MT4 EAでトラリピをする方法|設定手順とおすすめEAを解説

完全放置のトレード手法として人気の高いトラリピ。

みなさんは、MT4でトラリピを再現できないかと考えた事はないでしょうか。

実はMT4でもEAを利用することで、国内FXと同様にトラリピをすることができるんです。

この記事では、MT4でトラリピを動かす方法、またそのメリットやデメリットを紹介していきます。

おすすめのトラリピEAも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること
  • トラリピに代表されるリピート注文の仕組み
  • MT4でトラリピを動かす時のメリットとデメリット
  • MT4でトラリピを動かすために必要なもの
  • おすすめのリピート注文系EAを紹介
目次

そもそもトラリピって何? メリットとは

トラリピとは「マネースクエアHD」が特許を取得している「トラップリピートイフダン」という注文方法の略称ですが、読者の中にはトラリピ自体を知らないという方も多いと思います。

まずはトラリピがどのようにして考えられた注文方法なのかを、順を追って簡単に説明してみたいと思います。

トラリピで説明していますが、他の証券会社のリピート系注文も似たようなイメージです。

1. 価格の上下を当てるのは困難

トレードというと相場の上下を当てるというイメージが強いかと思います。しかし、FX経験者ならわかる通り、今からこの通貨の価格が上がるのか下がるのかを当てる、というのはとても難しいといえます。

今から価格が上がるか下がるかを予想するのは難しいですが、価格の上限と下限を予想するというは比較的容易です。当たり前ですが、予想する価格のレンジ幅を大きく見れば、その予想はより的中しやすくなります。

そして、FX市場は為替レートが一定の幅で上下に繰り返す、レンジ相場を形成しやすいという特徴があります。

2. 個人投資家はずっと値動きを監視できない

FX市場は24時間動いていますが、一般の個人投資家はFX市場のレートをずっと監視するという事はできません。仕事や家事、睡眠時間で時間を取られて、何時間もモニターの前に張り付くという事は難しいはずです。

そこで時間の取れない個人投資家でも、FX市場で容易に注文できる方法として考えだされたのがトラリピです。

3. リピートイフダン注文はレートの監視がいらない

トラリピは、「イフダン(IF-DONE)」という注文形式を使います。イフダン注文とは○○円になったら買い、〇〇円になったら売りという風に、発注時に新規注文と決済注文を同時に設定できる注文方式です。

イフダン注文は、設定した価格に達すれば発注と決済が自動的に行われるので、値動きを監視する必要がありません。一度注文してしまえば、普段の生活に集中することができるという利点があります。

イフダン注文は新規注文と決済注文を同時に設定できますが、一度きりの発注で終わります。

リピートイフダン注文は、イフダン注文にリピート機能を付けたものです。為替レートが設定した価格になれば、何度でも自動でイフダン注文を繰り返せるので、チャンスを逃さないように改良されています。

4. リピートイフダン注文の弱点

リピートイフダン注文は便利ですが、弱点もあります。

仕掛けたレートで何回も価格が上下すれば、何度も利益を取ることができますが、仕掛けたレートに来なかった場合は利益が出ません。何度もレートが往復するポイントに注文を仕掛けるのが難しい、これがリピートイフダン注文の弱点です。

5. リピートイフダン注文を幅広い範囲に並べる

単発でのリピートイフダン注文は、仕掛ける場所に高い精度が要求されます。しかし、リピートイフダン注文をいくつも並べればレートの逃げ場がなくなり、イフダン注文が何度も指さる事になります。

幅広い範囲にトラップを仕掛けるようにリピートイフダン注文をするので、トラップリピートイフダンという名前が付けられました。

点ではなく面で仕掛け、リピート注文によって何度も小さな利益を重ねていくというのがトラリピの特徴です。

6. 相場が乱高下するほど利益がでる

トラリピの特徴として、相場の乱高下に強いという特徴があります。レートが上下に荒れるというのは、値動きを読むのが難しく、一般的には嫌がられます。しかし、トラリピはレートが上下するほど何度も注文が執行されて利益につながります。

トラリピの内容をまとめると、以下の3つのポイントになります。

トラリピの3つのポイント
  • 相場の上下ではなく範囲を予想するので簡単
  • FX市場に時間を取られないため、個人投資家に向いている
  • レートが上下に荒れるほど利益が積み重なっていく

