ここ1、2年に渡って、GEMFOREXの芳しくない噂が続く中、8月からGalaxy Daoという仮想通貨業者が、GEMFOREXの事業を承継することが公式サイトにて発表されています。
いまだに、出金できずにいる日本人トレーダーも数多く、これを機に、ようやく出金できるかもしれないとの期待が見え隠れしているようです。
果たして、GEMFOREXを買収したGalaxy DAOとはいったい何者でしょうか？GEMは信頼を取り戻し、回復していくのでしょうか？今回は、GEMFOREXとGalaxy DAOの関係や現状をしっかりリサーチしていきます。追記で8月15日、17日に発表されたホワイトペーパーや今後の出金の詳細も、日本語でわかりやすく解説していきます。どうぞ、参考までにご一読下さい。
- Galaxy DAOのGEMFOREX買収に関する詳細（現時点）
- GEMFOREXが出金トラブル・経営難に至った経緯
- Galaxy DAOとはいったいどのような業者なのか
- GEMFOREXは信頼性を取り戻して復活できるか
- 8月15日のホワイトペーパーと出金の詳細（追記）
- 出金を待つトレーダーの反応と今後の展開（追記）
Galaxy DAOがGEMFOREXを買収した？
GEMFOREXで出金できない騒動が始まったのが2022年12月あたり。以来、海外FXではよくあるように、GEMFOREXもとうとうFX事業から撤退か？との噂が現実になろうとしていました。
ところが、辛うじて生き残っていたGEMFOREXの公式サイトにて・・・
デザインの刷新とともに「Galaxy DAOが8月1日より事業を承継する」ことが発表されています。
これが本当なら、とにかく出金してほしい。
と怒りと諦めをもって、GEMFOREXの展開を待つトレーダーも少なくないようです。
まずは現時点で判明している、Galaxy DAOの買収に関する情報をまとめていきます。TwitterやDiscord（Galaxy DAOの問い合わせ先）からの情報も掲載していきますので、気になっている方は参考までにチェックしておかれて下さい。
Galaxy DAOによる事業承継
GEMFOREXの公式サイト：https://gemforex.com/
トップ画面では英文にて以下のような内容が公表されています。
Notice of transfer of management rights and business succession through M&A
Thank you for using our service.
We have important news for our customers.On July 31, 2023, GEMFOREX will complete the transfer of management rights and the conclusion of a business succession agreement through M&A, and will be operated by Galaxy DAO, the acquirer, from August 1, 2023.
GEMFOREXの公式サイト：https://gemforex.com/
Thank you for your continued support of GEMFOREX.
こちらの内容を日本語にすると・・・
M&Aによる経営権の譲渡と事業承継のお知らせ弊社のサービスをご利用頂きありがとうございます。
ユーザーの皆様に、今回重要なお知らせがございます。2023年7月31日に、GEMFOREXはM&Aを介して、経営権の譲渡と事業承継の契約締結を完了、2023年8月1日よりGalaxy DAOによって運営されることになります。
GEMFOREXへの引き続きのご支援感謝いたします。
・・・・・・・
といった内容になります。この画面が出現する以前は、サービス停止のお知らせが日本語にて表示されていました。まずはサイト内の探索してみると、過去の情報履歴はすべて削除されていて、今回のニュースリストのみが表示できる状態です。
7月31日までは今後のスケジュールが下記のように表示されていました。
