日銀の為替介入が意識されていますが、まだ通貨当局の発言に余裕があり、暫く意識しなくても良いかなと思っています。
それでは昨日(4月11日)のドル円相場の動きを振り返ってみましょう。
ドル円相場の振り返り−ファンダメンタルズ分析
週明け11日は多くの通貨が窓を開け、ドル円は金曜終値比25銭安の124円02銭で始まりました。
相場は開場直後から上昇を始め、1時間足らずで窓を埋めています。
東京市場では上昇圧力が強まり、午前10時には黒田日銀総裁が「必要なら躊躇なく追加緩和を行う」と発言すると、ドル円は金曜の高値を上抜け、円売りが加速します。
遅れて米10年積利回りが金曜高値を上抜けると、下値堅く推移しました。
15時台に日銀大阪支店長が「円安は関西経済にとって全体的にプラス」と発言し、ドル円はADR10の位置する125.43円まで上昇しました。
市場関係者からは「12日の米消費者物価指数(CPI)でインフレ率の上昇が確認されれば、利上げがさらに加速するとの思惑からドルが買われている」との声も聞かれました。
欧州市場では、引き続き日米の金利差拡大から円売りが強まります。
16時には日銀名古屋支店長が「東海地域の景気に円安が大きく影響している印象はない」と述べますが、市場への影響は限定的となっています。
欧州市場開始後、小幅なレンジ形成となりましたが、一旦上抜けた後はピボットR3のある125.76円まで上昇し、その後は調整的な動きとなりました。
NY市場は値幅達成感から20銭程度の小動きとなりました。円売りも一服しています。深夜2時にエバンス・シカゴ連銀総裁が5月の連邦公開市場委員会(FOMC)で50bp利上げの確率も高いと発言。この発言を受け、ドルは下落しています。
本日の重要指標・発言
本日の注目は3月 消費者物価指数(CPI)です。
インフレ率が予想を上回れば、利上げ期待からさらなるドル買いが予想されます。
また、英国失業率&失業保険申請件数はポンドに強い影響を与えるため、注視していきます。
時間 | イベント |
---|---|
15:00 | 英国 失業率&失業保険申請件数 |
21:30 | 米国 3月 消費者物価指数(CPI) [前月比] [前年同月比] 米国 3月 消費者物価指数(CPIコア指数) [前月比] [前年同月比] |
25:10 | 米国 ブレイナード次期FRB副議長の発言 |
ドル円相場分析−テクニカル分析−
本日は下記の分析を中心にドル円を分析していきます。
・節目を使用した環境認識
・CPR(Central Pivot Range)を使用した環境認識
節目を使用した環境認識
11日は大陽線を形成し、3月28日の高値を実体で上回りました。
節目を抜ける時に大陽線を形成されると強いトレンドが継続することも多いので、注視していきます。
また、2015年の高値125.847円も近接しており、こちらも注目です。
日銀関係者から、円安を容認する発言も出ており、この高値を抜ける可能性は高まっています。
出来ればNY市場まで持ち合いを形成し、消費者物価指数(CPI)発表と同時に節目を上抜けてくれるとリスクの少ないトレードが行えます。
また、前日は消費者物価指数(CPI)のインフレへの期待からドルが買われた、という市場関係者の声も聞かれました。
そのため、指標発表前にドル買いポジションを保有していた場合は、分割で決済しておくとよいでしょう。
CPR(Central Pivot Range)を使用した環境認識
チャートはドル円30分足です。
本日のCPRは前日のCPRを完全に上回っており、これは「Higher Value」パターンと呼ばれるものです。
本日の始値もCPRを上回って始まったので、上昇圧力が強いと判断できます。
また、本日のCPRは前日のCPRよりも幅が広いので、「Sideways」=レンジになりやすい環境、に分類されます。
『Higher Value』と「Sideways」の組み合わせですので、本日のドル円は押し目買い戦略となります。
本日のトレード方針 -GBPUSD-
本日はポンド円で売買方針を示していきます。
アクション | 価格 |
---|---|
エントリーポイント | 163.608 |
利益確定ポイント(T/P) | 164.604 |
建値ストップ移動ポイント | 163.773 |
損切りポイント(S/L) | 163.235 |
前日にR3を突破しているため、直近の高値ブレイクでトレンド継続の値動きを狙います。
ただし、勝率は高くないパターンなので、下位足で優位性のあるタイミングを見つけてからエントリーするのが良いでしょう。
ドル円も似たようなチャートを形成していますが、英国の失業率&失業保険申請件数と合わせてブレイクするならポンド円、米国の消費者物価指数(CPI)と合わせてブレイクするならドル円を選択します。
直近の平均値変動幅
ADRとは、1日の平均的な価格変動幅のことです。
1日の高値から安値までの値幅は、この近辺に収まることが多いです。
材料が少ないときにより意識されやすくなります。
【ドル円】
ADR20=123
ADR10=127
ADR5=104
【ポンド円】
ADR20=172
ADR10=148
ADR5=122
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