FXの押し目買いと戻り売りで大きな値幅を取り切るトレードができるようになりたい!
押し目と戻り目は何となく分かるけど、さらに押したり戻されたりしそうで不安……。
FXチャートを前に、苦戦しながらテクニカル分析をしている方も多いのではないでしょうか。
ところで、FXの押し目買い・戻り売りで勝つために大切なポイントを押さえていますか?
この記事でわかること
- FXの押し目買い・戻り売りの概要と勝てるトレードの条件
- FXの押し目買い・戻り売りに必要な分析方法について
- 成功するFXの押し目買い・戻り売りの具体的なエントリー方法
FXの裁量トレードで押し目買いと戻り売りをするときの重要なポイントを分かりやすく解説します。
時間の経過とともに廃れることのない手法ですので、せひ実際のトレードに役立ててください。
FXの押し目・戻り目とは
FXの押し目とは、通貨ペアの価格が上昇している中で一時的に下がった局面のことで、その後に再度上昇に向かったときのみに使われる言葉です。
押し目となる理由は、利益確定やリスクオフなど外的要因を背景にした売りによるものですが、上昇トレンド中の押し目は絶好の買い場となります。
また、FXの戻り目は押し目をひっくり返して考えるだけです。
通貨ペアの価格が下落している中で一時的に上がった局面を指しています。
FXの押し目買い・戻り売りについて
ここからはFXの押し目買い・戻り売りの概要を解説します。
「押し目と思ったところが実は押し目じゃなかった……」なんて事態を避けるためにも、順々に読み進めてくださいね。
FXの押し目買い・戻り売りのエントリーや拾い方
FXの押し目買い・戻り売りは、トレンドに合わせることで通用するトレード手法です。
押し目買いであれば上昇トレンドにおける一時的な下落で買い、戻り売りであれば下降トレンドにおける一時的な上昇で売ることになります。
仮に下降トレンドにおける一時的な反発で拾ってしまうとどうなるでしょうか。
下降トレンドで戻り売りが優勢にも関わらず安値①で押し目買いをした場合、そのままズルズルと下落に巻き込まれ、損切りしなかったときには瞬時に大きな含み損を抱えてしまいます。
FXの押し目買い・戻り売りのメリット
FXの押し目買い・戻り売りのメリットを2つにまとめました。
トレンドフォローの初動エントリーで利益が伸びる
1つ目のメリットは、トレンドフォローの初動エントリーで利益を伸ばせることです。
トレンドが継続する※限りポジションを取った方向に値が伸び続けます。つまり順張りFXトレーダーは、トレンド方向に再度値動きが生まれる初動を捉えることが収益率を最大化する最良の方法です。
ダウ理論の6つの基本原則の一つ「トレンドは転換の明白なシグナルが発生するまで継続する」が該当します。つまり、上昇トレンドであれば安値切上・高値更新、下降トレンドであれば高値切下・安値更新をしている間はトレンドが継続しています。
狙う利益幅に対する損失幅が狭くなる
2つ目のメリットは、狙う利益幅に対する損失幅が狭くなることです。
成功するFXトレーダーの大半はエントリー前から目安の利確値と損切値を定め、リスクリワードの良いトレードを積み重ねていきます。
例えば、上昇トレンドにおける押し目①で拾った場合と上昇途中②でロングしたときを比較すると、同じ安値に損切り設定した場合の損失幅の違いは一目瞭然ですね。
FXで値幅ある押し目買い・戻り売りを成功させるために、押し目と戻り目を見極めてエントリーすることが大切です。
FXの押し目買い・戻り売りのデメリット
続いてFXの押し目買い・戻り売りのデメリットを2つにまとめました。
エントリー直後の逆行で損切りが積み重なる可能性
1つ目のデメリットは、損切り値が適切でないとエントリー直後の逆行で損切りが積み重なる可能性があります。
押し目買い・戻り売りを狙うトレーダーは利益幅を伸ばす目的の他に、損失幅を狭くすることがあげられます。
それゆえ、テクニカル分析が甘い状態で変に狭い逆指値を設定すると、エントリー直後の逆行ですぐに刈られて損切り貧乏になってしまいます。
マルチタイムフレーム分析が必要で初心者には難しい
2つ目のデメリットは、マルチタイムフレーム分析が必要で初心者の方には難しいことです。
マルチタイムフレーム分析とは:上位足と下位足を総合的に分析してトレードの精度を上げる分析方法です。
トレードの優位性が高いエントリーポイントを絞り込むことができ、勝率アップが期待できます。
FX初心者の方には大変難しく、裁量トレードに挫折する大きな原因でもあります。しかし、トレンドに合わせる順張りトレードで稼ぐためには必須の技術であることを忘れないようにしましょう。
参考記事:マルチタイムフレーム分析ってなに?使いこなせれば勝率アップ!