- 8月1日～15日：ホワイトペーパー公開予定
- 8月15日～31日：出金延滞者への出金対応予定
- 9月1日～30日：サービス再開予定
現在は削除されています。
新しいサイトでアクセスできる情報
トップ画面は上半分が今回のお知らせで、下半分にニュース欄と買収先のGalaxy DAOのロゴがあります。ニュース欄をクリックすると今回のお知らせのみ表示されます。
Galaxy DAOのロゴをクリックすると、意味不明のカウントダウンが表示されます。
あえて、何のためのカウントダウンなのか知らされていないようで、「Submit」をクリックすると「Waiting List」の入力画面が出てきて、何のためのカウントダウンなのか予想が選択できる仕組みです。ミステリー調でユーザーの興味をそそることが目的なのか、何とも不謹慎な展開ではないでしょうか。
出金を待っているトレーダーの存在が軽視されているとしか思えません。
カウントダウンの理由を予想するリストが出てくる
すべて英語表記となっており、従来のGEMの日本語100％のサービスとは全く異なる趣向となっています。必ずしも、英語だから絶対に怪しいというわけではないのですが、これまでのGEMFOREXのサイトの内容はすべて消えてしまっています。過去の情報が見れずに、不安が高まるトレーダーもいるでしょう。
Login
従来どおりにログイン可能で日本語版が利用できるのですが、過去の情報はすべて削除され、マイページのみ閲覧可能となっています。出金対応を待つトレーダーにとって、決して安堵できる状況ではないようです。
Support
問い合わせは、メール・電話ではなく、「Discord」と呼ばれるアプリから行う仕組みになっています。アカウント登録はメールアドレスのみで簡単にできます。
情報が洩れたり、スパムが殺到しても差し支えない、個人情報を登録していないメールアドレスを使って（1つ持っておくと便利です）、アカウント作成してみてもいいかもしれません。
Gemforex（Galaxy DAO）の問い合わせ先はDiscord
Discordそのものは別段あやしいアプリではありません。米国主体のチャットアプリで、SKYPEやChatworkのようなものです。日本語にも対応しているため、ゲーム関連や仮想通貨関連のサービスで、徐々に日本でも使われています。ただし、日本語翻訳機能が十分ではないため、大半は英語で利用する必要があります。
2023年8月11日時点で、4,231人が会員登録していました。
メッセージが、リアルタイムで続々と投稿されている状況です。不安な方は、こちらのメッセージを見るだけでも、いくらかの情報が得られて、少し気が楽になるかもしれません。
新たな公開情報を待つ
ただし、Discordの利用は情報が氾濫しているのが現状で、逆に混乱する結果になることも考えられます。出金を待ち悩むユーザーの弱みにつけこむような、怪しいメッセージもたまにあるようですので、十分に注意が必要です。
最初のうちは日本語での問い合わせに対応していたようですが、GEMFOREX出金待ちの問い合わせが多すぎたためか、現在では英語版でのみ問い合わせ可能となっています。
Gemforex Member専用の「Gemforex-user」というチャンネルが新たに開設されています。ただ、アクセスしてもメッセージがほとんどありませんでした。
Galaxy DAOのページ右側のメニューから「＃support」をクリックすると、問い合わせ用のチケットが表示されます。このチケットを使ってメッセージが送れます。（英語のみ）
日本語メッセージの抜粋
ひとまずは、出金を待ちわびるトレーダーは8月15日のホワイトペーパーの公開を待つしかない状況でした。ようやく15日には、ホワイトペーパーが公開されたのですが、予想とはちょっと違ったようです。ホワイトペーパーの発表に関する情報は後ほど、追記にて解説していますので、合わせて参照にされて下さい。
GEMFOREXに募る不安
大変な事態となったGEMFOREXですが、もともとGEMFOREXは、ボーナスで人気を集め信頼性は高いと評価されている海外FX業者の1つでした。ところが、GEMFOREXの一番のセールスポイントだったボーナスが仇となって経営破綻に追い込まれてしまったようです。
