FXのゴールデンクロスとは?勝てる鉄板手法をプロが解説!

FX初心者でも使いやすい手法が知りたい

シンプルな手法で利益を上げたい

FXで使われるインジケーターやテクニカル指標は非常に多く、相場の方向性を示すものからエントリータイミングを示すものまで様々です。

習得難易度が難しいものや基準がはっきりしないものも多く、実際のトレードでは非常に使いにくいものも。

そこで今回の記事では、初心者でも見分けやすく習得難易度も易しいゴールデンクロスについて解説していきます。

実際にゴールデンクロスをメインにしたトレード例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

ゴールデンクロスを活用した手法で稼ぎ続けているプロトレーダーもいるので、ゴールデンクロスをマスターし勝ちトレーダーに1歩近づきましょう。

目次

ゴールデンクロスとは

ゴールデンクロスについて解説するイメージ

ゴールデンクロスは主に移動平均線で用いられるテクニカル指標で、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上抜ける現象を指します。

短期の移動平均線が長期の移動平均線を上抜けるチャートイメージ

この現象が確認されるとその後相場が上昇傾向になる可能性が高く、ゴールデンクロスをサインにロングエントリーをするという使い方が可能です。

移動平均線はFX通貨ペアだけでなく株やエネルギー商品などでも活用されているため、ゴールデンクロスも投資全般で使われる機会の多いテクニカル指標として知られています。

ただし、ゴールデンクロスが発生したからといって絶対上昇するわけではないため、ロウソク足の形などと合わせた総合的な判断が必須です。

ゴールデンクロスが発生しやすいタイミングには以下のような場面が挙げられます。

  • 下降トレンドが強いサポートラインに跳ね返されるタイミング
  • 上昇トレンドの押し目が終了するタイミング

下降トレンドで下落した価格が強いサポートラインにタッチすると、反転して上昇トレンドになるケースがあります。

下降トレンドで下落した価格が強いサポートラインにタッチしてトレンドが返還するチャートイメージ

上昇の勢いが強い兆しを見せるとゴールデンクロスが発生するため、その後の強い上昇を見越してロングで追いかけられるでしょう。

また上昇トレンドの押し目が終了するタイミングでも、上昇が始まると移動平均線が上を向きゴールデンクロスを形成しやすくなります。

上昇トレンドの押し目が終了するタイミングのチャートイメージ

これを瞬時に見つけてトレンド継続に乗るのも可能で、ゴールデンクロスは上昇トレンドをいち早く見つけ大きな利益を得やすいテクニカル指標です。

ここで紹介した2つのパターンを見るとわかりますが、ゴールデンクロスは実際の値動きよりも若干遅れて発生するので注意が必要です。

デッドクロスとは

デッドクロスはゴールデンクロスの逆で、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下抜ける現象を指します。

デットクロスのチャートイメージ

デッドクロスが発生すると相場が下落する傾向にあり、多くのトレーダーはゴールデンクロスとデッドクロスをセットで頭の片隅に置いてチャートをチェックしています。

主にデッドクロスが発生しやすいのは、ゴールデンクロス発生場面とは逆に以下のような場面です。

  • 強いレジスタンスラインに跳ね返されるライン
  • 下降トレンドの調整終了時

強いレジスタンスラインに跳ね返されるのは上昇トレンドが終了する場面であるケースが多く、デッドクロスを用いれば跳ね返りからの下降トレンド形成を判断しやすくなります。

上昇トレンドが終了する場面でデットクロスが発生するイメージ

そのほかにも、下降トレンドの調整が終わり再び下落が始まった段階でデッドクロスが見られるので、トレンド再開にうまく乗るチャンスになるでしょう。

下降トレンドの調整が終わり再び下落が始まった段階でデッドクロスするイメージ

こうして見てみると、出現条件やその後の動きまで含めてゴールデンクロスと全く逆なんですね。

ゴールデンクロスが発生するインジケーター

ゴールデンクロスが発生するインジケーターを解説するイメージ

ゴールデンクロスが発生するインジケーターは大きく分けて以下の3つです。

様々なタイプのゴールデンクロスを紹介するので、どれが自分に合うか試してみてください。

移動平均線

移動平均線はゴールデンクロスに使われる機会が最も多いインジケーターです。

移動平均線は期間内のロウソク足の平均値を計算し線で繋げているインジケーターなので、短期移動平均線が中期移動平均線を上抜けるのは「直近の値動きが長期的な値動きに比べて上昇傾向にある」ということを示します。

