MT5詐欺にはどんなものがある?
マッチングアプリでMT5の勧誘をされたけど、詐欺?
SNSやマッチングアプリをやっていて、知らないアカウントからFXの勧誘を受けたことがある人もいるのではないでしょうか。
結論から言って、知らない人からFXや投資を勧誘された場合は、ほとんどが詐欺であると考えてよいでしょう。
ここでは、MT5に関連した詐欺手口を、実際の事例と共に解説していきます。
- MT5公式を名乗るLINEアカウントによる詐欺
- マッチングアプリやSNSでMT5口座の開設を勧めてくる詐欺
- グループLINEで海外FX業者でのMT5口座の開設を勧めてくる詐欺
- MT5での暗号資産投資を勧めてくる詐欺
- MT5でのゴールドの取引を勧めてくる詐欺
- MT5詐欺の対処法
MT5詐欺の手口はある程度パターン化されているので、本記事で紹介した手口を理解しておくことで、MT5詐欺の予防策となります。
MT5公式を名乗るLINEアカウントによる詐欺
最初に紹介するのは、MT5の公式カスタマーサービスを名乗るLINEアカウントによるMT5詐欺です。
このMT5詐欺の特徴は、ありもしないMT5のカスタマーサービスを装っている点です。
MT5はメタクオーツ社が開発した取引プラットフォームですが、注文の発注を行うことはできても、入出金の管理システムやカスタマーサービスは存在しません。
MT5に関する十分な知識を持っていない、FX初心者や未経験者は、MT5が顧客の口座管理を行っていると勘違いし、MT5の公式LINEを装った詐欺師の指示に従ってしまいます。
ここでは、MT5のカスタマーサービスを装ったLINEアカウントによる詐欺事例を紹介します。
- 所得税の前払いを指示されたケース
- 口座凍結解除のために保証金の支払いを指示されたケース①
- 口座凍結解除のために保証金の支払いを指示されたケース②
所得税の前払いを指示されたケース
今MT5に出金しょうと連絡しました。
入金口座も連絡したら、440万円から100万円引き出すと残高の18パアセントの872630円の税金MT5の口座入金して下さいと言われました。もう、聞いただけ今週中に入金しなければ、なら無いと、いわれました。お金が無いから引出そうと思ったのですが、どうしたら良いか分かりません。教えて下さい!
Yahoo!知恵袋
以上は、MT5のカスタマーサービスを装った詐欺師が、FXの利益に発生する所得税額を入金するように、指示しているケースです。
そもそもFXには源泉徴収口座が存在しないので、FX業者が顧客の代わりに納税することはあり得ません。
FXに発生した所得税は、自身で確定申告を行い、自身で納税するものです。
口座凍結解除のために保証金の支払いを指示されたケース①
MT5で取引をしていたらこのようなLINEが送られてきて口座を凍結されました。総資金の10%を3日以内に入金しないと口座がデフォルトになると言われました。自分ではどうする事も出来ません。すみませんがアドバイスお願いします。
Yahoo!知恵袋
以上は、MT5のカスタマーサービスを装った詐欺師が、口座凍結を解除するために「保証金」の入金を指示しているケースです。
そもそも、トレーダーはMT5の運営元であるメタクオーツ社に口座を開いているのではなく、MT5を扱っているFX業者で口座開設をしています。
トレーダーの口座を凍結することができるのは、口座開設先のFX業者であり、メタクオーツ社にはトレーダーの口座を勝手に凍結させる権利はありません。
口座凍結解除のために保証金の支払いを指示されたケース②
以上は、「MT5-001」という名称でMT5の公式LINEを装っている詐欺師が、口座凍結を解除する代わりに「保証金」の入金を求めているケースです。
ひとつ前のケースのように、口座凍結の理由をでっち上げてトレーダーを騙すこともありますが、このケースでは頑なに口座凍結の理由を説明していません。
口座凍結や出金拒否がされるのには、必ず説明できる根拠があるので、FX業者側が口座凍結の理由を隠している場合は、MT5詐欺を疑いましょう。
マッチングアプリやSNSでMT5口座の開設を勧めてくる詐欺
次に紹介するのは、マッチングアプリやSNSを介して出会った相手によるMT5詐欺です。
このMT5詐欺の特徴は、詐欺師が美形な台湾系や中国系の外国人を装うことが多い点です。
自称外国人詐欺師は、たわいもない会話の中で結婚願望があることを伝えてきたり、情熱的な言葉で相手の油断を誘います。
これは「国際ロマンス詐欺」として近年警告され始めた詐欺の一種であり、恋愛関係を悪用して資金をだまし取る、悪質な特殊詐欺です。
多くの場合、知り合った相手との連絡が取れるのは最初だけであり、口座を開設してしまった後には、徐々に連絡が取れなくなります。
ここでは、アジア系の外国人を装ったMT5詐欺の事例を紹介します。
- マッチングアプリで知り合った自称外国人経営者からMT5口座開設の勧誘を受けたケース
- Instagramで知り合ったシンガポール人からMT5口座開設の勧誘を受けたケース
- Facebookで知り合った台湾在住美女からMT5口座開設の勧誘を受けたケース
