ビットコインボルトは他の暗号通貨に無い特徴を持つ、鳴り物入りで登場した暗号通貨です。
そして、「儲かる」という評判が立ち、価格が大きく上昇しました。
しかし、ある些細な出来事から大暴落が起きてから、低迷を続けています。
そのため、「騙された」や「詐欺」などの悪い評判や口コミが立っています。
天国と地獄を経験するビットコインボルト。
一体、どのような暗号通貨で、今後はどうなるのか、解説します。
- ビットコインボルトの特徴
- ビットコインボルトの大暴落の原因
- ビットコインの換金方法
- ビットコインボルトの今後の行方
ビットコインボルト(BTCV)とは
ビットコインボルトは2019年12月、マイニング企業MINEBEST社が開発・公開した暗号通貨です。
ビットコインという名を冠するため、「ビットコインのハードフォーク?」などと思うかもしれません。
しかし、実はビットコインとは関係はありません。
名称 | ビットコインボルト(Bitcoin Vault) |
シンボル | BTCV |
価格(2022年8月時点) | 2.64ドル(約356円) |
発行枚数上限 | 2,100万枚 |
時価総額 | 約554万ドル(約7億4,000万円) |
流通量 | 約1779万BTCV |
アルゴリズム | SHA256 |
公式サイト | https://btcv.com/ja |
MINEBEST社CEOエイアル・イブラモビッチはこのような理由でビットコインボルトを作りました。
Bitcoin Vault創設者としての私の目標は、ブロックチェーンをベースとした取引の安全性を高めるBitcoinフォークを開発することでした。この明確な目標を念頭に置き、暗号通貨の専門家によって編成された素晴らしいチームと共に、誤操作、盗難、ウォレットへの不正アクセスが発生しても、取引をキャンセルまたは取り消すことができるコインを開発しました。この目標を達成するために協力してくれたチームをご紹介します。そして、今後もさらなる開発に取り組んでいきます。
引用:ビットコインボルト公式サイト
ビットコインボルトには24時間以内なら送金をキャンセルできるという他の暗号通貨にはない特徴があります。
この特徴には、秘密鍵の盗難、送金操作ミス、システムエラーなどによる被害を防ぐというメリットがあります。
ビットコインボルトはBitcoin Royaleのハードフォークです。
ハードフォークによって秘密鍵が3つに増えました。
ビットコインボルトは秘密鍵が3つあるから、安全性と信頼性が高い!
ビットコインボルトは2019年にスタートして以来、順当にロードマップに沿って進んでいます。
ビットコインボルト(BTCV)の仕組み
暗号通貨は一般的にP2Pネットワーク上で、資金の保管、管理、送金が行われます。
しかし、ビットコインボルトは暗号通貨の開発パラダイムに反しています。
だからこそ、ビットコインボルトには他の暗号通貨に無い特徴が生まれたのです。
ビットコインボルトには送金が実行されるまで144ブロック分(24時間)の猶予時間があります。
この猶予時間の間に秘密回復鍵を使ってリカバリー・トランザクションを実行すると、送金をキャンセルできます。
ビットコインボルト(BTCV)の特徴
ビットコインボルトのエコシステムは3つのアプリケーションから成ります。
3つのアプリケーションを組み合わせることで、高い安全性、透明性、自由度が保証されます。
ゴールドウォレット(Gold Wallet)
ゴールドウォレットとは、ビットコインボルトを保管、出入金するために設計されたモバイルデバイス用のアプリケーションです。
ユーザーは保管用、出入金用、送金キャンセル用の3種類のウォレットを作成でき、安全で迅速な取引や送金キャンセルなど様々な種類の取引を実行できます。
また、ゴールドウォレットはデスクトップアプリのエレクトラムボルトの2段階認証(2FA)としても使われます。
少し難しい用語が登場しましたが、ゴールドウォレットとは要は「モバイル専用のウォレット」のことです。
キージェネレーター(Key Generator)
キージェネレーターとは、ウォレットの設定とトランザクションの実行に必要な公開鍵と秘密鍵を生成するウェブアプリケーションです。
キージェネレーターはローカルリソースのみを使用し、鍵がオフラインで保管されるので、セキュリティが高いです。
エレクトラムボルトはPC専用のウォレットのことです。
エレクトラムボルト(Electrum Vault)
エレクトラムボルトとは、オープンソースのElectrum Wallet に基づくデスクトップアプリケーションです。
ゴールドウォレットのすべての機能を備えていて、ビットコインボルトの保管、出入金、ウォレットの作成、トランザクションの実行に使用できます。
エレクトラムボルトはビットコイン専用の送金キャンセル機能を有したウォレットのことです。
ビットコインボルト(BTCV)の評価
WikiBitではビットコインボルトの安全性スコアは3.11と評価されています。
