国内で活動をするFX業者は、日系FX会社と外資系FX会社に分類されます。
日系のFX会社は、いわゆる日本国内からの資本で構成された法人です。
一方、外資系FX会社の場合、海外からの資本で構成された会社となり、海外FX会社と混同されることもありますが、その実体は全く異なります。
具体的には下記のようなイメージです。

本記事では日本国内で活動をする外資系FX会社について詳しく解説しますので、是非参考にしてください。
外資系FX会社とは?

まず、外資系FX会社について解説をします。
そもそも外資系企業とは?
外国の個人(投資家)または法人の資本が入った日本国内の法人を外資系企業と言います。
例えば、日本で活動している会社A社の株主構成がアメリカの法人100%だった場合、A社は外資系企業となります。
外資系FX会社の場合、シンプルに海外からの資本が入ったFX会社と覚えておくといいでしょう。
海外に拠点を置く海外FX会社との違い
「外資系FX会社」と「海外FX会社」はよく同じような意味で捉えられることがありますが、実体は全く違います。
大きく分けて下記の4つの違いがあります。
- ライセンスの有無
- 信託保全
- レバレッジ規制
- 税金
それぞれ詳しく解説をします。
違い①:ライセンスの有無
まず、大きな違いがライセンス取得の有無です。
外資系FX会社の場合、国内で金融庁のライセンスを取得しています。
実体となる法人が国内に登記され、オフィスを持ち、従業員を雇用し、日本の顧客をサポートする体制を万全に創り上げています。
一方、海外FX会社は国内のライセンスを保有していません。
日本国内で法人が登記されているわけではなく、オフィスもなければ、国内で雇用されている従業員も存在しません。(※厳密に言えば、海外FX会社に勧誘するアフィリエイターなどの”外部パートナー”は存在しています)
違い②:信託保全
日本国内でライセンスを取得しているFX業者は全て信託保全がなされています。
一方、海外FX会社の場合、日本国内の法律に基づいたライセンス取得がなされていないため、その実態の多くは不明です。
海外でライセンス取得がされていた場合も、基本的にはその国の法律に基づいたものになるため、日本と同じルールが適用されるわけではありません。
海外FX会社の場合、何かあった時のリスクについてはある程度覚悟しておく必要があると考えます。
違い③:レバレッジ規制
外資系FX会社の場合、日本の金融庁の規制により最大25倍のレバレッジの提供となっています。
海外FX会社の場合、レバレッジは1000~2000倍、一部では無制限という業者もあります。
なぜそのような高いレバレッジの提供が可能なのかといえば、日本国内に法人を置いていないため、日本の法規制で縛ることができないからです。
レバレッジは高くなればなるほど、1pipあたりの価格変動が大きくなり、マーケット状況によっては大きな損失が発生するリスクがあります。

外資系FX会社と海外FX会社、言葉はとても似ていますが、実際は全然違うんですね。。。
違い④:税金
海外FX会社と国内FX会社(外資系FX会社を含む)では利益に対する税金の申告方法と税率が異なります。
利益に対して、国内FX会社は申告分離課税ですが、海外FX会社は総合課税となります。
海外FX会社の税金については、以下の記事をご覧ください。






なお、「海外FX会社なら税金を申告しなくても、ばれることはない」と思うかもしれませんが、ばれるので、ちゃんと確定申告しましょう。




なお、「海外FXで利益が出ても出金しなければ、税金を払わなくてもいい」と思っているかもしれませんが、かかります。


国内の日系FX会社との違い
外資系FX会社と国内で活動する日系FX会社も、日本で金融庁のライセンスを取得している会社という意味では違いはありません。
とはいえ、外資系FX会社の場合は海外でグローバルに展開をしているため、より幅広く顧客ニーズを吸い上げることができる点は強みだと思います。
また、日本国内では提供できない金融商品も海外支店ではすでに展開しているというケースもあり、仮にその金融商品が日本で認可された場合はスピード感を持った導入が可能となることも。
なお、提示しているスプレッドやサポート体制など、「外資系FX業者の方が有利だ!」「いや、日系FX業者の方が有利!」というわけではなく、そこは各社の企業努力や方針に依存しています。
また、取引環境等においては外資系FX業者のみが国内でMT5を提供しており、このあたりはグローバルに活動をしている会社だからこそ提供できるメリットだと感じます。
- 外為ファイネスト
- AVA TRADE
- OANDA証券
- フィリップ証券




