みなさんは「NYカットオプション」という単語を目にしたことがありますか?
FXのNYカットオプションとは、
アメリカのニューヨーク市場におけるオプション権利行使時間の締め切り時間のことです。
オプション取引をしない方でも「NYカットオプション」について理解しておくことでトレードを有利に進めることができます。
そもそもFXのオプション取引とはなにかいまいちわからない
NYカットオプションをどうやったらうまく活用できるの?
このような疑問をお持ちの方のために、今回は、NYカットオプションの基礎的な知識から活用方法・注意点などについて徹底解説していこうと思います。
興味のある方はぜひ参考にしてくださいね。
そもそもFXのオプション取引とは?
FXのオプション取引とは、取引における「買う権利」「売る権利」を取引する手法のことを指します。
日時、通貨、価格といった条件をあらかじめ決めておき、将来その条件で取引する権利を先に買ったり売ったりします。
通常のFX取引では、売買したいタイミングがあるのなら、チャートに張り付いてそのタイミングを待つ必要がありますよね。
オプション取引なら、チャート画面に張り付いて一日中トレンドを観察する必要はありません。
為替市場の動向が気になって他のことに手がつけられない…!
なんてこともあり得ないので、余裕を持って取引できるというのがオプション取引の魅力です。
FXのオプション取引における「買い」とは?
FXのオプション取引では「買い」という行為を行いたい場合には、「コールオプション(買う権利)」または「プットオプション(売る権利)」を購入することになります。
FXのオプション取引における「買い」を行う時の流れとしては、以下のようなものになります。
- FXのオプション取引では「買い」という行為を行いたい場合には、「コールオプション(買う権利)」または「プットオプション(売る権利)」を購入
- 満期日に原資産の価格が権利行使価格に達していた場合には、その権利を行使することができる
オプション取引は直接通貨を売買するというよりも、通貨を売買する権利を事前に購入するというイメージです。
FXのオプション取引における「売り」とは?
FXのオプション取引では「売り」という行為を行いたい場合には、「コールオプション(買う権利)」または「プットオプション(売る権利)」を売却することになります。
FXのオプション取引における「売り」を行う時の流れとしては、以下のようなものになります。
- オプションの買い手は、「プレミアム」を支払って、売り手からコールオプションを購入
- 満期日に原資産の価格が権利行使価格に達していた場合には、買い手の権利行使に応ずる義務を負う
コールオプションとプットオプションの売買をまとめると以下のようになります。
種類 | プレミアム | 権利行使時の取引内容 | 損益 |
---|---|---|---|
コールオプション | 支払 | 「買う権利」を買う | 利益:レートが伸びた分 損失:プレミアムの金額分 |
コールオプション | 受取 | 「買う権利」を売る | 利益:プレミアムの金額分 損失:レートが伸びた分 |
プットオプション | 支払 | 「売る権利」を買う | 利益:レートが伸びた分 損失:プレミアムの金額分 |
プットオプション | 受取 | 「売る権利」を売る | 利益:プレミアムの金額分 損失:レートが伸びた分 |
オプション取引は少しややこしいですが、理解すれば取引の幅も広がるので、何度も読み返して理解してくださいね。
オプション取引を理解する上で抑えておきたい基礎用語
オプション取引では、今までみたことのない専門的な用語がたくさん登場します。
オプション取引を理解する上で抑えておきたい基礎用語について確認しておきましょう。
コールオプション
ある特定の期日に・ある特定の通貨を・ある特定の価格(レート)で「買う権利」のこと。
プットオプション
ある特定の期日に・ある特定の通貨を・ある特定の価格(レート)で「売る権利」のこと。
プレミアム
「買う権利」「売る権利」を購入する価格のこと。
「オプション料」「オプション価格」とも呼ばれ、買い方はオプションを支払い、売り方はオプションを受け取ることになります。
原資産
オプションの権利を発動する時に、特定の価格(レート)で通貨を売買する際に対象となる資産のこと。
満期日
オプションの権利行使が可能となる期日のこと。
「権利行使期日」ともよばれます。
満期日になり、権利行使条件を満たしている時には、オプションの買い方がその権利を発動することができ、一方でオプションの売り方は、買い方が権利を発動した際、それに応じる義務が課されます。
権利行使価格
満期日に売買を行う際の、あらかじめ定めてある価格のこと。
FXのNYカットオプションの意味とは
FXのNYカットオプションとは、アメリカのニューヨーク市場におけるオプション権利行使時間の締め切り時間のことです。
先ほど説明しましたとおり、オプション取引では、通貨を売買する権利をあらかじめ購入したり売却したりします。
その「通貨オプション」の権利行使のニューヨーク市場における最終的な締め切り時間がNYカットオプションというわけです。
ニューヨーク市場は最も取引通貨量の多い市場と言われており、たとえオプション取引をしていないとしても、FXのNYカットオプションには注意しておかなくてはなりません。
FXのNYカットオプションの時間
FXのNYカットオプションの時間は日本時間で以下の時間となっています。
- 夏時間:23:00
- 冬時間:24:00
少しややこしいですが、ニューヨーク市場では、3月第2日曜日から11月第1日曜日が夏時間、11月第1日曜日から3月第2日曜日が冬時間という風に期間が区切られています。
サマータイムが導入により、夏時間では冬時間よりも時刻が1時間早まります。
NYカットオプションの特徴
それでは、NYカットオプションの特徴についてみてきましょう。