WikiBitとは世界中の暗号通貨取引所、プロジェクト、トークンの安全性、信頼性を評価する第三者機関です。
5,000社以上の取引所、8,000以上のトークンを網羅しています。
また、評価の他、取引所を利用して被害に遭った人たちの生の声、調査員の取引所への突撃調査など、リアルな情報を知ることができます。
WikiBit:https://www.wikibit.com/ja/
ビットコインボルト(BTCV)のデビューからこれまでの値動き
ビットコインボルトの値動きをチャートで見ていきましょう。
まず、2019年12月、ビットコインボルトはコインニール(Coineal)で初めて上場されました。
価格は1ドルからのスタートでした。
上場してすぐ、「24時間以内に送金キャンセルできる」、「安全性が高い」などの特徴で、多くの投資家とマイナーを引き付けました。
そして、ビットコインボルトの価格は上昇を続けました。
さらに、ホットビット(HotBit)などの複数の暗号通貨取引所に上場すると、価格はさらに上昇します。
2020年7月、市場の追い風を受け、ビットコインボルトは40,000円を突破。
たった2か月で4倍以上になりました。
2020年8月、遂に50,000円を突破し、過去最高の50,500円を記録しました。
たった8か月で500倍という驚異の高騰ぶり!
しかし、8月23日に大暴落が起こりました。
45,000円から27,000円にまで約40%急落しました。
大暴落の勢いはとどまる所を知らず、9月2日の価格は11,000円にまで下落しました。
たった11日間で約75%の下落です。
大暴落の原因はCoinealのメンテナンスによるビットコインボルトの一時取引停止です。
多くの投資家が「ビットコインボルトが取引停止になった!」と勘違いし、パニック売りを引き起こしました。
Coinealはメンテナンス完了後、ビットコインボルトの取引と出入金を再開しました。
しかし、価格は思ったほど戻らず、20,000円前後を値を付けてから下落しました。
過去最高値50,500円の半分にも満たないです。
この大暴落で、別の問題が起こりました。
ビットコインボルトの価格が半減したことで、ビットコインボルトをマイニングするマイナーの報酬も半減しました。
そのため、多くのマイナーがビットコインボルトのマイニングを休止、または完全に手を引きました。
現在、ビットコインボルトのマイニングサービスを提供していたマイニングシティではサービスを停止しており、マイニングできません。
ビットコインボルトのマイニングから多くのマイナーが手を引いたことで、今後再び暴落するリスクも高くなりました。
ビットコインボルトは大暴落以来、価格を元に戻すことはありませんでした。
それどころか、下落を続けています。
2020年12月には同年最安値の4,400円にまで下落しました。
12月末には17,000円まで回復しました。
しかし、上昇トレンドも続かず、2021年の暗号通貨バブルの中でも、価格を押し上げるニュースはなく、下落し続けました。
大暴落から約2年後の2022年8月の価格は350円で、史上最高値の1/143に過ぎず、価格が戻る兆しがありません。
ビットコインボルトには「騙された」や「詐欺」などの悪い評判や口コミが数多くあります。
この大暴落してからの低迷が原因の一つと言えるでしょう。
ビットコインボルトの換金方法
ビットコインボルトは基本的に暗号通貨取引所で購入・換金できます。
ただし、ビットコインボルトは日本国内の暗号通貨取引所では扱われていないので、海外の取引所を経由することになります。
《購入手順》
- ステップ1:日本国内の暗号通貨取引所でビットコインを購入
- ステップ2:海外の暗号通貨取引所へビットコインを送金
- ステップ3:ビットコインをビットコインボルトと交換
《換金手順》
- ステップ1:ビットコインボルトをビットコインと交換
- ステップ2:海外の暗号通貨取引所から日本国内の取引所へビットコインを送金
- ステップ3:ビットコインを換金
ビットコインボルトを換金できる海外の取引所を紹介します。
ラトークン(LATOKEN)
取引所名 | ラトークン(LATOKEN) |
取引所ランキング(CoinGecko調べ) | 23位 |
1日の取引額(BTCV/BTC) | 約48万円 |
公式サイト | https://latoken.com/ |
LATOKENは2017年7月1日に設立しケイマン諸島で登録された暗号通貨取引所です。
2022年には50万人を超えるユーザーが利用しています。
LATOKENの特徴は石油、金、絵画などの実物資産をブロックチェーン技術でトークン化して取引できることです。
これによって、暗号通貨でコモディティや美術品や不動産や株式などを購入できます。
同取引所は現在、956種類の暗号通貨と1231個の取引ペアがあります。
また独自のプラットフォームコインLAもあります。
WikiBitの評価ではライセンスを保有していないため、リスクのある取引所として注意喚起されています。