トラリピのリスクとデメリット

個人投資家にメリットが多いトラリピですが、リスクやデメリットもあるのできちんと理解しておきましょう。

含み損を抱える手法

トラリピはポジションが増えるほど含み損が増えていきます。そして、相場の反転がはじまると、持っていたポジションが決済されて利益を重ねていくという手法です。トラリピは含み損を抱える時間がとても長い手法だという事を、あらかじめ理解しておかなければなりません。

トラリピの含み損を減らす戦略には「ハーフ&ハーフ」などがあります。別の記事にて解説しているので、理解を深めたい方は、ぜひご覧になってください。

想定したレンジを抜けると損失が拡大する

想定しているレンジ内で相場が動いている間はいいですが、想定レンジ外にレートが動いた時に損失が拡大していきます。含み損が膨らみ証拠金が不足した場合には、強制ロスカットによりポジションが全決済される事になります。

大きなトレンドが発生していると判断した時は、すぐにリピート注文を止める必要があります

ある程度まとまった資金が必要

トラリピは想定したレンジ内にいくつも注文を並べますが、運用資金が少ないと注文本数を増やすことができません。また含み損を多く抱える手法でもあるので、証拠金には余裕があった方がいいでしょう。

運用資金が多いと複数通貨ペア運用などで、リスクを減らす戦略を取ることができます。トラリピは長期運用が基本なので、少額から一気に増やしたいという方には向いていません。

スプレッドが広い

マネースクエアで提供されているトラリピでは取引手数料は発生しませんが、その分スプレッドは広めに設定されています。スプレッドに関しては、「MT4でトラリピを使うメリット」の項で詳しい説明をしていますので参考にしてください。

トラリピのリスクとデメリット
  • 含み損を抱えることは避けられない
  • 想定レンジを抜けると損失が拡大する
  • まとまった運用資金があった方が有利
  • スプレッドが広めに設定されている

リピート注文の自動売買がある証券会社

トラリピは特許を持っているマネースクエアでしか提供していません。しかし、トラリピに類似するリピート注文系の自動売買サービスは、別の証券会社でも提供されています。

以下の表は、国内の証券会社・FX業者で提供されている主なリピート注文系サービスです。各社で注文方法やサービスが少しずつ違うので、興味のある方は調べてみましょう。

スクロールできます
証券会社 サービス名
マネースクエアジャパントラリピ
アイネット証券ループイフダン
ひまわり証券ループイフダン
インヴァスト証券トライオートFX
外為オンラインiサイクル2取引・サイクル2取引
みんなのFXみんなのリピート注文
FXブロードネットトラッキングトレード
国内FX業者とリピート注文自動売買

MT4でトラリピは動かせるのか

MT4はEA(エキスパートアドバイザー)という自動売買プログラムを使用することができます。EAを使えばトラリピのようなリピート系注文の自動売買を行うことは容易です。

トラリピには特許があるので、全く同じロジックを使用することはできないという点には注意が必要です。しかし、リピート注文を利用したオリジナルのロジックであれば問題なく使用することができます。

世の中には様々なロジックを搭載したEAがありますが、リピート注文のロジックを搭載したEAが発売、または無料配布されています。

MT4でトラリピを動かすメリット

次に、証券会社の提供しているサービスではなく、MT4でリピート注文EAを動かすメリットについて解説していきます。

通貨ペアの選択肢が多い

ひとつめは通貨ペアに制約がないという点です。証券会社の提供しているリピート注文は、通貨ペアの数が限定されていることが多く自由度が低いという特徴があります。

例えば、マネースクエアのトラリピで扱っている通貨ペアは16種類、アイネット証券のループイフダンで取り扱っている通貨ペアは20種類となっています。証券会社が厳選して選んだ通貨ペアだという事もいえますが、オリジナルの戦略を自由に考えたい人にとっては物足りないかもしれません。

独自サービスとしてリピート注文を提供している証券会社よりも、MT4対応のFX業者の方が扱っている通貨ペアの方が多いのが通常です。

FXでは注文ごとに、スプレッドという取引コストが必要になってきます。

スプレッドは、一度の注文ではたいした事がないように見えても、幾度も注文を重ねていくと大きな負担になってきます。ですので、リピート注文に限らずどんなトレードスタイルであっても、スプレッドの狭さはFX業者を選ぶ上でとても重要なポイントとなっています。