マッチングアプリで知り合った自称外国人経営者からMT5口座開設の勧誘を受けたケース
マッチングアプリで自称外国人経営者という男性と出会った。
男性より、アプリを退会するので、無料会話アプリでやり取りしようと誘われたので応じた。二人の将来のため、紹介する投資サイトで投資するよう何日か説得され続け、断り切れず投資した。
少額を投資したところ利益が出て出金できた。元金が多ければもうけも多いと説得され、銀行や消費者金融から借り入れ投資した。
出金しようとしたところ、保証金を支払う必要があると言われ、出金できず、男性とも連絡が途絶えた。
越境消費者センター
以上は、マッチングアプリで出会った自称外国人経営者が、勧めてきた投資サイトで「保証金」の支払いを指示されたケースです。
国際ロマンス詐欺をはたらく詐欺師は、マッチングアプリ内では堂々と投資の勧誘をすることができないため、LINEなどの運営からの監視がないアプリに移動することが多いです。
最初は少額の投資から始めさせ、成功体験を積ませてから、高額の入金をもとめるのは、MT5詐欺の常套手段です。
Instagramで知り合ったシンガポール人からMT5口座開設の勧誘を受けたケース
以上2件は、Instagramで知り合ったアジア系の外国人からMT5口座の開設を勧められたケースです。
どちらのケースにも共通するのは、InstagramのDM(ダイレクトメッセージ)からLINEへ移行した後に、本格的な投資の勧誘を受けている点です。
国際ロマンス詐欺では、美男美女の写真で誘惑するだけでなく、立派な肩書や豊かな生活をアピールすることで、MT5口座を開設するように勧誘しています。
Facebookで知り合った台湾在住美女からMT5口座開設の勧誘を受けたケース
以上は、台湾在住美女からFacebookの友達申請が届き、そのまま特定のFX業者のMT5口座を開設するように勧誘しているケースです。
ツイートにもあるように、一見本物のMT5の取引画面の画像を送信してくるので、投資経験のある人でも信じ込んでしまいます。
しかし、MT5の取引画面を偽装するのは簡単で、取引履歴を儲かっているように見せることもできます。
グループLINEで海外FX業者でのMT5口座の開設を勧めてくる詐欺
次に紹介するのは、LINEグループに招待されることによるMT5詐欺です。
このMT5詐欺の特徴は、LINEグループの中に詐欺師側のサクラが紛れ込んでおり、集団でMT5口座を開設させようとしてくる点です。
多くの場合、マッチングアプリやSNSで知り合った人がLINEグループに招待し、グループ内では「先生」や「師匠」と呼ばれる人物が、投資やFXの指導を行っています。
「先生」や「師匠」による指導の内容は、貧相なものであることがほとんどです。
LINEグループには、MT5口座を開設する海外FX業者のURLが掲載されますが、指定されたURLは詐欺業者へのリンクとなっていることが多いです。
また、LINEグループに参加している人は、MT5口座を開設したことや入金を行ったことを証明するために、写真を添付することを求められることもあります。
ここでは、グループLINEで行われるMT5詐欺の事例を紹介します。
LINEグループで架空の海外FX業者に入金させるケース
以上は、LINEの投資グループ内で、AskyoloというFX業者のMT5口座の開設を指示されたケースです。
このケースでは、FX業者の「投資顧問」を名乗る人物が登場しており、MT5口座開設の支援や投資のアドバイスを行っているようです。
正常なFX業者であれば、LINEグループ内で口座開設の案内をするのはあり得ないです。
また、ある程度利益が出た後に出金申請をすると、「この程度で利益を出金するのは甘い」と言われてしまい、出金拒否されてしまうとも報告しています。
このようなケースで紹介されるFX業者は、日本の金融庁から認可されていない海外FX業者であることがほとんどです。
海外FX業者は日本の金融ライセンスによって規制されていないため、国内FX業者に比べて詐欺にあうリスクが高いです。
MT5での暗号資産投資を勧めてくる詐欺
次に紹介するのは、MT5での暗号資産投資の勧誘を行う詐欺です。
MT5での暗号資産詐欺の具体的な手口は以下の通りです。
- マッチングアプリやSNSで知り合う
- LINEへ移行して、暗号資産投資の勧誘をされる
- 資金を暗号資産化して、指定された口座に送金する
- 紹介された偽業者でMT5口座を開設する
- MT5に偽装された取引状況が表示され、利益が出ていると誤認させられる
- 出金や口座維持のための手数料を請求される
- 連絡が取れなくなり、すべての資金を持ち逃げされる
以上のように、MT5での暗号資産の運用がうまくいっているように見せかけて、様々な手数料をだまし取る詐欺手口のことを、「豚殺し」といいます。
口座資金を太らせておきながら、最終的に屠殺(資金を奪い取る)様子に由来しています。
昨今はこのようなMT4/MT5を介した暗号資産詐欺が多発しており、この状況を受けて2022年9月24日にApple社のApp Storeから、MT4/MT5が削除されました。
詳しくは以下の記事で解説しています。