移動平均線のチャートイメージ

価格推移が直接的に反映されているインジケーターだからこそ、値動きの勢いを反映しやすいんですね。

そのため、大きなトレンドをに途中からでも乗りたいのであれば「中期移動平均線が長期移動平均線を上抜けるタイミング」など、移動平均線の期間を変えて運用するのもいいでしょう。

一般的に移動平均線は以下の期間設定が用いられており、それにより短期・中期・長期で分けられています。

短期移動平均線中期移動平均線長期移動平均線
・5(1週間の営業日)
・20(1ヶ月の営業日)
・25
・50
・75
・100
・200

加えてゴールデンクロスを測るための移動平均線は以下の組み合わせがおすすめです。

移動平均線の組み合わせ特徴
5MAと20MA・出現する頻度が多い
・細かい上昇も捉えやすい
・上昇トレンドの初動を捉えやすい
・ダマシが多いため注意が必要
20MAと50MA・出現する頻度は十分
・上昇の初動を取りにくいがダマシが比較的少ない
50MAと200MA・発生する頻度がかなり少ない
・信頼性が高くダマシが少ない
・大きな上昇を取りやすい

設定する期間によってゴールデンクロスの信頼性や頻度が全く異なるので、希望するトレード頻度や他のサインとの連携性を加味した期間設定が必要です。

MACD

MACDとは短期と中期の移動平均線を用いて、売りと買いのどちらに相場が動いていくかを判断するオシレーターです。

MACDのチャートイメージ

MACDを構成する要素は3つあり、それぞれの内容を理解しておくと使いやすいでしょう。

  • 短期のEMA(9もしくは12の設定)
  • 中期EMA(26の設定)
  • ヒストグラム(短期EMAと中期EMAの差を表したシグナル)

MACDは、2つのEMAが形成するゴールデンクロスやデッドクロスも有効ですが、加えて2つの移動平均線が0よりも上なら上昇トレンド継続を示唆、0より下なら下降トレンド継続を示す性質もあります。

MACDが上昇トレンドと下降トレンドを示すイメージ

トレンド継続まで表現してくれるので、通常の移動平均線よりも得られる情報は多いですね。

また、MACDに使用されているのはEMAという直近の価格推移を重視した移動平均線なので、一般的によく使われるSMAよりも早い段階でゴールデンクロスが発生します。

SMAよりもMACDの方が早くゴールデンクロスが発生するイメージ

ただしその分ダマシも多くなる傾向があるので、慎重な運用が必要です。

特に1分足や5分足の短期足スキャルピングではダマシが発生しやすいので、15分足以上で確認するようにしましょう。

ストキャスティクス

ストキャスティクスは日本語で「推計統計学」とも呼ばれ、「期間内の最高安値から今の価格が高いのか低いのか」という相場の過熱感を表すオシレーターです。

ストキャスティクスのチャートイメージ

チャートが上昇すると相場が過熱状態にあると判断されストキャスティクスが上昇し、逆にチャートが下落するとストキャスティクスも下降していきます。

またストキャスティクスには買われすぎゾーン(80%〜100%)と売られすぎゾーン(20%〜0%)もあり、買われすぎゾーンでのデッドクロスと売られすぎラインでのゴールデンクロスは強い売買シグナルとなります。

ゾーンが設定されている分、移動平均線よりも正確な判断ができますね。

加えてストキャスティクスは移動平均線とは違い相場の過熱感を計算式で表現したものなので、根拠が違う移動平均線と同時にゴールデンクロスが発生すればより強い売買サインになるでしょう。

