FXのプライスアクションを極めたらトレードに勝てるのか?真剣に相場に臨む誰もが抱く疑問でしょう。
プライスアクションは世界中のトレーダーが見ている生のデータのことです。
トレンドを最速で見極める指標としておすすめです。
- プライスアクションの概要とトレードで重視される理由
- プライスアクションを使うメリットとデメリット
- プライスアクションが示す3つのトレンドと13種類のパターン
- プライスアクションをトレード手法に用いる際のポイント
トレンドに逆らわないプライスアクション手法は、FXトレードの勝率を極めて高くします。
本記事より、FXのトレンドをいち早く判断する方法を手に入れてください。
「そもそもプライスアクションってなに?」から分かりやすく解説するので、初心者さんもご覧になってくださいね。
FXのプライスアクションとは
FXのプライスアクションとはローソク足から相場の方向性を見極めるテクニカル分析の手法です。
ローソク足にFXトレーダーの心理が反映されると考え、相場心理を読みながら値動きを想定することを可能にします。
水平線や移動平均線などのインジケーターは価格をもとにして表示されますが、値動きは生の価格そのものを分析します。
それゆえに、値動きによるトレードは最も速くFX相場の方向性を判断できる手法とされています。
FXのプライスアクションが重視される理由
値動きを重視したトレードは、FX相場を主導する欧米の機関投資家によって作られた手法です。
大衆が意識する方向にトレンドが作られることは、FXの共通認識になっています。
そのため使う人が少ないトレード手法の有効性はどうしても低くなりがちです。
移動平均線やRSIのほうが使いやすいのでは?
と考える方も多いでしょう。
しかしインジケーターの設定値はさまざまです。
一方で値動きは誰もがローソク足や価格の動きそのものを分析しており、主観性を排除できる点で優れています。
プライスアクションで重要なローソク足について
値動きをトレードで使うにはローソク足の構成を知る必要があるため、各名称をおさらいしましょう。
ローソク足は、一定期間の始値・終値・高値・安値の4本値で表されます。
始値から終値までを「実体」として太く表し、実体より上の価格を「上ヒゲ」、下の価格を「下ヒゲ」として表します。
陽線の場合、始値や安値で買ったFXトレーダーは利益が出ており、陰線の場合は反対に損失が出ています。
プライスアクションでは、始値・終値の位置、実体や上ヒゲ・下ヒゲの長さから買いと売りの強さを把握していきます。
FXでプライスアクションを使うメリット
実際に値動きをFXトレードに使うメリットは大きく分けて2つあります。
- トレーダー心理を最速で読み取る
- ローソク足に相場情報が凝縮される
順番に解説します。
メリット1:トレーダー心理を最速で読み取れる
値動きの最大のメリットは、ローソク足の確定で瞬時に次の値動き予測できることです。
ローソク足一本は4本値で構成され、実体と上ヒゲ・下ヒゲの長さに投資家心理が反映されます。
一方で移動平均線などのインジケーターは価格を元に表示されるため、プライスアクションよりも遅効性があります。
従ってFXの値動きを極めることで、トレンドの初動でのエントリーを可能にします。
またプライスアクションは、瞬時の判断を求められるスキャルピングと相性の良いFXのトレード手法です。
メリット2:ローソク足に相場情報が凝縮されている
ローソク足には設定した期間の相場情報が全て詰め込まれています。
1時間足を表示したなら、1時間の売買攻防そのものを世界中のトレーダーと同じ土俵で入手でき、最速で次の一手に役立てることができます。
ローソク足は無駄な情報が削ぎ落とされており、プライスアクションは勝てるFXトレードへと導いてくれます。
FXでプライスアクションを使うデメリット
プライスアクションも良いことばかりではありません。FXトレードに使うデメリットを確認します。
- プライスアクション単独では有効性が低い
- プライスアクション活用には時間がかかる
順番に解説します。
デメリット1:プライスアクション単独では有効性が低い
値動きは相場という大きな流れのほんの一部を切り抜いて見ています。
そのためパターン通りの価格の動きにならないこともあります。
後述の「チャートに現れるプライスアクションを確認」のとおり、トレンドに逆らった値動きが騙しに終わることも分かります。
こういった場合は、トレンドへの順張りと遅効性のない水平線を併せるなどしてデメリットをカバーしていきます。
デメリット2:プライスアクション活用には時間がかかる
生のデータであるプライスアクションの活用には多くの経験と練習が求められます。
ローソク足の形状やパターン認識のみでは、相場の流れを読めずに勝てないトレーダーへ近づいてしまうでしょう。
トレンドの把握を優先した上で値動きを活用してください。
局所的な値動きの判断のみに利用していては、相場の揺さぶりに踊らされてしまうでしょう。
続いてご紹介するFXのプライスアクション一覧を参考に、実際のチャートへ何度も適用していきましょう。
