トレンド相場でのトレードが苦手…
トレンド転換を予測できずにエントリーできない…
トレードで継続的に大きな利益を残すには逆張りやレンジ相場でのトレードだけでなく、トレンド相場を活用するのも重要です。
しかし、様々なテクニカル指標でトレンドの開始や転換を予測しようとしても、難しくてマスターできずに困っている人は多いでしょう。
本記事では、トレンドの判断をより簡単にするテクニカル指標である平均足の概要や使い方、実際のトレード手法について解説していきます。
内容を参考に、トレンド相場で数十pips単位の大きな値幅を掴めるトレーダーに成長しましょう。
平均足とは
平均足はローソク足のような形状のチャートで、実際の細かい価格推移ではなくトレンドの流れを重視して表示されるチャートを指します。
MT5やTradingViewでも簡単に表示できるチャート表示で、画像の通りローソク足とは表示方法が異なります。
チャート種別 | 特徴 |
---|---|
ローソク足 | ・値動きを正確に反映している ・トレンド相場でも陽線 ・陰線が連続しない場面がある ・上昇トレンドでは下ヒゲが長く、下降トレンドでは上ヒゲが長い |
平均足 | ・トレンド相場では陽線 ・陰線が連続して発生する ・上昇トレンドでは上ヒゲが長く、下降トレンドでは下ヒゲが長い |
一般的なローソク足は、例えば上昇トレンド発生中に小さな押し目が発生すると陰線が現れてしまいます。
陰線の形によってはトレンド転換なのか小さい押し目なのかわからず、ポジションを持っていてもチキン利食いに繋がってしまうケースも。
上昇トレンド中に上ヒゲ陰線なんかが出てしまうと、かなり不安になりますよね。
平均足であれば、押し目が発生しても小さければ陽線がキープされるため、トレンド自体は終わっていないと判断できます。
トレンドフォローを狙っているトレーダーにとっては後押しの材料になるため、大きな利益を取れるチャンスを広げられるのが平均足です。
平均足の計算方法やローソク足との違い
平均足はローソク足と異なり、特殊な計算方法で描画されます。
平均足の始値 | ・1本目:1本前のローソク足の始値と終値の平均値 ・2本目以降:1本前の平均足の始値と終値の平均値 |
平均足の終値 | 期間内のローソク足の始値・終値・高値・安値の平均値 |
平均足の高値ヒゲ先 | 期間内の最高値 |
平均足の安値ヒゲ先 | 期間内の最安値 |
一方で、ローソク足の算出方法は以下の通り至ってシンプルです。
ローソク足の始値 | 期間が始まった瞬間の価格 |
ローソク足の終値 | 期間が終わった瞬間の価格 |
ローソク足の高値ヒゲ先 | 期間内の最高値 |
ローソク足の安値ヒゲ先 | 期間内の最安値 |
画像の通り、ローソク足は1本前の終値が最新足の始値になりますが、平均線の始値は「1本前ローソク足の始値と終値の平均値」となるため、1本前の平均足に被った位置が始値となります。
特にローソク足では、土日に経済的な影響が大きい事件が発生すると、金曜日の終値と月曜日の始値が離れてしまう「窓開け」が発生するケースもあります。
窓が開いてしまうと値動きの連続性が失われてしまうため、チャート分析に悪影響を及ぼしてしまう可能性も。
平均足であれば計算上窓開けが発生しないため、値動きのブレが減り正しいトレンド判断がしやすいのも特徴の1つです。
また、ローソク足と平均足ではヒゲの付き方も違うため、分析するうえで必ず把握しておく必要があります。
例えば上昇を示唆する下ヒゲの長いローソク足を分解すると、「一度押し目を付けたが高値を更新した」という小さな上昇トレンドが内包されています。
一方の平均足で上昇が示唆されるのは、上ヒゲが長い陽線です。
平均足の始値と終値は各数値の平均によって求められるため動く幅が比較的小さいですが、上ヒゲと下ヒゲはそれぞれ期間内の値動きの大きさを示します。
そのため、ローソク足と平均足では長い上ヒゲの意味が異なります。
足の種類 | 長い上ヒゲの意味 |
---|---|
ローソク足 | 一度大きく上がったが、何らかの原因で下落して足が確定した |