ボーナスが悪用されてしまったのです。
2022年12月～GEMFOREXの出金拒否が始まる
GEMFOREXにて、出金拒否が立て続けに起きたのが2022年12月のことです。Twitterでも「出金できない」報告が相次ぎ、中には理由もなく「口座凍結されるケース」も出てきていました。この不可解なGEMの対処の背景には、裏情報によると「ボーナスを悪用した犯罪」がGEMFOREXで多発していたことが判明しています。
海外FXでもらえるボーナスは、トレードのみに使える証拠金ですが、「アービトラージ／異業者間の両建て」にて、ボーナス分の利益を得る方法があるのです。これは、犯罪としてFXでは禁止されている行為なのですが、この時期にGEMFOREXにて「組織によるボーナス犯罪」が横行し、数十億円の損失を抱えたとのことです。いったんすべての出金を停止する必要があったと公式サイトでも通知されています。
ここから、GEMFOREXの経営破綻と信頼喪失の道が始まりました。
2023年4月～GEMFOREXとTari-Taliの紐づけ解除
さらに2023年4月には、大手キャッシュバックサイトのTariTali（タリタリ）でGEMFOREXが使えなくなったことが、不安をあおる形になりました。これまでも、海外FX業者において、「出金できない」「出金拒否された」などの報告はあったものの、噂で終わるケースも多く、経営に対する不信感はトレーダーの判断によるところがありました。
TariTaliは、GEMとのビジネスが難航していることで不信感を募らせ、キャッシュバック契約を解除しています。海外FXトレーダーにはお馴染みのサービスである、「あのTariTaliがGEMFOREXを拒否している・・・」事実から、本当に深刻なのかもしれない、とGEMの倒産説が真実味を増す結果となったのです。
2023年7月～GEMFOREXがTwitterから消滅
そして、GEMFOREXの倒産説の極めつけは、Twitterからアカウントが消えてしまった事件です。これまでは、問い合わせが滞っても、ヤバいと噂されていても、Twitterからいつでもアクセスできることが一筋の安心感につながっていました。また、公式サイトではM＆Aによる事業改善計画が発表され、完全に希望が失われたわけではなかったのです。
しかし、7月後半にとうとうGEMFOREXのアカウントが消滅してしまい、倒産説が決定的となりました。これには、どんなに楽観的なトレーダーでも慌てないわけにはいきません。おそらく、多くのトレーダーが「出金は、もうあきらめるしかないのか・・・」との結論に至ったようです。
ほとんどあきらめかけた矢先に、今回のGalaxy DAOのニュースが発表されたわけです。風向きが若干変わってきた、とかすかな希望が出てきている状況にあります。
GEMFOREXを承継するGalaxyDAOとは
さて、今回のニュースとなったGalaxy DAOとは、どのような業者なのでしょうか。Galaxy DAOの信頼性や透明性をここで追及していきます。
買収した会社って、そもそも
何をしているのでしょう。
Galaxy DAOの詳細
Galaxy DAOは、ブロックチェーン技術をベースに分散型の独立した組織の形成と、ユーザーが参加・運営する新しい取引所を目指すプロジェクト名です。仮想通貨やNFTサービスの1種になります。
Galaxy DAOのホワイトペーパー
DAOとは、Decentralized Autonomous Organizationを略したもので、中央集権型ではなく参加者が集まることで自動的に形成される組織のようなものです。参加者1人1人が、設立者であり運営者となる仕組みです。
中心となる管理者・代表者が存在せずに、参加者すべての意思決定によってプロジェクトが運営されるという特質を持ちます。
Glaxy DAOのTwitterアカウント
Twitterのアカウント作成日は2023年6月です。投稿記事はわずか数記事、得られる情報は皆無に等しいです。Gemforexに関する情報はここでは発信されていません。
Galaxy DAOのこれまでの実績
