FXの「ひげ」は何を意味する?優位性の見抜き方を徹底解説!

FXでよく聞くひげってどんな意味があるの?

FXのひげってトレードに活かせるの?

勝てるトレーダーならしっかり活用できているケースが多いひげ。

初心者や中級者トレーダーはひげの意味をしっかり理解しておらず、使いこなせていない人も多いのではないでしょうか。

この記事ではFXのひげとは何なのか、髭の長さや方向によって何を意味するのかを解説していきます。

実際のトレード活用例もご紹介するので、しっかりとひげをトレードに活用できるようになりましょう。

この記事でわかること
  • FXの「ひげ」の見方
  • ひげによる優位性の見抜き方
  • ひげを活用したトレード手法
目次

FXの「ひげ」とは?

FXの「ひげ」とは何なのかを解説するイメージ

ひげとは、ロウソク足の上下に伸びている線を指します。

上に伸びている線は「上ひげ」、下に伸びている線は「下ひげ」と呼ばれます。

ひげの見方は非常に簡単なので、FX初心者が最初に覚える知識と言っても過言では無いですね。

ひげが発生するメカニズムについてご紹介します。

ひげが発生するメカニズム

例えば陽線のロウソク足があった場合、実体の下限が「始値」、実体の上限が「終値」となります。

ひげとは、価格がそのロウソク足の始値と終値よりも一時的に広い値幅まで到達したことを表しています。

図に表すとわかりやすいですが、1本のロウソク足の中身はこうなっているのです。

指標時などは急激に価格が上がり、その後すぐに下がる場合があります。

このような動きは「行って来い」と呼ばれ、長いひげが一瞬で形成されるのが特徴です。

画像のように、上がろうとしたが跳ね返されているような状況で「行って来い」を示す長いひげは発生します。

通常時と指標時ではひげと実体の長さが大きく違うのがわかります。

過去相場を見た時にひげが長いロウソク足や髭が多い箇所を発見したら、重要な水平線や、その時間帯に指標が無かったか検証してみると良いでしょう。

ひげは一見その意味を読み取りづらいように見えますが、長さや表れる場所で大きな意味を持つこともあります。

今後のチャートの動きを示唆

ひげは今後のチャートの動きを示唆する有効なツールです。

どんなひげが現れたら何を示すか、いくつか例をご紹介します。

短いロウソク足の上下にひげが伸びている場合

例えばロウソク足の実体部分が短く上下のひげが同じくらいの長さになっていると何を表すのでしょうか。

この場合は相場が方向性を見失っており、買いと売りが拮抗していることを示します。

特に、画像のようにひげがたくさん出るときには揉み合いが激しく、その後大きく動くことが予想されます。

ひげが多い場面では小さい時間足でレンジを形成しており、その後レンジブレイクによる大きな動きが発生するためです。

重要なネックライン付近でこの形のロウソク足が現れたら、転換を狙うトレードも検討できます。

ひげだらけのチャートを見つけたら、短期足を見ていち早くブレイクの動きをキャッチできるように気を配りましょう。

長い上ひげや下ひげが現れたら

長い上ひげが付いたロウソク足が現れたら何が考えられるでしょう。

「一時的な下落があるかもしれない」ということです。

上ひげが長いと、そこに多くのショート勢が待ち構えており、価格が叩き落とされるポイントだと判断できるのです。

逆に長い下ひげを付けた陽線が表れると、そのひげ先より下に落としたくないトレーダーが一定数いると判断できます。

ネックラインで長い下ひげがたくさん連続しているような場面は、下降からの反転上昇が期待できます

しかし長いひげが出ても相場の方向が変わったと判断するのは早計です。

長いひげが出ても油断できない「ひげ回収(ひげ埋め)」

特徴的な長いひげを否定するかのように価格が動く、「ひげ回収(ひげ埋め)」という動きをする場合もあります。

ひげが単なる一時的な反発だった場合に起こる現象で、その後再び反転してひげを否定してしまうことを言います。

長いひげが出たからすぐにエントリーするのではなく、ラインでの反発など他の根拠も組み合わせるべきでしょう。

このように、ひげを見るとこれからどんな価格推移になってくるかを予測しやすくなります。

長いひげと相場環境が合わさって初めて有効なサインになるんですね。

長いひげが現れると注目すべき場所とは

チャートを見ていると、長い髭を伴ったロウソク足がチラホラ見られるのがわかります。

