FXのペナントとは?見つけ方・エントリー方法を徹底解説!

チャート分析で必ずと言っていいほど目にする三角形。

この三角形ってどんな風に見たらいいかよくわからない…

と思ったことはありませんか?

今回は、保ち合い相場で高確率で発生する三角形=ペナントについて解説します。

ペナントが分かるようになれば、チャート分析がラクになるだけでなく、レンジ相場でのムダなエントリーを減らせるため、勝率が飛躍的に向上します

この記事でわかること

✔ ペナントの基本知識
✔ ペナントに似た形状との比較
✔ ペナントを使ってのエントリー方法
✔ ペナントと相性のいいインジケーター
✔ ペナントをMT4に自動表示させる方法

今回はペナントの基礎からペナントの探し方や手法、さらにはペナントと相性のいいインジケーターまで重点的に解説します。

目次

FXのペナントとは

FXのペナントについて解説するイメージ

ペナント(pennant)は英語の名詞で、「細長い三角形」を意味します。

欧米では「優勝旗」を表す単語としても使われ、チャート上では、三角旗の柄の部分を含めてペナントと表現します

チャート上では、優勝旗と同じく、柄を左側とした右向きの細長い三角形になります。

この「細長い」三角形というのがポイントで、ペナントは「中長期」よりも「短中期」の時間軸でのフォーメーションです。

そして何より大事なこと。

ペナントは、トレンド後の調整局面で発生します

レンジ相場で発生するため、ペナントを見つけたら「今はエントリーを控えるべきかな」という判断基準になるでしょう。

ペナントの種類とは

ペナントの種類について解説するイメージ

レンジ相場に現れるペナントですが、ペナントには2種類あります

上昇トレンド中に見られる「上昇ペナント」と、下降トレンド中に見られる「下降ペナント」に分けられます。

上昇ペナント

上昇ペナントは、上昇トレンドの中段で発生します。

上昇ペナントが発生した場合、ペナントを抜けたあとにふたたび上昇トレンド入りする可能性が高くなります。

上昇ペナントはエリオット波動の中で修正波として現れ、第2波・第4波で見られます。

また、上昇ペナントでは下値(安値)を切り上げる形状が多くなります。

ペナントが発生する時間軸は、日足以下と捉えましょう。

下降ペナント

下降ペナントは、下落トレンドの中段で発生します。

上昇トレンド同様、エリオット波動の第2波・第4波で見られます。

下降ペナントは上値(高値)を切り下げエネルギーを下方向に向けていき、徐々に売り勢力が優先的になることが多くなります。

下降ペナントも上昇ペナント同様、週足・月足の長期足ではなく、日足以下の時間軸で発生します。

ペナントが発生する場所とは

ペナントが発生する場所を解説するイメージ

ペナントは、チャートをテクニカル分析で「トレンド」と「レンジ」の2種類に分けた場合、レンジ相場で発生します。

ペナントはレンジ相場で発生する

ペナントはレンジ相場で発生します

トレンドが「階段」であれば、レンジ相場はいわば「踊り場」です。

なのでペナントは「踊り場に掲げられた優勝旗」とイメージしてみてください。

ペナントは保ち合い相場で発生するため、ペナントが見つかった場合、トレンド相場のような大きな値動きは見られません。

買い勢と売り勢のパワーが拮抗しエネルギーがぶつかり合った結果、ローソク足が一定方向へ伸びないペナント形状になります。

ここで大切なのは、階段の「踊り場」ということ。

つまり、ペナントはトレンド発生途中に出現するのであって、トレンドの始点や終点では見られないということです。

ペナントは短中期足

ペナントはトレンドの発生途中に出現すると書きました。

なぜなら日足以下の短中期足で見られるからです。

ペナントが発生する時間軸は、短期の5分足~日足の中期と想定してください。

ペナントの見つけ方

切り下がっている高値の2点を結んだ「下降トレンドライン」を引いたあと、同じ時間軸で切り上がっている安値2点を結んだ「上昇トレンドライン」を引きます。

下降トレンドラインと上昇トレンドラインをチャートの右側へ引き伸ばすと、ペナントが完成します

ここで大切なのは、優勝旗の柄の部分があるかどうかということです。

つまり、柄の部分であるローソク足が下から伸びてきていれば「上昇ペナント」になり、反対に柄の部分が上から伸びてきている下向きの優勝旗であれば、「下降ペナント」となります。