FXのプライスアクション一覧
FXの値動きは4つに分類され、13種類のパターンがあります。
FXで稼ぐにはトレンドを把握することが大切です。
値動きは勝てるトレードの武器になるので、13種類のパターンを確認していきましょう。
支持帯・抵抗帯に現れるプライスアクション
ピンバーとスパイクはトレンドの形成が停滞するときや相場が転換するときに現れやすく、支持帯・抵抗帯に対して発生したときに有効性が高くなります。
ピンバー
トレンドの停滞や相場が反転するサインとなる値動きです。
価格を伸ばしたものの強い抵抗に合い、始値近くまで押し返されたことを示しています。
また、値動きの先に強い支持帯・抵抗帯があるときに現れることも特徴です。
一般的にヒゲの長さが実体の3倍以上となります。
また、長いヒゲに対するヒゲの末端までの長さが20~30%以内が目安です。
名前の由来はピノキオ(pinocchio)。彼の鼻のようなバーからピンバーとなりました。
スパイクハイ
上昇トレンド形成の停滞・転換の兆しとなる値動きです。
進捗方向に値を伸ばしたものの強い抵抗にあい、始値近くまで押し返されたことを示しています。
スパイクもピンバーと同様に、ヒゲが長く実体が短いローソク足です。
スパイクロー
下降トレンド形成の停滞・転換の兆しとなる値動きです。
進捗方向に値を伸ばしたものの強く支持され、始値近くまで押し返されたことを示しています。
トレンドの発生・継続を示すプライスアクション
スラストアップ
上昇トレンドのモメンタムを表す値動きです。
連続して発生するほどトレンドの勢いが強いことを示し、直前のローソク足の高値を終値が上回ることを言います。
「押し目待ちに押し目なし」の格言が当てはまる相場で頻出するパターンです。
スラストダウン
下降トレンドのモメンタムを表す値動きです。
連続して発生するほど、トレンドの勢いが強いことを示します。
スラストダウンは、直前のローソク足の安値を終値が下回ることを言います。
ランウェイアップ
上昇トレンドの継続性を表す値動きです。
始値・安値・高値・終値いずれの価格水準も切上げながらの上昇を確認できます。
基準となるローソク足がスラストアップや大陽線であれば、上昇トレンドの継続性が高まります。
ランウェイアップには次の条件があります。
- 基準ローソク足の高値が、過去数本のローソク足の高値を上回っている
- 基準ローソク足の安値に対し、数本先のローソク足全ての安値が下回らない
数本は任意です。数値が大きいほど価格の動きの有効性が高くなります。
ランウェイダウン
下降トレンドの継続性を表す値動きです。
始値・高値・安値・終値いずれの価格水準も切下げながらの下降を確認できます。
基準となるローソク足がスラストダウンや大陰線であれば、下降トレンドの継続性が高まります。
ランウェイダウンには次の条件があります。
- 基準ローソク足の安値が、過去n本のローソク足の安値を下回っている
- 基準ローソク足の高値に対し、n本先のローソク足全ての高値が上回らない
nは任意です。数値が大きいほど価格の動きの有効性が高くなります。
トレンドの停滞を示すプライスアクション
インサイドバー
レンジ(保ち合い)を示し、値動きに方向性がないときのプライスアクションです。
値動きを包み込むローソク足の高値または安値をブレイクしたらエントリーすることを基本とします。
インサイドバーに含まれるローソク足の本数に決まりはなく、数が多いほどに高値・安値をブレイクしたときの信頼性が高くなります。
アウトサイドバー
過去のローソク足の高値・安値が現在のローソク足の高値・安値に収まっていることを言います。
インサイドバーと異なるのは、過去のローソク足の高値・安値ブレイクをエントリーに使えることです。
アウトサイドバーに含まれるローソク足の本数に決まりはなく、数が多いほどに過去の高値・安値をブレイクしたときの信頼性が高くなります。
トレンドの反転を示すプライスアクション
リバーサルハイ
上昇トレンドが反転する兆しとなる値動きです。
価格が高値を更新したものの失速し、直前のローソク足の終値を下回って確定することです。上図のように安値も下回って終値が確定すると、反転サインの信頼性が高くなります。
リバーサルロー
下降トレンドが反転する兆しとなる値動きです。
価格が安値を更新したものの失速し、直前のローソク足の始値を上回って確定することです。上図のように高値も上回って終値が確定すると、反転サインの信頼性が高くなります。
フェイクセットアップ
レンジ相場のブレイクに失敗した後、反対方向への値動きを加速させるプライスアクションです。
レンジをブレイクしたものの強い抵抗に合い、長い上ヒゲ・下ヒゲを作って終値がレンジ内に大きく押し戻されます。
レンジの上限・下限をブレイクした方向にエントリーするトレーダーが多いことから、損切りが値動きを促進するとされています。
フォールスブレイクアウト
フォールスブレイクアウトはトレンドが反転する兆しとなるプライスアクションです。
