ビットコインは天国と地獄。
ビットコインに投資して資産が何倍にも膨れ上がった人がいます。
暗号通貨で億単位稼いだ「億り人」という言葉が生まれましたね。
2021年のビットコインバブルでは価格が1年間で4倍以上にもなりました。
ビットコインの伝説はそれだけではありません。
ビットコインは2009年に登場しましたが、その時の価格は0.07円でした。
2021年の史上最高値は770万円なので、12年間で1億倍以上にもなりました!
ちょっと信じられませんよね…。
しかし、ハイリターンであればあるほど、ハイリスクになるのが投資です。
ビットコインは2021年冬に最高値を付けた後、じりじりと下落し、半年後には70%以上も暴落しました。
ビットコインバブルの時に買った人は半年で資産が半分以下です…。
値上がりと値下がり、2つの意味でやばいビットコイン。
ビットコインがやばいのは、このボラティリティ(価格変動)と言えます。
ビットコインのやばさを解明するため、暴落の理由、今後の動き、大損しない方法を解説します。
- ビットコインが暴落する理由
- ビットコインの今後の動き
- ビットコイン取引で大損しない方法
ビットコイン(BTC)がやばい(暴落する)5つの理由

ビットコインは価格の上昇がクローズアップされがちですが、下落の方もすさまじく、毎年50%以上の下落を経験しています。
例えば、冒頭でも触れたように、ビットコインは2022年11月に史上最高値67,566ドル(約770万円)を付けた後、半年ちょっとで20,345ドル(約282万円)まで、約70%も下落しました。

ビットコインが暴落する原因は状況によって異なります。
例えば、2021年の最高値から2022年の暴落は以下の原因です。
- ロシア・ウクライナ戦争
- ロシア・ウクライナ戦争によるインフレ対策のための米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ政策
- Terra(LUNA)の崩壊
- 暗号通貨レンディング企業セルシウス(Celsius)の出金停止によるパニック売り
- 電気自動車メーカーのテスラ(Tesla)の大量売却
また、過去には以下の原因でビットコインが暴落しました。
- 2017年9月:中国政府のICO(新規暗号資産公開)禁止
- 2018年1月:コインチェック事件(ハッキング)
- 2020年3月:WHOの「新型コロナウイルスのパンデミック」宣言
- 2021年5月:テスラ社CEOイーロン・マスク(Elon Musk)氏の「ビットコインによるテスラ車の決済を認めない方針」というツイート
- 2021年5月:中国政府のビットコインのマイニング禁止
過去のこれらの原因から、ビットコインの暴落の原因は以下が考えられます。
- 世界経済の停滞への懸念や景気後退
- 各国政府の仮想通貨に対する規制
- セキュリティ事件
- 暗号通貨や暗号通貨企業の崩壊
- ビットコイン・クジラ(大口投資家)の動き
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
①世界経済の停滞への懸念や景気後退

新型コロナウイルスのパンデミックやロシア・ウクライナ戦争など、世界経済への不安が高まったり、景気後退するとリスク資産であるビットコインは真っ先に売られます。
②各国政府の仮想通貨に対する規制
中国政府は過去に何回かビットコインや暗号通貨に対して規制を出しています。
そして、そのたびにビットコインは暴落しています。
しかし、中国以外の規制でもビットコインは暴落しています。
例えば:
- 2022年1月、ロシア中央銀行がロシア国内での暗号通貨の使用とマイニングの禁止を提案、ビットコインの価格が7%下落。
- 2017年末~2018年初め、韓国が暗号通貨の取り締まりを強化、ビットコインが下落
このように、主要国の政府がビットコインや暗号通貨の規制を強化すると、需要の減少や先行き不安などで暴落します。
特に最近では、マネーロンダリングや詐欺などの犯罪の取り締まりを強化するため、各国政府は暗号通貨に対する規制を強めているので、注意が必要です。
③無くならない仮想通貨のセキュリティ事件
暗号通貨取引所は国内外を問わず、過去数多くのセキュリティ事件(ハッキング)に遭っています。
海外
- 2012年3月、5月:Bitcoinica事件
- 2016年6月:The DAO事件
- 2016年8月:Bitfinex事件
- 2019年5月:Binance事件
- 2021年12月:BadgerDao事件
日本
- 2014年2月:マウントゴックス(Mt.Gox)事件
- 2018年1月:コインチェック事件
取引所にセキュリティ事件が起きると、多くの投資家は不信感や危機感からパニックになり、投げ売りします。
すると、価格が下落するので、それを見た他の投資家がパニック売りを引き起こし、暴落します。
過去に起きたセキュリティ事件のうち、The DAO事件、Bitfinex事件、マウントゴックス事件については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

