FXでダマシを見抜く方法は?覚えるべき典型パターンを解説

チャート分析をしっかり行った上でエントリーしたのに損切りになった…

ブレイクでエントリーしたのに急に逆方向に走ってしまった…

トレーダーを悩ませる永遠の課題であるダマシ。

対処法がわからずに損切りを繰り返している人は多いのではないのでしょうか。

テクニカル手法を覚えても「結局ダマシがあるからうまく使えない…」という方は多いはず!

この記事ではダマシが発生する原因や、ダマシによって大きな損失を被らないようにする方法について解説していきます。

ダマシについての理解を深め、無駄な損失を減らせるようなトレードをしていきましょう。

目次

FXのダマシとは?

ダマシとは、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析、インジケーターによって予測した方向とは異なる方向に相場が動いてしまう現象です。

チャートのセオリーに反する動きになってしまうため、経験を積んだプロトレーダーでも引っかかってしまう可能性は大いにあります。

しかしダマシが発生しうる状況はある程度パターン化できるので、それらを把握しておくとことで損切りを抑られるのも事実です。

ダマシの典型パターンはどんなものがある?

ダマシの典型パターンを把握しておけば無駄なエントリーによる損失を避けられます。

大きく分けて以下のような典型パターンが考えられます。

  • ラインブレイクのダマシ
  • インジケーターによるダマシ
  • チャートパターンによるダマシ
  • ダマシが発生しやすい時間帯もある

ひとつずつ解説していきます。

ラインブレイクのダマシ

例えば画像のように、レンジを形成している場面でブレイクしたらその方向に伸びていくのがチャートのセオリーです。

しかし1度ブレイクしたラインを再び割ってレンジに戻ってしまったり、レンジを下抜けしてしまうようなダマシがよく見られます。

トレンドラインでも同じように、下に抜けたらショートがセオリーの場面で上方向に価格が動いてしまうダマシも表れることが多く、たくさんのトレーダーを苦しめています。

エントリーの位置によっては大きな含み損を抱えてしまう場合もあり、非常に厄介な動きです。

ラインブレイクのダマシはトレンドラインや水平線のほかにもチャネルラインや三角保合など、全てのラインで起こりうることを理解しておきましょう。

ラインをブレイクしただけでエントリーするのは危険な場面が多いため戻りを待ってからエントリーするなど、1度冷静になって様子を見る必要があります。

インジケーターによるダマシ

ダマシは時にインジケーターをも欺いてしまうケースがあり、多くの人が使う移動平均線などもダマシの餌食になっています。

例えばインジケーターによるサインは、中長期の移動平均線を短期の移動平均線が上抜けることによって発生するゴールデンクロスが挙げられます。

画像のようにゴールデンクロスが発生した際、価格上昇の可能性が高いためエントリーの参考にしているトレーダーは多く見られます。

しかしゴールデンクロスが起こったにも関わらず全く価格が上がらず損切りする羽目になった、というケースは非常に多いのです。

他にもMACDでダマシが起きている例を見てみましょう。

MACDも移動平均線と同じようにゴールデンクロスで下落示唆、デッドクロスで上昇示唆をしている特徴があります。

下の画像ではデッドクロスが発生したにも関わらず、その後ダマシが発生し価格がどんどん上昇してしまいました。

インジケーターは直近のロウソク足や価格の動きを参考に形成されているため、実際の動きよりも若干遅れてしまうのがデメリットです。

インジケーターを売買判断のメインの基準として使用するのは危険だというトレーダーが多い理由はここにあります。

今回ご紹介した移動平均線やMACDに限らず、全てのインジケーターに当てはまります。

例えばゴールデンクロス時に移動平均線が両方とも上を向いていたら信頼性が増すといったようなテクニックはありますが、時にはチャートパターンと逆方向を示す場合もあります。