プロビットグローバル(ProBIT Global)
取引所名 | プロビットグローバル(ProBIT Global) |
取引所ランキング(CoinGecko調べ) | 91位 |
1日の取引額(BTCV/BTC) | 約11万円 |
公式サイト | https://www.probit.com |
ProBIT Globalは2017年に設立しセーシェル共和国で登録した暗号通貨取引所です。
韓国のライセンスを取得しています。
ただし、WikiBitの評価では韓国のライセンスKISAが経営範囲を超えているため、リスクのある取引所として注意喚起されています。
ビットグローバル(BITGLOBAL)
取引所名 | ビットグローバル(BITGLOBAL) |
取引所ランキング(CoinGecko調べ) | 137位 |
1日の取引額(BTCV/BTC) | 約11万円 |
公式サイト | https://www.bitglobal.com/ja-jp |
BITGLOBALは元ビッサム(Bithumb)という暗号通貨取引所です。
Bithumbは2013年に設立した韓国の取引所で、韓国の三大暗号通貨取引所の一つでした。
しかし、Bithumbは過去に3回ハッキングを受け、多くのユーザーの信頼を失いまいた。
最後にハッキングを受けた2019年からセキュリティを強化し、現在では失った信用を取り戻し、151ヶ国の数百万人のユーザーにサービスを提供しています。
WikiBitの評価ではライセンスを保有していないため、リスクのある取引所として注意喚起されています。
ビットレックス(BITTREX GLOBAL)
取引所名 | BITTREX GLOBAL |
取引所ランキング(CoinGecko調べ) | 69位 |
1日の取引額(BTCV/BTC、BTCV/USDT) | 約4万円 |
公式サイト | https://global.bittrex.com/ |
BITTREX GLOBALは2014年に設立したアメリカ最大の暗号通貨取引所です。
取り扱い暗号通貨が326種類と豊富なのが特徴です。
それを反映してか、BITTREX GLOBALはビットコインの他、テザー(USTD)でもビットコインボルトと交換できます。
ただし、同取引所ではビットコインボルトの取引が少ないので、希望通りの価格で売却できない可能性があります。
WikiBitの評価ではライセンスを保有していないため、リスクのある取引所として注意喚起されています。
ビットコインボルト(BTCV)の今後の行方
大暴落から低迷を続け、未だに復活する兆しの見えないビットコインボルト。
今後の行方はどうなるのでしょうか?
結論から言うと、高騰する可能性は低いです。
理由は3つあります。
- 市場の期待が低い
- 用途がない
- マイニング停止で流通性が少ない
1つ目はビットコインボルトに対する市場の期待の低さです。
ビットコインボルトは元々、24時間以内に送金をキャンセルできるなど他の暗号通貨に無い特徴に価値を感じ、多くの投資家が購入し価格が急騰しました。
しかし、大暴落後に価格が元に戻らなかったということは、実は投資家たちはその機能に価値を感じていなかったといえるのではないでしょうか?
またはビットコインボルトの概念にすでに魅力を感じられなくなったとも言えます。
いずれしろ、以前ほど市場から期待されなくなりました。
そして、ビットコインボルトへの期待が下がったため、取引量も少なくなりました。
取引量が少ないため、価格が高騰しません。
2つ目はビットコインボルトを決済に導入する企業がほとんどないことです。
利用用途がないため、流動性が低く、価格が上昇しません。
3つ目はマイニングの停止です。
現在、新規マイニングができないので、今後は市場での流通が更に少なくなる可能性があります。
そのため、ビットコインボルトは今後、価格が急上昇する可能性は低いと言えます。
しかし、もしビットコインボルトに関するビッグニュースが出たら、急騰する可能性もあります。
急騰するかもしれないから、最新のニュースはチェックしましょう。
まとめ
ビットコインボルトは他の暗号通貨とは違うというポジショニングで投資家から注目を集め、デビューしてから価格が一気に上昇しました。
そして、2022年8月には史上最高値を付けました。
しかし、そのすぐ後、事件が起こります。
取引所のメンテナンスで一時取引できなくなりました。
これが…
ビットコインボルトが取引停止になった!
という誤解を生み、パニック売りが起こり、大暴落しました。
大暴落後は下落を続け、2021年の暗号通貨バブルの時ですら、値上がりしませんでした。
ビットコインボルトは今後も低迷を続けると予想されます。
しかし、ビッグニュースが出れば、再び注目されて急騰する可能性もあるので、最新情報はチェックしましょう。
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