④暗号通貨プロジェクトやトークンの価格崩壊

2022年5月、Terra(LUNA)が崩壊しました。
たった数日で99.99%の下落という凄まじいものでした。
Terra(LUNA)が裏付け資産となっているステーブルコインのUSTが大口出金によって下落し、ドルとデペッグ(下方乖離)したことが原因です。
USTが1ドルを下回ると、1ドル相当のTerra(LUNA)へ償還できるため、大量の償還が発生しました。
Terra(LUNA)はこの大きな売り圧力を吸収しきれず、大暴落へと繋がりました。
ちなみに、このTerra(LUNA)の崩壊で、6兆円もの資産が蒸発しました。
Terra(LUNA)の崩壊は多くの投資家に暗号通貨に対する不信感と不安を抱かせました。
ビットコインも大きな影響を受け、3日間で34,000ドルから28,900ドルまで、15%下落しました。
崩壊する暗号通貨のプロジェクトやトークンは少なくありません。
今後Terra(LUNA)レベルの崩壊があれば、ビットコインも巻き添えを食らう形で暴落するでしょう。
暗号通貨だけではなく、暗号通貨関連企業の崩壊もビットコインの暴落を引き起こすことがあります。
2022年6月暗号通貨レンディング企業セルシウス(Celsius)が、「極端な市場状況のため、すべての出金、交換、送金を一時停止する」と発表しました。

これを聞いた投資家は寝耳に水でパニックになりました。
そして、ビットコインは約4,000ドル(14.49%)暴落しました。

結局、セルシウスは1ヶ月後の2022年7月に経営破綻しました。
なお、セルシウスが経営破綻した時、ビットコインの価格は3%しか下落しませんでした。
6月の出金停止とは違い、織り込み済みだったので、市場がパニックにならなかったからでしょう。
⑤ビットコイン・クジラの動き
ビットコイン・クジラが売りに動くと、市場が暴落することがあります。
ビットコイン・クジラとはビットコインの大量保有者のことです。
具体的には1,000BTC以上持っているアドレスを指します。
ビットコイン市場はまだまだ規模が小さいため、クジラが売りに走ると、市場は彼らの売り圧力を吸収し切れません。
なので、ビットコインの価格が下落します。
すると、それを見た投資家がパニックになって、投げ売りします。
その結果、価格がどんどん下がり、暴落してしまうのです。
ビットコイン・クジラとして有名なのが、電気自動車メーカーのテスラCEOのイーロン・マスク氏です。

例えば、2022年7月、テスラの第2四半期の決算レポートで、自社保有のビットコインの約75%を9.36億ドル(約1295億円)で売却していたことがわかりました。
これを受け、1週間で23,100ドルから21,000ドルまで、約10%を下落しました。

また、1年前の2021年5月には、テスラCEOのイーロン・マスク氏が「ビットコインによるテスラ車の決済を認めない方針」というツイートをしたところ、ビットコインが10%下落しました。
しかし、ビットコイン・クジラの動きは暴落だけではなく、急騰も引き起こします。
2021年2月、テスラは「15億ドル(2,000億円)相当のビットコインを購入した」と発表しました。
これを受け、ビットコインは急騰し、1日で3万8850ドルから4万6400ドルまで19.5%上昇し、当時の最高値を更新しました。
さらに、1ヶ月後の2021年3月、イーロン・マスク氏は「テスラ社の電気自動車をビットコインで購入できるようにする」とツイートしました。
すると、これが好材料となって、上昇の勢いが増し、1ヶ月も経たずに6万ドルを超え、当時の史上最高値を記録しました。
結局、テスラの電気自動車のビットコイン決済は導入されず、暴落を引き起こしましたが…。
クジラがビットコインの市場を動かしたのは、イーロン・マスク氏だけではありません。
2018年9月、あるビットコイン・クジラが50,500 BTC(約352億円)を売却し、それが波及して15%以上暴落しました。
また、2018年4月、「2匹の巨大クジラが24時間で1億ドル(約110億円)以上に相当する約13,100 BTCを売却した」という噂が流れ、多くの投資家がパニック売りをして、20分で200ドル下落しました。
後で、単なるウォレット間での資金移動だったということがわかりました。
このようにクジラの動きはビットコインを急騰させることもあれば、暴落させることもあります。
ビットコイン・クジラについては、こちらの記事で詳しく紹介しているので、お読みください。


クジラの動きには注意しましょう。
ビットコイン(BTC)の今後の動きは?