このようなケースではチャートパターンの方が有力な根拠となる場合が多いため、インジケーターだけを信用しすぎるのは少々危険だといえるでしょう。

チャートパターンによるダマシ

チャートパターンは信頼性が大きい反面、ダマシが起きると大きな損切りになる危険性があります。

チャートパターンを使った有名なエントリーポイントとして「三尊天井やダブルトップが発生したらショート」というものがあります。

しかし、しっかりとチャートパターンを確認したのに損切りされてしまうケースは多くあります。

三尊天井やダブルトップなどのチャートパターンを信用しすぎているトレーダーは、ダマシが発生してもなかなか損切りできずに大きな損失を抱えてしまうため注意が必要です。

チャートパターンとは少し違いますが、ダウ理論やロウソク足に対するダマシも存在します。

例えば下降ダウを形成している際、戻しを付けて再び下降すると予想しショートを打ったのに上昇していってしまうケースがあります。

画像では比較的緩やかに上昇していますが、指標時などには一気に上昇してしまう場合もあるためロスカットを設定しておくのは必須です。

またロウソク足はその形により上昇示唆、下降示唆と様々なパターンがあるというのは有名です。

しかし最新のロウソク足を否定して逆方向にチャートが進んでしまうケースは非常に多く見られます。

下の画像ではハンマーと呼ばれるロウソク足が発生しており、上向の反ンマーは上昇を示唆する特徴があります。

しかし直後に大陰線が発生しており価格はその後下落しており、ロウソク足に対するダマシだといえます。

このようにチャートに現れるサインひとつだけではダマシに捕まってしまう場合があり、チャートを複合的に見て判断する必要があります。

ダマシが発生しやすい時間帯もある

ダマシは時間帯によって発生する頻度に特徴があります。

時間帯ごとの値動きの特徴は以下のようになっています。

  • 東京時間・・・大きな値動きが発生しづらく、レンジ相場になる傾向が強い
  • ロンドン時間・・・東京時間に比べ取引が活発になり、最もダマシの動きが多い
  • ニューヨーク時間・・・値動きのピークを迎える時間帯で、テクニカル通りの大きなトレンドが発生しやすい

一般的に東京時間は穏やかな値動きが続き、ロンドン時間が始まったタイミングに大きな値動きがあり東京勢の損切りを誘発する傾向があります。

そしてニューヨーク市場でさらに逆方向に走り損切りを誘発しながらトレンドを形成していくことが多いといわれています。

相場の状況は毎日刻々と変動するためダマシを簡単に判別するのは難しいですが、ロンドン時間の最初に起きた値動きに関しては警戒して観察する必要があるでしょう。

ダマシが発生するメカニズムは?

ダマシの鉄板パターンを解説しましたが、これは意図的に起こされている場合もされば偶然起こっている場合もあります。

  • 大口による初心者狩り
  • 相場参加者による自然発生的なダマシ
  • 時間足同士で違う方向性を示している

それぞれについて解説していきます。

大口による初心者狩り

チャートは買いと売りの需給バランスで価格が動くため、大口トレーダーによる巨大な売買が発生すれば個人トレーダーでは太刀打ちできません。

例えば画像のようにレンジを上にブレイクした際、多くのトレーダーが買いを狙います。

しかしここで大口が巨大な売りポジションを持った場合、需給バランスが崩れ価格が一気に落ちてしまいます。

そもそも上にブレイクしたことが大口トレーダーの誘いなのです。

大口トレーダーがある程度巨大な買いでレンジを上ブレイクさせ、上方向の期待を持たせた後にさらに巨大な売りをぶつけて価格を下げている構図です。

大衆トレーダーの損切りによって大口トレーダーは大きく利益を上げることができます。

ここで狙われているトレーダーは、ブレイクだけで価格が上がるだろうと判断してロングをした人です。

そのためラインブレイクやチャートパターンなど、ひとつだけの根拠で売買の判断をするのは非常に危険だといえます。

相場参加者による自然発生的なダマシ

ダマシは大口によるものだけでなく、自然発生しているケースも非常に多く見られます。

そもそもライン際はブレイクを狙う人と跳ね返されると思う人のポジションがせめぎ合っており、どちらに価格が飛ぶかわからない状態です。

画像の場合ではレンジを少し下に抜けてから一気に上昇していますが、上に抜けても逆張りでショートをする人や、まだレンジだと判断してショートする人など、人によって判断はマチマチです。