Galaxy DAOのこれまでの実績は、gitbookに掲載されているホワイトペーパーとTwitterのアカウントのみで、情報が不足しています。ちなみに、Galaxy DAOの実績として、ホワイトペーパーにTrade Planetsと呼ばれる中央集権型の取引所の記載があります。
Galaxy DAOの公式サイト・その他関連サイト
Galaxy DAOにしても、Trade Planetsにしても、まず日本語ではGEMFOREXがらみの記事ばかりで、他にWEBサイトなどの情報が見当たりません。英語の情報をリサーチしたところ、Trade Planetsではヒットする記事がありませんでした。
Galaxy DAOで検索すると、Galaxy Goggle DAO（GG）という名称のトークンがヒットしました。似ている名称ですが、現時点でGalaxy DAOとの関連性は探せませんでした。
DAOで調べると、DAOs／DAOに関する解説がいくつか出てきました。DAOそのものは、組織の形態を意味する言葉であり、固有の商品やプロジェクトを指す言葉ではないことがわかりました。
GEMFOREX復活の可能性は？
8月15日のホワイトペーパーの発表前の、GEMFOREXに対するトレーダーの見解を、口コミ・投稿記事を参考ににまとめていきます。
とにかく出金してほしいです。
GEMFOREXは信頼を取り戻せるのか？
GEMFOREXとGalaxy DAOの、今回の復活劇はあまり期待できないとの意見が大半です。
Galaxy DAOが目指すサービス・取引所の形態は、仮想通貨の仕組みとつながるものがあり、次世代的・未来的です。構想自体は凄いです。将来性はあるのかもしれません。
ただ、今回のM&A、事業継承と経営の立場から見るならば、あまりにも不透明で曖昧な部分が多すぎます。今回のGEMFOREXの買収にて、そもそもDAOでは管理者が不在であるのに誰が契約を交わし、誰が買収金額を払うのか、問い合わせに回答しているのは誰なのか、具体的な組織の全貌やM&Aの詳細が見えません。
不透明すぎるサービス、使いづらい問い合わせサポート、先が見えない迷路のような回答、と実にストレスフルな状況の中、GEMFOREXが回復できるかどうかよりも、とにかく出金してくれるのかどうかが肝心なポイントとなっています。
もはや多少怪しい業者であったとしても、とにかく出金にさえ対応してくれるのであれば、他はどうでもよい、というのが待たされているトレーダーの本音のようです。
経営破綻に追い込まれた際に、出金遅延者が本当に待っていたのは、出金そのものよりも、出金遅延者に対する心からの真摯な回答・迅速なメッセージだったのかもしれません。今となっては、GEMFOREXの信頼回復は非常に難しいといえるでしょう。
ちなみに、投資で有名なウォーレン・バフェットは、金融サービスにおいて「信頼」の欠如は最も致命的だといっています。以前、Wells Fargoが不正営業で訴訟された後、最終的には、全株式を手放しています。
参照：Buffett Exits Wells Fargo Stakes – Bloomberg
GEMFOREXの最新情報はどこで調べればよいのか？
公式サイトにて、日本語で詳細が明確にされないままでは、不安に思うトレーダーも多いはずです。今後の情報はどうやって調べるべきでしょうか。
1つはSNSの投稿を参考にする方法があります。ただし、この方法は正確な情報が掴みづらい難点があります。ユーザーの思い込みや希望が含まれているケースもありますので、参考として見ておくようにしましょう。
もう1つは、海外FXやFX情報の配信で信頼できるメディアで調べる方法です。
例えば、当サイトWikiFXは、ファクトチェックのリサーチを十分に行い、ソース元を確認したうえで、情報の配信を行っており信頼性が高いと評判です。他にも複数の著名なFXメディアなどで、情報を得てから判断するのが賢明です。
8月15日 出金に関するホワイトペーパーの詳細（追記）
さて、ようやく、GEMFOREXが出金に対応していくと約束していた8月15日、Galaxy DAOのホワイトぺーバーにて出金への対応など今後の運営方針や予定が公開されました。
