FXの重要指標を一覧でチェック!経済指標の読み解き方を解説

FXのトレードにも利用できる経済指標、たくさんある中で何に注目したら良いのか悩んだことはありませんか。

本記事ではFXの重要指標に焦点を当て、分類の仕方やそれぞれの見方、トレードに活かす方法まで解説しています。

この記事でわかること

  • 数あるFXの経済指標の中で注目すべき4種類の重要指標について
  • FXの重要指標の3つの見方やポイントと市場が求めていること
  • FXの重要指標発表前後のリスク管理とトレードの基本的な考え方

各国通貨のファンダメンタルズの基礎であり、トレード計画の鍵を握るのがFXの重要指標です。
この記事を通じてFXで重要となる指標の使い方がわかるので、ぜひ参考にしてください。

目次

FXの経済指標は重要度の高い4つに分けて理解する

FXの経済指標は重要度の高い4つに分けて理解する

FXで重要とされる指標は数多くありますが、その中でもトレーダーや投資家は何に注目しているのでしょうか。

ここからは数あるFXの重要指標を4つに分けて説明します。

4種類のFX重要指標

  • 各国の金融政策が分かる指標
  • 各国の景気動向が分かる指標
  • 各国の雇用状況が分かる指標
  • 各国の物価推移が分かる指標

各国の金融政策が分かる指標

1つ目のFX重要指標は金融政策です。各国の中央銀行が金利や通貨の供給量を調整して、金融面から経済政策を行います。

この組織が発表する金融政策に注目

・米連邦公開市場委員会(FOMC)
・欧州中央銀行(ECB)
・日本銀行

各国いずれの組織も、基本的に景気が過熱している状況で金利の引き上げを行います。

その後、長期金利の上昇にともなって、私たちに身近な住宅や自動車の購入にあてたローンも高くなり消費意欲が抑えられて景気が落ち着いていきます。

金融政策の舵取りが一国の景気を左右するため、FXの最重要指標と言えます。

各国の景気動向が分かる指標

2つ目のFX重要指標は景気動向が分かる指標です。

数ある中でも国内総生産(GDP)の推移は常に注目されています。
景気動向指数と呼ばれるその名の通りの指標もありますが、この指標に対してFX相場が敏感に反応するわけではありません。

重視すべきことは、その時期の注目テーマや変化率です。

例えば、世界経済の先行きを示す中国の経済成長の雲行きが怪しくなったとき、機械受注が減少する兆しを見せます。

普段であれば重視されない指標ですが、背景を踏まえるとまずは株式相場が反応し、その動向を睨みながらFX市場が動意することもあります。

景気動向が分かる重要指標の一例

・国内総生産(GDP)
・ISM製造業景況指数
・ISM非製造業景況指数
・新築住宅販売件数
・個人消費支出
・小売売上高

FXの重要指標とされるものに対して、外国為替市場がいつでも敏感に反応するわけではないことを忘れないでおきましょう。

各国の雇用状況が分かる指標

3つ目は雇用状況が分かる指標です。数ある雇用状況を測る指標のなかでも米国の雇用統計が注目され、非農業部門雇用者数と失業率、ときには平均賃金などの変化率に焦点が当てられます。

雇用状況が分かる重要指標の一例

・ADP雇用統計
・非農業部門雇用者数変化
・新規失業保険申請件数
・失業率
・平均時給

これらもFXの重要指標ではありますが、外国為替市場が一様に反応するわけではありません。

後述しますが、市場が雇用状況を織り込んでいるのか、予想値と乖離しているかがポイントです。

各国の物価推移が分かる指標

4つ目は物価推移が分かる指標です。インフレ状況や景気の先行きを判断するモノサシとして注目されます。

物価推移が分かる重要指標の一例

・消費者物価指数(CPI)

その他卸売物価指数などもありますが、まずは世界経済を主導する米国のCPI(前月比)を追い続けて、必要に応じて前年比や他国のCPI、その他物価指数等を分析するくらいで良いでしょう。