旗の柄がない(トレンドがない)三角形はトレンド途中のペナントではなく、ただの三角保ち合いといいます

ペナントとフラッグの違いとは

ペナントとフラッグの違いについて解説するイメージ

ここからは、ペナントと同じく短中期足のレンジ相場で発生するチャートパターンを2つ紹介します

フラッグ」と「ウェッジ」です。

どちらも日足以下の短中期の時間軸で発生し、トレンド発生後の中段保ち合いで見られます。

レンジの見極めに重要なため、どちらも形と意味合いをマスターしましょう。

まずはペナントとフラッグとの違いから見てみましょう。

フラッグの定義

フラッグはトレンド発生中の調整局面で見られ、高値同士と安値同士を結んだ2本の並行ラインの中に収まります。

ペナントと同じく、フラッグの時間軸も短中期です

高値と安値が一定幅のため、長方形の旗のような形状に見えることから、フラッグと言われています。

ペナントとフラッグの見分け方

ペナントとフラッグには、明確な違いがあります。

ペナントは高値に引いたトレンドラインと安値に引いたトレンドラインの2本を結ぶと、見た目が三角形になりますが、フラッグは高値と安値、それぞれを結んだ2本のトレンドラインにより、見た目が四角形(横長の長方形)となります。

ペナントとウェッジの違いとは

ペナントとウェッジの違いについて解説するイメージ

ウェッジ(wedge)は英語の名詞で、「くさび型」を意味します。

ウェッジはペナントと非常によく似た形ですが、厳密な違いがあります。

ポイントをおさえて見てみましょう。

ウェッジの定義

ここでは上昇ウェッジを用いて説明します。

ウェッジも右向きの三角形に見えますが、高値を結んだトレンドラインと安値を結んだトレンドラインの両方が上昇しており、2本のトレンドラインが双方で上向いています

なおウェッジもペナントと同様、短中期足の時間軸で発生します。

ペナントとウェッジの見分け方

ペナントもウェッジも見た目は三角形に見えます。

見分け方は、右向き三角形の出口が上向いているか、真横に垂直かどうかです。

見た目ではペナントの方がウェッジよりもキレイな二等辺三角形に見えます。

ペナントは三角保ち合いの一部なのか

ペナントは三角保ち合いの一部なのかを解説するイメージ

ペナントと同じくレンジ相場の短中期足で発生する2つのチャートパターン、「フラッグ」と「ウェッジ」を見てきました。

では、ほぼ同義と捉えられがちなペナントと三角保ち合いの違いは何でしょうか?