もし上抜け判断でロングした人よりも逆張り判断でショートした人が多ければ価格は下がっていきます。

このように相場参加者の判断によってダマシで下がることもあり、結果は後にならないとわからないのです。

しかしダマシが発生しても、大口トレーダーによる作為的なものなのか一般トレーダーによる偶発的なものなのかは判断が難しい上に、それがわかったところで何の意味もありません。

ダマシをどのように予測し対策できるか、トレードで勝つために重要なのはその部分です。

時間足同士で違う方向性を示している

ある時間足だけを見ており売買判断をした場合、さらに長期足では真逆の方向性を示していることもあります。

例えば5分足でダブルトップをつけて今にも下がりそうでも、4時間足ではダウ理論が下降から上昇に転換し、ここから本格上昇が始まるタイミングというようなケース。

当然短期よりも長期の足の方が信頼性が高く上に伸びていく可能性が高いと判断できます。

ここで5分足しか見ていなかった人は、いわゆるダブルトップのダマシに遭ったことになります。

このように時間足同士や別のインジケーターなどで違う方向性を示す場合があり、判断基準が少なすぎるとダマシによる損失を被りやすい傾向にあります。

ダマシを回避する方法は?

ここまではダマシがなぜ発生するのか、どのような場面で発生するのかを解説してきました。

FXをする上で誰もが警戒すべき動きですが、対策方法もいくつかあります。

  • エントリータイミングを遅らせる
  • ダマシの少ない時間帯を狙う
  • 複数のテクニカル分析で避ける
  • 別の通貨ペアの参考にする
  • 分割エントリーを行う

これらの方法を実践することで無駄な損失を減らしていきましょう。

エントリータイミングを遅らせる

チャートパターンやラインブレイクから少し待つことで損失を防ぐ方法があります。

それは戻りや押し目を待つことです。

例えば画像のように三尊天井でのショートエントリーを狙う場合でも、三尊天井を確認しただけでエントリーするのは少し危険です。

そのため三尊天井のネックラインに当たり、そのラインがレジスタンスになっていることを確認してからショートを打てばダマシを回避しながらエントリーできます。

これはダブルトップやトレンドライン、レンジなどあらゆるラインに対して使える方法で、ラインをブレイクして裏からタッチして止められた事実を確認すればかなりの優位性を保つことが可能です。