FXの押し目買い・戻り売り成功の鍵はマルチタイムフレーム分析でトレンドを見極めることです。
FXの押し目買い・戻り売りの注意点
FXの押し目買い・戻り売りの注意点を3つご紹介します。
トレンドに沿った順張りで使う手法
1つ目の注意点は、トレンドに沿った順張りで使う手法であることです。
FXの押し目買いと戻り売りが機能するのは、トレンド方向に再度価格が継続して動き出すことが大前提です。
なぜならFXトレーダーの共通認識として、先述のダウ理論「トレンドは転換の明白なシグナルが発生するまで継続する」があります。それゆえ、上昇トレンドであれば安値切上げ高値更新することを想定し、その過程における一旦の押し目を拾っていくことになります。
高値掴みと底値売りによる含み損
2つ目の注意点は、高値掴みと底値売りによる含み損です。FXチャートは高値と安値を作りながら波打っています。
いくら上昇トレンドや下降トレンドが続いていても、必ず新たな安値や高値を作りにいくものです。
それゆえ順張りトレーダーはロング勢力の買い疲れやショート勢力の売り疲れが起きるポイントをテクニカル分析で見極めていく必要があります。
たとえ損切りにならずとも、含み損は資金効率を悪くして心理面にも悪影響があるので避けたいものですね。
押し目待ちに押し目なし【相場格言】
3つ目の注意点は、相場格言「押し目待ちに押し目なし」です。
予測に反して対象通貨ペアの価格が上昇し続けてしまい、トレードや投資の好機を逃すことを指しています。
例えば2022年3月10日以降のドル円の急上昇、116円を上限とするレンジから解放された途端に130円まで駆け上りました。
年に数回あるかも分からない本当に強い相場では、待ち姿勢でいては稼ぐ機会を丸ごと失う好例となりました。
強いトレンドが発生しているときほど、押し目や戻りを付けにくいのも事実です。
ひたすら押し目を待っていて、結果エントリーができないまま上げを眺めている…なんてことも
下げトレンドからの転換で上げトレンドに変化した後の第1エントリーは、下げ途上の高値切り下げ・安値更新から、直近高値を上抜いたタイミングが狙い目です。
一見高値掴みに見えるかもしれませんが、エントリーの機会を逃さないためには、このポイントで買いエントリーしてみるしかありません。
ここで、本来持とうと思っているポジション数を一度で全て買うのではなく、
2分の1もしくは3分の1くらいの買いポジションを持ってみるというのが重要です。
その後上手く上げの流れに乗れたことを確認できたら、そこから押し目が発生したタイミングで、残りの2分の1、3分の2をエントリーするくらいの分割売買がオススメです。
これなら大きな上げ相場でエントリーの機会を失うことはありませんし、仮にそれが高値掴みになったとしても、損失は2分の1か、3分の1に抑えることができます。
FXの押し目買い・戻り売りで勝てないトレーダーの共通点
FXの押し目買いと戻り売りが「分からない」「待てない」「難しい」と悩んでいる方もいるでしょう。
勝てないトレーダーの共通点は「マルチタイムフレーム分析ができていない」に尽きると言って過言ではありません。
FXの押し目買いと戻り売りはトレンドをフォローする順張りで使う手法だとお伝えしました。
しかし、異なる時間足を分析して最適なエントリーポイントを見極めることは大変むずかしいことです。
ここからは実践できる押し目買い・戻り売りを解説するので、少しでも順張りトレードのパフォーマンス向上に役立ててください。
よろしければ「マルチタイムフレーム分析ってなに?使いこなせれば勝率アップ!」も合わせて参考にしてください。
FX押し目買い・戻り売りで勝てるポイントの判断方法
ここからはチャートを用いて実践的な内容を解説していきます。FXの押し目買い・戻り売りで勝てるポイントの判断方法は、マルチタイムフレーム分析で伸びやすい価格帯を明確にすることです。
この価格帯には2つのポイントがあります。
- 長い時間足の押し目・戻り目である
- 長い時間足の反対勢力が存在しない
FXの順張り裁量トレーダーは、この2つをハッキリさせるためにテクニカル分析をしています。
長い時間足の押し目・戻り目を見極める
1つ目のポイントは、長い時間足の押し目・戻り目を見極めることです。
シンプルに考えるため、押し目買いのみを例にします。
押し目買いをしてからレートが大きく伸びるためには、エントリー後により多くの買い注文を必要とします。
注文には新規・追加・損切りしかないので、3つの注文が重なるポイントを分析すれば良いわけです。
どうやって3つの注文が重なるポイントが分かるの?
