Forex Testerの検証テーマはトレーダーごとに色々あるようですが、ぜひ試してみたいのが普段使うインジケーターの有効性です。果たして、このインジケーターを使い続けるべきなのか、それとももっと別のインジケーターがいいのか悩むトレーダーは多いのではないでしょうか。
あるいは、インジケーターを使い続けるとしても、果たしてこの設定でいいのか?もっと最適なパラメーターの設定があるかもしれない、と疑問に思う方もいるでしょう。
今回はFXでは定番のボリンジャーバンドとRSIのトレード手法を検証していきます。他のインジケーターをお使いの方でも検証する流れやトレードを最適化していくステップなど参考にして頂けるでしょう。ぜひ、Forex Testerを実際に見ながらお気軽に試してみて下さい。
- Forex Tester でインジケータを検証する方法
- ボリンジャーバンドの最適化を計る方法
- RSIの最適化を計る方法
- 検証結果からトレード手法を改善する方法
※ダウンロードがまだの方は無料のお試し版が使えます。
MT4利用者のトレード検証には「Trade Trainer」がオススメ!
Trade Trainer 通称“トレトレ”ならMT4のインジケーターを使ってトレード検証が可能です。
普段使っているMT4にEAとして入れるだけで使用できるので、かなり便利ですよ!
マルチタイムの分析にも対応しており、FX検証ソフトとしてはリーズナブルな価格で導入できるのもポイントです!
Forex Testerでインジケーターを検証してみよう!
Forex TesterはFXトレードの検証で人気のツールです。過去チャートのデータをアップロードして、過去チャートを動かしながら各自の戦略を探っていけます。せっかくなら、インジケーターをテストしてみたいと考えるトレーダーも多いようです。
でも、どういう流れでインジケータの検証するのか・・・
そこで、インジケーターを検証する流れや、
最適化するコツをご紹介します!
インジケーターは本当に使えるのか?
現在、一般的に使われている1つ1つのインジケーターは、ある投資家やアナリスト、理数学者が多大な年月と労力をかけて考案したものがほとんどです。使い方次第で非常に頼もしい武器となり得ます。
ただし、どんなに優れたインジケーターも、完璧ではありません。シグナル通りに必ず相場が動くわけではないのです。使い方や解釈次第で全く役に立たないこともあります。いかにシグナルを解釈していくか、いかに的確なシグナルが出るよう設定しておくか、が勝負になってくるのです。
あと、相性もあるみたいだから、
しっくりくるものと出会うまで色々試してみましょう。
ボリンジャーバンドとRSIを検証してみる
今回、Forex Tester5で使ってみるのは、FXでは定番のボリンジャーバンドとRSIです。トレンド系とオシレーター系でちょうどよい、と使っている方は必見です。他のインジケーターでも、流れや検証のステップを参考にして下さい。
まず、検証前の環境設定(プロジェクトの設定やトレード条件など)から行っていきます。
ボリンジャーバンドとRSIを使った手法で、
少額デイトレードを検証します。
プロジェクトの設定
- 通貨ペア:USDJPY
- 資金:200ドル
- メインの時間足:30分
- レバレッジ:20倍
プロジェクトの設定方法はこちらからご覧頂けます。
Forex Testerでボリンジャーバンドを検証
まずは、ボリンジャーバンドだけに集中して検証を行います。インジケーターは、Forex Testerのインジケーターメニューから挿入できます。
ボリンジャーバンドを検証するステップを
見ていきましょう。
ボリンジャーバンドのシグナルを検証するステップ
ホーム画面から「①インジケーター」を選択して、メニュー「②Trend」→「③Bollinger Band」で設定できます。
- ステップ1.まずはインジケーターをデフォルト(8期間)で設定
- ステップ2.メインの時間足で有効性を軽く確認
- ステップ3.エントリー・エグジットのシグナルを決める
- ステップ4.トレードしながら有効性を確認、最適化を計る
- ステップ5.パラメーターの変更を繰り返す(必要であれば)
- ステップ6.統計結果からルール・条件をまとめる
トレード前に軽く有効性を確認
直近のチャートにて、ボリンジャーバンドの3本のラインと反転ポイントがマッチするかどうか軽く確認です。そもそもポイントがずれていれば、シグナルとしての有効性が低くなります。
- 反転ポイントが届いていない → 期間を短くしてみる(or Shiftで調整)
- 反転ポイントがはみ出だし過ぎ → 期間を長くしてみる(or Shiftで調整)
メインで使う時間足にて調整するのがベスト。時間足や通貨ペア、時期によっても最適な期間の設定は変わってくるので、検証しながら最適化を計ります。
パラメーターの設定方法
- Period (期間)
- Deviation(標準偏差のレベル、σ2がよく使われる)
- Apply to price(Close /終値 → 任意で)
- MA Type (移動平均線の種類)
標準偏差のレベルはσ2.0(1.9~2.1)前後が効果的だといわれています。相場動向にもよるので、定期的にチェックする必要があります。
シグナルがずれてきたら、パラメーターの設定を変更して調整します。←これがとても重要!