リピート注文を提供している証券会社を使うと手軽にリピート注文を行うことができますが、その利便性の代わりに手数料となるスプレッドが広い傾向にあります。

リピート注文ロジックは、戦略上どうしても取引の回数が多くなります。スプレッドが少し広いだけで、取引コストが積み重なり受け取る利益は大きく減ってしまいます。

MT4対応業者を使えばスプレッドを狭めることができるので、長期的にみて大きく利益を増やすことができるでしょう。

ブローカーへの手数料がいらない

証券会社によっては、スプレッドとは別枠で取引手数料を設定しているところがあります。スプレッドが狭くても取引手数料をあわせて考えると、実質的なコストはMT4対応業者より高くなるというのが通常です。

FX業者の取引条件を確認する時は、スプレッドと同時に手数料が設定されているか確認する必要があります。MT4に対応している国内FX業者では、取引手数料を設定しているところはほとんどありません。

好きなロジックを組み合わせる事ができる

リピート注文系のロジックはレンジ相場には強いですが、大きなトレンド発生時には損失を拡大させてしまいます。

MT4ではEAを複数稼働させる事ができるので、レンジ相場に対応するロジックとトレンド相場に対応するロジックを同時に走らせてリスクを軽減させるという事も可能です。

いくつかのロジックをうまく組み合わせることができれば、より安定した収益を得ることができるようになります。

自作のEAを使うことができる

MT4のメリットとして自作のEAを作れるという点があります。もし使えそうなロジックを思いついたなら、自分でEAを作ってみるというのもひとつです。

EAの作成を代行してくれる業者はたくさんありますので、プログラムが苦手な方は業者に依頼するのもいいでしょう。

MT4でリピート注文EAを動かすメリット
  • 通貨ペアの選択肢が多い
  • スプレッドが狭い
  • 手数料が発生しない
  • リピート注文と別のロジックを組み合わせてリスクを軽減できる
  • 自作のEAを使用することができる

MT4でトラリピを動かすデメリット

取引コストを抑える事ができるMT4ですが、デメリットもあります。

サポートがない

MT4に対応している業者にもサポートはありますが、リピート注文に特化している訳ではありません。リピート注文や個別のEAに関してわからない事があれば、基本的にすべて自分で調べて解決しなければなりません。

自分でリスク計算をする必要がある

リピート系注文を提供している証券会社には、運用試算表、リスクシュミレーションの機能が備わっているのが普通です。想定レンジの上限・下限までレートが動いた時に必要な証拠金、ポジションを増やしたりロットを上げた時の計算などが簡単に行えます。

MT4で自動売買を運用する時は、エクセルなどを使って自分でシュミレーションをする必要があるでしょう。

EAの選定が難しい

証券会社によってはリピート注文の売買プログラムが、通貨ペア、収益率、人気度で並べられています。ランキングから好成績なプログラムを簡単に選ぶことができるので、どのような戦略を取るか頭を悩ます必要がありません。

MT4のEAは稼働させる推奨通貨ペアが記載されているのが通常です。しかし、ロジックが完全に公開されているという事はほとんどありません。EAを理解するために、実際の運用の前には必ずバックテストをする必要があります。

実際にバックテストをするとすぐに破綻して使い物にならなかったり、激しいドローダウンでリスクが大きいEAという事がわかってきます。

色々なEAをテストしているうちに、バックテストの結果から簡単なロジックやマーチンゲールが組み込まれているかなどが理解できるようになってきますが、最初のうちはデータを見るのに苦労するかもしれません。

PCを24時間動かす環境が必要

証券会社の自動売買サービスは、スマホでも利用することができます。ブラウザやアプリですべて完結させる事ができるので、必ずしもパソコンは必要ではありません。しかし、MT4でEAを動かすにはパソコンが必須で、更にパソコンを24時間起動させておく必要があります。

パソコンを一日中起動させておくのは大変ですが、後述するVPSを使えばその問題は解決します。

MT4でトラリピを動かすデメリット
  • 個別のEAに関するサポートはない
  • 運用試算、リスクシュミレーションを自分で計算する必要がある
  • 稼働させるEAの選定が難しい
  • パソコンを24時間起動させる必要がある

MT4でトラリピを動かすために必要なもの

MT4でリピート注文を行うために必要なものをまとめました。

MT4に対応しているFX業者

すべてのFX業者がMT4に対応している訳ではありませんので、MT4が使えるFX業者に口座を開設する必要があります。国内のFX業者でMT4を採用しているところは少なく、さらにEAの使用も可能となると更に数は減ってきます。