中にはペナントと三角保ち合いを同じとする記事もありますが、ここでは2つを明確に分けていきます。

両者の違いは、トレンド発生の最中か否かです。

ペナントはトレンドの途中で発生する

ペナントは上昇トレンド(下落トレンド)が発生したあとの中段保ち合いで出現します。

つまり、短中期足で発生するペナントも、上位足から見るとトレンドの一部なのです。

ペナントが確認できた場合、その先も引き続いてトレンドが発生する可能性が高くなります

三角保ち合いは方向感を見失った危険シグナル

一方の三角保ち合いには、優勝旗の柄の部分がありません。

上昇(下落)トレンドが直前になく、上値の切り下げと下値の切り上げがランダムです。

つまり、ペナントではなく三角保ち合いの形状ということは、その後にトレンドが発生する確率が低くなるということです

三角保ち合いは、レンジ相場の中でも次のアクションをもっとも見出しにくいチャートパターンです。

今はチャートが三角保ち合いだなと気づいたら、その時点でエントリーを見送り静観モードに入りましょう。

ペナントを用いた手法とは

ペナントを用いた手法を解説するイメージ

ペナントを用いるとトレンドの再出発点が分かるため、エントリーポイントと損切りポイントの設定が容易になります

ここでは上昇ペナントを用いて説明していきます。

ペナント抜け後のリテスト確認からエントリー

ペナントを抜け勢いをつけて上昇したローソク足でも、売り勢を振り切ることができず、いったん反落します。

上昇ペナントの上限ラインを実体足で抜けたあと、ペナントの上限ラインに引き戻される値動きが生じます。

これがリテストです。

ペナントを一度上抜ける値動きをしたあとのリテストを待ったのち、ふたたびペナントの上限ラインから上へ放たれることを確認し、エントリーします

リテストを待ってからエントリーするため、ポジション保有直後からトレンドに乗ることができ、保有時間が長引き損益がマイナスになるという心理的負担を軽減することができます

ペナント抜けを確認してすぐのエントリー

一方で、リテストを待たずにペナントの上限ラインを抜ける動きを確認したのち、すぐにエントリーするパターンもあります。

この場合、ペナントを上抜けて上昇後に反落するリスクもありますが、ペナントを抜けたあとに押し目を作らずトレンドが走っても、買いの機会を逃さずに済みます

ポジションの保有時間が長引いても心理的負担が生じない場合は、エントリーチャンスを逃さないよう、ペナントを抜けたあとすぐにエントリーをするのがオススメです。

ペナントのダマシに注意するには

ペナントのダマシに注意するにはどうすればいいかを解説するイメージ

ペナントはトレンド発生の再出発点となりますが、一方でダマシも存在します。

そこでペナントのダマシパターンと回避方法を紹介します。

上昇トレンドの場合を想定して見てみましょう。

ペナントを抜けたあとにフラッグになるパターン

ペナントが形成されたあとは、基本的にペナントが形成される前のトレンドと同じ方向へ伸びていきます。

しかしながら、ペナントを上抜けたあとに失速し、上昇トレンドが継続せずペナント内に逆戻りすることがあります。その際、ペナントの上抜けから戻ってきたあと、レンジ相場の形を変えてフラッグに変化することがあります。