3本のラインをレジサポとして使う
ボリンジャーバンドの基本的なシグナルは、中央線、上値バンド、下値バンドで反発するかブレイクするかで上昇・下降を見極める方法です。早速トレードで試してみます。
- 上値バンドで反発(売り)/ブレイク(買い)
- 下値バンドで反発(買い)/ブレイク(売り)
- 中央線 下から上(買い)/上から下(売り)
- スクイーズ・エクスパンションの機会も合わせて狙う
とまずは簡単にシグナルの有効性を見てみたところ、ブレイクしたと思っても反発するケースがあり、8回のトレードのうち損切りが5回もありました。いまいちシグナルが曖昧なようです。
設定を変更して最適化
そこで、ブレイクなのか反発なのかをもっと正確に見極めるために、期間を「8 →9」Deviationの設定を「2.0→2.1」に変更してみます。
まずまず、シグナルがマッチしているようなので、この設定でいきます。加えて、中央線からのトレードは値幅が短すぎて無駄な損切が増えるようでした。30分足の今回のトレードでは中央線のエントリーはなしで、あくまでも方向性を見るために使うことにしました。
ボリンジャーバンドの検証結果
50回トレードしてみた結果は以下のとおりです。
- 勝ちトレード30回(負け20回)
- 利益:10.87ドル(定期預金の金利よりは・・・)
- 平均利益:88円(マイナスよりは・・・)
- 勝率60%(負けてはいない・・・)
負けトレードの特徴
一番大きな失敗は、「損切/利確」の設定を忘れたことです。まず、逆方向に行った時点で損切りできていません。同時に、スクイーズからエクスパンションの絶好の機会も逃すことになってしまいました。2日間の保有で、一旦は売値まで下がってきたものの、再び上昇へと向かっています。下がった時に小さな損切りを決めておくべきでした。
200ドルの少額スタートなため、「0.01ロットの取引/損失4.54ドル」でもMargin level(証拠金維持率)は、387.89%です。少なくとも300%以上は維持する必要があるため、ポジションを増やすのはリスクがあります。従って、損切設定を忘れたことを反省し、直近の最高値のレジスタンスを超え、上値バンドを抜けた時点で損切りしました。
損切後に下落する
損切り後、上値バンドを抜けきらずに価格は下がり始めます。完全に抜け切るかどうかの確認が必要だということです。ここでチャートを一時停止して4時間足を確認してみます。
4H足で動きを確認
4時間足では、ちょうど上値バンドから反転して中央線に向かおうとしています。また、30分足ではスクイーズ・エクスパンションを形成しようとしています。ここで、再度「売り 損切80p(8pips)/利確200p(20pips)」で強気のエントリーを決めました。
結果として・・・
エクスパンションで稼ぐ機会を逃す
やはり、エクスパンションへと相場は拡大。利確後に1200p(120pips)も下降しているのです。1200pのトレードを逃す結果となりました。
勝ちトレードの特徴
まず、利確設定をしないことが大きめの利益につながりました。損切は、ロスカットリスクを避けるため忘れないように注意しました。勝てた時のポイントは4H足で方向性を確認し、さらにレジサポ・ローソク足でシグナルの裏付けをとったことです。小さい利益もあったものの、13連勝の局面となりました。
例えば、30分足で上値バンドからの反転を確認した時に、4H足でもちょうど上値バンドを反転したところでした。また、レジスタンスをブレイクして最高値を更新したことから、市場の警戒心が高まると判断し、「売り 損切80 」で入りました。利確を迷うたびに、ローソク足・4H足の位置からヒントを得て十分に下がりきるまで待つことができたようです。
結論
- 上値バンド(下値バンド)のブレイクを読み取るのは難しい
- 4H足の位置づけからヒントが得られる
- ローソク足、レジサポとの関係に注意する
- スクイーズ・エクスパンションの値動きはかなり大きい(機会は少ない)
- 資金200ドル0.01ロットでは、ほとんど稼げない
結論をまとめると、ボリンジャーバンドだけではシグナルは読み取るのは難しく、4H足とローソク足やレジサポなど他からもヒントを得ることが勝率につながるとわかりました。
一応、負けてはいないけど、資金を増やして、
ロット数を増やさなければまとまった利益にはならないようです。
Forex TesterでRSIを検証
では、次にアナリストのテクニカル分析レポートでもよく使われている、RSIの有効性はどうなのか探ってみます。前回の検証で200ドルは少なすぎたので、「400ドル 0.02ロットの取引」に増やしてみます。他の時間足やローソク足・レジサポの動きも考慮していきたいと思います。
RSIのシグナルって本当に使えるのかな?
