昨日(2021年11月30日)のドル円の動きを振り返ってみましょう。
ドル円相場の振り返り -ファンダメンタルズ分析-
昨日(11月30日)はゴトー日でした。
実需のドル買いは限定的で、市場オープンと同時に113.88円まで上値を広げるも、仲値決定の9時55分を待たずに失速しました。
その後は軟調に推移しています。
ゴトーの日(ゴトウの日)というのは、日付に『5』と『10』が付く日のことです。
毎月の『5日、10日、15日、20日、25日、30日』のことを指しています。
日本の輸入企業の多くはドルで購入代金を支払っているのですが、この決済日がゴトーの日になる場合が多いです。
つまり、決済日であるゴトーの日は『ドルが多く買われる傾向がある』とされています。
そして一般的には、金融機関が外貨の交換レート(仲値)を決定する毎朝9時55分に向けて、円安の方向に動くとされています。
午後からモデルナ社のCEOバンセル氏が、
「オミクロン株に対するモデルナワクチンの効果は従来の変異株よりもはるかに弱い」
「オミクロン株に対応したワクチンの製造には数か月必要」
と発言したことから市場に警戒感が広がり、ドル円は112.94円まで下落しました。
記事を作成時点で、オミクロン株の感染者は比較的軽度の症状であるということですが、
ワクチンの効果が薄い場合、各国の渡航制限なども再開され、世界経済への悪影響が懸念されています。
また、ワクチンの効果や重症化のリスクについての詳細が判明するまでには、あと2週間程度時間がかかる見込みです。
世界保健機関(WHO)はオミクロン株が世界的に広がる可能性が大きいと認識しており、一部の地域で深刻な結果を招く懸念があり、世界的に『リスクが非常に高い』と発表しました。新たな変異株についての情報も積極的にウォッチしていきたいところです。
さて、昨日の経済指標を見てみましょう。
昨夜発表された『11月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)』については、予想値が下回ったことで一時上値が重くなりましたが、パウエルFRB議長の発言で急騰しました。
パウエルFRB議長は、
「次回のFOMCでは資産購入の早期終了を議論することが適切」
「インフレを一過性と呼ぶのを止める時がきた」
と発言しており、タカ派(強硬派)寄りの発言も飛び出しました。
その後は、NY時間につけた安値から100pips以上の上昇を見せ、一時113.69円の高値をつけました。
時間(日本時間) | 経済指標・イベント |
---|---|
22時15分 | アメリカ・11月ADP雇用統計(前月比) |
24時00分 | アメリカ・11月ISM製造業景況指数 |
24時00分 | アメリカ・パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長発言 |
ドル円相場分析 -テクニカル分析-
本日(12月1日)の着眼点は以下の2点です。
- フィボナッチリトレースメントの「カンファレンスK」
- ボリンジャーバンドを使用した環境認識
フィボナッチリトレースメントの「カンファレンスK」
ドル円週足のを見てみましょう。
赤矢印同士、青矢印同士を基点に、それぞれフィボナッチリトレースメントを引いています。
注目は二つのラインの重なる112.462円(緑の四角)。
ほぼ重複しており強い節目を形成しています。
このようなフィボナッチリトレースメントの重複ポイントは「カンファレンスK」と呼ばれ、強い節目になると同時に価格を引き付ける特性も持ちます。
厳密には届いていませんが、これをタッチしたとみなす場合もあるので要注視です。
また、オレンジの四角部分も「カンファレンスK」が発生しており、こちらにも注目する必要があります。
ボリンジャーバンドを使用した環境認識
引き続きドル円の週足を見ていきましょう。
昨日の安値(赤矢印)を『ヒゲのみ』割り込みました。
上値は青矢印の高値を次の足の高値が『ヒゲのみ』を更新しています。
上下とも騙しのブレイクアウトとなっており、多少もみ合いが長引く可能性も出てきました。
ボリンジャーバンドで見ると、
緑矢印のローソク足が『+2α』を実体で上抜いており『バンドウォーク』が発生しています。
バンドウォーク中は『+1σ』が抵抗線になる可能性が高まるのですが、現状少し割り込んでいます。
ただ、まだまだ売りを狙うような状況ではないので、押し目狙いで良いと思っております。
本日のトレード方針 -ドル円-
本日はドル円で売買方針を示していきます。
エントリーポイントの112.462円まで引き付けてから『買い』で入る方針です。
アクション | 価格 |
---|---|
エントリーポイント | 112.462円 |
利益確定ポイント(T/P)① | 114.243円 |
利益確定ポイント(T/P)② | 118.564円 |
損切りポイント(S/L) | 118.781円 |
チャートの週足を見ていきましょう。
エントリーの根拠は、週足分析で示した『カンファレンスK』です。
また、リミット幅が広いので分割決済を使用します。
『利益確定ポイント(T/P)①』は週足のローソク足の実体上限。
ここでポジションの三分の二程度決済予定です。
『利益確定ポイント(T/P)②』はフィボナッチターゲットで計算しています。
ドル円の平均値変動幅
ドル円の1日の平均値変動幅を表すADRです。
前文で紹介にも紹介したパルエル議長の発言により、変動幅も高くなっています。
- ADR20=82
- ADR10=99
- ADR5=111
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