平均足 | 下落よりも上昇方向への値動きが強く、更なる上昇を示唆している |
逆に下降トレンドであれば、下ヒゲが長い平均足はさらなる下落を示すサインになります。
ローソク足とはヒゲの意味合いが全く逆なので、混乱しないように覚えておきましょう。
平均足の見方やチャート分析方法
チャート分析に役立つ平均足の使い方は以下の通りです。
ローソク足と似た方法で分析ができますが、使い分け方を含めて把握しておきましょう。
陽線や陰線の連続でトレンドの方向を判断
先述の通り、平均足は上昇トレンドでは陽線が連続し、下降トレンドでは陰線が連続する傾向にあります。
過去チャートを検証してみるとわかりますが、チャート全体でローソク足の陽線と陰線の比率はほぼ5:5になっており、上昇トレンド中でも陰線が出現してしまうタイミングは多いのです。
特に、連続で陰線が出現するとトレンド転換の始まりにも見えるため、トレンドフォロー中のトレーダーは不安を覚えてしまうでしょう。
平均足はトレンドの方向によって陽線と陰線が非常にハッキリ分かれるため、「今どちらのトレンドが発生しているか」をひと目で判断できます。
方向性さえわかれば、トレンド方向であれば多少大雑把にエントリーしても利益確定できる確率が高いため、バイナリーオプションにも活用されています。
バイナリーオプションとは・・・一定時間先に価格が上下どちらにあるかを当てて利益を稼ぐ取引
平均足の長さでトレンドの強弱を判断
ローソク足でも同じですが、平均足の実体部分の長さはトレンドの強さを表します。
平均足の実体の長さ | トレンドの勢い |
---|---|
長い | 強い |
短い | 弱い |
始値は1本前のローソク足に依存してしまう部分が大きいですが、トレンド方向への大きな動きがあれば終値までの距離が長くなり、逆に平均足が短くなると押し戻りやトレンド転換のサインです。
平均足では実際の細かい値動きはキャッチできないため、平均足が短くなったタイミングで短期ローソク足に切り替えてみてください。
上昇トレンドで平均足が短くなったタイミングでローソク足の三尊天井が現れており、これから下落が始まるという細かい分析ができます。
このように、平均足でトレンドの強弱を判断してからローソク足で細かい値動きを判断するなど、両者の強みを活かした分析を行いましょう。
加えて、平均足はローソク足と同じくヒゲの長さでもトレンドの強さを判断できますが、トレンドの方向判断が完全に逆である点には注意が必要です。
ヒゲの方向 | ローソク足のトレンド判断 | 平均足のトレンド判断 |
---|---|---|
上ヒゲが長い | 価格下落を示唆 | 価格上昇を示唆 |
下ヒゲが長い | 価格上昇を示唆 | 価格下落を示唆 |
上昇トレンドなら上ヒゲ陽線の連続、下降トレンドなら下ヒゲ陰線がもっと強く安定したトレンドを示します。
なお、トレンド発生中でもヒゲが短くなるとトレンドの勢いが弱くなっているため、発生中トレンドに飛びつく判断は避けるべきです。
また、平均足で示されている終値は各数値の平均値のため、実際の価格を示しているわけではありません。
そのため、トレンドの勢いが弱まった平均足に対して飛びつき注文を行うと、思わぬ高値掴みや安値掴みに繋がるリスクがあります。
そのため、特にトレンドの強弱に不安がある時にはローソク足と複合的な判断を心がけましょう。
ヒゲ付き平均足でトレンド転換を判断
ヒゲはトレンド転換の判断にも転用可能で、上昇トレンド中に下ヒゲが長い平均足が現れたら下落開始のサインになります。
逆に、下降トレンド中に上ヒゲが長い平均足が出現したら反転上昇の可能性を考えましょう。
ヒゲだけでトレンド転換を判断できれば非常に早いタイミングでエントリーできるため、大きな利益を取れる可能性が高まります。
ただし、平均足のメジャーなトレンド転換には陽線から陰線、陰線から陽線への変化というさらにわかりやすいサインがあります。
そのため、まずは足の転換判断を十分使いこなせるようになってから、ヒゲによる判断を検証するようにしましょう。