RSIのシグナルを検証するステップ
ホーム画面から「①インジケーター」を選択して、メニュー「②Oscillator」→「③RSI」で設定できます。
- ステップ1.まずはインジケーターをデフォルト(8期間)で設定
- ステップ2.メインの時間足で有効性を軽く確認
- ステップ3.エントリー・エグジットのシグナルを決める
- ステップ4.トレードしながら有効性を確認、最適化を計る
- ステップ5.パラメーターの変更を繰り返す(必要であれば)
- ステップ6.統計結果からルール・条件をまとめる
ボリンジャーバンドでも解説したように、まずはチャートにRSIをデフォルトで挿入してみて、RSIの70・30レベルとチャートの最高値・最安値の位置がマッチするか調整・確認を行っていきます。
Forex Testerのデフォルトは「期間14」になっています。
- RSIが緩やかすぎてわかりづらい → 期間を短くしてみる
- RSIの動きが激しすぎる → 期間を長くしてみる
RSIのエントリー・エグジットポイントを決める
- 70と30付近のRSIで売買
- RSIのトレンド・レジサポをヒントにする
- RSIのダイバージェンス(逆行現象)をヒントにする
通常、RSIとチャートの動きは連動するのですが、稀にRSIが反対の動きを見せることがあります。そのような動きを、ダイバージェンスといって、チャートでは見えない売買の強弱が計れるといわれています。基本的に、ダイバージェンスを起こしているRSIの動きが正しいとの見方が優勢です。
以上の条件にて、RSIトレードでは勝てるのか?少額トレードで稼げるのか検証していきます。
トレードしながら最適化を計る
さっそく70付近でダイバージェンスが出現しました。レジサポ少し抜けたところでもあります。ローソク足は大陽線が連続していて気になりますが、そろそろ売りでしょうか?
4HでRSIを確認
4H足でもRSIはダイバージェンスが出ていて、ローソク足はやや弱含みです。ただ、もう1本上のレジスタンスに向かう可能性があります。
15分足でRSIを確認
15分足では、フルボディのローソク足が3本・4本と続き、買いの勢いを教えています。ただ、RSIはかすかなダイバージェンスを見せていて、レジスタンスに触れている点でも悩むところです。今回は、RSIの検証ですので、まずはダイバージェンスを優先して「売り 損切p(8pips)」でエントリーします。その後相場は上昇に向かい、即損切りでした。
しかし、上昇後に4H足のレジスタンスに触れた後、やはりRSIはダイバージェンスです。「売り」で再チャレンジします。
4H足のレジスタンスで再びダイバージェンス
直近のサポートまで下がり、RSIが落ち込んだところで利確できました。RSIのシグナルはそこそこ効いているみたいです。トレードを続けていきます。
RSIの検証結果
トレード50回の結果は以下のとおりでした。
- 勝ちトレード34回(負け16回)
- 利益:40.42ドル(インターネット回線費が払える?)
- 平均利益:2.42ドル(コンビニコーヒー2杯分?)
- 勝率68%(まずまずでも、副業にはならない)
負けトレードの特徴
大きな負けはなかったのですが、日足のレジスタンス近辺にて方向性が見えない展開が続きました。2日間、解釈に悩みエントリーできませんでした。ようやくRSIが下にブレイクした時に「売り」で少し稼ぐことができました。レンジ相場では、RSIからのヒントが得づらいようです。
勝ちトレードの特徴
レジサポや他の時間足の確認、ローソク足の確認はRSIでも重要ですが、トレンドが流れに乗るとRSIのトレンドとマッチすることが多いようでした。上図チャートの局面では9連勝で、割と苦労せずにトレードできました。RSIにトレンドができている時は70・30にこだわる必要はないといえます。トレンドがブレイクしたら、売買のタイミングと読めます。
結論
- RSIの動きが緩やかな局面も多い(チャートを縮小すると見やすくなる)
- 70と30よりも最上部と最下部の位置関係の方が重要かもしれない
- RSIのトレンドでトレードすると成功しやすい
- ローソク足やレジサポなど他の手法で裏付けをとる
RSIは、どこが最上部・最下部なのかリアルタイムでの判断は難しいのが現状です。動きも緩やかで、中央で動きがちです。期間の調整が欠かせません。ただ、トレンドの流れを読むには、最適なインジケーターかもしれません。
一応勝てたけれど・・・収入とはいえない金額。
少額なら、海外FXのハイレバレッジの方がいいかな?