ゴールデンクロスをサインに使うメリット

ゴールデンクロスをサインに使うメリットを解説するイメージ

ゴールデンクロスには以下のように様々なメリットがあり、非常に使いやすい売買サインとして多くのトレーダーに愛用されています。

どれも非常に大きなメリットなので、ひとつずつチェックしていきましょう。

シンプルなサインなのでわかりやすい

ゴールデンクロスは非常にシンプルでわかりやすいサインなので、初心者でも使いやすい点は大きなメリットだといえるでしょう。

ゴールデンクロスはシンプルなサインなのでわかりやすいイメージ

特に、FXで勝つためにはトレンドを把握してうまく乗るのが非常に重要ですが、初心者はどれがトレンドでレンジかの判断が難しいでしょう。

しかし、「2つの移動平均線が共に上昇しているエリア」は上昇トレンドとして見なせる箇所が多いので、誰にでもわかりやすいトレンド分析方法です。

そして「2つの移動平均線が共に上昇しているエリア」の始まりにはほぼ必ずゴールデンクロスが発生するため、誰もが上昇トレンドの始まりをすぐに察知できるのです。

中級者でもトレンド判断に苦戦するような曖昧な相場も多いので、明確な判断基準がひとつあると心強いですね。

中級者以上になると、ゴールデンクロスと他の売買サインを合わせて複数のシグナルが点灯した時にエントリーするようになります。

それぞれのシグナルが複雑すぎると、エントリー判断に時間がかかる上にエントリー頻度も大幅に落ちてしまうため、いくらトレードに慣れてもシグナルがシンプルなのは重要なポイントになります。

トレードに慣れてくると、「エントリーシグナルが複雑すぎて全く入れない」という現象に悩まされる人が多いのも事実です。

長期的な相場予測にも役立つ

ゴールデンクロスに用いる移動平均線の期間を長めに設定すれば、短期トレードだけでなく中長期的な相場の行き先を予測するのにも役立ちます。

ゴールデンクロスが長期的な相場予測にも役立つイメージ

上の画像では期間50のSMAと期間200のSMAを表示させていますが、ゴールデンクロスの発生頻度が少ない分、出現した際の信用度は高いといえるでしょう。

そのため、例えば4時間足や日足以上の長期足で長期SMAのゴールデンクロスが発生すれば、数週間後までの動きを予測するのにも役立ちます。

長期SMAのゴールデンクロスが発生したイメージ

長期足のゴールデンクロスが発生している状態で15分足など下位足のゴールデンクロスも確認できれば、上昇を示唆するより強い根拠にもなりますよ。

長期SMAのゴールデンクロスが発生したイメージ2

そのほかにも、長期足のゴールデンクロスを背景に短期足ではロールリバーサルを根拠にロングするなど、ゴールデンクロスをエントリー材料ではなく環境認識の材料とする戦略も組み立てられるでしょう。