NYカットオプションの特徴としては、主に以下の2つがあげられます。
- 為替レートの変動幅が大きくなる
- 通貨オプションで設定された価格に近づきやすい
それぞれ順番に見ていきましょう。
為替レートの変動幅が大きくなる
NYカットオプションの特徴1つ目は、為替レートの変動幅が大きくなるということです。
NYカットオプションでは、大手企業や証券会社などの機関投資家が大量に取引を行います。
そのため、必然的に為替レートの変動幅は大きくなるのです。
投資ファンドや銀行などもカットオフに取引を行う傾向が強く、そのことも為替レートの変動幅が大きくなることに影響しています。
通貨オプションで設定された価格に近づきやすい
NYカットオプションの特徴2つ目は、通貨オプションで設定された価格に近づきやすいということです。
NYカットオプションでは、権利を買った側と売った側の両方から注文が入り乱れます。
そのため、為替レートは通貨オプションで設定された価格に徐々に近づいていくのです。
FXでのNYカットオプション活用方法
次に、FXでのNYカットオプション活用方法について見ていきましょう。
FXでのNYカットオプション活用方法は主に以下の2つとなります。
- 売買比率を見計らってエントリー
- 方向性が決まった時にトレンドに乗る
こちらについても順番い詳しく見ていきましょう。
売買比率を見計らってエントリー
FXでのNYカットオプション活用方法1つ目は、売買比率を見計らってエントリーということです。
NYカットオプションでは、通貨オプションで買っている側は「買った価格より高い価格で売りたい」と考え、証券会社や銀行は「買われた価格より安く売りたい」という心理が働きます。
この時、トレンドを自分の有利な方向に持って行くために売買の攻防を行う「防衛売り」という現象が起こります。
NYカットオプションでは、防衛売りなどでチャートの値動きが激しくなるため、他のトレーダーの取引から売買比率を計算し、タイミングを見計らってエントリーを行うというのが効果的となるでしょう。
売買比率を分析することで他のトレーダーがどのように思っているかも見えてくるので、より分析がしやすくなります。
方向性が決まった時にトレンドに乗る
FXでのNYカットオプション活用方法2つ目は、方向性が決まった時にトレンドに乗るということです。
これは、NYカットオプションが終わったあとになりますが、NYカットオプションが終わった後のトレンドにうまく乗れれば利益を伸ばすことができます。
NYカットオプション後はオプションの調整のため、トレンド転換が起こった後にトレンドの方向性に勢いがつきやすく、利益も伸ばしやすい傾向にあります。
ただし、裏を返せば予想が外れると損失が増えやすいということにもなるので、リスク管理を徹底することを忘れてはいけません。
FXでNYカットオプションを活用する時の注意点
それでは最後に、FXでNYカットオプションを活用する時の注意点について確認しておきましょう。
FXでNYカットオプションを活用する時の注意点は以下の3つとなります。
- 相場の動きが複雑なので安易にポジションを持たない
- 特定の価格に必ず近づくとは限らない
- 方向性がないまま終わる可能性がある
どれもNYカットオプションを活用する時に必ず覚えておいて欲しいことなので、必ず確認してくださいね。
それでは順番に解説していきます。
相場の動きが複雑なので安易にポジションを持たない
FXでNYカットオプションを活用する時の注意点1つ目は、相場の動きが複雑なので安易にポジションを持たないということです。
先ほどから何度も説明しているように、NYカットオプションでは売りと買いが入り乱れます。
そのため、相場の動きが平常時に比べてかなり複雑なものとなり、相場を読み切るのが困難なシュチュエーションも珍しくありません。
また、大手企業や証券会社などの機関投資家が大量に取引を行うこともあり、場合によっては相場が大きく一方向に動いてしまうこともあります。
十分な根拠がないまま安易にポジションを持ってしまうと、必ず痛い目を見ることになるので絶対にやめましょう。
特定の価格に必ず近づくとは限らない
FXでNYカットオプションを活用する時の注意点2つ目は、特定の価格に必ず近づくとは限らないということです。
先ほどNYカットオプションの特徴として、「通貨オプションで設定された価格に近づきやすい」ということを説明しましたが、これはあくまでも可能性の1つにすぎません。
市場では、たくさんの人の思惑や、経済指標などのファンダメンタルズ的な要素が複雑に影響し合っています。
特定の価格に必ず近づくとは限りませんので、リスク管理は必ずしておきましょう。
方向性がないまま終わる可能性がある
FXでNYカットオプションを活用する時の注意点3つ目は、方向性がないまま終わる可能性があるということです。
NYカットオプションでは、必ず方向性が出て終わるというわけではなく、売りと買いが入り乱れた結果、レンジ相場のまま終呂するという可能性も考えられます。
方向性が定まっていない時に、無理にポジションを持つと危険なので、一度ポジション保有を見送るほうが賢明でしょう。
FXでNYオプションカットを上手に活用しよう!
いかがだったでしょうか?
今回は、NYカットオプションの基礎的な知識から活用方法・注意点などについて徹底解説していきました。
FXを始めたばかりの方にとってはNYカットオプションを利用することは難しいかもしれませんが、知っておくことでリスクを回避することができます。
また、FXトレードに慣れてきた方は、NYカットオプションを上手に活用することで、利益を伸ばすこともできるでしょう。
ぜひこの機会に、NYカットオプションについての理解を深め、今後のトレードに活用していってくださいね。
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