これこそがマルチタイムフレーム分析です!
15分足・1時間足・4時間足・日足と異なる時間足を分析する中で、エントリーに使用する時間足が異なるトレーダーが買いたいと思う価格が合致したら最高にレートが伸びるポイントになります。
もっと具体的に教えて!
それこそが長い時間足の押し目・戻り目の見極めです。ドル円の日足を用いて解説しますね。
ドル円の日足は安値①をつける前に高値を更新しており、レートが安値①近辺にあるときは押し目を作って上昇トレンドへ転換することを考える場面です。
日足ベースで押し目から反転上昇したのを確認してロングをしても遅いですよね。なので、4時間足以下を分析することになります。
ドル円の4時間足を見ると随分景色が変わりますね。
日足よりも下げ止まる印象が強くなったのではないでしょうか。
理由は日足が①を安値にして上昇トレンドに転じるかを見極めていく場面において、4時間足が安値②の前に高値を作っています。
さらには②の安値を左に延長すると、過去の安値と直近の売買が交錯した価格帯(支持帯)を支えにして反転上昇に向かうことを想定しやすくなります。
日足で押し目買いが入りやすい水準において、4時間足でも拾っていける価格帯であることが分かりますね。続いて1時間足を見てみましょう。
ドル円の1時間足は4時間足の安値②で明確なダブルボトムを作っています。日足や4時間足よりもさらに下げ止まる印象を強く受けるのではないでしょうか。
ここで各時間足をエントリーに使うトレーダーの心理を想像してみましょう。
日足トレーダー:今は上昇トレンドへ転換する目前、押し目になりそうだから買いたい
4時間足トレーダー:今は上昇トレンドへ転換する目前、押し目になりそうだから買いたい
1時間足トレーダー:今は……
一番長い時間足の日足で上昇トレンドに転換しそうな局面だからこそ、みんな同じことを考えるのです。
そして1時間足の高値③においては、次の3つの注文が集中することを想定できます。
・1時間足高値③ブレイクアウトによる新規の買い注文
・安値①、②で押し目買いをした買い勢力による高値③ブレイクアウトでの追加注文
・売り勢力の損切り注文
FXの押し目買い・戻り売りで実際に稼ぐためにも、3つの注文の重なりを意識すると良いですね。
これは4時間足以下までブレイクダウンしたときに見えてくるものなので、頭の片隅に置いておいていただけたらなと思います。
さらには長い時間足のトレンドは短い足のトレンドより優先するという市場参加者の共通認識があります。
なぜなら、巨額の資金を動かす機関投資家やヘッジファンドは日足をメインに取引している場合が多いためです。
それゆえ個人のFXデイトレーダーは4時間足以下の分析に注力し、大きな流れに一歩早く乗れる押し目買いに注力します。
つまり、FXの押し目買いの精度を高めるために異なる時間足の分析が必須になり、それこそがマルチタイムフレーム分析となります。
長い時間足の反対勢力が存在しない価格帯を見極める
2つ目のポイントは、長い時間足の反対勢力が存在しない価格帯を見極めることです。
押し目と思って拾ってみたけど、ちょっと逆行しただけで利確しちゃった……
理想的な押し目買いであったにもかかわらず利確を急いだがために、その後想定方向に大きく値が伸びて悔しい思いをしたことはないですか?
それは押し目買いからレートが伸びる価格帯の見極め(利確目安)が甘いことが原因です。
FXの押し目買い・戻り売りからレートが伸びる価格帯には長い時間足の反対勢力が存在しません。
まずはドル円の1時間足を見てみましょう。
ドル円の1時間足は上昇トレンドからレンジに入り、高値①を抜けたくらいで再度上昇トレンドを作る流れに見えますね。高値①を抜けてロングしたらどうなったでしょうか?