相場の天井圏・底値圏に位置する抵抗帯・支持帯の突破に失敗し、トレンド転換から値動きを加速させることもあります。
トレンド相場ではフォールスブレイクアウトを確認し、保ち合い相場ではフェイクセットアップの発生をトレードに利用します。
FXのプライスアクションを利用したトレード手法
実際のチャートでどのようにプライスアクションが現れるかを確認し、トレード手法のポイントを解説していきます。
チャートに現れるプライスアクションを確認
FXチャートにプライスアクションが表れてから相場の方向性が決まる様子について、ドル円を例にして解説します。
- インサイドバーの高値ブレイクからランウェイアップ(母線がスラストアップ)で上昇加速
- インサイドバーの安値割れが長期上昇トレンドの押し目、スラストップからのランウェイアップで上昇加速
- 過去の高値水準に現れたインサイドバーの安値を下に若干割ったもののだましに終わる
- 過去の高値水準に現れたピンバーは上昇トレンドが停滞するサイン
- ピンバーのあとに続くインサイドバーの安値ブレイクは上昇トレンドが反転するサインになるか
- インサイド-バー(⑤)安値ブレイク後のインサイドバー。上昇トレンドの反転または押し目から加速する起点として注目
- インサイドバー(⑥)高値ブレイクからのスラストアップで上昇加速
一枚のチャートから導き出せる結論は、トレンド方向に合致したプライスアクションの有効性が高いことです。
特に①、②、⑦は「押し目待ちに押し目なし」の相場格言が如実に表れています。
一方でトレンドに逆らったプライスアクションはダマシに終わる可能性が高く、損切りを巻き込んた反対方向への値動き加速が見られます。
値動きは局所的なもの。トレンドとの関係性からトレードに利用することが大切です。
プライスアクションを用いた手法のポイント
プライスアクションで勝てるFXトレード手法として、トレンドに逆らわないこと以外のポイントを解説します。
- 明確なプライスアクションのみ使う
- ライントレードと併せて使う
順番に見ていきましょう。
手法1:明確なプライスアクションのみ使う
あなたがプライスアクションの判断に迷ったら、いま同じローソク足を見ている世界中のFXトレーダーも同じように迷っています。
先述のピンバーです。ヒゲの長さが実体の2.5倍くらいだったらどうでしょうか。
直観でピンバーとしての怪しさを感じるでしょう。
決してプライスアクションをこじつけないでください。
相場から騙しをくらい、大きな損失の原因になります。
手法2:ライントレードと併せて使う
ライントレードとプライスアクションを併せることで、トレードの勝率を飛躍できるでしょう。
先述の「ドル円チャートのプライスアクション」の通り、トレンド相場における順張りトレードでは高い効果を発揮します。
ライントレードと組み合わせるメリットは遅効性がないこと。移動平均線などのインジケーターと異なり、すでにある材料をもとにトレードの決断ができます。
プライスアクションは万能ではありません。主観を限りなく排除できるライントレードと併せて、勝てるトレードを極めていきましょう。
FXのプライスアクションが分かるインジケーター
FXのプライスアクションが分かるインジケーターの一例としてピンバーをご紹介します。
利用するプラットフォームは、世界中のトレーダーが使用しているTradingViewとMT4になります。
いずれも優れたインジケーターを無料で使えるので、プライスアクションの分析にお役立てください。
【TradingView】FXプライスアクションインジケーター
まずは「TradingViewの公式サイト」にアクセスします。
続いて、プロダクトにカーソルを当てて(①)、チャートをクリックします(②)。
チャート画面の左上にあるインジケーターをクリック(①)すると検索窓が表示されるので、「pin bar」と入力します。
Pin Barのプライスアクションを示すインジケーターが一覧表示されます。今回はPin Bar – Trading RoadMapを選択しました。
ピンバーが自動で検出され、上ヒゲの長いピンバーの実体が黒塗りになり、下ヒゲの長いピンバーの実体が黄塗りで表示されます。
ピンバーに限らず、TradingViewには豊富なFXのプライスアクションインジケーターが用意されているので、お好みのものを探すのにお役立てください。
【MT4】FXプライスアクションインジケーター
こちらの「MQL5の公式サイト」にアクセスすると検索窓が表示されています。
そちらで「pin bar」などのプライスアクションを検索にかけると、有料・無料問わず、たくさんのインジケーターが紹介されます。
一例として「PinBar – MetaTrader 4のためのインディケータ」を見てみましょう。
チャートはユーロドルの1時間足です。高値圏に発生したピンバーを赤矢印、安値圏に発生したピンバーに青矢印が自動でつけられます。
MT4もプライスアクションを明示するインジケーターが豊富なので、FXトレードの力強い助けになるでしょう。
FXで勝ち組になるために絶対にしなければいけないのが『検証』です!