長いひげ全てに注目するべき、というわけではありません。

ある場所に現れたら特に注目する必要があります。

それがトレンドラインや水平線など、節目となる価格帯に現れる長いひげです。

ここで大きくひげをつけて跳ね返されていれば、その方向にエントリーすることで損切りも明確で良いエントリーができるでしょう。

トレンド発生時の長いひげ

上昇トレンドであれば長い下ひげ、下降トレンドであれば長い上ひげをつけた場合、下位足で押し目を形成したことを意味します。

その波に途中で乗ってエントリーするなら下位足でに切替えることを推奨します。

その時間足のままエントリーすると損切りポイントを決めづらく、リスクが高いためおすすめできません。

見ている時間足でエントリーするなら、もっと大きい戻りや押し目を待つべきでしょう。

基本的にはネックラインで現れた反発方向の長いひげが重要になるので、トレンド中に進行方向に現れた今回のようなひげは無視される傾向にあります。

窓埋めの時はひげにも注目

週明けの相場が開いたタイミングや大きな指標で価格が一気に飛んでしまう「窓」と呼ばれる現象ですが、遅かれ早かれ価格の空白を埋める「窓埋め」が起こるのは有名な話です。

勘違いされがちですが、窓埋めはロウソク足の実体で発生するだけでなく、ひげで価格を戻すのも窓埋めに入ります。

例えひげをつけた一瞬であっても価格が戻り空白を埋めた事実は変わりないので、ひげで窓埋めをするのは理にかなっています。

通貨ペアで窓が発生するのは週明けや衝撃的なニュースが発表された場合が多いですが、株のチャートでは普段から頻繁に窓が発生します。

ひげとロウソク足の組み合わせは多種多様

ひげは一般的に単体での判断ではなく、ロウソク足の形も見て複合的に判断する必要があります。

その中からいくつかご紹介します。

ハンマー

ロウソク足よりもひげが長く、見た目がハンマーのように見えるためそう呼ばれます。

先ほどから「長いひげ」を話題に上げていますが、どれくらいが長いひげなのか判断ができない場合は
「ハンマー=長いひげ」という判断をしても良いでしょう。

全てのロウソク足とひげの長さの割合を計測し、規定値に達するとサインを出してくれるインジケーターも存在します。

FX初心者だから判断が難しいという人はそのようなツールを使うのも手でしょう。

ネックラインでトレンドと逆方向に出れば転換を示唆、順方向にハンマーが出れば動きが継続するという判断ができます。

ハンマーに似た形の判断

また、ハンマーに似た形のロウソク足パターンも多く見られます。

逆方向にもひげが付いていたり、ロウソク足が比較的長いパターンです。

この場合ネックラインでの転換示唆の意味はハンマーに比べ弱くなります。

しかし、順方向への動きの継続を示唆する意味合いはハンマーと同じ程度あると考えて良いでしょう。

十字線・コマ足

先述の通り、十字線やコマ足と呼ばれるロウソク足パターンは優柔不断な揉み合いを示唆しています。

この場合ロウソク足は短くなりますが、ひげは長い場合も短い場合もあります。

ネックライン付近で現れると揉み合いからの転換を示唆している場合もあるので、ネックライン付近で現れたら転換を意識した作戦を立てましょう。

指標直前の数分〜数時間の値動きが小さくなるため、このタイミングで十字線やコマ足が連続して現れる場合があります。

指標で大きく動くのを警戒する投資家がポジションを手仕舞ったり、指標直前は様子見に回るトレーダーが多くいることになります。

FOMCやADP雇用統計など大きな動きが予想される指標の直前は、比較的大きな時間足でもコマ足が連続するような場面も見られます。

その分、指標の発表時にはかなり大きな動きが予想されるでしょう。

押し目や戻りを的確に掴むヒゲの使い方

トレンド発生時、押し目や戻りを的確に掴めるツールとして「フィボナッチ・リトレースメント」があります。

一般的に38.2%〜61.8%の範囲で価格が止まればトレンドが再開する良い形だといわれています。

ここで価格が止まったと判断する根拠として使えるのがひげです。

フィボナッチ的にキリの良い数値で長いひげを付けて反発した場合、そこで押し目や戻りが終わったと判断する材料になります。

他の根拠もありリスクを許容できるのであれば、フィボナッチ・リトレースメントのキリのいい数値を決め打ちでエントリーすることで、俗に言う「ひげキャッチ」という最も値幅が取れるポジションを持てます。