押し目買いが少しだけ入ってすぐに売り込まれてしまいました。4時間足を見てみましょう。
ドル円の4時間足を見ると大きなレンジ内をレートが推移しており、少し前に売り込まれていたことから、押し目買いよりも戻り売りが優勢になりやすい環境であることが分かります。
1時間足の高値①をブレイクアウトで買うことや、その前に押し目買いをすることは難しいですね。
さらに日足を見てみましょう。
ドル円の日足をみると高値切下げ安値更新で下降トレンドだと分かります。ここで長い時間足の売り勢力の存在を青い四角で示しました。
過去の安値で直近の2つの高値(①の左側)が上値を抑えられており、青い四角が日足の抵抗帯になっていることが分かります。
1時間足では買いで入っていけるように見えた局面が長い時間足にすることで反対勢力の存在を明確にすることができます。つまりドル円の1時間足では押し目買いに見えたポイントが、長い足を分析することで反対勢力の存在を確認することができます。
実際にFXトレードをする際には4時間足以下を多用してエントリーを探ることになるでしょう。
しかし近視眼的なチャート分析だと、機関投資家やヘッジファンドなどの反対勢力の存在を忘れがちです。
このような反対勢力が存在しない価格帯を見極めることが伸びる価格帯の選別にそのままつながるので、マルチタイムフレーム分析は順張りに必須条件となります。
戻り売りで勝てるポイントの判断方法はチャートの見方を真逆にするのみです。
FXの押し目買い・戻り売りで勝率を高めるエントリー方法
ここからは勝率の高いFXの押し目買いと戻り売りを2つご紹介します。上記の伸びる価格帯でエントリーできたら一気に値幅を取れるので、なんとか習得していきましょう!
長い時間足の支持線・抵抗線反発でエントリー
1つ目のエントリー方法は、長い時間足の支持線・抵抗線反発でエントリーすることです。再び上述の上昇トレンドに入ったドル円の日足を見ていきます。
シンプルに考えるため、押し目買いのみを例にします。
結果論ですが、安値①は上昇トレンドにおける絶好の押し目買いポイントでした。ただし実際にトレードをしていた場合、①で安値を作らずにさらに下落する不安にかられた方も多いでしょう。
では、安値①が押し目の候補になると判断するにはどうしたら良いのでしょうか?一つ短い4時間足で確認します。
なんか様子が変わったけど、どう考えたらいいのだろう?
ドル円の日足を見ていたときよりも安値①が押し目になりそうに感じますよね。
その理由は安値①の水平線を左に延長したところに、4時間足で認識できる売買が交錯した価格帯(支持帯)が存在するからです。
日足はすでに高値を更新しており、安値切上げを想定した押し目買いが意識されやすい環境です。そこに表れた水平線①ですから、資金管理をしつつも押し目買いで積極的に拾っていく局面となります。
それでは、さらに短い1時間足を見てみましょう。
①で押し目買いしたいと思わない。なんでだろう……
FX初心者の方も感覚的に安値①で買いたい!とは感じないでしょう。
なぜならドル円の1時間足では明確に高値切下げ安値更新がおきて下降トレンドに転換しているからです。
ところが、この流れこそがFXの押し目買いポイントの理想形です!
冒頭で長い時間足の支持線・抵抗線反発でのエントリーがポイントだとお伝えしましたが、1時間足だけの短期思考になっていると、4時間足で確認した長い時間足の支持帯の存在を見落としてしまいます。
ですので、1時間足以下の短い時間足で反転ポイントを細かく探りながら、4時間足以上の長い時間足の支持線近辺の反発を確認して、資金管理をして押し目買いで拾っていく手法になります。
なお、日足の通り強い支持帯が作られていないことや1時間足の下降トレンドが継続して、短い足のトレンドが長い時間足へ波及することも想定すべき場面です。
よって、一括で全て損切りするか、もう一段・二段と下で押し目買いするために資金を分散させて反転上昇想定で拾っていくことになります。
短い時間足の支持線・抵抗線ブレイクアウトでエントリー
2つ目のエントリー方法は、短い時間足の支持線・抵抗線ブレイクアウトでエントリーすることです。
上述の上昇トレンドに入ったドル円の1時間足で解説します。
早速ですが1時間足の高値③に注目してください。この水平線をブレイク・アウトして急伸した理由がわかるでしょうか?
