この記事ではAIが搭載されたMT4のEAについて、その特徴やメリット・デメリット、取り扱っている会社、実際の収益などについて解説します。
FXを実践している方であれば一度はEAという言葉を耳にしたことがあるかと思います。中にはEAを運用したことがある方もいるかもしれません。
一方で昨今ではAIの発展が目覚ましく、機械学習など技術によって日々進化し続けています。
そしてこのテクノロジーがEAにも応用されているのです。
まずはAIが搭載されたEAについて、その概要や特徴から見ていきましょう。
AI搭載のMT4 EAは存在する?
結論から言うと、AIを搭載しているMT4用EAは今のところ存在しません。
後述しますが、国内FXでは既にAI搭載の自動売買サービスが展開されています。
まずはEAやAIについておさらいしておきましょう。
EAとは?
EAとは「Expert Advisor」の頭文字を取った用語で、MetaTrader上で自動売買をするプログラムのことです。
通常、FXで取引する時はチャートの動きを見て、テクニカル分析をして、ファンダメンタルズ分析もして、上昇するか下降するかを判断して買い注文/売り注文、といった感じでしょう。
しかしEAはあらかじめパラメータなどを設定しておくことで、ルールに従って自動で売買してくれるのです。
これによりチャートに張り付く必要が無くなり、放置していても勝手に取引してくれます。
またEAは自分で一から作る方法の他にも、FX会社が既に構築したものを提供していたり、個人で組んだEAをFX会社を通して公開しているものもあります。
AIとは?
AIとは「Artificial Intelligence」の略で、日本語で言うと人工知能です。
AIは人間がプログラムすることで生み出した人工的な知能ですが、特に昨今ではその技術が急速に発展しています。
その大きな要因になったのが、膨大なデータを読み取ることでAI自体が知識を得る「機械学習」や、AI自体が勉強して習得する「ディープラーニング」などの技術でした。
今後さらに技術が発展することで、AIはどんどん人間に近づいていくかもしれませんね。
MT4で運用できるAI搭載のEAはまだ無い?
残念ながら、AIを搭載したMT4・MT5用のEAは現状存在しません。
しかし後ほどご紹介するとおり、個人投資家であっても、AI搭載の自動売買サービスに登録することは可能です。
AI搭載の自動売買は既に実用化されている!
AI搭載のFX取引システムは既に実用化されています。ここではその実例や、取り扱っているFX会社をご紹介します。
大手企業やヘッジファンドが既に運用している
AI搭載型の自動売買システムは、大手の企業やヘッジファンドなどが既に運用しています。
巷ではアルゴリズム取引などと呼ばれており、これにより人間には不可能なレベルの超高速な取引を行うのです。
例えば経済や為替に関する速報が流れた瞬間、大手企業やヘッジファンドのAIが反応して売買判断を行い、一瞬で莫大な資金量で以て取引を行うため、急激に値動きが激しくなったりします。
分かりやすい例で言うと「アメリカの雇用統計」などの経済指標で、市場が注目している指標や突発的なニュースが流れると値が飛ぶほどの動きをしますよね。
裁量トレードを行う個人投資家はこういった値動きが激しい相場で戦うことなどできず、主に大口のAI同士の戦いとなっています。
個人トレーダーでも使える?
AIの開発には専門的な知識やスキルが必要で、機関投資家やヘッジファンドなどにはAIを運用するための優秀な技術者が専属で在籍しています。
それ故にAI搭載型の自動売買システムには莫大なコストが掛かるため、一般的には民間企業や個人投資家がおいそれと構築して運用できるものではありません。
では個人投資家がAIを活用した自動売買をすることができないのかと言うとそうではありません。
AI搭載の自動売買を扱っているサービスは既に存在します。
おすすめのAI搭載型自動売買サービスは?
ここではAIを搭載した自動売買サービスを提供している会社を紹介します。
QUOREA FX
QUOREA FX(クオレアFX)ではAIを活用した投資ロボットを開発し、提供しています。
この投資ロボットは過去の膨大な値動きのデータを解析し、分析することで売買の判断を行います。
また利用者が多いほどデータが蓄積され、精度が高まっていくため、今後ユーザーが増えていくことで取引のパフォーマンスも上がっていくことが期待されます。
ちなみにQUOREA FXはFX業者ではないため、自動売買を行うためには「松井証券」「フィリップ証券」「岡三オンライン」のどれかの口座が必要となります。接続できる口座は今後増えていく予定のようです。
MAiMATE
MAiMATE(マイメイト)はインヴァスト証券が提供しているAIを活用したサービスです。
マイメイトには数多くのトレーディングAIを取り揃えており、「エージェント」と呼ばれています。
ユーザーは取引通貨や運用方法に応じて適したエージェントを選択し、設定すればエージェントが自動で取引してくれるのです。
さらにマイメイトにログインなどをすることでポイントを獲得でき、ポイントを使って自分独自のエージェントを作る機能も備えています。
またこの各エージェントの見た目が動物のアバターなので、視覚的にも親しみやすいデザインですね。
みんなのシストレ
みんなのシストレはみんなのFXが提供している、テキストマイニングAIです。
テキストマイニングAIとは、為替ニュースやマーケット情報が流れた際にAIがその情報を読み取り、チャートが上がるか下がるかを瞬時に判断して取引するシステムのことです。
まさに先程解説した、大手企業やヘッジファンドが運用しているアルゴリズム取引と同様の手法ですね。
AI搭載の自動売買のメリットとデメリットは?