さて、2022年に入り各国のインフレが加速するなか、アメリカの金融政策に次いで各国の物価推移を示す経済指標が注目されるようになりました。

このように時期によって注目される経済指標が変わるので、FXの重要指標を並列に見ないことも大切ですね。

FX重要指標の見方

FX重要指標の見方

FX重要指標を見るときには、その時期に注目されているものを重視して3つのポイントを確認します。

FX重要指標の見方3つのポイント

  • 前回値の前月比・前年同月比を見る
  • 事前予想値と比較
  • 速報値が市場にあたえる影響に注目

FX重要指標を利用した勝てるトレードに役立たせていただくため、一つずつ説明していきます。

前回値の前月比・前年同月比を見る

1つ目のFX重要指標の見方は、前回値の前月比・前年同月比を見ることです。

前々回値、さらには過去にさかのぼってFX重要指標の流れの継続性に着目します。

例えば米国雇用統計であれば、2020年2月後半のコロナショック以降、外出規制等で急激に雇用が消失しました。その後の景気回復は目覚ましく、前月比の変化率で株式・FX市場とも高い変動を見せたのは記憶に新しいです。

このように前月比を比較すれば短期間の勢いを予測することに役立ち、前年比であれば長期間のFX運用戦略にも利用することができます。

事前予想値と比較

2つ目のFX重要指標の見方は、事前予想値との比較です。

公表されている予想値との乖離が大きいほど市場にサプライズとして受け止められ、FXチャートに急な変動をもたらします

ときには1時間以内のFXトレードで大きな値幅を狙うことができ、FX重要指標発表前には世界中のトレーダーがエントリーの準備をしています。

後ほど紹介するアプリを利用して、FX重要指標の発表直後に予想値との差を確認できるようにしておきましょう。

速報値が市場にあたえる影響に注目

3つ目のFX重要指標の見方は、速報値を優先することです。

例えばGDPは速報値・改定値・確定値にわけられています。

FX市場は常に新鮮な情報をもとめているので、速報値のサプライズ度合いが値動きに表れ、確定値に向けてチャートに織り込まれながら落ち着いていきます。

以上がFX重要指標を見る際の3つのポイントです。

なお、日本銀行が1月・4月・7月・10月に政策委員会による金融政策決定会合において経済・物価情勢の展望レポートを公表するため、これらの月のFX重要指標は一段と注目度が高まります。

FX ドル円の重要指標とは

FX ドル円の重要指標とは

ここからは多くの日本人がトレードの主要通貨ペアにしているドル円の重要指標をご紹介します。

アメリカと日本各国の重要指標がFXのドル円に影響を与えるので、先述の4つに分けて整理しますね。

指標の種類 アメリカ 日本
金融政策 政策金利 政策金利
景気動向 国内総生産(GDP)ISM製造業景況指数、ISM非製造業景況指数、新築住宅販売件数、個人消費支出 国内総生産(GDP)、日銀短観
雇用状況 ADP雇用統計、新規失業保険申請件数、失業率、非農業部門雇用者数変化、平均時給
物価推移 消費者物価指数 消費者物価指数

FXでドル円の重要指標を見るときのポイントは、アメリカの経済指標を優先すること、両国ともに速報値に注目すること、そして今市場で話題になっている指標を再重視することです。

以前はADP雇用統計でドル円の値動きが活発になり、短期トレードで稼げるチャンスがありました。しかし今ではその面影も乏しくなっています。

一方で、2022年以降は物価推移に関する指標が主役となっています。
消費者物価指数はデフレが定着していた日本では見向きもされていませんでしたが、今ではFXドル円の重要指標に仲間入りしつつあります。

繰り返しになりますが、FXドル円の重要指標のなかでも優先順位を明確にし、ときには入れ替えをする柔軟な姿勢がトレーダーに求められます。

FX 重要指標一覧をカレンダーで確認

ここでは上述のドル円の経済指標を例にして、FXの重要指標一覧をカレンダーで確認する方法をご紹介します。

日付 国名 指標名称
2日 アメリカ ISM製造業景況指数
4日 アメリカ ADP雇用統計、ISM非製造業景況指数
5日 アメリカ 政策金利、新規失業保険申請件数(12, 19, 26日も発表)
6日 アメリカ 失業率、非農業部門雇用者数変化、平均時給
6日 日本 消費者物価指数
11日 アメリカ 消費者物価指数
17日 アメリカ 小売売上高
24日 アメリカ 新築住宅販売件数
26日 アメリカ GDP
27日 アメリカ 個人消費支出
2022年5月の経済指標一部

上表は2022年5月のドル円に限定したFX重要指標で、各指標は毎月ほぼ同じ日に発表されます。

例えば、2日に景気動向を測るISM製造業景況指数が公表されていますが、毎月第一営業日に前月の調査結果が発表されることになっています。

よって、FXの重要指標一覧のカレンダーの使い方は、翌月以降も同日あたりで各指標を確認するのみとなります。
FX重要指標の一覧表は通常どの国内FX業者も提供しているので、ぜひ活用してください。