ボリンジャーバンドとRSIでトレード検証
さて、いよいよ終盤です。ボリンジャーバンドとRSIとそれぞれの良さを上手く組み合わせて、400ドルの資金がどれくらい増えるか検証です。今度は0.03ロットでいきます。
やっぱり400ドルで数万円稼ぐのは無理かな。
ボリンジャーバンドとRSIを組みわせた検証ステップ
- ステップ1.ボリンジャーバンドとRSIの設定を調整する
- ステップ2.エントリー・エグジットの条件を決める
- ステップ3.トレードしながら、パラメーターの設定や手法の最適化を計る
- ステップ4.検証結果をまとめてトレードルール・戦略を立てる
ボリンジャーバンドの調整例
RSIの調整例
エントリー・エグジットの条件
- レジサポ付近でボリンジャーバンドが反転(ブレイク)
- スクイーズ・エクスパンションが形成
- ローソク足に売買シグナル
- RSIが最下部か最上部にある(70・30)
- RSIがトレンドをブレイク・形成
上記5つのうち、3つが揃えばエントリー・エグジットを決めます。
ボリンジャーバンドとRSIの検証結果
トレード50回の結果は以下のとおりです。
- 勝ちトレード36回(まずまず・・・)
- 利益:50.10ドル(約13%のリターン率)
- 平均利益:2.0ドル(コンビニコーヒーMサイズ分?)
- 勝率72%(悪くないが、収入とは呼べない・・・)
負けトレードの特徴
ほぼ休みなくポジションを持つ時には、損切が続く傾向にありました。おそらく、ボリンジャーバンドの反転かブレイクかの見極めが甘くなるためだと思われます。また、中央線からのエントリーは避けるようにしていたものの、ルールが守れていないことも原因です。勝ったあとは、分析が緩くなる点に注意する必要があります。様子見も大切だということです。
勝ちトレードの特徴
上値バンドか下値バンドからの反転と、RSIのトレンド転換がちょうど重なるとシグナルの成功率は高くなるようでした。加えて、ローソク足にモーニングスターやイブニングスターが出て、かつ4H足・日足のレジサポ付近であれば大きな値動きが期待できます。スクイーズ・エクスパンションも、RSIとローソク足の綿密なチェックにてタイミングが掴めました。
トレードルール・戦略の考案
今回の検証から、本番トレードに向けてのトレードルール・戦略の考案につなげていけます。
- 30分足以上のレジサポ付近にて、ボリンジャーバンドの反転・ブレイクを狙う
- RSIのトレンドの方向性でエントリー
- スクイーズ・エクスパンションはRSIのトレンド転換時であること
- RSIでトレンドが読めない時はエントリーを控える
- ボリンジャーバンドのブレイクとRSIがマッチしない時はエントリーしない
- ローソク足シグナルで必ず裏付けをとる
- 4H足・日足のレジサポでは十分な注意が必要
というように、本番トレードのルールや戦略を立てるのに
Forex Testerがとても役に立つのです!
まとめ
今後の課題は、利確の値幅小さいので、スキャルピングを狙うか若しくはスイングでもっと長めのトレードを狙うかを考えることです。あと、やはり資金が少ないと、それだけにロット数やポジション数も小さくなり、稼ぎづらいのが難点です。
資金をもっと増やすか、あるいはハイレバレッジがかけれる海外FX業者を選ぶのも選択肢となりそうです。
ともあれ、まずは今回の検証結果を生かして、本番のトレードで勝てるかどうかが最も重要なポイントだといえます。
また機会があれば、検証結果をご報告いたします。
最後に、検証テーマやインジケーターの使い方、シグナルの解釈はトレーダーごとに色々です。それぞれのやり方で、今回ご紹介した検証の流れを参考にして頂ければ幸いです。安定して勝てるよう、頑張っていきましょう!
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