かつて、GEMFOREXが公式サイトで
公表していたのが以下の予定です。
- 8月1日～15日：ホワイトペーパー公開予定
- 8月15日～31日：出金延滞者への出金対応予定
- 9月1日～30日：サービス再開予定
これまでGalaxy DAOは、出金遅延に関する問い合わせに対して「15日のホワイトペーパー」で発表する、の一点張りでした。この日のGalaxy DAOの発表を、出金未達の多くのトレーダーが祈るような気持ちで待ち続けていたのです。今回のホワイトペーパーに記載されている、出金の詳細についてわかりやすく解説していきます。
疑問1．口座の残高はどうなるのか
GEMFOREX・Galaxy DAOが通知していたように、2023年8月15日、ホワイトペーパーで公表された出金に関する対応は、出金を待つトレーダーの期待を見事に裏切る結果となりました。
GEMが現在留保している残高（トレーダーの資金）は、日本円ではなく、GBOND（GEMFOREX自作のトークン）と呼ばれるトークン付与で代替えされることになります。（結論をいうと出金はできないということ）
GBONDは一般市場では取引できない商品です。調べてみると、GBONDと呼ばれる金融商品がいくつかありました。GEMのGBONDとは違いますので気を付けて下さい。
- Goverment Bond (国債）→ GBOND
- GRAVEBOND（仮想通貨トークン）→ g-Bond、GBOND
- Gas Bonds（仮想通貨トークン）→ GBOND
- Green Bond（環境保全系の債券） → G.Bond, G-Bond
- G-Bond（接着剤のブランド名）
日本円からGBONDへの換算方法
Galaxy DAOは、GBONDの価値を1USD(米ドル)で換算するとしています。
1GBOND ＝ 1USD（GEMが決めた交換レート）
したがって、各トレーダーのUSDに換算した残高に応じてGBONDの額面が計算される仕組みです。例えば10,000USD相当の円を保有している場合、10,000GBONDを受け取ることができます。この「GBOND ＝ 1USD」というレートには、何の指標も相対的な比較レートもありません。あくまでもGalaxy DAO（GEM）独自の判断です。
詳細を見れば見るほど、何とも不利な内容となっており、ここで正確にお伝えするのが非常に残念なくらいです。
疑問2．そもそもGBONDとは
「1GBOND ＝ 1USD」というレートは、取引所にて公正につけられたものではありません。例えば、楽天が楽天ポイント1で1円、近所の酒屋さんがお店の1ポイントで2円などと、発行元が自身の判断で決めるのと同じです。その価値には何の保証もありません。
将来的には、Galaxy DAOのサービスや、Trade Planetsと呼ばれる取引所にて、GBONDが取引できるようになる、とGalaxy DAOは述べています。確かに、GBONDの用途が広がる可能性はあるかもしれませんが、果たしてそれが現実となるかは不明。現時点ではまったく無名のプライベートトークンで、所有していても使い道はゼロに等しい状況です。
わかりやすい例を挙げると、ゲームの中で獲得するイラストで描かれたコインやデモトレードで付与された架空の残高と変わりません。
用途や将来性で見れば、楽天ポイントやPayPayポイントの方がGBONDよりも遥かに優れていることがわかります。近所のローカルな商店で使える割引クーポンをもらった方が、まだ役に立つでしょう。
疑問3．GBONDで何ができるのか
GBONDにはLock（ロック）されている状態と、Unlocked（ロック解除）されている状態と2つのステイタスがあります。
Lockとは名目上、GlaxyDaoに対して未出金額への権利が保証されている状態、Unlockとはその権利を放棄する状態を意味しています。GBONDはLockされている状態で受け取ります。トレーダーの意思でいつでもUnlockすることが可能ですが、ひとたびUnlockすると、Lock状態に戻すことはできません。
Unlockする場合は全額がUnlockとなり、一部のみを使い分けることはできないとのことです。
GBONDのLockとUnlocked