トレンド進行中でも全ての平均足でヒゲの長さは異なるため、判断基準としては難易度が高い部類に入ります。
また、ローソク足とは判断が逆になるため、慣れないうちは混乱してしまうトレーダーも多くいます。
平均足に慣れないうちは時間をかけて判断を行い、ルール通りのトレードを遵守できるように注意しましょう。
平均足のメリットやデメリット
平均足の使い方について理解したところで、メリットやデメリットについて解説していきます。
特に、デメリットについて理解しておけば、平均足が不利な場面では別の根拠を使う判断ができるでしょう。
【メリット①】トレンドの方向や強弱を判断しやすい
平均足の使い方でも説明した通り、平均線はトレンドの強弱や方向性を判断するのに最適なテクニカル指標です。
特に、トレンド相場中の平均足転換は非常に心強い順張りサインになります。
画像では上昇トレンド中に押し目による陰線が連続していましたが、一度トレンド再開を示す陽線が発生してからは陽線が連続しています。
チャートを広く見ても、トレンド方向への平均足は連続で現れているのがわかるでしょう。
ただし、上昇トレンド中でも陰線が現れるなど、ローソク足は細かい値動きを捉えるという面で優れているため、状況に応じた使い分けが必要です。
【メリット②】ローソク足と違って窓が発生しない
平均足はローソク足と違って窓開けが発生しないため、全ての値動きを連続的に捉えられるのが特徴です。
窓開けとは・・・市場が閉まっている状態で大きな経済ニュースがあると価格が動いてしまうため、全く違う価格から市場が再開してしまう現象
窓開けは土日などの市場が閉まっているタイミングのみ発生するイレギュラーな現象で、値動きの連続性が失われてしまいます。
例えば上昇トレンド中に大きな窓が空いた場合、土日で荒れた値動きの中で押し安値を一度割っているかもしれません。
押し安値を割ってしまうと実質的には上昇トレンドが崩れているのを示すため、その後のトレード戦略に大きな影響を与えてしまいます。
平均足では窓空けが全く発生しない仕組みとなっているため、例えローソク足で大きな窓空けが起きても平均足ではブレずにトレンド判断できるのが強みです。
人によってはローソク足を「ピースが欠けたパズル」と呼び、平均足を「ピースが揃ったパズル」と呼びます。
【デメリット①】レンジ相場ではダマシが発生しやすい
平均足の1つ目のデメリットは、レンジ相場では使いにくいという点です。
平均足の連続によってトレンドの方向性や勢いを判断するのが主な使い方ですが、レンジ相場内ではトレンドが発生しないため陽線と陰線が頻繁に入れ替わってしまいます。
例えば、レンジ内の上限から下限への値動きが発生している場面で陽線が発生したら「上昇トレンド転換か?」と判断したいところですが、再び陰線が連続して価格が下落しています。
値幅が小さいレンジ相場では陽線と陰線が頻繁に入れ替わり、値幅が大きいレンジ相場ではトレンド転換のダマシがあるため、レンジ相場と平均線の相性は良くないといえるでしょう。
レンジ相場で平均足を活用するなら、平均足でのトレンド転換サインの勢いを担保するためにボリンジャーバンドを組み合わせてください。
「ボリンジャーバンドと組み合わせてトレンド開始を掴む手法」でトレード手法を含めて詳しく解説しているため、必ず参考にしてください。
【デメリット②】相場の急変動に対応しづらい
何度か説明してきましたが、平均足はローソク足と違って正確な値動きを捉える性質のインジケーターではないため、急な値動きが発生して値動きを捉える必要がある場面には向いていません。
例えば経済指標によって1分で数十pipsの動きが発生した際、平均足をもとに大きな値動きの中でスキャルピングをしても非常に不利になってしまいます。
確定していないローソク足と平均足の終値が決まる計算式に注目してみると明らかです。
足の種類 | 確定していない終値の計算式 | 計算例 |
---|---|---|
ローソク足 | 現在価格 | 100.0 |
平均足 | 期間内のローソク足の始値・終値・高値・安値の平均値 | (98.0+100.0+101.0+97)÷4=99.0 |