なお、MT4、MT5は詐欺に悪用されるので、利用する際は注意しましょう。


海外のFX業者が日本のFXマーケットに進出する理由とは?
日本のマーケットに大きな魅力があるからだと筆者は考えます。
GMOクリック証券の発表によると、GMOクリック証券の2021年のFX取引高が世界第1位とのことで、日本のFXの取引高は海外業者から見てとても魅力的です。
筆者もこれまで2社の外資系ブローカーに勤務していましたが、マネジメント層にとって日本のマーケットはビジネスの観点から非常に魅力的に映っていたようで、日本に対する熱量はかなりのものでした。
進出方法としては、イチから法人を立ち上げる、というよりも、ライセンスを持つ既存のFX業者または証券会社の買収による外資系FX会社の日本進出が多いパターンです。
ただし、規制強化やマーケットの飽和など、FXブーム全盛期であった15年前と比較した際、FX業界の”うま味”は減っている点は留意が必要です。
15年前は100社を超えていたFX業者も、今は2桁台となっているという現状が物語っています。
いわゆる”外資系金融業界”においても、アジアでは中国やシンガポールの存在感が高まってきており、「東京支店」の立ち位置は相対的に低くなっていると言われています。
ビジネスが上手くいかない場合、冷徹に意思決定をするのが外資系企業の特徴であり文化でもあります。
あえて外資系FX会社のリスクを挙げるとすれば、突然の日本撤退がないこともない、という点には注意が必要だと考えます。
もちろん、その際は事前に顧客に対してアナウンスがされるなど適切な対応がとられる場合がほとんどだと思いますので、過度に神経質に必要はないと思います。
一方、海外FX会社の場合、顧客に事前にアナウンスせずに破綻する業者も少なくありません。
そういう点でも、海外FX会社よりも外資系FX会社の方が安全と言えます。
外資系FX会社一覧
では、日本国内で活動をする外資系FX会社をご紹介したいと思います。
下記にまとめています。
- IG証券
- AVA TRADE
- OANDA証券
- 外為ファイネスト
- STONE X証券
- デューカスコピー・ジャパン
- サクソバンク証券
- Plus500JP証券株式会社
- フィリップ証券
- TF Global Markets Japan
では、それぞれ解説をします。
IG証券


IG証券は、1974年に設立された、イギリスに本社を置くオンライン証券会社です。
ロンドン証券取引所に上場しており、FTSE250種総合株価指数にも採用されています。
2008年、FXオンラインジャパンを買収し、日本のマーケットに参入しています。
FXだけではなく、CFDやノックアウトオプションも提供しています。
「ノックアウトオプションがいい」、「取扱銘柄が豊富」、「高金利通貨のスワップポイントが高い」などの評判があります。


AVA TRADE(アヴァトレード)


日本を含む世界14ヵ国にオフィスを展開するアヴァトレード。
2010年、エーアールティー株式会社を子会社化し、翌年社名を「アヴァトレード・ジャパン株式会社」に変更しています。
国内で数少ない「MT5」を提供しているFX業者です。
「取扱銘柄が多い」、「MT4/MT5を利用できる」などの評判があります。


