MQL5ではEAの他にも、シグナルトレードが利用できます。
シグナルトレードはコピートレードとも呼ばれ、プロの裁量トレードがコピーできるサービスです。
裁量トレードをコピーとはどういうことなのか、ピンとこないトレーダーも多いでしょう。
今回は、MQL5のシグナルトレードの仕組みや特徴、使い方などを図解入りでわかりやすく解説します。売買シグナルとの違いも見ていきますので、気になっていた方はぜひご一読下さい。
- MQL5のシグナルトレードとは?
- 売買シグナル・自動売買との違い
- MQL5のシグナルは無料で使えるか
- MQL5のシグナルの使い方(利用者・提供者)
- MQL5のシグナルトレードの口コミ・評判
- MQLのシグナルトレードの注意点
MQL5のシグナルトレードとは?
MT5ではEAやインジケーターだけでなく、コピートレードという自動売買のようなサービスもMQL5マーケットから利用できます。MQL5のコピートレードはシグナルトレードと呼ばれてい裁量トレードのコピーのことです。
自動売買のようなもの?
コピーってどういうこと?
聞きなれない言葉だから、
疑問に思うことも多いのです。
まずは、MQL5のシグナル・コピートレードの仕組みを、じっくり見ていきましょう。
MQL5のシグナル 特徴と仕組み
MQL5が提供するコピートレード
MQL5は、MT5にインストールして使えるEAやインジケーター、各種便利なソフト・ツールを提供するサイトです。MT5の開発会社であるMeta Quates社が運営しています。「MQL5マーケット」「MQL5コミュニティ」などと呼ばれています。
「MQL5のシグナル」もMQL5から利用することができます。
開発者として自分が作ったツールを提供することも可能。「提供者」と「利用者」のどちらでも使っていけるのです。
MQL5について詳しくはこちら
コピートレードとは
コピートレードとは、プロや上級者の裁量トレードがコピーできるトレード方法のことをいいます。トレードをコピーするとはどういうことかというと・・・
コピートレードのイメージ
コピートレードでは、プロバイダー(プロ・上級トレーダー)のアカウントと利用者(各トレーダー)のアカウントをリンクさせて、プロバイダーのトレードがそのまま反映される仕組みになっています。
自動売買EAでリストからストラテジーを選ぶような感覚で、提供者リストから利用したいストラテジーを選択して、取引を開始します。
自分の取引画面(チャート)でプロの第三者がリモート操作でトレードするようなイメージです。
コピートレードを利用するトレーダーは、コピートレード用のアカウントを開設します。コピートレード用のアカウントの取引画面(チャートなど)のみをリンクさせるので、その他の情報が知られることはなく安心です。
MQL5のシグナルを利用する流れ
- MQL5のアカウントを作成
- MT5でシグナル専用の口座を開設
- MQL5のシグナルのページからプロバイダーを選択
- 利用料(手数料)を支払う
- MT5にインストール
- シグナルトレードを稼働開始!
- 任意のタイミングで停止
シグナルトレードを行うには、MQL5のアカウント登録が必須です。使い方は後ほど詳しく解説していきます。
売買シグナルとの違い
通常、シグナルといえば売買シグナルのことを意味しています。MQL5(MQL4)においてのみ、コピートレードをシグナルトレードと呼んでいます。
売買シグナルとは、テクニカル指標に基づいて売買のタイミングを配信するツールや機能のことです。
売買シグナルとシグナルトレードの大きな違いは、自分で裁量トレードをするかどうかです。
- 売買シグナル → シグナル配信を使って自分でトレードする
- シグナルトレード → トレードにはノータッチ(プロバイダーに任せる)
自動売買との違い
シグナルトレードは、自動売買とも似ていますが裁量トレードがコピーできる点が大きな違いです。自動売買はあらかじめプログラミングされたルールに沿ってトレードを行うため、ファンダメンタルズ(ニュースなど)が考慮できないデメリットがあります。
シグナルトレードでは、裁量トレードがリアルタイムで反映されますので、その時々のファンダメンタルズや市場動向に沿ったトレードが可能です。
ただし、トレーダーによっては自動売買をストラテジーとして挿入しているケースもあります。
シグナルはVPSサーバーがおすすめ
シグナルトレードは、利用する「ストラテジー = プロバイダー」によってトレードする時間帯もまちまちです。いつトレードするのか予定はわかりません。従って、VPSサーバーにて24時間稼働させておく方法がおすすめです。
電源が24時間入った状態なら、必ずしもVPSである必要はないのですが、VPSにしておいた方が便利で安全です。
VPSサーバーはWikiFXでも格安料金で提供しています。下記リンクにてご確認下さい。
MQL5のシグナルは無料で使える?