以下が国内でMT4とEAを使える代表的なFX業者になります。

MT4でEAが動かせる国内FX業者
  • OANDA Japan
  • FXTF
  • 外為ファイネスト
  • Forex.com
  • デューカスコピー・ジャパン
  • 楽天証券

トラリピが使えるEA

リピート注文が行えるEAを用意しなければなりません。自作EAを使わないのであれば、EAの販売サイトか無料配布されているEAを使う事になります。

VPSの契約

MT4でEAを24時間起動させるにはVPS(仮想専用サーバー)を利用するのが便利です。自宅でMT4専用のパソコンを用意したり、24時間起動させる大変さを考えるとVPSの導入は必須といえます。

当サイトを運営しているWikiFXではVPSのサービスを提供しています。EAの運用に興味がある方は、VPSのページもぜひご覧になってください。

リピート注文系EAのおすすめ

リピート注文のEAを運用したいけど、どれを選べばいいかわからないという方は多いと思います。ここでは数多くあるEAの中から2つご紹介したいと思います。

どちらのEAもロジックを理解してから動かすことをおすすめします。

羊飼いのグルトレEA

グルトレは川崎ドルえもんさんが考案した手法で、正式名称は「グルグルトレイン」といいます。そのグルトレを有名ブロガーの羊飼いさんがEA化したものが「羊飼いのグルトレEA」です。

グルトレはイフダン注文を使うという他に、両建てを使用することが大きな特徴となっています。注意しなければならないのは、完全放置のリピート注文EAではなく若干の相場観を要求される手法だということです。

手法を理解するためには書籍を購入する必要がありますが、グルトレはリピート系注文を提供している証券会社とタイアップもしている人気の手法ですので勉強する価値はあるでしょう。

kmTraderLite_AUDJPY

「kmTraderLite_AUDJPY」は、リピート注文系で有名な「くるくるワイド」の手法を簡易化したものです。ドルコスト平均法の考え方が組み込まれているのが特徴となっています。

バックテストでは11年で運用資金が35倍になったというEAですが、全く損切りをしないので大きな含み損に耐える期間があります。くるくるワイドもロジックを解説した書籍が販売されているので、購入してから運用をすることをおすすめします。

無料のリピート注文系EAの探し方

MQL5マーケットでは、MT4で使える様々なEAが有料無料問わず、たくさん配布されています。リピート注文系のEAもたくさん配布されていますが、玉石混交なので使用前にしっかりとテストをすることをおすすめします。

リピート注文のような戦略は、海外でも「グリッドトレード」と呼ばれ一般的な手法として認知されています。検索の精度はいまいちですが、MQL5マーケットの検索窓に「GRID」と入力すれば、グリッドトレードを使ったEAが見つけやすくなるでしょう。

STEP
MQL5にアクセス

画面左上の「マーケット」をクリックし、MQL5マーケットに移動したあと、検索窓に「GRID」と入力します。

MT4のEAを探す時は「MetaTrader4」を選択します。

MQL5マーケット
STEP
無料EAを選択

タブの中から「無料」を選択すると、無料のEAだけが抽出されます。

MQL5マーケット

まとめ

スクロールできます
証券会社のリピート注文MT4のリピート注文
サポート有り無し
通貨ペアの数少ない多い
リスクシュミレーション簡単大変
ロジックの選択簡単大変
取引環境の準備無しPCとVPSが必要
取引コスト高い安い
証券会社とMT4のリピート注文比較

最初の準備が大変なMT4ですが、得られるリターンはとても大きいです。

上記は証券会社のリピート注文とMT4のリピート注文を比較した表になります。

MT4でリピート注文を始めるには、EAの選定やVPSの契約など取引環境の準備が必要です。そして何かわからない事があれば、すべて自分で調べて解決しなければなりません。

証券会社で用意されているリピート注文は、とても簡単で誰にでも始めやすいのは間違いありません。一見すると、証券会社で用意されているリピート注文の方がメリットが多いように見えます。

しかし、MT4を使ってリピート注文を行う最大のメリットは、取引コストの低さといえます。

長期運用が基本で取引回数が膨大になるリピート系注文戦略では、取引コストの小さな違いが最終的な利益に大きな影響を与えます。

取引コストを抑える事ができれば、MT4を稼働させるVPSの費用などは問題にならないくらいにパフォーマンスは向上します。どのようなEAを選択するかは難しいところですが、この記事で紹介したような定評のあるEAを使えば情報も多く迷うこともすくないはずです。

これを機会にMT4のEAを使ったリピート注文に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

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