MT5は詐欺ツール?MT5詐欺の手口や対処法をプロが徹底解説

MT5は詐欺ツールなの?

MT5を使った詐欺にはどのような手口があるの?

上記のようにお悩みの方も多いのではないでしょうか?

多くの人がトレードで利用しているMT5ですが、最近では悪質な詐欺の道具として利用されています。

MT5詐欺には様々な手口が存在するので、それらの手口をあらかじめ知っておくことで、怪しい勧誘に引っかかってしまうリスクを減らすことができます。

この記事では以下の4つについて解説していきます。

  • MT5(Meta Trader5)とは?
  • MT5詐欺の危険サインを事例と共に解説
  • MT5詐欺かな?と思ったらするべきこと
  • MT5詐欺にあったらどうすれば良い?

この記事を読めば、MT5詐欺によくある手口や対処法について理解することができます。

目次

MT5(Meta Trader5)とは?

MT5とは、FXなどの金融商品のトレードに使用する取引ツールです。

MT5はロシアに本社を設けるメタクオーツ社によって開発されており、世界中のトレーダーから利用されていることで有名です。

MT5は誰でも簡単に無料で利用することができ、複数のインジケーターや描画ツールを用いてチャート分析を行うことできます。

また、自動売買ツール(EA)を利用することもでき、あらかじめ内蔵されているものに加えて、外部サイトから購入したものやインストールしたものも利用することができます。

MT4とMT5の違いは?

項目MT4MT5
時間足9種類21種類
板情報(DoM)なしあり
インジケーター種類30種類38種類
EAの種類豊富少ない
対応FX業者ほとんど全て少ない
MT4とMT5の違い

MT4とは、MT5より以前のバージョンの取引プラットフォームですが、現在でも多くの人に利用されています。

MT5はMT4よりも取引プラットフォームとしての性能面で勝っていますが、利用者が少なく、対応しているEAの種類が少ないです。

現在ではMT5を取り扱っているのは大手FX業者に限られますが、MT5の方が運営からのアップデート頻度が多いため、今後も利用者が増加することが見込まれます。

MT5詐欺ツールなのか?

本記事ではMT5詐欺について取り扱っていきますが、MT5自体が詐欺というわけではありません。

MT5を取引プラットフォームとして利用するためには、FX業者で口座開設を行い、MT5用の口座を開設する必要があります。

MT5の取り扱いのないFX口座を開設しても、MT5ではトレードすることはできません。

詐欺業者はMT5を詐欺の道具として利用しているにすぎず、詐欺の一番の原因は詐欺業者で口座開設をしてしまうことにあります。

MT4/MT5がApp Storeから削除!

2022年9月24日に、MT4/MT5がApp Storeから削除されるという事件が起きました。

インストール済みのMT4/MT5に関してはまだ使用できますが、新規でダウンロードができない状況になっています。

原因はまだ不明ですが、MT4/MT5を介した詐欺被害が拡大していることをうけ、Apple社が削除する方針をとったと推察されます。

詳しくは以下の記事を参考にしてください。

MT5詐欺の危険サインを事例と共に解説

ここではMT5詐欺が疑われる危険サインを、実際の詐欺事例と共に解説していきます。

  • 危険サイン①:マッチングアプリでMT5口座の開設を勧める
  • 危険サイン②:すぐにLINEで繋がろうとしてくる
  • 危険サイン③:海外FX業者への口座開設を勧めてくる
  • 危険サイン④:自動売買ツール(EA)の購入を勧めてくる
  • 危険サイン⑤:開催元が怪しいセミナーを紹介してくる

危険サイン①:マッチングアプリでMT5口座の開設を勧める

Tinderなどのマッチングアプリで知り合った人から、MT5口座の開設を勧められた場合は、注意が必要です。

昨今、マッチングアプリで知り合った外国人美男美女から、投資話を持ち掛けられ、詐欺被害にあってしまう「国際ロマンス詐欺」が増加しています。

マッチングアプリ以外でも、TwitterやInstagram、Facebookなど直接メッセージを送ることのできるSNSを介して、MT5詐欺が行われることがあります。