次にAI搭載型自動売買のメリットとデメリットについて見ていきましょう。
EAはとても便利で楽な反面、投資なので当然ながらリスクもあるため、正しい知識を持って運用する必要があります。
メリット
まずはAI搭載型自動売買のメリットを順番にご紹介します。
相場状況に合わせて選び直す必要がない
まずEAについては数多くのFX会社が独自のものを取り揃えており、一般的にはトレンドフォロー型やレンジ戦略型など、その時の相場状況に適したものを選ぶ必要があります。
しかしAI搭載型の自動売買であれば、相場状況に合わせてロジックを組み直すため、選び直す必要がありません。
特に先程ご紹介したテキストマイニングAIであれば、経済ニュースや要人発言などを元に売買判断を行うため、なおさら放置で良いのです。
複雑なパラメータ設定を自動でやってくれる
一般的なEAは様々なパラメータ設定を行う必要がありますが、AI搭載型の自動売買システムなら、最新のロジックになってくれるため、EAのようなパラメータ設定は不要です。
ただ最近は多くのFX会社が既にパラメータを設定済みのEAを提供しているため、これはそこまで大きなメリットではないですね。
通常のEAよりも完全放置できる
前述の2点に関係することですが、AI搭載型の自動売買システムは相場状況に応じて設定を変えたりする必要がないため、通常のEA運用より手がかからず完全放置できます。
会社に勤めながら副業でFXを実践している方も多いと思いますが、そんな方々にとって勤務時間中も自動で取引してくれるシステムはありがたいですよね。
感情に左右されない
FXで負ける時の定番のパターンは感情に任せてトレードする時です。
例えば相場が急変してポジションと逆行し、熱くなって無茶なナンピンをしてしまう、などの行動などが挙げられます。
しかしAI搭載型の自動売買システムはEA同様に自動で取引するため、個人の感情に左右されません。
デメリット
次にAI搭載型のEAのデメリットをご紹介します。
運用コストが高い
先程解説した通り、通常はAIを構築したり運用するためには専門的なプログラマーなどの技術者が必要なため、運用コストが莫大になります。
最近では個人投資家用にAI搭載型の自動売買システムを提供するサービスもあるため、このようなサービスを使えば専属の技術者は必要ありませんが、運用にかかる手数料などがかかります。
利用する際には利用料金体系などを確認しておきましょう。
ロジックが不透明
AIに組まれているロジックは複雑で、計算量も極めて膨大なため、人間では理解できません。
それ故に今運用しているAIのロジックの状態などが不透明なのです。
徐々にロジックが変わっていってしまう
過去データなどから学習し、更新していくAI搭載型のEAは、当然ながら時間が経つにつれてロジックが変化していきます。
また提供する会社や稼働する時期が個人によって異なるため、ユーザー独自のロジックになっていくのです。
相場状況に応じて臨機応変に変化するのはメリットでもあるのですが、一方で再現性が無くなるというデメリットもあります。
AI搭載の自動売買システムを運用すれば収益は向上する?
AI搭載型の自動売買システムを運用することで収益は向上するのでしょうか。
ここでは実際に稼働しているユーザーの声や、バックテスト/フォワードテストについてご紹介します。
SNSの口コミ
実際にAI搭載型の自動売買システムを運用しているトレーダーの声をSNSで調べてみました。
こちらの方はテキストマイニングAIを実際に運用した結果ですね。1年間のトータルの成績が残念ながらマイナスになっているようです。
こちらの方もテキストマイニングAIを運用していた結果、運用成績は残念ながらマイナスとなっています。
もちろんこちらの方のように含み益になっている例もありますが、調べた限りではなかなか厳しい状況のようです。
なので必ずしも「AI搭載型のEAを使えば勝てる」という訳では無いのでご注意下さい。
AI搭載型の自動売買システムは発展途上中
AIの技術は日々進化しているため、それに合わせてAI搭載型のEAも今後進歩して精度が上がっていくと思われます。
またこれからはより多くの会社がAI搭載型のEAをリリースする可能性もあるため、安定した収益を上げられるものも出てくるかもしれません。
AIや自動売買に頼りすぎはNG
AI市場は今後どんどん活発になり、規模が拡大してより発展していくため、AI搭載型の自動売買システムにも追い風が吹いていると言えます。
ただし、頼りすぎは禁物です。もし仮に「絶対勝てるAI搭載型の自動売買システム」がリリースされてしまったらみんなが使いだして相場が成り立たなくなります。
特に個人投資家はAIやEAといったものに全面的に頼るのではなく、あくまでツールの一つとして認識しておくのが良いでしょう。
まとめ【AI搭載型の自動売買システムは発展中!ただし頼りすぎは禁物!】
今回はAIが搭載された自動売買システムについて、その特徴やメリット・デメリット、取り扱っている会社、実際の収益などについて解説しました。
AI技術の発展に伴い、AI搭載型のEAの精度も今後上がっていくと思われます。また既にリリースされているサービス以外にも新たに登場するかもしれません。
ただしあくまでツールの一つとして扱うのが前提で、全財産をAI搭載型の自動売買システムにつぎ込むようなことは禁物です。
当サイトでは相場分析の方法や投資手法などについても解説しているので、安定的にFXで収益を上げる手助けになることと存じます。
個人で稼ぐ能力が求められる厳しい時代だからこそ、安定的に収益をあげられるようにスキルを磨いていきましょう。
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