Lockしているとどうなる？
Lockしている状態で保有すると、権利が維持され延滞料の利子が0.416％(毎月）つきます。延滞料は、DDT（Delayed Dmages Token）というトークンが利息として付与されます。DDTは1USDの価値が設定されています。
また、Lock状態を保つことで、Galaxy DAOの収益に応じて一部が還元される予定です。
ただし、DDTもGEMのサービスのみで使えるトークンであり、市場で公開されているものではありません。イコール1USDという価値も相対的なものではなく、GEMが独断で設定した価値です。
Unlockするとどうなる？
GBONDをUnlockすると、Galaxy DAOへの債権を放棄することになります。UnlockしたGBONDはメジャー仮想通貨USDTの借入に使えるとのことです。
ここで、まず「自身の資金があるはずなのに、借入とは一体どういうことなのだ？」と不審に思うはずです。GBONDでUSDTが買えるわけではないのです。しかも、1GBONDで借入できる額は、1USDTのわずか5％！（時期によって6％！）です。正気の沙汰とは思えません。
USDTはTether（テザー）とも呼ばれているコインで、Dollar‐Peg（ドルペッグ）のステーブルコイン（安定性が高いコイン）です。USDの市場取引価格に連動する仕組みで、換金レートもUSDJPYとほぼ同等のレートで変動しています。
本来だと、「1USDT ＝ 1USD前後」となり、円に換金した場合、現在のレートでいけば概ね「135円～145円」です。それに対して、1GBONDでUSDTの5％とは、5セント～7セント「3円～5円」の価値しかないということで、まったく法外なレート設定だといえます。
また、UnlockしたGBONDをステーキングして、stGBONDと呼ばれる利息コインが得られるのですが、stGBONDもこれまたGEM専用の未上場トークンであって、将来的にTrade Planets（自社取引所）にて取引可能だとしていますが、いったいそれで何が変わるというのでしょうか。公共性が低い、プライベートなポイントであることに変わりはありません。
GBONDにしてもstGBONDにしてもどれだけの数があろうとも、現時点では無きに等しい数字なのです。
ホワイトペーパーの内容に激怒するトレーダー（追記）
ここまで見てきたように、今回のGEMFOREXの事業承継と8月15日に発表されたGalaxy DAOの出金対応には多くの疑問・不信感が残る展開となりました。
まったく使えないトークンもらっても意味がない！
とにかく、お金返して！
当然ながら、多くのトレーダーから激怒する声がTwitter（X）や、Discordに山のように投稿されています。その声をいくつかここでご紹介しておきましょう。
トークンはいらない、日本円での出金のみを希望
Discordでは発表後に「よく分からないトークンなどいらない。日本円でお金を返してほしい。」と求める声が数分おきに相次ぎました。投稿を軽く見た限り、1人として納得しているトレーダーはいないようです。
Discordの投稿
「GEMFOREXトレーダーです。ホワイトペーパー読みました。トークンはいらないので、お願いだから日本円で出金して下さい。」
「仮想通貨の付与や取得できる権利など必要ないです。どうか資金を日本円で返して下さい。」
「楽観も悲観もせず、とにかく6か月出金を待った。その結果、不快で受け入れ難い終末を迎えている。もし、これが許されるのであれば犯罪は蔓延していくことになるので、自分は日本円で出金されるまでは、その他の方法はすべて拒否することを選ぶ。」
「GEMFOREXトレーダーです。ホワイトペーパー読みました。トークンいらないです。どうか日本円でお金を返して下さい。」
引用元：Galaxy DAO general chat – Discord
数万円の資金を待つトレーダーもいれば、数百万円、あるいはそれ以上の資金を待つトレーダーもいます。金額を問わず、すべての資金はトレーダーそれぞれにとって、とても大切なお金です。何人のトレーダーが出金を待っているのかは不明ですが、Discordの投稿は8月20日現在でも投稿が続いていて、もの凄い数です。
