コロナや、将来、学費など様々な理由で、数多くの大学生が金銭的な不安を抱えています。
そこで、よりお金を稼ぐ手段としてFX取引に興味を持つ学生は少なからずいるでしょう。
確かに、学生のうちにFXに興味を持ち、取り組むことは将来非常に役に立ちます。
しかし、そのような大学生の金銭事情に対して巧妙につけこんで詐欺を働こうとする人が多く存在するのが実態です。
現にFXに関する詐欺事件の被害者の多くが10〜20代の若者だと言われています。
そこでこの記事では以下のことについて解説していきます。
- 大学生を標的にしたFXの詐欺。3つの手口とは?
- 大学生がFX詐欺の標的にされてしまう3つの理由
- 大学生がFXをする3つのデメリット
- 大学生がFXをする4つのメリット
- 大学生がFXをするときに注意するべき3つのこと
この記事はFX取引をすでに行っている、またこれから始めようとする大学生両方の手助けになるでしょう。
大学生を標的にしたFXの詐欺。3つの手口とは?
昨今、投資ブームによってお金を稼ぐ手段としてFX取引が多くの人に認知され始めました。それに伴ってこれからFXを始めようとする初心者をターゲットとした詐欺も横行し、被害者の数も日に日に増加しています。
その中でも10〜20代の若者に関する詐欺被害の実態を覗いてみると、大学生を標的にした詐欺が数多く見受けられます。
そこでここでは、大学生を標的としたFX詐欺の手口を実例も踏まえつつ3種類ほど紹介しようと思います。
- 手口1:USBツール詐欺
- 手口2:SNS上での勧誘広告詐欺
- 手口3:マッチングアプリ上での詐欺
手口1:USBツール詐欺
FXの「USBツール詐欺」は数年ほど前から大学生の間で広がっている手口の1つです。
この手口の被害は、
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などの儲け話を知人や、友人から受け、それを安易に信じてしまい、価値のないFXの売買ツールが組み込まれたUSBメモリーを高額で購入してしまうというものです。
東京都は、令和2年3月25日付で、大学生等にバイナリーオプション取引の投資学習用USBメモリーを販売していた3事業者に対し、特定商取引に関する法律に基づき業務の一部停止を命じるとともに、違反行為を是正するための措置を指示しました。
また、3事業者の代表者等に対し当該停止を命じた範囲の業務を新たに開始することの禁止を命じました。
これらの事業者は、稼げる方法を教えるなどと大学生等を呼び出し、お金が無いと断る消費者に学生ローン等で数十万円の借金をさせて契約締結していました。
なお、本件については、消費者庁と合同調査を行い、同時処分を行いました。
大学生等に借金をさせ、投資取引に係る高額なUSBメモリーを販売していた3事業者に業務停止命令
実際に2020年3月に、54万円もする高額なUSBツールを売りつけ、詐欺をはたらいた疑いで3社に対して消費者庁が業務停止を命じた事例もあります。
この3社による被害者の数だけでも合計で約1600人にものぼるとされています。
お金のあまり持っていない大学生に対しては、高額なUSBツールを購入させるために
借りたお金はUSBツールで儲かった利益で十分に返すことができる
との理由をつけて、消費者金融等の学生ローンでお金を借りてくるよう巧みに誘導するケースもあります。
手口2:SNS上での勧誘広告詐欺
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SNS上には甘い宣伝文句を用いたFXに関するウェブサイトや動画がたくさん存在しています。
自由な時間が多く、SNSと接する時間が特に多い大学生はそのような広告を見かける機会が頻繁にあると思います。
最近ではこのような甘い宣伝文句に騙されてFXの自動売買ツールを購入させられてしまう大学生の事件も多発しています。
大学生がこのような怪しいツールを購入してしまう背景には、FX取引は最低でも18歳以上からしか始めることができないため、大学生で投資経験が豊富にある人は非常に少なく、FXに関する正しい判断をすることが難しいという事情があります。
また「”無料”の自動売買ツール」を販売する広告もSNS上で増えてきており、資金のあまりない大学生にとっては、気軽に手が出せるようになってしまっているのもこの詐欺手口による被害が拡大している理由の一つです。
手口3:マッチングアプリ上での詐欺
大学生にもなると多くの学生は多少なりとも恋愛に興味がでてくるでしょう。
そこで、恋愛相手を探す際にマッチングアプリを用いることが最近の若者の間では当たり前になっています。
その恋愛感情に付け込まれ、マッチングアプリを経由して知り合った相手から実態の良くわからない投資の勧誘を受け、それを信じて海外サイトに入金をしてしまい、出金ができなくなった等の詐欺事件も多数発生しています。
詐欺師からの巧みな誘い文句のうえに、恋愛感情も絡んでしまうため冷静な判断ができなくなってしまいこのような被害にあってしまいます。
大学生がFX詐欺の標的にされてしまう3つの理由
さきほども述べたような詐欺手口で大学生が詐欺に遭ってしまう事例、そしてその手口の種類も日に日に増加しています。
投資に興味を持っている人が様々いる中で、なぜFXの詐欺師たちは大して投資資金の持ってないであろう大学生をターゲットにするのでしょうか?