1時間足だけみると下降トレンドだけど、今まで習ったマルチタイムレーム分析だと……考えが整理できない。
FXのマルチタイムフレーム分析では長い時間足を優先することをお伝えしました。先述のとおりドル円の日足は上昇トレンドへ転換する局面に入っており、4時間足は安値①で押し目買いされて新たな高値を作っていましたね。
そしてドル円の1時間足は、過去の支持帯に支えられた安値②でダブルボトムを形成してから高値③を新たに作りました。
高値③をブレイクアウトしそう!
リアルチャートでも誰もがブレイクアウトまで想像できるでしょう。日足は高値更新しており長い時間足の強い反対勢力は存在しません。ここでのポイントは、高値③に上述の3つの注文が集中しているかの見極めです。
・1時間足高値③ブレイクアウトによる新規の買い注文
・安値①、②で押し目買いをした買い勢力による高値③ブレイクアウトでの追加注文
・売り勢力の損切り注文
1時間足高値③はデイトレードで理想的な買いのポイントになっています。買いが買いを呼び込み、売り勢力が慌てて買戻しに迫られています。
FXの押し目買い・戻り売りのためにマルチタイムフレーム分析をする過程で、常にこの3点を意識することをおすすめします。
デイトレードで多用する1時間足をメインにし、スイングトレードでは4時間足で同じようにチャート分析すると、伸びやすい価格帯を明確に判断できるでしょう。
戻り売りで勝率を高めるエントリー方法はチャートの見方を真逆にするのみです。
FXの押し目買い・戻り売り手法の精度を高める方法
マルチタイムフレーム分析からFXの押し目買い・戻り売りの目安となる水平線を定めたものの、これだけでは心もとなく感じることもあるでしょう。
その際にエントリーを後押しして精度を高める4つの方法をご紹介します。
- トレンドラインでエントリーポイントを見極める
- 移動平均線でエントリータイミングを判断する
- フィボナッチで押し目・戻り目の深さを判断する
- オシレーター系のインジケーターでエントリー精度を高める
選定の基準は古くから使われ続けているテクニカル指標です。
FXでは大衆心理が相場に影響を与えるため、誰もが意識するものを基本とします。
引き続きシンプルに考えるため、押し目買いのみを例にします。
トレンドラインでエントリーポイントを見極める
1つ目は、トレンドラインです。ダウ理論でトレンド継続を確認したら、押し目買い・戻り売りの目安となる水平線にトレンドラインが重なるかを見ていきます。
ドル円の4時間足です。安値切上げから高値更新で上昇トレンドを形成しているので、安値①と安値②を結ぶことで上昇トレンドラインを引くことができます。そして前回高値の水平線③と重なることから、押し目買いが強く意識されるポイントになっています。
参考記事:プロがオススメの手法を解説 | トレンドラインについて
移動平均線でエントリータイミングを判断する
2つ目は、移動平均線です。トレンド継続中における押し目買い・戻り売りの目安となる水平線を移動平均線が支えるか・抑えるかで判断します。
また、トレンド形成が再加速する初動を捉えるために移動平均線の収縮から拡散をイメージしていきます。
先述のドル円4時間足の時間軸を長くしました。
まず④について、上昇トレンドが継続しているので赤色の移動平均線が支えになることを想定します。
そこに売買が交錯して作られた安値と重なることから、押し目買いのポイントになります。
また、トレンド形成が再加速するときの初動は、2つの移動平均線の収縮から拡散をイメージしていきます。
赤色より一つ長期の青色の移動平均線を追加しました。
トレンドラインの項目で確認した水平線③の押し目買いが入るあたりで、二本の移動平均線が収縮しているのが分かります。
リアルタイムでチャートを見ていると、まだドル円が買われていない状態ですから、もっとギュッと近寄った状態になっています。
すでにドル円は上昇トレンドに転換しているので、水平線③にレートが近づいている時点で、再度上昇トレンドの形成が加速するとともに、二本の移動平均線が拡散に入るイメージを持てるかがエントリー精度を高めるポイントになります。
なお移動平均線の使い方は十人十色なので、FX初心者の方は使い方に迷うでしょう。
こちらの記事「移動平均線がパーフェクトオーダーになっているか」で種類や期間設定を解説しているので、参考にしてくださいね。
フィボナッチで押し目の深さを判断する