確定していない終値の計算をみてみると、ローソク足と平均足では終値が描画される価格が大きく異なるのがわかります。
計算式を例に挙げると「99.0でロングしたと思ったら100.0でロングしていた」という高値掴みが発生してしまうため、急変動でのスキャルピングは避けましょう。
平均足が得意としているトレンドの把握を正しく活用するなら、相場を広く見てトレンドに着いていく中期的なトレードがメインになります。
平均足の性質上、エントリー時はどうしても高値掴みになる傾向があるため、ハイレバレッジでのスキャルピングも同じく危険です。
そのため、まずは値動きが穏やかなドル円やユーロドルのトレンドを安定して取れるように意識してみてください。
【デメリット③】プライスアクションの特性がローソク足とは違う
慣れるとデメリットとして気にならなくなりますが、ローソク足と平均線は値動きの特性が異なるためローソク足を使っていた人は違和感を覚えるかもしれません。
特に、人によってはチャートパターンの見方が大きく変わるため、ダブルトップを例に挙げて説明します。
ダブルトップは「2つ目の山が1つ目の山の高値を超えない」という条件が重要になり、ローソク足は実際の値動きを反映した足のためひと目で判断できます。
平均足でも、ヒゲ先を軸に判断すれば「1つ目の山を上抜けたか」という判断ができますが、チャートパターンを足の実体で判断する人にとっては問題です。
ローソク足でダブルトップを判断する際、実体かヒゲ先のどちらで「上抜け」の判断をするかによってそれぞれ正当な理由が説明できます。
ダブルトップの状況 | 考えられる戦略 |
---|---|
1つ目の山を2つ目の山がヒゲ先を含めて上抜けなかった時 | 2つ目の山が完全に抑えられたと判断できるため売りを狙える |
1つ目の山を2つ目の山がヒゲ先で上抜けたが、実体(終値)で上抜けなかった時 | 厳密にいえば上抜けだが、ダブルトップでトレンド転換を狙う勢力によって価格が抑えられたため売りを狙える |
それに対して、平均足の終値は「期間内のローソク足の始値・終値・高値・安値の平均値」で求められるため、終値だけでは「2つ目の山が1つ目の山を上抜けたか抜けていないか」の判断ができません。
そのため、「平均足のヒゲ先では上抜けたけど実体(終値)では止められた」という事実が、果たして下落を示すサインになり得るのかという判断は難しいといえます。
従って、トレンドの勢いが弱まるのを平均線で確認できたらチャートパターンはローソク足で確認するなど、うまく使い分けながら分析を行いましょう。
平均足を改良した平均足スムーズドとは
平均足スムーズドとは、平均足をさらに平均化してよりスムーズな動きを実現したインジケーターです。
画像の通り、通常の平均線に比べても押し目や戻りによる陽線と陰線の転換が少なく、調整とトレンド転換を判断しやすいのが特徴です。
トレンド判断の道具としては、海外では移動平均線よりも平均足スムーズドの方がよく使われるそうですよ。
以下のように様々なメリットがあり、海外では大人気のインジケーターとして有名です。
- ハッキリした転換サインがないと陽線と陰線の転換が発生しないため、ダマシが少ない
- 値動きの勢いが出てから陽線陰線が転換するため、早とちりによるエントリーがなくなる
- 海外を含め多くの人が使っているため、正常に機能しやすい
例えば、上昇トレンド中に小さな押し目が発生しても陰線が発生しないため、小さな押し目による焦りがなくなるためチキン利食いを抑える効果があります。
対して、大きな押し目が発生すれば陰線が表示されるため、本格的に決済の判断ができるでしょう。
さらに、押し目終了からトレンド再開のタイミングでも強い上昇が発生しなければ陽線にはならないため、下落の勢いを退けて陽線が発生した場合は自信を持ってロングエントリーできますね。
自信がなければ5pips〜15pipsだけを狙うスキャルピングトレードをすれば、値幅は小さくなりますが勝率は大きく上がるでしょう。