ダマシの少ない時間帯を狙う

ダマシが発生しやすいのはロンドン時間だと解説しましたが、特に東京時間からロンドン時間に移る16時(冬時間は17時)の大きな動きには注意です。

ロンドン勢は東京時間で溜まったポジションの損切りを利用して稼ごうとしているため、あえて逆方向に価格を動かし他のトレーダーを惑わすことがよくあります。

そのため、ロンドン時間の中でも最初の大きな値動きを避けてトレードすればダマシに遭う確率を下げることができます。

東京時間であれば価格があまり動かずレンジ相場になる傾向があり、レンジブレイクが起こっても元の価格に戻っていくようなダマシが時折見られます。

ニューヨーク時間は相場参加者が最も多くなるので大口トレーダーのポジション比率は相対的に下がります。

そのため大口トレーダーによる人為的なダマシは少なくなり、一方向へのトレンドが発生しやすい特徴があります。

これらの特徴を理解し、それぞれの時間帯に合わせたトレードを心がけましょう

複数のテクニカル分析で避ける

ダマシを避けるという視点に限らず、トレードで勝つために最も必要なのは複数の根拠を積み重ね勝利の期待値を上げることです。

例えば複数の時間足で同一方向への根拠があれば期待値が高いトレードが可能です。

画像では15分足での三尊天井のネックラインタッチを利用してショートして下落を狙っていますが、ここにプラスアルファの根拠を付け加えることができます。

5分足に拡大してみると、三尊天井のネックラインタッチが2回起こっており青丸でダブルトップを形成しています。

さらにそのダブルトップのネックラインに対してネックラインタッチ(緑丸)が起きており、合計で3つの根拠でショートを狙うことが可能です。

さらに別の例をご紹介します。

ダマシが多いといわれるインジケーターをメインにして利益を狙う場合、チャートパターンなどの根拠と組み合わせると非常に安定したトレードをすることが可能です。

MACDのデッドクロスをエントリー根拠にする場合でも、チャートを注意深く見ればトレンドラインの裏にタッチしてレジスタンス化、さらにダブルトップが発生していることがわかります。

そのためこの例では3つの根拠からショートを狙える場面であり、かなり堅いトレードができます。

ひとつひとつのトレードに対して複数の根拠を見つけ、期待値の高いトレードをすればトータルで利益を狙うことは十分に可能です。

時には複数根拠のもとトレードを行なってもダマシに遭ってしまう場合もありますが、一貫した損切りの根拠を持っておくことで大きな損失で資金を溶かす心配は無くなります。

別の通貨ペアを参考にする

通貨ペアの中には相関性を持つものがあり、エントリーを狙う際に別の通貨ペアをチェックすることでダマシを避けられます。

例えばユーロドルとポンドドルの同時期のチャートを見てみましょう。

大枠で見た動きが非常に似ているのがわかります。

ポンドを使うイギリスはユーロを扱うユーロ圏に非常に近く政治的にも深い繋がりがあるので、近い動きをすることは有名です。

一方の通貨ペアでエントリーを狙う際は、もう片方の通貨ペアでも同じ方向に動きそうかを見てみるといいでしょう。

画像ではユーロドルがレンジを下にブレイクし、裏からタッチして価格が上がらないことが確認されたため下落が期待される場面です。

これだけでもショートを狙う根拠としては強いですが、同時にポンドドルをチェックするとほとんど同じチャートパターンを形成していることがわかります。

相関性が強い2つの通貨ペアが同じ方向に動くサインを示していることで、その根拠はさらに強いものとなります。

逆にユーロドルがダブルトップを形成しているのにポンドドルが逆三尊を形成している場合などは、どちらかがダマシの可能性が非常に高いです。

その際は長期足の値動きに沿った方向にエントリーするなど、できるだけ安全だと思われるポジションメイクをするべきだといえます。

判断が難しい場合は静観するのもトレードのうちです。

分割エントリーを行う

エントリーする際、根拠があったとしても一時的なダマシを伴って狙った方向に進んでいくケースはよく見られます。

そのためある程度損切り幅を広く取り、その分ポジションを小さめに持てば損失を減らすことができます。

ダマシが終わり、狙った方向に進み始めたタイミングでポジションを追加していけば、取れる利益が極端に小さくなることはありません。

ダマシだと思っていた動きが長く続いた場合は狙う方向性を間違えている可能性が高いので、素直に損切りするのが無難です。

小さいポジションの損切りなのでダメージは少なくすみますし、メンタルへのダメージも少なく済みます。

戦略的にポジションの大きさを変動させ、損小利大なトレードを心がけましょう。

ダマシで資金をすり減らさないために

ここまでダマシが発生する原因やメカニズム、対策方法について具体的に解説してきました。

正しい根拠を複数重ね合わせることでダマシに遭う確率を下げるのは誰にでもできることですが、怠ってしまう人が多いのも事実です。

しかし、それがトレードで勝つための近道なのです。

ダマシは一時的な動きに過ぎないので、ポジション量の調整などで余裕を持ったトレードをして利益を確実に積み上げていきましょう。

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この記事を書いた人

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