長期足ではゴールデンクロスの発生頻度が少ないだけに、発生した際の期待値は高いですね。

多くのトレーダーが使っている

「ゴールデンクロスを使っている人が多いことの何がメリットなの?」と思う人もいるかもしれませんが、FXの価格が動く原理を理解すればその理由を理解できるでしょう。

為替相場は需要と供給によって価格変動が発生するのが特徴で、トレーダーのロングによって価格が上がり、ショートによって価格が下がるのです。

ゴールデンクロスは多くのトレーダーが用いているイメージ

しかし世界中には何万〜何億のトレーダーがおりポジション量も限りなく多いため、1人の一般トレーダーがロングエントリーしてもチャートは全く上昇しません。

しかしゴールデンクロスが発生すると、それを頼りにトレードする多くのトレーダーは同時にロングエントリーをするため、ポジション量は相当なものになります。

ゴールデンクロスでロングが増えているイメージ

その結果ゴールデンクロス発生後に価格が上昇する確率はさらに上がり、その上昇を見た後追いトレーダーによるロングで価格はさらに上昇していきます。

そのため、「多くの人が同じ売買シグナルを利用している」というのは非常に有利な材料になるでしょう。

ただし大口トレーダーが裏を突いて、ゴールデンクロス発生時に強い売りを浴びせ一般トレーダーを損切りさせるケースもあるため慎重な判断が必要です。

ゴールデンクロスをサインにするデメリット

ゴールデンクロスをサインにするデメリットについて解説するイメージ

ゴールデンクロスを売買サインにするのには、メリットだけでなくいくつかデメリットも存在します。

ゴールデンクロスでトレードする際は、必ずデメリットも把握したうえで利用しましょう。

サインがワンテンポ遅れて現れる

ゴールデンクロスは実際に価格が上昇しはじめて少し経ってから発生するため、実際の価格推移よりもワンテンポ遅れてしまうのがデメリットです。

サインがワンテンポ遅れて現れたチャートイメージ

そのため非常に短いトレンドで終わってしまう場合、ゴールデンクロスの発生時にはすでに価格が下落しはじめている可能性も。

ゴールデンクロス発生時点で価格が下落している様子

押し目を経てその後も続くと判断できるトレンドであればホールドできますが、継続性がないと判断されるのであれば微損でも撤退する勇気が必要です。

特に、短期設定の移動平均線で発生するゴールデンクロスはこの傾向が強いので、不安な人は期間設定を長くするのがいいでしょう。

なお、ポンドやゴールドなど値動きが激しい通貨ペアはワンテンポの遅れが命取りになる可能性もあるので、まずはドル円やユーロドルなど値動きが穏やかな通貨ペアでゴールデンクロスを使ってみましょう。

ダマシで損失にかかりやすい

特に短期設定で感じやすいデメリットですが、ゴールデンクロスはダマシが多いため慎重な運用が必要なシグナルでもあります。

たとえば画像のチャートでは短期移動平均線が中期移動平均線を上抜けていますが、すぐに相場が下落してしまっています。

ダマシで損失にかかりやすいイメージ

そのほかにも、レンジ位相場など上抜けと下抜けを繰り返して全く使い物になっていないタイミングも見られ、ここでエントリーしたら値動きに翻弄されてしまうでしょう。

ゴールデンクロス後にレンジ相場が続くイメージ

連続でダマシに引っかかってしまうと資金を大きくすり減らしてしまう可能性もありますね。

ただし、ゴールデンクロスがダマシになるタイミングが多いのは以下のようなタイミングが多いとされています。

  • レンジ相場やトレンドが弱い場面で発生したゴールデンクロス
  • ゴールデンクロスした時の移動平均線が横向きか下向き
  • ゴールデンクロスの角度が浅すぎる

ダマシをできる限り避けて勝率を上げるための方法は「ゴールデンクロスを使う時のコツ」で解説しているのでぜひチェックしてみてください。

レンジ相場では効果を発揮しづらい

ゴールデンクロスはレンジ相場では効果を発揮しづらく、ダマシが非常に多くなるタイミングなので注意が必要です。

移動平均線はトレンドを推し量るのに最適なインジケーターで、ゴールデンクロスはトレンドの発生を知らせるサインなので、レンジ相場とは非常に相性が悪いのです。

ゴールデンクロスがレンジ相場で効果を発揮しないイメージ

ゴールデンクロスは価格が上昇してから発生しますが、そのタイミングではすでに価格がレンジ相場上限まで達しているケースが多く、すぐにレンジ下限まで押し返されてしまいます。