かつてのGEMの人気ぶりから考えれば、軽く数百人はいるのではないでしょうか？「お金を返してほしい」の投稿がどんなに続いてもGEM（Galaxy DAO)からの返答は一切ありません。
Twitterの投稿
Twitterでも、出金を待つトレーダーの嘆き・怒りや、この事態を詐欺と分析するトレーダーの投稿が数多く見受けられます。
これは、あくまでも個人的な見解にはなるのですが、よくある無名の行きずりの海外FX詐欺とは異なり、この事態には、何か軽視できない、GEMの悪質な策略があるような気がしてなりません。
計画的な詐欺である可能性が高い？
Galaxy DAOの実績や履歴を見る限り、GEMFOREXの経営破綻以前から存在していた組織（企業・団体）ではないことは明らかです。GEMFOREXがM＆A計画をほのめかした後、2023年7月あたりから突如湧き出たように出現しています。
ボーナス詐欺・M＆Aにからめた残高差し押さえ劇 → Galaxy DAOの出現 → 差し押さえた残高にて、都合よく始まる新しい仮想通貨サービス
と一連の流れが浮かび上がってきます。
Galaxy DAOは、GEMFOREX自身が創出した架空のプロジェクト団体だとすれば、すべてつじつまが合います。
なぜそのまま連絡不通にならなかったのか
最悪の場合は、海外FX詐欺でよくあるようにGEMFOREXはそのまま行方をくらまして、連絡不通になってもよかったはずです。そうしなかったのは、Galaxy DAOの立ち上げに日本人トレーダーの存在（口座数・トークン保有者の数）と残高（運営資金）と双方が必要だったとの見方もできます。
顧客と残高をそのまま確保するイメージ
Galaxy DAOでしか効力がないトークンを渡されたトレーダー群は、否応なしに、Galaxy DAOのサービスを構成する一員とならざるを得ません。
ここにきて考えられるパターンは2通りです。
パターン1
1つは、最初からこの新しいサービスの構想があり、もしかすると現在の状況に事を運ぶための方策として詐欺・出金拒否が創出されたのかもしれません。結果的に、GEM（Galaxy DAO）は顧客資金を一切返済することなく、全額を自社トークンに変える方向で動いています。
補足情報として考慮しておきたいのが、詐欺・出金拒否が横行した12月の同時期に、GEMFOREXは仮想通貨業者のBitterzを買収していることです。この頃から仮想通貨への展開を考えていた可能性が伺えます。
パターン2
もしくは、本当にGEMFOREX自身も詐欺の被害を受けており、行き詰まった末の窮地の解決策だったということです。返済できない出金額に苦悩した挙句、Galaxy DAOの構想が持ち上がったのかもしれません。他社（？そもそも会社ではないが）を創出し権利を移行することで、多額の出金をすべて回避、かつ新たなビジネス展開が狙っていけます。
いずれの場合でも、GEMは一切顧客に資金を返済する必要がなく、引き続きGEMの顧客数をそのまま囲い込む形である点が共通しています。
完全に悪意があったと断言はできないものの、これまでの流れから、残高を留保し続けていることに対する謝罪や同調するような文面や動向は見当たりません。むしろ、あえて回答を不透明なままで思い悩むトレーダーをつなぎとめ、興味をそそろうとする意図すら感じられます。誠意があるとはけっして言えない状況です。
出金できなかった場合の選択肢と対策（追記）
では、最終的にトークンを受け入れなかった場合、GEMにおけるトレーダーの権利（破産・事業継承した場合の出金要請）はどうなるのでしょうか。先にもご紹介したように、ほぼすべてのトレーダーがGalaxy DAOの新しいビジネスには全く関心がなく、日本円による出金のみを希望しています。
こう言っては、希望を失う方もいるかもしれませんが、これまでも悪質な業者による海外FXの詐欺行為はたびたび起きています。現状は・・・海外であるため訴訟や刑事事件としての取り扱いが難しく、「あきらめるしかないケース」が多いようです。
日本円で出金できない場合どうすべきか