値動きの勢いがしっかり出てからの転換判断となるため、エントリー判断が早くなりすぎて損切りになってしまうという負けトレードも極力減らせます。
また、全世界で多くのトレーダーが平均足スムーズドを活用しているのも重要なポイントで、ルール通りの転換サインが発生したら多くのトレーダーが自分と同じ方向のポジションを持つことになります。
FXの値動きは通貨同士の需要と供給で成り立っているため、ロングエントリーの量が大きければ「さらに上の価格に需要がある」と判断され価格が吊り上がっていくのが原則です。
従って、「より多くのトレーダーは買いか売りどちらにポジションを持ちそうかな?」という判断をしやすい平均足スムーズドは、FXの原理から考えても使いやすいインジケーターです。
平均足スムーズドの計算式
平均足スムーズドはローソク足を平均化したものですが、平均足スムーズドでは平均線をさらに2回の平均化の計算を行います。
まずは平均足の各数値をSMMA(平滑移動平均線)化させるため、平均足の各数値(始値・終値・高値・安値)に対して以下の計算を掛け合わせます。
SMMA=(1本前のSMMA×(期間ー1)+現在の終値)÷期間
SMMAは一般的に期間6が設定されており、特別な理由がなければそのまま計算します。
次に、SMMA平均線の各数値をLWMA(線形加重移動平均線)化させれば平均足スムーズドの数値が完成します。
LWMA=SMMA÷n✕(n+1)+2
上記の計算で行なっているのは、平均足をSMMAにてさらにスムーズにカスタマイズしたあと、LWMAでさらに図ムーズな動きにカスタマイズしています。
平均化すると直近の値動きに対する機敏な値動きは見られなくなりますが、中長期的なトレンドの勢いや方向性を判断できる機能はさらに向上しています。
期間50の移動平均線では短期的な正確な値動きを捉えやすいがトレンド方向を判断しづらいですが、期間200にすれば長期的なトレンドを正確に判断できる点では、平均足と移動平均線の考え方は似ていますね。
平均足と相性の良いインジケーターを組み合わせた実践的な手法4選
平均足は単体ではダマシが発生する可能性もあるため、相性の良いインジケーターを組み合わせて手法を構築する必要があります。
実践的な手法を4つ紹介していくので、そのまま検証したり手法をカスタマイズしてトレードしたり、ぜひ活用してください。
移動平均線と組み合わせたトレンドフォロー手法
移動平均線と平均足はともにトレンドを把握するのに長けた手法のため、組み合わせれば精度の高いトレンドフォローができるようになります。
- 移動平均線と平均足で長期的なトレンドの方向を把握する
- 平均足の入れ替わりによってトレンド調整を判断し、移動平均線に弾かれる形でトレンド再開したらエントリー
- 再度トレンド調整が発生したら利益確定、移動平均線を勢いよく突き抜けたら損切り
長期的なトレンドを判断するために期間200の単純移動平均線を表示させ、平均足の色と合わせてトレンドの方向性を判断します。
画像のチャートでは移動平均線が上向きかつ陽線の平均足が連続しているため、上昇トレンドを形成しているのがわかりますね。
トレンドの方向性が判断できたところで、陰線が連続発生して押し目が形成されるのを待ちましょう。
押し目が進むと上向きの移動平均線に近づいてくるため、2パターンの動きによって戦略を立ててください。
平均足と移動平均線のアクション | 想定される戦略 |
---|---|
平均足が移動平均線に弾かれて陽線が連続で発生 | 2〜3本程度陽線が連続した時点でロングエントリー |
平均足が移動平均線を突き抜けて下落が続く | エントリーを見送る |
平均足が移動平均線に弾かれる動きは「グランビルの法則」の基本的な買いパターンに当てはまるため、自信を持ってエントリーできます。
逆に移動平均線を下抜けてしまった場合はどこまで価格が下がるかわからないため、エントリーを見送る必要があります。
特に、下ヒゲの長い大陰線で勢いよく下抜けてしまうと売りが強いと判断できるので、ロングエントリーは厳禁です。
トレンドが続伸していけば陽線が連続するため、長めの陰線が2連続以上で現れてしまったら利益確定しましょう。