ここでは、暗号資産に関連したMT5詐欺の事例を紹介します。
- 国内の取引所に送金しようとしたら保証金の支払いを指示されたケース
- 取引口座に暗号資産が振り込まれて手数料を請求されるケース
国内の取引所に送金しようとしたら保証金の支払いを指示されたケース
マッチングアプリで知り合った自称外国人女性と、無料会話アプリでやり取りしていると、海外の暗号資産(仮想通貨)の取引所で投資をするように勧誘された。
勧められたアプリで指示どおり投資したところ利益が出たので、アプリから資金を国内の暗号資産交換業者に送付しようとしたら、アプリの運営事業者から「保証金を支払う必要がある」と連絡があった。
さらに「手数料」等の名目で次々に費用を請求されている。一部支払ったが、結局アプリ内の資金を出金できなかった。どうしたらよいか。
国民生活センター
以上は、マッチングアプリで知り合った自称外国人女性から、暗号資産の投資を勧誘されたケースです。
このケースは、偽の取引所でMT5口座を開設させ、MT5の表示自体を詐欺師側で操作することで、利益が出ていると思わせる「豚殺し」の手口です。
FXのMT5詐欺と同じく、MT5口座で利益が増えてきたところで「保証金」や「手数料」を請求され、最終的に出金拒否されてしまっています。
取引口座に暗号資産が振り込まれて手数料を請求されるケース
マッチングアプリで知り合った女性だと言う人物から、暗号資産(仮想通貨)の売買で資産を増やせると誘われ、海外の取引サイトに登録し口座を開設した。
女性から私の口座に暗号資産が振り込まれ、預かってほしいと言われた。
暗号資産の引き出し等を行うには、約75万円の暗号資産を支払う必要があるが、のちに返金すると言われたので、送金したところ、サイトから、受領のメールと72時間以内に返金するとの通知が届いたが、返金されない。
国民生活センター
以上は、海外の暗号資産取引サイトで口座登録をした結果、勝手に暗号資産が振り込まれ、手数料を取られてしまったケースです。
一時的に自分の口座に暗号資産が振り込まれることで、マッチングアプリで知り合った相手が自分に協力してくれていると錯覚し、詐欺を疑いにくくなります。
実際には、暗号資産取引サイト自体が偽サイトなので、暗号資産が口座に振り込まれたように偽装されているだけです。
これ以降は「豚殺し」の手口と同様です。
多くの人は、MT5口座の資金が実際に増えていると感じてしまうため、ある程度高額の出金手数料を請求されても、喜んで支払ってしまいます。
MT5でのゴールドの取引を勧めてくる詐欺
最後に紹介するのは、MT5でゴールドの投資を勧めてくる詐欺です。
MT5ではFX、暗号資産以外にも、ゴールドを含めた商品のCFD取引も可能です。
昨今、世界中の経済が不安定な状態にあることから、安全資産であるゴールドが注目されています。
「有事の金」という言葉もあります。
また、以上のXAU/USD(ゴールド/米ドル)の週足チャートから見てもわかるように、ゴールドは長期的に上昇トレンドを築いており、取引の方向性が比較的読みやすいです。
このような理由から、MT5詐欺の材料としてゴールドの取引は利用されやすいと考えられます。
ここでは、ゴールドに関連したMT5詐欺の事例を紹介していきます。
MT5でのゴールドCFDを勧めてくるケース
以上2件は、MT5におけるゴールドの取引を勧めてくる国際ロマンス詐欺を報告したものです。
「ゴールドの取引の仕方を教えるので、MT5口座を開設してほしい」といった誘い文句は、MT5詐欺によくある手口です。
また、知り合った相手が取引に詳しくなくても、「知人や身内に取引が得意な人がいる」という理由でMT5口座の開設を促してくる詐欺師もいるので注意しましょう。
MT5詐欺の対処法
では、MT5詐欺の勧誘に引っかかり、被害にあってしまった場合にはどうすれば良いのでしょうか。
MT5詐欺の被害にあった場合には、弁護士への相談を最優先しましょう。
特に、FXや投資詐欺の分野に強い弁護士に相談することで、奪われた資金が返還される可能性が高くなります。
弁護士に依頼する際は依頼料がかかりますが、少しでも負担を減らしたい場合は、少額訴訟や集団訴訟を検討するようにしましょう。
弁護士に相談する以外に、警察に被害届を出すという手段が考えられますが、被害届が受理される可能性はかなり低いです。
なぜなら、MT5詐欺は詐欺罪として立件するのが難しく、当事者間の民事上のトラブルとして解釈されることが多いからです。
MT5詐欺にあった場合の対処法をより詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。
まとめ
ここまで、MT5詐欺の勧誘の手口について解説してきました。
この記事のポイントは以下の通りです。
- MT5を名乗る公式LINEには注意
- マッチングアプリやSNSでMT5を勧めてくる場合は注意
- グループLINEで海外FX業者を勧められた場合は注意
- MT5での暗号資産やゴールドの取引を勧められた場合には注意
WikiFXでは安全性に優れた国内FX業者の利用をオススメしています。
コメント コメント 0