まず、最も重要なことは、今後1円たりともGalaxy Dao・Trade Planetsにお金を絶対に使わない、出金に関すること以外はサービスを利用しない、ということです。そうすることで、少なくとも今以上のダメージは避けられます。
- 完全に移行するまでの間（9月1日？）、とにかくダメもとで日本円での出金を要請し続けてみる
- 何もしない。詐欺に合ったとあきらめる（今以上のダメージは避けれる）
- 新しいGEMのビジネスに便乗して、盛り上げる（リスクはかなり高い、おすすめしません）
- 断固、日本円での出金を要請し続ける（可能性は低いですが・・・）
- 訴訟する方法を探す（ハードルは高い／日本では無理）
などが差し当たっての選択肢となるでしょう。Galaxy Daoの方では、また新たな情報を掲載するといってますので、状況がまた変わる可能性はあります。その都度、情報収集を行い、慎重に判断することが大切です。
また、注意したいのが、一応GBONDは、Galaxy DAOによると「債券 ＝ GEMへお金を貸している状態」を証明するトークンです。
弁護士や警察に相談する方法はあるのか？
お願いだからお金返して！
弁護士や警察に相談する、と考える方もいるかもしれません。しかし、残念ながら日本の弁護士や警察は海外で起きた事件に対しては基本的に効力を持ちません。なぜなら、日本だけに限らず、国の法律はその国土内でのみ有効となります。
海外に拠点を持つ業者を日本の法律で裁くことは不可能です。だからこそ、金融庁はしつこいぐらいに無登録業者を使ってはいけない、と注意しています。いざとなっても、どうすることもできないからなのです。
GEMFOREXの拠点は、転々としながらも最後の拠点はSTヴィンセント・グラナディーンです。STヴィンセント・グラナディーンの金融商品取引法にて管理されています。したがって、本気で懲らしめてやりたいと思われる方は、同国の警察・司法関連にアプローチする方法があります。
日本でも、ごく1部の弁護士が高額な費用にて海外案件を取り扱うケースがあります。海外FXや仮想通貨詐欺専門の弁護士を介して、STヴィンセント・グラナディーンで訴訟（費用を抑えるなら集団訴訟）を起こすなども1つの選択肢となるでしょう。
国際的詐欺事件について（JETRO ）
相手が日本国籍であれば打つ手はあるかもしれない
海外FXの中には、日本人業者が海外に拠点を構えて経営しているケースがたまにあるようです。GEMFOREXには日本人スタッフも多く、経営者は日本人だとの噂があります。もし、GEMFOREXの経営に日本国籍を持つものがいれば、日本でも何らかの対応が可能かもしれません。
SNSでの悪評拡散は意外と効果がある？
最後に・・・。「ペンは剣よりも強し」ということわざがあるように、実は文字が人に与える影響は思った以上に強大です。ここまでSNSが日常的に使われるようになった現在、詐欺も含めて、すべての業者が最も恐れるのは、SNSによる悪評の拡散です。
Discordではなく公共性が高いTwitter（X)などで、今回のGEMの詐欺行為を投稿しまくる方が相手へのダメージ効果が期待できます。
悪事の拡散を恐れるからこそ、GEMはTwitterをクローズして、Discordに誘導していると考えられます。
まとめ
Gemforexは、2022年12月の出金拒否騒動が起きるまでは、信頼性も高く、ボーナスで人気がある海外FX業者でした。それだけに、今回のトラブルは海外FXトレーダーにとってショッキングな事実となりました。出金できるかどうかを悩む日々は、耐えがたいストレスです。
確かに、海外FXはハイレバレッジやゼロカット、ボーナスなどと国内FXにはない魅力やメリットがあります。しかしながら、海外FXは日本の法律の管轄外にあるため、一定以上のリスクが避けられず、不安要素も多いのが現状です。Gemforexに限らず、どんなに信頼できる海外FX業者であっても、出金トラブルの可能性がゼロだとは言い切れません。
最終的には、トレーダーの自己判断・自己責任になりますが、大切な資金を守りたいのであれば、万が一の時にも法律で守られている、安全な国内FXをおすすめします。
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