また、エントリー基準となった陽線の連続で基本的にはトレンドが伸びていきますが、再び陰線が連続して移動平均線を下抜けしまったら損切りしてください。
再び陰線が連続した時点で平均足としては非常に不利な状況のため、移動平均線の上で損切りするのもOKです。
MACDと組み合わせたトレンド転換手法
平均足はトレンド転換を捉えやすいインジケーターのため、「買われすぎ」や「売られすぎ」でトレンド転換を示唆するMACDとは相性が良いのが特徴です。
- 環境分析を行い重要な水平線を描画しておく
- 平均足でのトレンドを確認し、上位足ラインへのタッチと同時に跳ね返されるのを確認
- MACDで「買われすぎ・売られすぎ」のサインが出ていたらエントリー
- 平均足の勢いが弱まった時点で利益確定、上位足のラインを突き抜け&MACDが正常値に戻ったら損切り
まずは、環境認識をして「ここでトレンドが転換しそうだな」というラインを事前に描画しておきましょう。
上位足のラインはより強く作用するため、月足から順番に描画していくといいですよ。
ラインの描画が終わり次第、平均足が連続しているトレンドを見つけ、上位足の重要ラインにタッチするのを確認してください。
上位足ラインに跳ね返されて平均足が2本連続で転換、同じタイミングてMACDの「買われすぎ・売られすぎ」が表示されていたらエントリーします。
複数の根拠を用いたエントリーとなるため、根拠の信頼性は高いですね。
無事にトレンドが転換したら、再び平均足が転換するまではポジションを保有しましょう。
加えて、平均足が陽線に転換してもただの押し目である可能性があるため、MACDの行き過ぎサインの発生という条件を加えるのも良いですね。
逆に、上位足ラインを簡単に突き抜けてしまったら勝率がガクッと落ちてしまいます。
加えて、強いトレンドでは数pipsの押し戻りだけでMACDが行き過ぎラインから復帰してしまうため、トレンドの強さを推し量る指標の1つになります。
ほかにも、突き抜けた時の平均足の実体やヒゲが長いかも確認してください。
例えば、日足のラインを「完全に抜けた」と判断するには日足での実体確定を待つ必要がありますが、下位足であっても突き抜けが激しければ十分な損切り根拠になります。
日足や週足のラインを根拠に加えるなら、経済や政治などの世界情勢を加味して長期的な通貨の方向性を予測する「ファンダメンタルズ分析」もセットで行うといいですよ。
ボリンジャーバンドと組み合わせてトレンド開始を掴む手法
レンジ相場でトレンド開始のサインを掴むには、値動きの勢いを正確に判断する必要があるため、ボリンジャーバンドを組み合わせます。
- レンジ相場を確認し、値動きがボリンジャーバンドの±1σに収まっているのを確認する
- レンジ相場から価格が抜けたタイミングで、平均足の形やボリンジャーバンドの形で値動きが強いと判断できたらエントリー
- 平均足の転換が起きたら利益確定、伸びきらずにボリンジャーバンドのセンターラインまで戻ってきたら損切り
レンジ相場内で価格が推移していると、ボリンジャーバンドの±1σ以内に値幅が収まるケースが多く見られます。
条件に合うレンジ相場を見つけたら、平均足が勢いよくレンジ相場の外に推移するのを確認してください。
値動きが強くないとトレンド相場がすぐに崩れてしまうため、具体的なサインで値動きの強さを確認しましょう。
- 平均足がボリンジャーバンドの±3σにタッチしている
- 平均足が過去のトレンド相場と同程度の長さになっている
平均足の実体ベースで判断するのも重要ですが、ヒゲの長さも重要視してみましょう。
画像の通り、勢いのある上昇トレンドなら上ヒゲが長く、下降トレンドなら下ヒゲが長いと信頼性が高まります。
平均足の色が再び変わったら大きな押し戻りかある可能性があるため利益確定してください。
平均足とボリンジャーバンドのセンターラインのタッチまで決済しなければ、大きな押し戻りがない限りはポジションをキープできます。
その分戻ってきた際の値幅は小さくなってしまうので、狙いたい時間軸や目標値幅によって戦略を変えましょう。