さて、次は気になる手数料についてです。MQL5シグナルを利用した場合、どれくらいの手数料が発生するのでしょうか。
どんなサービスも手数料を
しっかり確認しておくことが大切です。
料金が発生する仕組み・支払い方法
シグナルトレードでは、月額料金30ドル~50ドル(3500円~7000円程度)の手数料がかかります。1日あたりのコストは月額30ドルの場合で約1.35ドル程度です。
月額の固定制になっているため、少なくとも1か月は運用することになります。
手数料を支払う方法
プロバイダーを決めたら、MQL5の決済システムから支払いを行います。プロバイダーを決定した時に、クレジットカードで払う方法もありますが、MQL5にチャージしておく方法が簡単でわかりやすいです。チャージは口座残高からの振替も可能です。
MQL5にログイン → 右上のメニューマークを開いて「MQLサービスをチャージ」を選択
クレジットカード or PayPalでチャージできます。口座残高からチャージしたい時は「アカウントから出金する」を選択します。
MQL5のシグナルで運用する際に必要な資金
MQL5のシグナルのコピートレードに必要な資金は、利用するプロバイダーごとに異なります。とくに決まりはないのですが、基本的にロット数もそのまま反映されます。明らかに資金額に違いがある場合は、自動でロット調整されますが、わかりづらいためおすすめしません。十分な資金でロスカットリスクを回避しましょう。
プロバイダーは手数料で稼げる
FXトレードの経験が豊富で、腕に自信がある方はプロバイダーとして参加する方法があります。販売者としてMQL5に登録することで、作成したEA・インジケーター・自分の裁量トレードが販売できるようになります。
MQL5の販売者になる条件等はとくにありませんので、誰でも稼げるチャンスがあります。(身分証の提出が必要)
シグナルトレードのプロバイダーの場合、手数料の20%がシステム手数料として差し引かれ、残り80%が受け取る利益です。
MQL5のシグナルトレードのやり方(利用者)
では、MQL5のシグナルを利用するやり方・使い方をここで解説していきます。
無料で試せないから、リスクがあるのです。
慎重に準備していきましょう。
上手に使いこなすコツや注意点も織り交ぜていきますので、事前にチェックしておけば安心です。
シグナルトレードを始める5つのステップ(利用者)
シグナルトレード始めるステップは以下のとおり。
- MQL5のシグナルのページに行く
- プロバイダー情報を調べる(比較検討)
- シグナルを購入
- シグナルトレードを開始
- 一時停止・停止
では、MQL5にログインして、
一緒に進めていきましょう。
1.MQL5にログインしてシグナルのページに行く
シグナルのプロバイダーリストはMQL5に掲載されています。ログインして、シグナルのページに行きます。
シグナルのページは、青色のメニューバー「シグナル」からアクセスできます。
左側がシグナルを管理するためのメニュー、中央にプロバイダーリストが表示されます。
2.プロバイダー情報を調べてみよう
シグナルのページを開いたら、早速、プロバイダー情報を調べてみましょう。
まず、表示方法が「リストタイプ」と「タイルビュー」と2種類あります。
リストで情報を調べる
リストタイプは、シンプルにデータが羅列されているので、数字で簡単に比較したい場合は見やすくておすすめです。
タイルビューで情報を調べる
グラフやアイコンなど、画像を交えながら視覚的に見ていきたい場合はタイルビューが使いやすいでしょう。
タイルビューの方が、リスト一覧よりも詳しい情報が1枚のタイルに視覚化されています。
チェックしたいデータ
- グラフ:運用成績とストラテジー名、プロバイダー名
- 価格:月額料金/1日あたりのコスト
- 信頼性:安定性や安全性から見た数字
- 成長率:どれくらい利益を増やしているのか
- 開始日:トレード開始日
- 購読者数:現在の利用者数のこと
- EA適用率:トレードでEAを使う比率
などの情報がぱっと見で一覧から比較検討できます。
大きなドローダウンや証拠金維持率の低下がなく、ほぼ安定した収益を出している場合に信頼性の評価が高くなります。「緑色のバー × 5本」が最高評価。信頼性が低下するとバーの数が少なくなり、「緑色→黄色→オレンジ」へと変わっていきます。
優先したいデータで検索
フィルター検索を使って、優先したい条件に合ったプロバイダーを探すことも可能です。
検索できる条件は、「最大利益」「信頼性」「1か月以内に収益を上げる」「日中」「50ドル未満(手数料)」「レビュー付き」など。
気になるプロバイダーをクリックすると、さらに詳細が確認できます。赤い部分がチェックしたい項目です。
上記のプロバイダーは、2023年6月からの「成長率1808%」「エクイティ(残高)1,760ドル」「利益1,330ドル」で申し分ない運用となっています。「信頼性」も高く(緑色5本)、利用者も30人います。
EAの利用が72%、トレード回数は週6回、1日1回ペースのトレードです。
さらに下の方にスクロールすると、各種グラフ・取引履歴・ポジション情報などが確認できます。