ここではその理由を3つ紹介していきます。
- 理由1:お金がない
- 理由2:投資に関する知識が乏しい
- 理由3:交友関係が広がりやすい
理由1:お金がない
大学生になるとこれまでよりも様々なことに興味が湧き始めたり、また将来に備えたりするためにお金をたくさん稼ぎたいという欲求が高まってくると思います。
しかし大学生はアルバイト以外にも学業やサークル活動などに忙しいため、アルバイトで稼ぐことのできる収入には限界があり、お金がないという悩みを持つ人が多いです。
したがって多くの大学生は「短時間」「簡単」「稼げる」の3つの要素に魅力を感じやすい傾向にあります。
FXの詐欺を行う業者はこのような欲求にうまくつけこんできて、
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など誘惑して、大学生からお金を巻き上げようとするのです。
理由2:投資に関する知識が乏しい
大学生になるまでの教育過程では経済や投資に関することを学ぶ機会はそう多くはなく、そのうえ日本では18歳以上からでないとFXの口座開設をすることができないため、実際に取引をする経験を積むこともできません。
そのため少し投資知識のある人から巧妙な誘いで投資話をもちかけられると、
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と勘違いしてしまい、怪しい投資話を疑うことができず、高額な自動売買システム等を購入してしまうのです。
2022年度から始まる高校の新学習指導要領は、家計管理などを教える家庭科の授業で「資産形成」の視点に触れるよう規定した。
家庭科の先生が裁縫や調理実習に加え、株式や債券、投資信託など基本的な金融商品の特徴を教えることになる。
教育現場では戸惑いも広がるなか、金融庁は「出張授業」や教材づくり、先生を対象にした投資イベントなどを通じて準備を後押ししていく。
・・・(中略)・・・
しかし、この専門的な分野に詳しい先生は少ないとみられ、東京都内の私立高校で家庭科を教える女性教諭は「(資産形成の教育は)必要だとは思うが……」と困惑気味。
地方の公立高校の女性教諭も「授業ではほとんど触れないだろう」と消極的だ。
日経新聞
一方で2022年の4月から高校の学習指導要領に投資などの資産形成に関する規定が追加されたことから、知識の乏しさゆえに投資詐欺に遭ってしまうことは減少していくことが期待できます。
理由3:交友関係が広がりやすい
大学生になると成人を迎えるのでより自由に行動ができるようになり、サークルやアルバイトなど活動の範囲が広がります。
活動範囲が広がればそれに伴って、交友関係の輪が急速に広がります。
大学生になって新たに知り合った、または友達になった人の中には自己利益のために相手を陥れてやろうと考えている人がいる可能性も十分あります。
たとえ非常に仲の良い友人であったとしても自分が少しでも怪しいと思えるような投資話を持ち掛けられた場合はしっかり疑ってかかりましょう。
人間関係を利用するのは詐欺の常套手段のひとつだということは忘れてはいけません。
大学生がFXをする3つのデメリット
ここまで大学生がFXの詐欺に遭う理由、その手口についてお話してきました。
詐欺被害が発生することの多いFXですが、そもそも大学生はFXをやるべきではないのでしょうか?