ゴールデンクロス発生した時には下落が始まっているイメージ

運良くレンジ上限を突破して上昇が続けばいいですが、最悪レンジ下限を下抜いて大きな損失を被る可能性も。

レンジ相場を上抜けるか下抜けるかはゴールデンクロスでは見抜けないため、ゴールデンクロスはレンジ相場ではほぼ使い物にならないといっても過言ではありません。

ゴールデンクロスを利用する際は、トレンド発生時に絞った運用を前提にするのがいいでしょう。

トレンド相場の見分け方については、以下の記事でも解説しています。

ゴールデンクロスを使う時のコツ

ゴールデンクロスを使う時のコツを解説するイメージ

ゴールデンクロスを使う時は以下のコツを意識して、ダマシも被害に遭わないようにしましょう。

必ずチェックして、他のトレーダーよりも勝率の高い戦略を組み立てましょう。

クロスした角度と位置に注意する

勝てるゴールデンクロスパターンは角度が浅すぎず、特定の位置で出現するのが特徴です。

ゴールデンクロスは「これ以上下がりにくく、ここから上がりやすい場所」である重要なサポートラインに現れると勝率が高くなります。

クロスした角度と位置に注意するイメージ

特に、直近レジスタンスとして働いていたラインにサポートとしてタッチしていると「ロールリバーサル」といってより強いサポートラインとして機能します。

そこからは下落しづらくなっているため、ゴールデンクロス単体でロングするよりも勝率が大幅にアップするでしょう。

サポートラインが上位足レベルのものであれば、より信頼度が高まるでしょう。

そのほかにも発生したゴールデンクロスの角度も重要で、ゴールデンクロスの角度が浅すぎると信頼性が少なく、角度が深いほど信頼性も高いといわれています。

ゴールデンクロスの角度が浅すぎると信頼性が少なく、角度が深いほど信頼性も高いイメージ

移動平均線は価格推移で形成されているため、角度が浅いのは上昇の勢いが弱いことを意味します。

時には二つの移動平均線がほぼ平行でゴールデンクロスしますが、結局レンジ相場で終わってしまうケースもあるため注意しましょう。

トレンド相場かレンジ相場かを判断する

先ほども説明しましたが移動平均線はトレンド相場でしかほとんど機能しないため、ゴールデンクロスもレンジ相場は苦手です。

トレンド相場かレンジ相場かを判断するイメージ

そこで「今の相場はトレンド相場なのかレンジ相場なのか」を判断するために、直近の目立つ高安値が1つ前の目立つ高安値を完全に上に位置しているかを確認してみましょう。

レンジ相場で高値と安値が明確に上下していかないイメージ

両方とも上に位置していればトレンド相場、そうでなければレンジ相場と簡単に判断できるので試してみてください。

短期移動平均線が長期上昇移動平均線を常に上回っている状態が上昇トレンドでは基本なイメージ

また上昇トレンドであれば、短期移動平均線が長期上昇移動平均線を常に上回っている状態が基本となります。

トレンド相場だと判断できれば、先ほど説明したように押し目でサポートまでの下落を狙ってゴールデンクロスを探してみましょう。

この方法では発生中の上昇トレンドに乗ることしかできませんが、以下のような流れで上昇トレンドの形成からロングで乗る戦略もあります。

  1. 軸にする時間足での下落を確認
  2. 上位足のサポートラインにタッチ
  3. 勢いよく跳ね返りゴールデンクロスが発生
  4. 上位足が大きな下降トレンドでなければロングでエントリー

上位足が下降トレンドでなければ下位足の下落トレンドはそれほど長く保たないため、下位足の上昇トレンド開始を狙ってロングできるでしょう。

大きな時間足にタッチしてトレンドが発生する様子

ただし上昇トレンド開始確認前のロングなので、必ず損切りを設定しリスクを抑えた取引を行いましょう。

ダマシ対策として損切り位置を決めておく

ゴールデンクロスはダマシも多い売買シグナルなので、ここまで紹介した対策を徹底していても損失を被る可能性があり、損切りの設定は必須です。

ゴールデンクロスでエントリーした際の損切りポイントは以下のようなパターンを想定しておくといいでしょう。

  • 価格が移動平均線を下抜けるタイミング
  • 移動平均線が横向きになるタイミング

損切りパターンのひとつめは、価格が移動平均線を下抜けるタイミングです。

ゴールデンクロス発生時にはすでに価格上昇は始まっているため、必ず移動平均線よりも価格が上に位置しています。

ダマシ対策として損切り位置を決めておくイメージ

価格が移動平均線を下抜けてしまうとゴールデンクロスの前提条件が崩れてしまうため、そのままポジションを持ち続けても根拠のないトレードになってしまうでしょう。

一度の損切りで10〜20pipsの損失になりますが、ロットを張りすぎなければ十分取り返せる値幅ですよ。

さらに早いタイミングで損切りしたい人は、ゴールデンクロス後に移動平均線が横向きになったタイミングを狙うといいでしょう。

画像の通りゴールデンクロス後の上昇は勢いが強いため、逆に失速してしまうようだと下落やレンジ相場突入が予想されます。

ロングエントリーの損切位置のイメージ

移動平均線が横向きになったタイミングでの損切りなら、チャートが移動平均線を割り込む損切りパターンよりも少ない損で済むため、大きなダメージは受けずにトレードを継続できるでしょう。