OANDA証券


もともとの始まりは、2004年に設立されたダイユウ商事という会社です。
FXおきなわ株式会社、FXリアル株式会社、かざか証券のFX事業を吸収分割した「株式会社My外貨」への社名変更を経て、2010年、OANDA Corporationが資本参加。
翌年より「OANDA Japan株式会社」として活動し、令和3年8月「OANDA証券」へと社名変更しています。
「サポートが丁寧」、「ツールが豊富」、「約定力が高くスキャルピングやデイトレードにおすすめ」などの評判があります。


外為ファイネスト


2009年、オープンインターフェース株式会社の子会社であったすばる証券の株式が譲渡され、香港に本部を置くハンテックホールディングス(Hantec Holdings)の一員となりました。(詳細はこちら)
公式サイトに明確な沿革の記載はありませんが、外為ファイネストが登録されている「関東財務局長(金商)第102号」が「すばる証券」のものと一致しているため、間違いはないでしょう。
ハンテックのグループ企業は、アジア、ロンドン、シドニー、オークランド、ドバイなどで金融事業を海外展開しています。
「MT4/MT5が使える」、「約定力が高い」、「スキャルピングが公認」などの評判があります。


STONE X証券


GFT東京支店、ゲインキャピタルという社歴を経て、現在のSTONE X証券になりました。
サービス名は引き続き「FOREX.COM」という名称で、米国ナスダック上場のStoneXグループによって運営されています。
IG証券同様、ノックアウトオプションを提供しています。
「通貨ペアが多い」、「株価指数CFDやノックアウトオプションなど取引銘柄が豊富」などの評判があります。


デューカスコピー・ジャパン


スイスのネット銀行、Dukascopy Bank SAが、スイスフランショックで破綻したアルパリUKの日本法人アルパリジャパン株式会社を買収し誕生したのが「デューカスコピー・ジャパン」です。
もともとはCMSジャパン株式会社として活動しており、2010年6月キャピタル・マーケット・サービシズ日本支店からFX事業を譲受。
2011年4月にアルパリの子会社となりました。
「スプレッドが狭い」、「使いやすくていい」などの評判があります。


サクソバンク証券


デンマークに本社を置くサクソバンクが100%出資する会社です。
もともとは三井物産フューチャーズエフエックス株式会社として始まり、平成19年6月にアストマックス株式会社の100%子会社に。
その後、平成21年6月にサクソバンクの100%子会社となりました。
「取扱銘柄が豊富」、「取引ツールが高性能」などの評判があります。


Plus500JP証券株式会社


もともとはEZインベスト証券でしたが、2022年3月、Plus500 Ltd.が株式の 100%を取得し子会社化。
同年10月に、「Plus500JP 証券株式会社」へと商号変更し、本店所在地を東京都港区東新橋に移転しています。
Plus500 Ltd.の本社はロンドンにあり、FCAの認可のもとCFDを提供しています。
「取引ツールが使いやすい」、「約定力が高く安定している」などの評判があります。


フィリップ証券


もともとの母体は昭和19年に設立された成瀬証券ですが、平成23年にフィリップグループに。
世界15ヵ国にビジネス展開をしているフィリップキャピタルグループの中の一社となりました。
FXだけではなく、CFD、日経225、日本株・外国株、国内投信、外国債券を取り扱っています。
「MT5を利用できる」、「安定してトレードできて使いやすい」などの評判があります。


TF Global Markets Japan


もともとAFTというFX業者でしたが、2020年3月にTF Global Markets(Aust)Limited,.が買収。
日本初「サブスクFX®」をリリース。
これから日本での存在感も増してくるのではないかと期待されています。
「サブスクFXがいい」という評判があります。




まとめ
本記事では海外FX会社と混同されやすい外資系FX会社について詳しく解説をしました。
国内には様々な外資系FX会社があり、それぞれ国内FXとは違った個性的なサービスを提供しています。



外資系FX会社は日本でのライセンスを取得しているので安全に取引できるというポイントの重要ですね!
特に、メタトレーダーなど海外では一般的なプラットフォームを使いたい場合などは、外資系のFX会社は良い選択肢の一つになると思います。
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