3つ目に紹介するフィボナッチにはいくつか種類がありますが、FXで広く使われるフィボナッチ・リトレースメントで押し目・戻り目の深さを判断します。
ダウ理論で相場が上昇トレンドまたは下降トレンドにあると認識できたときに使うツールで、一般的に用いられる水準は「23.6%、38.2%、50%、61.8%」です。
実際のチャートで押し目の深さを判断する方法を見ていきましょう。
先述のドル円の4時間足です。終点の高値を「0%」、上昇起点の安値を「100%」に指定して結びます。すると「23.6%、38.2%、50%、61.8%」の押し目水準が自動表示されます。
今回は高値から38.2%下落して押し目を作り、反転上昇に転じています。実際に強い支持線がないのでフィボナッチのみで押し目買いをするのは難しいですが、上述のトレンドラインや移動平均線と重ね合わせることで、押し目買いの目安になることが分かります。
戻り売り手法の精度を高める方法はチャートの見方を真逆にするのみです。
オシレーター系のインジケーターでエントリー精度を高める
4つ目に紹介するオシレーター系インジケーターの代表例は、ストキャスティクス・RSI・RCIなどが上げられます。
利用者の多いMACDはオシレーター系に分類されることが多いですが、トレンド系の性質も合わせもっています。
オシレーター系インジケーターは移動平均線よりも百人百様の色合いが強いため、本記事ではオシレーター系インジケーターの共通の考え方のみ簡単にふれておきます。
オシレーター系のインジケーターはFXトレーダーの心理状態を数値化したものだと捉えてください。
押し目買い・戻り売りに対するトレーダーの強気・弱気度合いを客観的に判断できます。
ただし単独で使うと非常に精度が悪く、通常はトレンド系の指標と合わせて使います。
例えばトレンド転換を示唆するサインにダイバージェンスがあります。トレンドの方向性とトレーダーの心理状態の不一致を表しますが、ダイバージェンスが起こってからもトレンドが継続することは多々あります。
FXの押し目買い・戻り売りの基本はダウ理論に基づいたトレンド判定、そして水平線によるエントリーポイントの明確化です。
その上にトレンドライン等のトレンド系指標を重ね合わせ、その後にオシレーター系インジケーターで補足することが基本です。優先順位を間違えないようにしましょう。
確かなテクニカル分析のもとでオシレーター系インジケーターが効果を発揮します。
FXの押し目買い・戻り売りを極めて一歩先のトレードを実現
ここまでFXの押し目・戻り目から始まり、相場で勝つための押し目買い・戻り売りの考え方や実践的なトレード手法をお伝えしてきました。
この記事を2つにまとめると
- FXの押し目買い・戻り売りは長い時間足のトレンドフォローの順張りで使用する
- FXの押し目買い・戻り売りで勝つためにはマルチタイムフレーム分析が必須
FXの押し目買い・戻り売りで稼ぎ続けるには、この2点を徹底することが大切ですね。
マルチタイムフレーム分析は職人技です。真摯に日々FX相場に向き合い、異なる時間足を分析して総合的な判断を積み重ねる。その先には、大衆の一歩先をゆく理想的なトレードを実現できるようになっているでしょう。
猪首顧問のFXコラム:我々の目標は後講釈の評論家になることではない
今回の「押し目買い・戻り売りのテクニック」に限らず、相場の分析は過去のチャートに当てはめれば、いかようにも解釈することができます。
「この時の相場は、オシレーター系のこのインジケーターが機能していた」…だとか、
「あの時の相場は、ボリンジャーバンドをトレンド系的に使えば大きな幅が取れた」…とか。
いずれの手法も、チャートを後から振り返れば、必ず何かの分析手法にあてはまるものなんです。
大事なことは、我々は後講釈の評論家になることが目的では無いということ。
記事の中で「職人技」と言う表現がありましたが、まさに職人芸が必要なのかもしれません。
職人と言うのは、あれもこれもと技術の目移りをするのではなく、
一つの技術を繰り返し繰り返し追及して、“一つの完成された技を持っている人”のことだと言えます。
トレードの世界も同じです。手法や分析方法はそれこそ無限にあります。
相場分析手法が「後から講釈」の道具にならないように、自身の得意な手法や分析方法を極めることを意識してください。
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