ただし損切りラインが近くなると損切り後に上昇してしまう可能性も増してしまうので、どちらの損切りパターンが合うかは検証が必要です。

ダマシを避けるためには、ゴールデンクロスのみではなく別の根拠と組み合わせるのも大切です。

ゴールデンクロスのアラートやEA(自動売買)を活用する

ネット上では有料・無料を含みゴールデンクロスを通知してくれるツールがいくつかリリースされており、利用すればゴールデンクロスの見逃しが少なくなるでしょう。

特に15分足以下の短期足でのゴールデンクロスを狙っていると、ふと別の作業をしていて絶好のチャンスを見逃してしまう可能性も。

ゴールデンクロスのアラートやEA(自動売買)を活用するイメージ

MT4やMT5なら、アプリだけでは不可能ですが1台監視用のパソコンの電源を付けておけばスマホに通知してくれる機能もあるため、それらを活用すれば機会損失を限りなく減らせるでしょう。

例えば専業トレーダーは機会を逃さないため常にチャートを監視しているので、兼業の人はなおさらツールを使った仕組みづくりが必要ですね。

ゴールデンクロスやデッドクロスでアラートしてくれるソフトのほかに、ネット上にはラインタッチや価格到達で通知してくれるなどさまざまなアプリが存在します。

そのほかにも、ゴールデンクロスやデッドクロスの発生とともに自動でエントリー、設定された位置で決済まで行ってくれるEA(自動売買ツール)もリリースされています。

自分でエントリーする必要がないため非常に便利なツールですが、ゴールデンクロスのEA選定の際は以下のポイントには注意しながらツール選定を行いましょう。

  • ゴールデンクロス発生と同時にほかの根拠も合わせたエントリーと決済をしているか
  • エントリーと決済内容が明確に記述されているか
  • 配布・販売元が信頼のおける団体でサポート体制も万全か
  • 「絶対に勝てる」などの誇大広告がされていないか

特に投資界隈では「高額なEAを購入したのにすぐに破綻した」という後悔の声は絶えないので、必ず納得のいくリサーチをしたうえで使用するツールは選ぶ必要があります。

後悔してもお金は返ってこないので、事前準備はしっかりしましょう。

ゴールデンクロスと相性のいいチャートパターンやサインを解説

ゴールデンクロスと相性のいいチャートパターンやサインを解説するイメージ

ゴールデンクロスと相性のいいチャートパターンやサインは以下の通りです。

エントリーの幅が増えるうえ勝率も上がるので、ぜひこれらのサインも活用してください。

ダブルボトムや逆三尊などの転換パターン

ダブルボトムや逆三尊など、相場の転換を示すパターンと同時に現れるゴールデンクロスは信頼性が高く使いやすいですよ。

具体的に、出現頻度が高く信頼もできる転換パターンには以下のようなものがあります。

ダブルボトムや逆三尊などの転換パターンのイメージ

例えば下の画像ではダブルボトムが2回発生しており、その後のゴールデンクロス確認後にある程度の上昇を見せています。

ダブルボトムが2回発生しているイメージ

トレンド転換レベルの大きな上昇には結びつきませんでしたが、「ダブルボトムの大きさと同じだけ上昇する」という一般的なセオリーはクリアしています。

最低でもダブルボトムと同じ値幅は取りたいところですが、上位足のサポートに支えられるなどトレンド転換が明確であれば、前回の目立つ戻り高値付近まではポジションを持ってもいいでしょう。