ビットコインは将来、どうなるのでしょうか?
2022年8月、オーストラリアの大手金融比較サイトであるFinderは独自の調査で、ビットコインの将来の価格を予測しました。
2022年末には25,473ドル、2025年には106,757ドル、2030年には314,314ドルに上昇するという予測です。


また、ブルームバーグのシニアコモディティストラテジストであるマイク・マクグローン(Mike McGlone)氏は、ビットコインが将来、米国債や金(ゴールド)のような動きになると言っています。
ビットコインが将来さらに値上がると見ているアナリストは少なくありません。
しかし、暴落する理由でも触れたように、景気の後退、政府の規制などである日突然、暴落する可能性も十分にあります。
いずれにしろ、強気相場と弱気相場を繰り返しながら、高いボラティリティで推移することでしょう。
ビットコイン(BTC)を取引する上での注意点


ビットコインはボラティリティ(価格の変動)が激しいです。
上昇している時はあり得ないほど稼げますが、一旦暴落すると下落するスピードがハンパないので、短期間で再起不能なほど資金を失うこともあります。
そこで、大損を避けるための対策を解説します。
セキュリティ対策をする
ビットコインには、価格が下落して大損するリスクの他、取引所がハッキングされて資金を失うリスクもあります。
なので、セキュリティレベルの高い暗号通貨取引所を選びましょう。
以下のサイトをデータを参考にすると良いでしょう。
また、いくらセキュリティレベルが高くても、ライセンスを取っていないなど、経営上の不備があると、ある日突然取引できなくなることもあります。
セキュリティだけではなく、ライセンスの取得の有無など、経営面での安全性もチェックしましょう。
経営面での安全性を調べるには、WikiBitがおすすめです。
WikiBitとは世界中の暗号通貨取引所、プロジェクト、トークンの安全性、信頼性を評価する第三者機関です。
5,000社以上の取引所、8,000以上のトークンを網羅しています。
また、評価の他、取引所を利用して被害に遭った人たちの生の声、調査員の取引所への突撃調査など、リアルな情報を知ることができます。
WikiBit:https://www.wikibit.com/ja/
安全な取引所を選ぶ他、以下の自分でもセキュリティ対策をしましょう。
- ハードウェアウォレット
- 保険付きホットウォレット
- マルウェア対策
損切りする
ビットコインに限らず、暗号通貨の投資を行う時、必ず損切りをしましょう。
損切りとは、損失を抱えている状態で、これ以上の損を広げないために、損失を確定することです。
「損をしてしまうではないか!」と思うかもしれませんが、投資はトータルでプラスになれば良いのです。
逆に、損切りしないと、損失がどんどん膨れて上がります。
特に暗号通貨はボラティリティが高く、下がる時はとことん下がるので、損切りで傷を最小限に抑えることは大事です。
自分で損失を確定するのは、精神力が強くないとできません。
注文を出す時は大損を防ぐため、損切り注文を設定しましょう。
情報を集める
投資では流れが突然変わって、今まで逆に動くことがよくあります。
なので、常に情報を集めましょう。
暗号通貨業界に関する情報はもちろん、ビットコイン・クジラの動きもチェックしましょう。
ビットコイン・クジラの動きはホエールアラート(Whale Alert)やホエールマップ(Whalemap)などのアラートツールと呼ばれる、クジラ追跡ツールを使いましょう。
余剰資金でやる
ビットコインはボラティリティが激しいです。
稼げる時は大きく稼げますが、損する時はとことん損します。
これは、ビットコインだけではなく、投資全般について言えることですが、必ず余剰資金でやりましょう。
生活費を投じたり、借金してまでやらないでください。
投資は必ず余剰資金でやりましょう。
まとめ
ビットコインがやばい理由。
それは価格の浮き沈みの激しさにあります。
ビットコインは12年間で1億倍以上上昇しました。
しかし、それだけハイリターンであれば、ハイリスクでもあります。
実を言うと、ビットコインは毎年50%以上の下落を経験しているのです。
でも、それ以上のスピードで上昇しているので、1億倍以上の上昇を達成できたのです。
しかし、問題はバブルの崩壊です。
バブルが崩壊すると短期間で一気に資産を失うだけでなく、長い間回復しません。
バブルの時に高値で掴んでしまうと、本当にやばいです。
ビットコインが暴落する原因は、世界経済の停滞への懸念や景気後退、各国政府の仮想通貨に対する規制、セキュリティ事件、暗号通貨や暗号通貨企業の崩壊、ビットコイン・クジラ(大口投資家)の動きです。
ビットコインは将来、さらに上昇すると見るアナリストは多いです。
しかし、上記の理由が常に存在する限り、いつ暴落してもおかしくないので、常に情報を集めて注意しましょう。
暴落に巻き込まれても損失を抑えられるよう、損切りや余剰資金で行うのが大事です。
また、ハッキング事件に巻き込まれないよう、セキュリティ対策もしっかりと行いましょう。
ビットコインに全てを賭けず、余裕を持って安全な取引を行ってください。
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