FX 重要指標をアプリで確認してリスクを管理

FX 重要指標をアプリで確認してリスクを管理

FXの重要指標をアプリで確認することは、発表後のボラティリティを利用したトレード目的の他に、保有ポジションのリスク管理においても必要です。

例えば、FX重要指標が予想値との乖離があまりにも大きい時にトレンドが転換することもあります。

投資目的で通貨ペアを保有している場合、ポジション管理の検討も必要でしょう。
このような時にFX重要指標を確認できない状況だけは絶対に避けたいですね。

FX重要指標の速報を知らせてくれるスマホアプリやメール通知機能などを、ほぼ全ての国内FX業者は無料提供しているので、リスク管理の面からも活用すると良いですね。

FX 重要指標のリアルタイム更新はアラートツールを活用

ご利用になっているFX業者が重要指標のリアルタイム更新をアラートツールとして提供していたら、リスク管理も万全にできますね。

一般的にプッシュ通知機能と呼ばれるものが備わっているので、スマホアプリやデスクトップツールでこちらも確認してみてください。

FX 重要指標を利用したトレードアイデア

ここからはFXの重要指標を利用したトレードについて考えてみましょう。

FXで稼ぐためにはボラティリティが必要ですね。
短時間で稼ぐことと、長期のトレンドに合わせていくことの両面から、重要指標発表後のトレードについて簡単に考えてみましょう。

FX 重要指標を利用した両建て

1つ目はFXの重要指標が発表される直前からの両建てです。

指標発表後に値動きが大きくなると予想されるときに限定して行います。例えば次のようにポジションをとります。

1. 重要指標発表直前にドル円のロング100,000通貨、ショート100,000通貨を発注する(両建て)
2. 注文した2つのポジションに20pips幅のトレール注文を入れる
3. 重要指標発表後に一方のポジションが損切りになり、残りのポジションの利益を伸ばしていく

これがFXの重要指標を利用した両建ての基本の考え方です。

実際にはスプレッドや指標発表前後のボラティリティの影響を強く受けるので、ここまで単純な話ではありません。
また、ポジションをとった直後から、一方向へ値幅を伴いながら素直に動かない限り通用しない手法でもあります。

現実的に稼げるの?

こう問われると、率直な回答は大変むずかしいとなりますが、FXの重要指標を活かした両建てとして検証してみるのは良いでしょう。

FX 重要指標後に作られるトレンドへの順張り

2つ目は、FXの重要指標発表後に新たに作られるトレンドへの順張りです。
エントリーの基本はブレイクと押し目・戻り目待ちの二通りあるので、ドル円の4時間足チャートで説明しますね。

参考記事:FXの相場分析レポート|2022年5月10日(火)

まずはオレンジ色の129円の水平線に注目して下さい。

過去に2つ高値を作っており、FXトレーダーが意識する水平線になっています。

129円にはブレイクで入る新規注文と追加注文、ショート勢力の損切りを合わせた3種類の注文が重なります。よって、1つ目の順張り注文は、129円のブレイクとなります。

その後の安値切り上げ高値更新で、ダウ理論でいうところの上昇トレンド確定です。これにより、先の129円が押し目の目安となり、2つ目の順張り注文は、129円までの押し目を作ってからとなります。

以上、FX重要指標発表後のトレードを極めてシンプルに解説しました。
実際に稼ぐための検証は必要ですが、指標トレードの骨子としてご参考ください。

FXの重要指標を活用すれば相場の予測精度を高められる

FXの重要指標を活用すれば相場の予測精度を高められる

ここまでFXの経済指標を4種類に分け、それら重要指標の見方やトレード方法まで解説しました。

この記事を3つにまとめると

  • FXの重要指標は金融政策・景気動向・雇用状況・物価推移の4種類に分けられる
  • FXの重要指標には3つの見方があり、市場は予想値からの乖離を求めている
  • FXの重要指標発表前後はリスク管理が必要な一方でトレードチャンスでもある

各国通貨のファンダメンタルズを表す経済指標は数多くありますが、FXトレードに活かせる重要指標に絞ってみると、だいぶスッキリ見えたのではないでしょうか。

毎月発表されるFXの重要指標を活用して、相場の予測精度を高めていきましょう。

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