なお、逆三尊など複雑なパターンは頻出しないため、ハンマーパターンやダブルボトムによる転換判断がメインになってきますよ。

幅の広いレンジ相場の反発

先ほどは「細かいレンジ相場では移動平均線が使いづらい」と紹介しましたが、上限から下限までの間に波ができるような幅の大きなレンジ相場の中では活用できます。

幅の広いレンジ相場の反発が発生したイメージ

レンジ下限で反発したら価格が上昇してゴールデンクロスが発生しますが、レンジの幅によってその際の状況が異なります。

  • 広いレンジ・・・ゴールデンクロス発生後もレンジ上限まで余地があり、大きな上昇を見込める
  • 狭いレンジ・・・ゴールデンクロス発生時点でレンジ上限まで到達しており、上昇できない

もし広いレンジ相場であれば、ゴールデンクロス後の上昇を狙ってロングエントリーを狙った立ち回りが可能です。

また、たとえばもし狭いレンジでもそれを観測したのが1時間足であっても、同じレンジを5分足で見直せば十分値幅の大きなレンジに見えるでしょう。

ただし、1分足や5分足レベルで見た幅の広いレンジは上下10pips程度と小さい場合も多いので、損切りや利確ラインをかなりシビアに考えなければいけません。

1分足や5分足の利益確定を考えるイメージ

通貨ペアによってはスプレッドだけで-3pips程度からのスタートなので、小さすぎる時間足でレンジ相場を狙うのはかなり危険ですね。

ボリンジャーバンドの移動平均による反発

ボリンジャーバンドはチャートの上下に「移動平均」と呼ばれるラインがあり、±1σの中に68%の値動きが収縮し、±2σの中に95%の値動きが収縮するといわれており、ゴールデンクロスと合わせた逆張り手法が可能です。

