FXは9割の人が負けているって本当!?
本記事ではこのような疑問に答えます。
FXは相場の予測が難しい投資のひとつです。
そのためFXで9割の人が負けているというのは、ある意味納得できる話でもあります。
FXは株式投資などに比べると、投機的な側面が強いとされていますからね。
しかし、9割の人が負けるということは、ほぼ全てのトレーダーが負けていることになります。
果たして本当なのでしょうか?
そこでこの記事では、「FXは9割の人が負ける」の真実を検証するとともに、FXで負けて退場する人の特徴や、退場しないために今日からできることについてプロが解説していきます。
- 「FXは9割の人が負ける」の真実
- FXで負けて退場する人の特徴
- 退場しないために今日からできること
FXで9割の人が負けて退場しているのは嘘
結論から先にお伝えしますと、FXで9割の人が負けているというのは間違った情報です。
実際に、金融先物取引業協会が2018年4月に以下のデータを公表しています。
これはFXを行う1,000名を対象に、トレードによる損益について聞き取り調査したものです。
まとめると次のようになります。
利益が出た人の割合:60.3%
- 利益額100万円以上:7.5%
- 利益額50万円以上~100万円未満:7.1%
- 利益額20万円以上~50万円未満:10.1%
- 利益額0~20万円未満:35.6%
損失が出た人の割合:39.7%
- 損失額0~-20万円未満:28.4%
- 損失額-20万円以上~-50万円未満:5.9%
- 損失額-50万円以上~-100万円未満:2.2%
- 損失額-100万円以上:3.2%
実に6割もの人がFXで利益をあげているのがわかります。
したがって、9割の人が負けているというのは嘘ということです。
ただしこのデータには、相場から退場してしまった人の数字は入っていません。
別のデータによると、2019年のFX取引参加者数は約157万人であり、そのうち約106万人が初心者であったとされています。
そして、その初心者のうち1年以上取引を継続できたのは30%程度とのこと。
つまりまとめると、FX初心者の約7割は1年以内に退場し、1年以上継続してトレードを行っている人の約6割は利益を出しているということです。
FXを始めて1年以上継続できれば、徐々に勝てるようになるということですね。
FXは「9割の人が負ける」と言われる要因
FXで勝ててる人も多くいるのがわかりましたが、利益を出し続けるのはそう簡単なことではありません。
そこに「FXは9割以上の人が負ける」と言われる所以があります。
ここではFXの難しさについて解説していきます。
ゼロサムゲーム
FXにはゼロサムゲームの要素があります。
ゼロサムゲームとは、誰かが利益を得ると他の誰かが損失を被るゲームのことです。
FXの場合、通貨を「売る人」と「買う人」がいないと取引は成立しません。
つまり、どちらかのポジションは損失となり、どちらかのポジションは利益となるということです。
例えば、100万円の利益を出している人の影には、それだけの損失を出している人が複数いるということですね。
そういった意味でFXはゼロサムゲームの要素が強く、株価が上がれば買っている人全員が利益となる株取引とは違った難しさがあります。
機関投資家の存在
FXの市場には、個人投資家だけでなく機関投資家と呼ばれる大口投資家が参加しています。
機関投資家とは、銀行・証券会社などの金融機関や、ヘッジファンドなどの投資のプロのことです。
機関投資家と個人投資家では扱う資金額が違うのはもちろん、情報や分析に基づいた投資技術も格段に違います。
時には大口の注文で相場を意図的に動かせられるのが機関投資家です。
個人投資家はこれら機関投資家と同じ土俵に立ってトレードしなければなりません。
したがってFXの個人投資家は、そもそもが不利な戦いを強いられているということです。
海外FXの罠
海外FXの高いレバレッジやボーナスは、国内FXにはない大きな特徴です。
しかし、海外FXの高いレバレッジは、大きな利益を狙える反面、損失も大きくなる危険性を含んでいます。
特に、FX初心者が高すぎるレバレッジでトレードしてしまうと、1年はおろか半年ももたずに退場へと追い込まれてしまうでしょう。
また、多くの海外FX業者は日本国内のライセンスを取得していません。
そのため利用者は金融庁からの保護を受けられず、トラブルに巻き込まれる恐れもあります。
海外FX業者の中には、悪質な詐欺まがいの出金拒否の噂が絶えないところもたくさんあります。
つまり場合によっては、トレード以外のトラブルでFXから退場しなくてはいけない状況も起こり得るということです。
こうした海外FXの高いリスクや不透明な部分が「FXは勝てない」「FXは9割が負ける」と言われる要因でもあります。
FXで負けて退場してしまう人の特徴
FXで負けて退場にまで追い込まれてしまう人には、共通する特徴があります。
これからあげる項目にひとつでも当てはまるなら注意が必要です。
損大利小(コツコツドカン)
FXで退場してしまう人は、それまで積み上げてきた利益を1度の大きな損失で吹き飛ばす傾向があります。
いわゆるコツコツドカンと言われるやつです。
こうしたコツコツドカンを招いてしまう原因は以下のようなものがあげられます。
- リスクリワードを意識していない
- 損切りできない
- 感情的になる
特に重要なのがリスクリワードです。
一般的には損失と利益の割合が1:2以上あれば良しとされており、目安としたい数字になります。
ポジポジ病
ポジポジ病とは、トレードの根拠もないのについポジションを持ってしまう状態のことです。