上記は、Instagramを通して知り合った男性からMT5を介した暗号通貨の投資を勧められて、資金を引き下ろしできなくなってしまった事例です。

恋愛感情に付け込んで、MT5口座の開設や特定の口座への入金を勧めることは、詐欺の常套手段なので注意しましょう。

危険サイン②:すぐにLINEで繋がろうとしてくる

マッチングアプリやSNSで知り合った相手が、LINEでのやり取りを希望してきた場合は注意が必要です。

マッチングアプリやSNSは、チャットの内容が不適切である場合は強制退会やアカウント凍結になってしまいますが、LINEであれば運営側からの監視の目を避けることができます。

特に、外国人からLINEアカウントでの連絡を提案された場合は、注意が必要です。

LINEは日本人の間ではメジャーな連絡手段ですが、外国人にとっては使い慣れないツールのはずです。

したがって、マッチングアプリで知り合った外国人がLINEで繋がろうとしてきた場合は、詐欺を疑いましょう。

中国で利用できるチャットツールはWeChatのみなので、中国系の外国人からLINEに招待されたときは怪しいといえます

上記は投資勉強会という名目でLINEグループに招待された結果、MT5での口座開設の勧誘を受けている様子です。

LINEグループの中には詐欺師の仲間がサクラとして紛れ込んでいることもあり、以上のケースのように集団でMT5での口座開設を促してきます。

危険サイン③:海外FX業者への口座開設を勧めてくる

海外FX業者での口座開設を勧めてくる場合にも注意が必要です。

FX業者が日本で営業するためには、日本の金融ライセンスを取得する必要があります。

日本の金融ライセンスを取得していない海外FX業者は、金融庁の規制下にないため、海外FX業者による詐欺行為があったとしても、警告を行うことしかできません。

実際、MT5などを介したFX詐欺のほとんどが、名前の知らない海外FX業者で口座開設をしてしまったことが原因です。

デモ口座で成功体験をさせてから、リアル口座を開設させるケースもあります。

上記はLINEグループを通して、「Askyolo」という聞いたことのない海外FX業者での口座開設を勧められている様子です。

公式サイトではなく、LINEの文面上で口座開設の手続きがされる点に、怪しさを感じます。

金融庁の規制下にない限り、自分の個人情報や資金が抜き取られてしまっても、救済を求めることが難しくなってしまいます。

危険サイン④:自動売買ツール(EA)の購入を勧めてくる

MT5口座の開設と同時に、自動売買ツールの購入を勧めてくるケースも存在します。

FXに関する知識のない人でも、自動売買ツールを利用すればすぐに稼げるようになります!

以上のような文言を用いて、詐欺業者で口座開設をさせることがあります。

FXには必勝法が存在しないことを踏まえれば、すぐに稼げるようになると言われている自動売買ツールのほとんどは、詐欺であると言えるでしょう。

また、自動売買ツールを使うにあたって、一定以上の元本を入金するように指示されることもあり、ある程度運用させたうえで、出金拒否にする事例もあります。

危険サイン⑤:開催元が怪しいセミナーを紹介してくる

MT5の使い方を教えるセミナーと称して、詐欺業者への口座開設を勧めてきたり、高額な自動売買ツールを売りつけるケースがあります。

また、FXのセミナーなのにもかかわらず、自動売買ツールのマルチ商法やねずみ講への勧誘が最後に行われたりするケースもあります。

上記のように、セミナーで自動売買ツールを高額で購入することを条件に、様々なセミナーやイベントへの参加権利を得られるようにして、ネズミ算的にセミナー会員を増やしているようです。

