英中銀国債買い入れを発表 市場は厳しい見方|WikiFXニュース

イングランド銀行は、長期国債の買い入れを開始すると発表しました。

声明では、「市場の秩序を回復する為」と発表しています。

買い入れは発表当日から10月14日までで、金額は無制限です。

また、現在保有中の英国債は来週から売却開始する予定でしたが、10月下旬に延期するとしています。

この措置の背景には、9月23日、トラス新政権が大規模な減税を発表したことがあります。

しかし、財政悪化への懸念から株・通貨・債権のトリプル安(今週月曜記事でも分析)となっています。

この状況を受けて、緊急利上げの可能性も浮上していますが、債券に対しては、買い支えといった選択となりました。

今回の債権の買い入れに対しても、市場では迷走していると捉えられており、英国政府に対する市場の評価は厳しいものとなっています。

現在、英国はインフレが進行しているのですが、

・減税で需要を喚起すれば、インフレ基調になる

・減税に対応する為の財源や歳出削減が示されていない

以上2点が懸念材料となっています。

減税政策に対しは、各方面から否定的な意見が聞かれます。

・IMF(国際通貨基金)
「大規模で的を絞らない財政措置は推奨しない」
・米ホワイトハウスのブライアン・ディース経済顧問
「市場の否定的な反応には驚いていない」
・格付け会社ムーディーズ
「財源のない減税計画はクレジットネガティブ(信用格付けが変更になる可能性)になる」
・元アメリカ財務長官のラリー・サマーズ氏
「主要7カ国の政策発表で、市場からも経済専門家からも、これほどネガティブな反応が出たのは記憶にない」

現在のポンドドル市場です。

目次

ドル円相場の振り返りファンダメンタルズ分析

ドル(橙)、ユーロ(赤)、円(水色)、
豪ドル(青)、ポンド(緑)

東京市場

各国株式市場は続落しており、ドル買い円買い・ポンド、オセアニア通貨売りとなっています。

ポンドの急落以降、ドルと円は正の相関関係で動いています。

その影響で、ドル円は方向感のない展開となっており、前日のNYの高値安値に挟まれて推移しています。

  1. 10時30分、オーストラリアの小売売上高は予想を上回る結果となりました。

    インフレ率や金利が上昇しているにもかかわらず、堅調な結果となったことで、利上げ継続の可能性が高まりました

    豪ドルは一時的に上昇しましたが、リスクオフの影響で豪ドルが下向きであったため、影響は限定的となっています。

欧州市場

ドル円は東京市場と同様の値動きとなっています。

市場介入が検討されている145円前後がレンジとなっており、上値の重さが目立ちます。

現在は、ポンド売りに対しドル買いとなっており、ドルもポンドの影響を強く受けています。

  1. 米株式会社ムーディーズは、

「財源のない減税計画はクレジットネガティブ(信用格付けが変更になる可能性)になる」

「財政戦略への信頼喪失は、買い入り能力を恒久に弱める可能性がある」

と述べています。

  1. 16時30分頃、ラガルドECB総裁は、継続的な利上げを示唆しました。

    また、利上げの最終目標は、中立金利に到達する事だと述べています。
  2. 19時00分頃、イングランド銀行は、長期国債の買い入れを開始すると発表しました。

    この発表受け、一時的にポンドは急上昇し、債券市場は急落、各国株式市場は上昇に転じています。

    ポンドは急上昇後に急落しますが、その後上昇に転じています。

NY市場

イングランド銀行の長期国債の買い入りが発表されると、リスクオフからリスクオンの展開に移り、ポンド買い、ドル売りが進行します。

その影響でドル円も下降に転じ、前日安値を割り込む値動きを見せました。

本日の重要指標·発言

時間イベント
21:30米国 4-6月期四半期実質国内総生産(GDP・確定値)
22:00NZ オアRBZD総裁の発言
23:00米国 ブラード米セントルイス連銀総裁の発言
26:00米国 メスタ―米クリーブランド連銀総裁の発言

相場分析テクニカル分析− 

本日は以下のテクニカルを中心に分析していきます。

・節目を使用した環境認識(ポンドドル1時間足)

・節目を使用した環境認識(ドル円4時間足)

節目を使用した環境認識(ポンドドル1時間足)

ポンドドル1時間足

「1985年の安値更新」と「セリリング・クライマックス」が同時に起こっていますので、ターゲット到達による「もみ合い相場」に移行する可能性があると考えています。

ポンドルは「国債の買い入れ」発表時には急騰しますが、その後急落し、「61.8%」にタッチしてから上昇しています。

トレンド転換の典型的なパターンとして、「フィボナッチ・リトレースメントの61.8%で反発する」というものがありますが、昨日のポンドドルの値動きは典型的と言えます

イギリス株式市場やユーロなどは、「国債の買い入れ」発表後に上昇に転じていますので、この値動きは、テクニカル主導のものに見えました。

節目を使用した環境認識(ドル円4時間足)

ドル円4時間足

現在は緑ラインの間のレンジとなっており、どちらかに抜けるまでは方向感が出づらい状況です

水平線も記載していますが、通常よりも意識されにくいです。

損大利小システムが利益を上げやすいですが、損小利大システムはドローダウンを生みやすい形状です。

本日のトレード方針

本日はドル円で売買方針を示していきます。

アクション価格
エントリー時刻9時55分に成り行き売り
決済時刻15時に決済
利益確定ポイント40pips
損切りポイント(S/L)50pips
ドル円5分足

月末アノマリーに基づいて売買を行います。

時間特性を利用するので、指定時刻にエントリーし、指定時刻に決済するのが基本です。

15時にポジションが残って入れば、損益に関わらず決済します。

また、決済を時間のみに依存すると資金管理が難しくなるので、利益確定と損切りに固定値幅を併用しています。

エントリー後は、この40pips幅を目安にし、その値幅付近の節目を利益確定ポイントに設定するのが良いと思います。

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