チャートを見て「行ける!」と感覚的にエントリーしてしまうことですね。
当然ながら、環境認識やトレードプランがないエントリーでは良い結果は出ません。
また、負けを取り戻そうとさらにポジションを増やすとさらに損失が拡大します。
そのようなトレードでは、損失が雪だるま式に増えていきますので注意しましょう。
大きすぎるロット
投資の世界の有名なルールに、1回のトレードにおけるリスクを口座資金の2%程度に抑えるというものがあります。
そうすることにより、たとえ負けが続いたとしても資産は守られ、退場せずに済むというものです。
FXで退場してしまう人は、このようなリスクから逆算したポジションサイズでトレードできていない傾向があります。
利益を求めて大きなロットでトレードしてしまうんですね。
ロットを上げて大きな利益を狙うのもわかりますが、同時に退場の可能性も高めていることになりますので注意したいポイントです。
値ごろ感によるトレード
値ごろ感によるトレードとは、価格が安く感じられる時に買い、高く感じられる時に売ることを指します。
つまり、逆張りがメインになるということです。
こうした根拠が弱いトレードを繰り返すと、当然のことながら負けが立て込みます。
さらに適切な損切りを行えないとなると、わずか数回のトレードで退場ということもあり得ます。
日本の個人投資家は、円絡みの通貨ペアでこうした値ごろ感によるトレードを行いがちですので注意したいところです。
FXをギャンブルにしている
FXで負けて退場する人は、ギャンブル的なトレードを行う傾向があります。
いつかプラスに転じるだろうとマイナスポジションを塩漬けしてみたり、負けたくないがためにナンピンを行ったりするのはギャンブル以外の何物でもありません。
FXには投機的な側面がありますが、決してギャンブルではありませんので注意しましょう。
FXで実際に退場してしまった人のリアルな声
ここでは、FXから退場してしまった人や、今まさに退場しそうになっている人の声を集めてみました。
悲壮感たっぷりのリアルな声を確認してみてください。
FXで窮地に陥っている人のリアルな声
FXで退場しないために今日からできること
FXに必勝法はありませんが、負けて退場しないために今日からできることはあります。
詳しく見ていきましょう。
資金管理の見直し
資金管理は、FXで退場しないための最も重要な要素です。
最悪、負けが続いたとしても適切な資金管理ができていれば、退場することはありません。
まずは、自身が許容できるリスクを明確にし、リスクに応じた「ポジションサイズ」「レバレッジ」「損切り幅」を見直すことから始めましょう。
また、エントリーの際にはリスクリワードや期待値といった観点も必要です。
詳しくはこちらの記事でも解説していますので参考にしてみてください。
ひとつの手法を反復して行う
トレードはある種の技術です。
ある日突然上達するものではなく、営業トークやデザイン・ライティングといったものと同じで、練習しないと上手くはなりません。
したがって、FXで退場しないためには、複数の手法を使うことよりもまずはひとつの手法を深く理解し、極めることが重要になります。
例えば、ブレイクアウトでエントリーするならそればかりを繰り返し、ボリンジャーバンドを使った逆張りならそれだけを行うということです。
自分が理解でき、なおかつ実践しやすい手法を選び、その手法を反復して行うことでトレードの精度が高められます。
負けも認める
個人投資家がFXで勝率9割を超えてくるようなことは、まずありません。
プロのトレーダーでさえも勝率は良くて7割から8割前後です。
そのため、一定数の負けを認める姿勢が重要になります。
ここで一番やってはいけないのが、ひとつの負けで感情的になることです。
感情的な判断の元のトレードでは、冷静な環境認識や的確なエントリータイミングをつかめません。
負けもトレードの一部と認め、素早く次に切り替えられるようになりましょう。
PDCAを回す
為替相場は常に変化するものです。
世界各国の金融政策や重要経済指標の結果、地政学リスク等によって、市場の値動きは大きく変化します。
そのため、これまで通用してたトレード手法や資金管理方法が通用しなくなることもFXではよくあることです。
例えば、円が安定した値動きを見せていた頃のレンジ相場でのトレード手法は、1ドル150円つけた歴史的円安局面では通用しませんよね。
したがって、FXで結果を出し続けるには、Plan(計画=環境認識)、Do(実行=トレード)、Check(評価=検証)、Action(改善)のPDCAを常に回すことが必要です。
相場に合わせて、資金管理やトレード手法をアップグレードしていくことが重要になります。
国内FXを利用する(海外FXは危険)
安心・安全にトレードを行うためには、海外FXより国内FXを利用すべきです。
理由は以下の通り。
- 国内ライセンス未取得
- 高すぎるレバレッジ
- 出金拒否の噂
- 日本語対応の不備
- 倒産リスク
ざっとあげただけでもこれだのリスクが海外FXにはあります。
長くFXで利益を出し続けるなら、信頼できる国内FXを強くおすすめします。
まとめ
ここまで見てきたように、FXで9割の人が負けているということはありません。
言われているよりもはるかに多くの人が利益を出しています。
FXは、退場せざるを得ないほどの損失さえ出さなければ、利益を出すチャンスはいくらでもあります。
しかし、FXはすぐに勝てるようになるわけではないのも確かです。
「まずは退場しない」ことを念頭において、リスク管理を徹底して行い、日々トレード技術を磨いていきましょう。
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