「口座」のページでは、「成長率」「残高(決済済み)」「エクイティ(ポジションあり)」「ドローダウン」などの推移がグラフで表示されます。
「取引履歴」ではすべてのポジションのデータを見ることが可能です。
このデータでは、取引は0.01単位の少額取引、小さな利益の積み重ねであることがわかります。無理のないトレードをしているようです。ロット数や取引頻度、銘柄などは利用者が決めることはできませんので、要望に合ったものを選ぶようにしましょう。
「何を重視したいか」を各自で明確にして、条件に合ったプロバイダーを比較検討していけます。判断する材料はこれらのデータしかありませんので、しっかりと吟味したいものです。
「信頼性」を重視するか、リスクをとって「最大利益」を狙うかで、選ぶプロバイダーも変わってきます。最初は安全性を重視して「信頼性」が高いプロバイダーを選ぶ方がよいでしょう。
3.プロバイダーを選んで購入する
比較検討したうえで、利用したいプロバイダーが決まったら、「月額料金」の部分をクリックして下さい。
下記のような画面が出てきますので、「MetaTraderの中でコピーを始める」をクリックします。
MetaTrader5での利用許可を求める画面が出てきたら、許可をすると支払い画面が出てきます。
希望する期間、自動更新するかどうか、支払い方法を選択します。次の画面でMQL5の支払いページが出てきますので、そこで支払いを完了させます。
お試しのつもりで「1か月」「自動更新なし」で始めてみることをおすすめします。途中から、いつでも更新することができます。
購入が完了したら、MQL5のシグナルの管理画面から操作します。
4.オプションを設定してシグナルトレードを開始
支払いが完了したら、オプション画面に切り替わります。オプション画面は、MT5のメニューからも「ツール」→「オプション」→「シグナル」にて表示できます。
「シグナルサービスの使用条件に同意」「リアルタイムのシグナル購読を有効にする」に必ずチェックを入れて下さい。
あと、最大で使う証拠金使用率(推奨70%ぐらい)、証拠金がいくらまで下がったら停止したいかを入力します。入力内容を確認して「OK」でシグナルトレードが開始します。
「使用条件に同意」することで、プロバイダーと自分のアカウントがリンクされます。取引画面・チャートにプロバイダーのトレードが反映される仕組みです。
5.一時停止、シグナルを終了する方法
一時停止は、「ツール」→「オプション」→「シグナル」で開始した時にチェックを入れた「シグナルの購読」を無効にすることで実行されます。これを有効に切り替えることで、再びトレード開始です。
シグナルを完全に停止したい時は、MQL5のシグナルの管理画面から「購読をやめる」を選択します。
シグナルの使い方はMQL5からも詳しく確認できます。
MQL5のシグナルトレードのやり方(提供者)
シグナルのプロバイダーとして参加したい方は、MQL5で販売者登録をして本人確認書類を提出して手続きします。
利益が安定して出せる方は
結構稼げちゃうんです!
シグナルトレードを提供する5つのステップ(提供者)
シグナルを提供する手順は以下のステップで完了します。
- 販売者登録をする
- 本人確認書類を提出する(セルフィーなど)
- シグナル登録を行う
- シグナル用アカウントで実績をつくる
- 利用されたら手数料をもらう
販売者登録をする
日本の電話番号のカントリーコードは「81」です。プルダウンメニューから「日本」を選択すると「81」が入力されます。「+81」と表示されることもありますが、実際にプッシュする番号は「81」です。
国際電話の場合は、すべての電話番号から最初の「0」と「ハイフン」を削除します。
03-1234-5678 → 312345678
090-1234-5678 → 9012345678
電話番号を入力したら、「コードを確認する」をクリックしてSMSで届いたコードを入力することで、電話番号認証が完了します。
本人確認書類を提出する(セルフィーなど)
次に、本人確認書類のアップロードとセルフィーを撮影します。
本人確認書類 → 運転免許証、パスポートなど顔写真がついているもの
電話番号認証が完了すると、販売者の画面から本人確認書類の提出画面が表示されます。指示に従って、書類をアップロードしてセルフィーを完了させて下さい。
数分で本人確認の認証は完了します。
シグナル登録を行う
本人確認が完了したら、いよいよシグナル提供者の登録です。シグナルのページの右上にある緑色の「登録ボタン」から登録を行います。
販売者用の登録画面が出てきますので、必要事項をすべて入力します。
シグナルの販売者情報は、メニュー「シグナル」→「私のシグナル」から管理できます。シグナルの削除や編集も管理画面にて行えます。
シグナル用アカウントで実績をつくる
さて、登録が完了しても実績がないと、誰も使ってくれません。
登録後は、トレードの情報が公開されることを前提に、慎重に利益を積み重ねていきましょう。早ければ半年程度で購入者が現れます。長く安定した実績が出せるほど、利用者の数も増えていきます。
利益 + 手数料で稼げるなら、
ちょっとしたビジネスになります!