損切りに関しては、エントリー後すぐにレンジに戻る動きを見せたタイミングです。
平均足が元の色に戻ってしまい、ボリンジャーバンドのセンターラインラインを突き抜けてしまったら再起できる可能性はかなり少ないでしょう。
レンジ相場に再突入すると最終的な方向性がわからなくなってしまうため、早めに損切りするのがおすすめです。
レンジ相場を一度突き抜けても、すぐに反転して逆方向にトレンドを形成してしまうケースも多く見られます。
平均足スムーズドを用いた押し目買い・戻り売り手法
「」で紹介した平均足スムーズドを用いたトレンドフォロー手法についても解説していきます。
平均足スムーズドは通常の平均線よりもトレンドの方向性をより正確にキャッチできるため、トレンドフォローには相性抜群です。
単体でもシンプルな手法でトレードできるため、手順を確認していきましょう。
- トレンドを発見し、平均足スムーズドで押し戻りを確認する
- 平均足スムーズドが明確に転換したタイミングでエントリー
- 平均足スムーズドの転換サインを見て利益確定、伸びずに転換サインが現れたら損切り
まずは各チャートツールで平均足スムーズドを表示させてください。
よく使われる平均足スムーズドのインジケーターは以下の通りです。
チャートツール | インジケーター名 |
---|---|
TradingView | ・Heikin-Ashi Smoothed with option to change MA types CryptoJoncis |
MT5 | ・heikin_ashi_smoothed(MQL5でダウンロード) |
チャートツールの表示が完了したら、トレンド相場で平均足の押し戻りが発生しているという前提条件が形成されているのを確認してください。
平均足スムーズドは小さな押し戻りを細かく表示しないため、チャンスが少ないかもしれません。
条件に合う環境が整ったら、トレンド再開方向に向けて平均足スムーズドが転換するのを確認し、2連続で足が進んだらエントリーします。
トレンドが進むうちはポジションをキープし、以下の決済条件が確認されたら利益確定および損切りの判断をしてください。
- 平均足スムーズドが十字線を形成する
- 平均足スムーズドが反転する
先述の通り、平均足スムーズドは小さな押し戻りでは反転しないため、反転した時点で相場が反対方向に動くのを示唆しています。
そのため、転換サインが出たらすぐに決済しないと、思わぬ損につながってしまう可能性もあります。
なお、勝率を上げるためには上位足トレンドに対するトレンドフォローをするのがおすすめです。
例えば、1時間足での上昇トレンドを狙いたいなら、日足や週足レベルでも上昇トレンドが発生しているのを確認してください。
「上位足へのトレンドフォロー」という前提条件だけでも強い根拠となるため、勝率を上げるためにも相場分析時には徹底しましょう。
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移動平均線はトレンドの勢いや強さを推し量るのに最適なインジケーターのため、トレンドフォローで大きな値幅を狙いたい人にはピッタリです。
ただし、レンジ相場ではダマシが発生するケースも少なくないため、「平均足と相性の良いインジケーターを組み合わせた実践的な手法4選」で紹介したように他の根拠と組み合わせるのをおすすめします。
紹介した手法だけで勝ち続けられるわけではないため、エントリー根拠や決済根拠を自分なりにカスタマイズしつつ、オリジナルの手法を開発してみてください。
また、平均足よりもさらに明確な根拠でトレードできる平均足スムーズドについても紹介しているため、使いこなせるように常にチャートに表示しておくのがおすすめです。
本記事では、平均足を使いこなすために細かいテクニックについても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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