ボリンジャーバンドの移動平均による反発がおきたイメージ

上記画像では下降トレンドで価格が下がりつつ、ほとんどの値動きが-2σに張り付き価格が収束しています。

最終的に下落の勢いが落ちるとともに値動きが-2σより上抜け、真ん中の「標準偏差」上抜けて+2σにも達しています。

価格が+2σに達すると上昇が相当強いサインとなるので、その後ゴールデンクロスが発生したのを確認できればロングで利益を狙えるでしょう。

価格が+2σに達したイメージ

上記の動きをまとめると、以下のエントリー手順となります。

  1. -2σに沿った下落
  2. +2σまでの上昇
  3. ゴールデンクロスの発生でロングエントリー

ステップは多いですがエントリーまでの手順がハッキリしているため、検証と改善しやすい点でも手法として使うのに適しているのがボリンジャーバンドです。

自分が使っている手法は、このようにステップとして理解しておく必要があります。

ボリンジャーバンドについてより詳しく知りたい人は、以下の記事をチェックしてみてください。

RSIやRCIなどで相場の行き過ぎを見る

多くのオシレーターは相場の買われすぎや売られすぎを表示する機能があり、ゴールデンクロスでの逆張りロング戦法に活用できます。

今回説明するRSIは相場の相対的な過熱感を示すオシレーターで、相場が強いと上に、弱いと下に動いていく習性があります。

RSIやRCIなどで相場の行き過ぎを見るイメージ

強すぎる相場では70%以上の買われすぎゾーン、弱すぎる相場では30%以下の売られすぎゾーンに入るのが特徴です。

そこでまずは下降トレンド相場を見つけ、RSIが売られすぎゾーンに入ったあとの反発を確認します。

RSIが売られすぎゾーンに入ったあとの反発を確認するイメージ

この反発が調整レベルであればゴールデンクロスは発生しにくいですが、上昇トレンド転換が見えるようであればクロスが発生するでしょう。

ゴールデンクロス発生発生に合わせてロングすれば次の強い上昇に乗って利益を得られます。

ただし、ゴールデンクロス発生とともにロングをすると一度上昇してからのロングになるため、一時的に含み損を抱える可能性もあるため注意が必要です。

上昇トレンドで調整が入る様子

より固いエントリーをするのなら、ゴールデンクロス発生後の下げ調整を待つのが得策でしょう。

RSIに関しては以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

ロールリバーサルでのトレンド再開のタイミングを見る

ロールリバーサルとは、レジスタンスとして機能していたラインがサポートになる現象で、通常のラインよりも強いため使い勝手がいいサインとして知られています。

ロールリバーサルでのトレンド再開のタイミングを見るイメージ

このラインは一度上抜けしたあとに下落調整のフェースが発生し、再び上昇していくタイミングでゴールデンクロスが発生するためロングで追いかけていける場面です、

ロールリバーサル成立後の上昇は非常に強いため、ゴールデンクロス発生とともにロングをしても含み損を抱える期間は少なく済むでしょう。

また、ロールリバーサル発生のタイミングは上昇トレンド継続パターンも考えられますが、下降トレンドからの完全トレンド転換も狙えます。

下降トレンドからの完全トレンド転換を狙うイメージ

下降トレンドからの上昇ロールリバーサルはトレンドが下降から上昇に転じてからのタイミングがほとんどのため、必然的にトレンド転換後の第一波を狙えるのがメリットです。

トレンドに沿った順張りトレードになるので、安全性は高いですよ。

ゴールデンクロスを活用した実際のエントリー例

ゴールデンクロスを活用した実際のエントリー例を解説するイメージ

ここでは、実際にゴールデンクロスを用いたトレード例について解説していきます。

この手法では、以下のような流れで分析からトレードまで繋げていきます。

  1. 下降トレンドか上昇トレンドを発見し、価格がボリンジャーバンド+2σにタッチするのを確認
  2. その後価格が下落し、環境認識で引いたラインにサポートされるのを確認
  3. サポートされてからの上昇とゴールデンクロス形成を確認してロングエントリー
  4. 利益確定は移動平均線が平行および下向きになったタイミング、損切りは価格が移動平均線を割ったタイミング


ゴールデンクロスに先ほど説明したボリンジャーバンドとロールリバーサルを組み合わせた手法で、チャンスは多くないものの安定した勝率を出せるでしょう。

まずは環境認識を行い、週足から15分足まで目立つ水平線やトレンドラインを引いていきます。

ゴールデンクロスに先ほど説明したボリンジャーバンドとロールリバーサルを組み合わせた手法のイメージ

全ての時間足をチェックすれば、サイズの大小は問わずほぼ必ずトレンドが発生しているでしょう。

相場を進め、ボリンジャーバンド-2σにタッチする強い下落を確認後、上昇による+2σへのタッチを確認します。

ロールリバーサル発生後にゴールデンロスが発生するイメージ

次に、それまでレジスタンスとして機能していたラインがサポートとして機能する「ロールリバーサル」が発生、ゴールデンロスまで発生すればエントリーです。

移動平均線が横向きになったイメージ

上記画像の通り、利益確定は移動平均線が横向きか下向きになるタイミング、損切りはロウソク足が移動平均線を割ったタイミングです。

ロールリバーサルが強い根拠になるため、損切りはロールリバーサルの否定でも問題ありません。

その後価格が上昇し、+40pipsの時点で利益確定できました。

このように、ゴールデンクロスだけでエントリーすると損失に繋がってしまう可能性があるため、ほかの根拠と組み合わせるのがおすすめです。

ゴールデンクロスで安定したトレード成績を叩き出そう

この記事ではゴールデンクロスの概要や使い方、メリットデメリット、ほかの根拠と合わせたトレード例を詳しく解説しました。

ゴールデンクロスは初心者でも見つけるのが簡単な反面、ダマシも多い根拠なので単体根拠としては利用するのは危険なシグナルです。

そのため、常にほかの根拠も一緒にチェックして安定性の高いトレードを意識するのが大切です。

また、ゴールデンクロスはレンジ相場では特にダマシが多くなってしまうため、トレンド発生時に限った使用が望ましいでしょう。

自身で検証を進めていくうちに必ずオリジナルの戦い方が見つかるので、この記事で紹介したテクニックと合わせて安定した利益を上げていきましょう。

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この記事を書いた人

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