また、FXを自分で行うことが困難な人に向けては、代わりに資金運用することを持ち掛け、そのまま資金を持ち逃げするケースもあります。

MT5詐欺かな?と思ったらするべきこと

ここまでMT5詐欺の危険サインについて解説してきました。

次に、MT5詐欺の疑いがある場合にするべき行動について解説していきます。

  • SNSで情報収集する
  • FX会社の名前で検索する
  • 会社のドメインを確認する

SNSで情報収集する

詐欺かもしれないと感じたら、まずは同様の被害にあっている人がいないかをSNSで調べてみましょう。

昨今では詐欺被害をSNSで報告しているアカウントも多数あり、中には詐欺被害者で構成されたコミュニティも存在します。

コミュニティ内で同じくMT5詐欺にあった人がいれば、情報交換を行い、被害救済のためにお互い協力することもできます。

またMT5詐欺を疑った段階で、指定された振込先の名義人の名前で検索してみたり、会社名をSNSで調査してみることもオススメします。

FX会社の名前で検索してみる

聞いたことのないFX業者を紹介された場合は、一度Googleなどの検索エンジンでFX会社の名称を検索してみましょう。

検索結果にFX業者の公式サイトが表示されることもありますが、詐欺を報告するサイトも同時に表示されていた場合は、詐欺を疑う必要があります。

また検索する際に、FX業者の名称と共に「詐欺」や「出金できない」というキーワードが散見された場合にも注意が必要です。

会社のドメインを確認する

指定されたFX業者のドメイン(URL)を確認することで、詐欺サイトであるかどうかを見分けることができます。

上記は実在する「FXpro」という海外FX業者の名称を借りて、詐欺サイトを踏ませようとしている様子です。

どれだけ本物のサイトを装っていても、インターネット上に同じドメインは存在しません。

FxProの実際のドメインは「https://www.fxpro.jpn.com/」なので、見比べてみると全く異なることがわかると思います。

MT5詐欺にあったらどうすれば良い?

では、MT5詐欺にあってしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。

ここでは、MT5詐欺にあってしまったと気づいた時に取るべき行動について解説していきます。

  • 警察に相談する
  • 弁護士へ相談する
  • 詐欺被害者の会に相談する

警察に相談

警察に被害届を出すことも検討しましょう。

MT5詐欺が詐欺事件として立件されれば、MT5詐欺のために捜査を行ってくれます。

詐欺の犯人が逮捕されれば、示談金として被害額の一部を返金してもらうことができます。

しかし実際は、MT5が詐欺事件として立件されるケースはかなり少なく、警察に相談しても捜査にまで行きつかないことがほとんどです。

警察は刑事事件しか取り扱うことができず、MT5詐欺が民事的なトラブルと解釈されてしまえば、捜査することができません。

弁護士へ相談

MT5詐欺にあってしまった場合は、弁護士に相談するのが最も効果的です。

弁護士へ相談する場合は、「直接返金を請求する」または「民事訴訟」を行うことが最終目標になるので、犯人に関する詳細な情報はなるべく多く集めておく必要があります。

具体的には、

  • 犯人の氏名
  • 犯人の国籍
  • 犯人の所在地
  • 詐欺被害に至るまでの経緯
  • 自分の被害が証明できる書類
  • 指定された口座の詳細

以上の情報を入手しておくと、スムーズに民事的な手続きをしてもらうことができます。

犯人に直接返金を請求する場合は、「内容証明郵便」を使うのが一般的です。

内容証明郵便とは、「書いた内容」「誰から」「誰へ」を証明してくれる郵便サービスです。

内容証明郵便の中で民事裁判を行うことを示唆しておけば、返金される可能性は高くなります。

もし返金に応じてもらえなくても、裁判の際には、内容証明郵便が「継続的に返金を求めていること」の証明になります。

また、民事訴訟で返金を請求する場合は、被害額に応じて手続きの形態を変えましょう。

被害額が大きい場合は、通常訴訟を行うのが適切ですが、被害額が60万円以下の場合は、時間も費用も抑えることができる「少額訴訟」を行うことをオススメします。

詐欺被害者の会に相談する

昨今では、詐欺被害者どうしがSNSなどを介して集まって、NPO法人や詐欺被害者の会を創っていることがあります。

以上はFXの国際ロマンス詐欺にあった人たちで構成される、詐欺被害者の会です。

FXの詐欺にあってしまった場合の対処法などに関する知識を共有するプラットフォームとして、LINEのオープンチャットの場を利用しています。

詐欺被害者が複数人集まっていれば、集団訴訟を行って、弁護士費用の負担を軽減することもできます。

まとめ

ここまでMT5詐欺について解説してきました。

この記事のポイントは以下の通りです。

  • MT5自体は詐欺ツールではない
  • SNSやマッチングアプリを通してMT5口座の開設を勧められたら、詐欺を疑う
  • MT5詐欺にあったら、弁護士への相談が最も効果的

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この記事を書いた人

早稲田大学法学部を卒業後、FXでトレードを続けながらFX専門のWebライターとして活動。
海外滞在を通して身につけた英語力を武器に、英文献を用いた多角的な記事の執筆が得意。

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