トレンドに再度入ると見せかけたダマシで、つまりはレンジ相場の長期化です。

この場合、ペナントの直近安値にタッチした時点で損切りをするのが賢明です。

フラッグを上抜ける値動きが確認できたら、慌てず再度チャレンジしましょう。

ペナントを抜けたあとに下降トレンドに入るパターン

上昇トレンドの途中に発生したペナントでも、買い圧力が高まらず、一瞬の上抜け後にペナントを反対方向へ下抜ける場合があります。

上昇ペナントを下抜けた場合、自分が監視している時間足の安値①を下抜けると、上昇トレンド終了のサインとなります。

この場合は、ペナントから完全に抜け切り次のトレンドへ向かうエネルギーが切れています。

この時点で上昇トレンドの終了と捉え、安値①を下回った時点で損切りをしましょう。

SLを浅めに設定する

ペナントはチャートが右側へ進むにつれて値幅を縮小していき、エネルギーをより一層貯め込んでいきます。

その分、ペナント抜け後のローソク足はペナント形成前のトレンド方向と同じ向きへ伸びやすくなります。

もし自分が想定しているトレンドの進行方向と逆に進んだならば、それはダマシの合図です。

少しでも方向が「違うな」と感じた場合、ペナントから外れた時点で、安値更新を待たずにストップロス(SL)を発動させることで、損失幅を縮小できます

SLをタイトに設定し、次のエントリーに向けて準備をするのも、ひとつの戦略です。

ペナントと相性のいいインジケーターとは

ペナントと相性のいいインジケーターを解説するイメージ

トレンド相場の中段保ち合いで発生するペナントですが、ペナント抜けを見極めるインジケーターを使うことで、次のトレンドに乗りやすくなります。

ここからは実際のチャートでペナントをより活用しやすくするインジケーターについて紹介していきます。

今回はペナントと相性のいい、人気オシレーターのボリンジャーバンドについて説明します。

ペナントにボリンジャーバンドを重ねて精度を高める

ボリンジャーバンドは1本の移動平均線(MA)と、MAを挟んだ上下2本ずつの計5本の線からなるオシレーターで、相場の強弱を判断するインジケーターの1つです。

バンドが広がっていれば「トレンド相場」で、バンドが収縮していれば「レンジ相場」と見なされます。

ローソク足がバンド内に収まる確率は、以下とされています。

ボリンジャーバンドの±2σに収まる確率は、95.4%
ボリンジャーバンドの±3σに収まる確率は、99.7%

つまり、レンジ相場に発生するペナントとレンジ相場を見極めるボリンジャーバンドの両方を使うことで、「現在は取引していい相場か否か」の判断確度が高まります。

ボリンジャーバンドを重ねることで、ペナントの習熟度合いを測ることができ、次のトレンドへふたたび向かうポイントを導きやすくなります

ペナントとボリンジャーバンドを使ったチャートの読み方

ボリンジャーバンドは、5本の線からなるバンドが収縮し中央に集まっている時、次のトレンド発生のシグナルとなります。

  1.  ボリンジャーバンドのすべての線が収縮(スクイーズ)している部分をみつける
  2.  ボリンジャーバンドが収縮している箇所でのペナントをみつける
  3.  ペナントがボリンジャーバンド上で±2σにタッチしたことを確認する

上記3点を確認し、次のトレンド発生を待ちます。

短中期足でペナントが発生したと同時にボリンジャーバンドでの収縮が見られた時点で、エントリー時期の精査に入りましょう。

ポイントは、ボリンジャーバンドのいちばん外側である±3σが収縮後にふたたび拡大(エクスパンション)し始めた時が、エントリータイミングが近づいているサインです

ペナントをMT4で検出するインジケーター

ペナントをMT4で検出するインジケーターについて解説するイメージ

ペナントと相性のいいオシレーターを紹介しましたが、チャート上でペナントの検出が容易になれば、ラインブレイクを狙っての損小利大トレードができるようになります。

ここではオシレーターに加えて、MT4でペナントを検出できるインジケーターを紹介します。

ペナントを自動検出する【flag_and_pennant】

【flag_and_pennant】をMT4へインストールすると、チャート上でフラッグとペナントを自動で検出してくれます。

チャート上ではフラッグが青色、ペナントが緑色で表示されるようになります

上昇トレンドの最中にあるペナントを見つけたら上限ラインのブレイクで、下降トレンドの最中にあるペナントでは、下限ラインのブレイクでエントリーしましょう。

【flag_and_pennant】のインストール方法

  1. 【flag_and_pennant】をダウンロードする
  2.  ダウンロードしたzipファイルを解凍する
  3.  MT4を起動し、「ファイル」タブから「データフォルダを開く」をクリック
  4. 「MQL4」フォルダから「indicators」フォルダを開く
  5.  解凍した「flag_and_pennant」をコピーし、「indicators」フォルダにペーストするリスト

ペースト後、MT4を一度閉じ再度ひらくと、「flag_and_pennant」のインストールが完了します。

あとは「表示」タブから「ナビゲーター」を開き、「flag_and_pennant」をチャート上へドラッグ&ドロップしましょう。

インストールは無料なので、【flag_and_pennant】と検索して探してみてください。

まとめ

記事をまとめるイメージ

ペナントの形状から探し方、エントリーポイントや相性のいいインジケーターについて解説しました。

ペナントは基本、トレンド発生後のレンジ相場の短中期足で発生します

全世界中のトレーダーが共通で認識している形状で、上昇勢と下降勢の勢力バトルが繰り広げられる場所がペナントです。

ペナントを使うことでエントリーポイントが絞られ明確になり、ムダなエントリーを軽減できます。

チャート上でペナントを見つけて、ぜひレンジブレイクトレードをマスターしましょう。

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この記事を書いた人

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