文献を用いた多角的な記事の執筆が得意。

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