ここでは大学生がFXをやることのデメリットを3つほど挙げます。
- その1: 学業が疎かになってしまう
- その2: 借金をしてしまう
- その3:ハイレバレッジを利用してしまう
その1:学業が疎かになってしまう
FXをしていると自分がアルバイトで稼ぐ以上の資金が増減を繰り返すため、あまりにも熱中しすぎてゲームのような中毒性にはまってしまう可能性があります。
FXに限りませんが、自分の楽しいことにのめりこんでしまうあまり、本分である学業が疎かになってしまうなんてことは大学生なら誰しも経験があるのではないでしょうか。
またFXのトレードスタイルに1日のうちに何度もトレードを行うデイトレードを採用していた場合は、日中に何度も相場の行方を確認することになります。
日中に授業やテストがある時にでも相場は動き続けているので、チャンス相場が訪れていたときは相場の様子が気になって学業に集中できなくなってしまう恐れもあります。
以上の点からFXと学業の両立は不可能ではないものの、双方のバランスを上手く取らなければどちらも十分な成果を得ることは難しいでしょう。
その2:借金をしてしまう
FXは株の長期運用とは異なり投機にあたるので、どうしてもギャンブル要素が強くなりがちです。
そのため、自分が許容できる以上のお金をFX口座に入金してしまいその大半を失ってしまうなどということもしばしば起こりえます。
投資や投機をしている上で、資金の大半を失ってしまうことはリスクとして受け入れておくべきです。
しかしその負けを取り返そうとして、アルバイト等の収入を入金するだけでは足りず、消費者金融や学生ローンで借金をしてしまうことで、より深刻な金銭的問題を抱えてしまう学生もいます。
いくら優秀なトレード戦略であっても、借金の利息以上の月利を継続的に出すのは難しいことを事実として理解しておく必要があります。
FX口座の入金手段として借金をするのは絶対にやめましょう。
その3:ハイレバレッジを利用してしまう
FXをはじめる大学生の多くはそれほど多くの投資資金を持っていません。
そのためその多くがSNS上で少ない資金から大金を稼いでいる広告や動画をみて、同じように自分も大金を稼ぎたいと思い始めると思います。
このような広告の大半が海外FX業者を用いたハイレバレッジの取引を行っています。
一見、ハイレバレッジを使うと短期間で爆発的に資金を簡単に増やすことができるように思えますが、扱うのが非常に難しく、多くの人がFXで勝てない原因になっています。
またハイレバレッジ取引はギャンブル要素が強く、長期的に勝つことが難しいとも言われているので、国内FX業者の利用が長期的には理に適っているのです。
大学生がFXをする4つのメリット
大学生がFX取引を行うことに関して悪い点ばかり話してきました。
しかしこれまでに話してきたことをしっかり注意して取り組むことができれば、大学生がFXをすることには多くのメリットがあります。
ここでは大学生がFXをするメリットを4つほど紹介していきたいと思います。
- その1:自分で稼ぐスキルを身に着けることができる
- その2:金融・経済に詳しくなる
- その3:就活の役に立つ
- その4:FXを勉強する時間が多い
その1:自分で稼ぐスキルを身に着けることができる
副業がどんどん解禁され始めている昨今、自分で稼ぐスキルを身に着けていることは社会に出てからも非常に大きな武器になります。
特にFXにおける資金管理のスキルや期待値の考え方は、あらゆるビジネスにも応用ができます。
また本業以外の別の収入源をFXで作ることができれば、心の安心にもつながります。
このような安心感があることは、なにか自分のやりたいことが出てきた際に新たなステップを踏み出すことのできるきっかけになるでしょう。
その2:金融・経済に詳しくなる
FXの取引を行う過程で、誰しもが金融政策や経済指標、大統領選挙等の国際的に大きなイベントで価格が大きく動く体験をします。
このような状況に触れることはおのずと世の中のお金の流れ、国際政治・経済の知識を身につけるきっかけとなります。
またFXでは日々通貨ペアの値動きに注目しているため、世界経済の状況をリアルタイムに感じることができます。
例えば2022年4月現在にFXをしていなければ、円安が急激に進行していることに対して全く興味を抱かなかったのではないでしょうか。
FXトレーダーであることは世界の金融事情に関心を持たざるを得ない状況にあることを意味しているのです。
その3:就活の役に立つ
就活を控えている大学生にとってはFXで身につけた経験や知識が就活に有利に働くことがあるかもしれません。