頑張っちゃうかもです。
利用されたら月額料金をもらう
登録したシグナルが利用されるようになったら、1回購入されるごとに月額料金がMQL決済アカウントに振り込まれます。
販売者がMQL5に支払う手数料: 20%
EA、インジケーター、シグナルなど販売総額から20%差し引いた金額が販売者の取り分です。
手数料は、振り込まれる際に自動で差し引かれます。決済アカウントに一定以上の資金が貯まったら、いつでも銀行口座 or PayPalアカウントを指定して引き出すことができます。
MQL5右上にある「メニュー」→「アカウントから出金」から出金手続きが可能です。
なお、シグナル販売の手順はMQL5・MT5でも日本語にて詳しく解説しています。下記リンクも合わせてご参照下さい。
MQL5のシグナルトレードの口コミ・評判・注意点
最後にMQL5のシグナルの口コミ・評判、注意点などをご紹介します。
正直なところ、日本では
まだそこまで活用されてないようです。
グローバルに口コミを集めてみました。
口コミ・評判(X、ブログ、MQL5レビュー)
Xでは、利益が出ているとの報告もちらほらと。プロバイダー選びが難しいとの声もありました。
ブログでは、MQL5をよく利用している開発者系からの情報が目立ちました。日本人が少ないせいか、シグナルをアップしただけでトップになったとの報告も。
「JPYのシグナル」の登録者が少ないので、JPYでシグナル配信に登録したら、いきなりトップにランキングされました。
引用元:SADA BLOG
シグナルのレビューは実に多国籍で驚きました。英語、中国語、ドイツ語、ロシア語とグローバルなレビューが楽しめます。翻訳機能を使えば理解するのも簡単です。
「このスキルはダメだね。やめてくれ。」 ~2024年2月8日
「素晴らしいトレーダーだ。この調子で!」 ~2024年2月2日
引用元: MQL5 シグナルレビュー(英語)
理解できないシグナル戦略。今月の利益は月額料金を下回る。
引用元: MQL5 シグナルレビュー(中国語)
XAU(金)以外では最高に優れているが、XAU(金)では完全に狂っている。
引用元: MQL5 シグナルレビュー(フランス語)
ゆっくりしているが、かなり確実だ。~以下省略
引用元: MQL5 シグナルレビュー(ロシア語)
その時々でトレードの結果は全く異なるため、同一のプロバイダーであってもレビューの明暗が激しく分かれるようです。
MQL5でシグナルトレードをするときのポイントは?
シグナルトレードはその時々の市場動向によって、結果も変わってきます。絶好調で始まったシグナルでも、途中から負けが続いてしまうケースもあります。
勝てるシグナルトレードのポイント
- 成長率は上昇している(右肩あがり)
- 損益が安定している(毎月の利益が期待できる)
- ドローダウンは最小限に抑えてある(リスクが最小限)
- 利用者が多い(勝てているから人が集まる)
- 運用実績は長いか(信憑性がある)
など吟味しながら・・・1か月は様子を見てみるのがおすすめです。
MQL5のシグナル 注意点
勝てるって言われたから・・・
- 様々な角度から分析していくこと。(安全性と利益のバランス)
- リアルタイムの運用成績を確認する。(シグナルにも旬がある?)
- 自動売買と同じで、100%完全放置で勝てるわけではない。(時々見直しを)
- バックテストができないため情報収集が重要。(十分に時間をかけよう)
- 完全に停止すると再スタートはできなくなる。(料金が新たにかかる)
- 銘柄名が異なるとコピーできない。(事前に銘柄名をチェック)
関連情報を調べてみたところ、ランキングやサイトの情報はあまりあてにならないとの意見が多かったです。時期によって運用状況も全く変わってくるようです。
リアルタイムのMQL5シグナル情報が1つの目安になるでしょう。
まとめ
MQL5のシグナルとは、プロや上級者の裁量トレードをコピーするトレード方法です。プロに便乗して利益が期待できると同時に、すべての取引がデータで確認できることが大きなメリット。稼いでいるトレーダーはどんな取引をしているのか探ることが可能です。
シグナルの利用は、FXトレードのスキルを学ぶ絶好の機会です。自作EAを活用するプロバイダーもいれば、100%裁量で勝負するプロバイダーなど色々なタイプがあり、銘柄もFX・金・株価指数などバラエティに富んでいます。
シグナルの取引履歴をチェックしながら、ぜひとも自身の裁量トレードにもMQLシグナルを役立てていきましょう。
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