ただ、リアルトレードでの検証には膨大な時間が必要です…
本当に稼げる手法なのかスグに検証できたらいいのに…
そんな方にWikiFX Japanがオススメしているのが「Trade Trainer」というツールです。
Trade TrainerはMT4上で動くトレード検証ソフトで、過去のチャートを用いて実際に売買を行いながら手法の検証が可能です!
WikiFX Japanでは数々の検証ソフトを実際に利用して比較していますが、
ズバリ…Trade Trainerが最も使いやすいソフトだと感じます。
買い切り型ソフトで価格がリーズナブルなのもポイントですね!
手法が実際の相場で通用するか、チェックしてからトレードに臨めば怖いものナシです!
\ 無料体験版もあるみたい /
FXのプライスアクションを学べる本
FXのプライスアクションを学べる本を3冊ご紹介します。
- パターンを覚えるだけで勝率7割超! FXチャートの読み方
- プライスアクショントレード入門
- FX 5分足スキャルピング プライスアクションの基本と原則
順番に見ていきましょう。
パターンを覚えるだけで勝率7割超! FXチャートの読み方
本書は欧米の機関投資家が使うプライスアクションを、FXを始めて間もない方が分かるようにまとめられています。
ローソク足が作られる背景(売買の攻防)の解説にはじまり、ファンダメンタルズよりテクニカルが重要な理由、チャートが形成される需給的な背景など、トレーダーの興味をそそる内容が含まれています。
プライスアクションのパターンから売買方法まで詳しく解説されている書籍です。
ちなみに本書の著者は「FX プライスアクション 成功の真実(2014年3月発売)」を書いた陳 満咲杜氏です。
プライスアクショントレード入門
本書はプライスアクションに特化した解説書です。テクニカル分析は主観的なもので対象範囲を際限なく広げられることから、著者は値動き自体に重点を置いています。
入門書とは思えない充実した内容で、FXのプライスアクションを研究するための良書です。
FX 5分足スキャルピング プライスアクションの基本と原則
本書はプライスアクションの原則はもとより、検証にも重点をおいて書かれています。
タイトルに「FX 5分足スキャルピング」とありますが、プライスアクションの原則をふまえて異なる時間足に使えることを説明しています。
先の2冊では物足りない時、本書を手にしてみると良いですね。
3冊を通じて、FXのプライスアクションを体系的に学ぶことができるでしょう。
プライスアクションを極めるとトレードに勝てるのか
プライスアクションを極めて順張りのライントレードと組み合わせることにより、FXで成功する未来へと大きく前進できます。
まずは長期トレンドに逆らったプライスアクションを無視。短期から長期の流れが一致するときに絞り込み、騙しの値動きで損失になることを防ぎます。
その一方、13種類のプライスアクションには相場の反転のサインもありました。トレンドの順張り手法で勝てるようになってから、トレンドの反転を狙うくらいがちょうど良いでしょう。
短期で大きく稼ぎたい人は、スキャルピングに挑戦してください。時間足を1分・5分にして生データを解析する俊敏さが求められます。
プライスアクションを極めることでトレードに勝てるのはもちろん、適用するトレンド・銘柄・時間足の掛け合わせでトレードの幅が広がり、稼ぐ機会を増やすことも可能にします。
まとめ:プライスアクションでトレンドを読み解こう
FX プライスアクションを極めるにはローソク足の理解が必要なこと、トレンドの発生・継続、停滞、反転のサインになることを解説しました。
FXで成功するため、さっそく数種類を取り入れてみてはいかがでしょうか。
- プライスアクションは値動きそのものを指し、相場心理をローソク足として表現する
- プライスアクションは相場の方向性を最速で示し、主観性が排除された情報の源である
- プライスアクションは支持帯・抵抗帯で発生しやすく、トレンドの発生・継続、停滞、反転のサインとなる
繰り返しですが、FXのプライスアクションは万能ではありません。大きな波の中における局所的な現象です。
ただし、大きな波はローソク足の積み重ね。プライスアクションを起点としてトレンドに乗れることも事実です。
まずは順張りトレードでのプライスアクションの活用を優先し、トレードの幅を広げる際に13種類のパターンからお選びください。
コメント コメント 0