先ほど述べたようにFX取引をする過程では、様々な知識やスキルを身に着けることが可能です。
また日本人の金融リテラシーは世界的に見て低い傾向にあるため、金融商品を扱ったことがあるという経験自体とても貴重であるといえます。
そのことからも大学生の間に金融の世界に触れており、実際にトレーダーとしてある程度の収益を上げた経験があるのであれば、他の就活生との差別化を測ることができます。
その4:FXを勉強する時間が多い
大学生がFX取引に取り組むべき一番の理由は、FXの勉強に費やすことができる時間が圧倒的に多い点にあります。
FXは土日は取引できないため、社会人は通勤や休憩などの隙間時間や退社後の時間でしか行うことしかできません。
それに比べて大学生は平日であっても比較的自分の自由に時間をつくりやすいため、集中してFXと向き合う環境を作ることが可能です。
FX取引を学ぶ過程では取引経験や勉強、分析等を行う多くの時間が必要となるため、大学生から始めることは非常に有利に働くでしょう。
大学生がFXをするときに注意するべき3つのこと
これまで大学生がFXの詐欺にあう事例が多発していること、そしてFXをするにあたってのメリットとデメリットを話してきましたが、大学生がFXをする際の注意点を3つ紹介します。
この3つを意識さえすれば安心、安全にしてFXに取り組むことができるでしょう。
- その1:無理のない範囲内でFXをする
- その2:甘いうたい文句は疑う
- その3:知人からの怪しいFX投資勧誘は疑う
その1:無理のない範囲内でFXをする
さきほども話したようにFXに熱中しすぎてしまった結果、生活資金を口座に入金をしてしまったり、最悪の場合借金をしてしまう大学生も一定数存在しています。
FXに充てる資金は生活資金とは切り離された資金で行うべきであり、明日の生活がFXの結果にかかっているような状態はFXを行う上で最悪の環境といえます。
このような環境下でFXをしている場合、以下のような弊害が発生することが考えられます。
- 大きすぎるロットでエントリーしてしまう
- トレードルールにないエントリーをしてしまう
- 損失を確定させたくないから、含み損のポジションを抱え続ける
このようにFXでは適切な資金管理を行わなければ精神面にも悪影響を及ぼし、トレードの成績の悪化を招きます。
したがって、FXで入金する資金は生活に支障をきたさない程度の額に抑えるようにしましょう。
その2:甘いうたい文句は疑う
社会経験が少ない大学生はお金を稼ぐことに対して楽観的な考え方を持ってしまうことがあります。
したがって大学生は楽にお金を稼げることをほのめかす甘いうたい文句に対して、特に疑いを持たずに共感してしまいます。
FXはシンプルにいえば「価格の進む方向を予測する」だけなので、楽にお金を稼ぎたい大学生を勧誘する材料として悪用されやすいです。
しかし実際にFXで継続的に利益を上げることはかなり難しく、9割以上のトレーダー1年以内に市場から退場してしまうといわれています。
したがって、FXの簡単さを主張するようなうたい文句のほとんどは詐欺であるという意識で市場に参加するようにしましょう。
その3:知人からの怪しいFX投資勧誘は疑う
大学生がFXに興味を持ち始めるきっかけが大学内の知人からの紹介であることはよくあると思います。
知人と共にFXに関する知識や経験を共有すること自体は悪いことではありませんが、自動売買ツールの購入を持ちかけられたりした際には注意が必要です。
FXに対する勉強欲がネズミ講や悪徳セミナーに向いてしまい、悪意なく友人を勧誘してしまうという悲しいケースも存在します。
FXに関する知識は、地道な手法の検証やトレード日記などによる自己内省によって身につくものなので、外部のセミナーや自動売買ツールには安易に頼らないようにしましょう。
まとめ:大学生を狙ったFX詐欺には要注意
ここまで大学生を狙ったFX詐欺について解説してきました。
この記事のポイントは以下の通りです。
- 大学生は社会経験や資金の少なさが原因で、FXの甘い勧誘に引っかかりやすい
- 大学生がFXをすることのデメリットは「学業が疎かになる」「借金のリスクがある」「ハイレバレッジトレードをしてしまう」
- 大学生がFXをすることのメリットは「自分で稼ぐスキルを習得できる」「金融・経済に詳しくなる」「就活の役に立つ」「勉強時間が多い」
- FXは無理のない範囲で行い、甘い宣伝や知人からの勧誘には注意する
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