しかし画像のような場面に38.2%で決め打ちしてしまうと、ひげで食い込んで損切りになってしまう可能性があります。

このような現象を「ひげ狩り」と呼び、ひげキャッチを狙うトレーダーがひげで刈られるような動きもしばしば見られます。

そのためフィボナッチ・リトレースメントでエントリーする際には、ロウソク足が確定して「ひげが長くなったという事実」を確認してからのエントリーが推奨されます。

参考にしづらいひげとロウソク足もある

ネックラインに現れるひげやトレンド発生時の長いひげは大きな意味を持ちますが、ふとした時に出るひげはあまり参考になりません。

例えばこのように重要でもなさそうな価格帯で発生するロウソク足や短いひげ。

このようなひげには大きな意味を求めるべきではありません。

あくまでひげは要所でその実力を発揮するだけで、常に有用なツールではないのです。

エントリーや決済の判断は複合的な判断のもと行うべきで、決してひげだけでの判断は推奨されません。

ひげは単体では使いにくい

ここまでひげの種類を解説してきましたが、ほとんどがロウソク足の実体や、ひげが発生する位置と絡めた解説でした。

その理由としては、ひげ単体ではトレード判断には不十分すぎるからです。

例えば上向きのハンマーが発生しても、それが高値圏か安値圏どちらで発生しているかによってその意味合いは全く異なります。

また上向きのハンマーがダブルボトムの一部として現れているなら心強い根拠にもなりますが、逆にダブルトップの一部として現れたらどうでしょうか。

ひげやロウソク足の形よりもチャートパターンの方が根拠としては強い場合が多いので、下落優勢の判断になってしまいますね。

ハンマーや十字線などの特徴的な髭を伴ったロウソク足は色々な場所に出現します。

その形が意味を持つものなのか、価格帯やチャートパターンを必ず見るようにしましょう。

ひげを活用したトレード手法

ここでは、実際のチャートを用いてひげを活用したトレードを解説していきます。

長いひげを活かすトレード

画像のチャートでは上昇トレンドが形成されており、今後どうなっていくかは以下の2パターンに分かれます。

  • 押し目を形成して上昇再開
  • そのまま押し安値を下抜けて下降トレンドに転換

セオリーとしてはトレンドに乗っていきたいので、押し目買いのサインを待っています。

するとあらかじめ引いておいた直近高値にタッチし、レジサポ転換が見られました。

ここでロウソク足を見てみると、ロウソク足よりも下ひげが長いハンマーのひげ足を形成していることがわかります。

この時点でロングする根拠がふたつあります。

その後少し上がってから失速しましたが、建値決済か小さい損切りで乗り切ります。

その後ジリジリと下がっていき、今度は直近高値にタッチしレジサポ転換が見られました。

この時のひげはロウソク足の何倍もの長さがあり、ハンマーの中でも非常に根拠が強いと判断できます。

迷わずにロングし、上がり切るまで保持し大きな利益を得られました。

このトレードではレジサポ転換をメインの根拠とし、ひげをサブの根拠にしてトレードを行いました。

ひげを使ったエントリーには、トレンドの状況や価格帯、チャートパターンが非常に重要だとわかりますね。

トレンド相場の継続をひげで取るトレード

画像のチャートでは綺麗なトレンドが形成されています。

しっかりしたチャネルラインも引けるので、ラインタッチだけでもエントリーは可能です。

しかしエントリー根拠がひとつだけというのも不安なので、ここでひげによる根拠を足すことで安心したエントリーができます。

チャネルラインの下限にタッチしたタイミングのひげに着目してみましょう。

毎回長い下ひげを付けた陽線を形成しており、ハンマー形状のひげ足になっているのがわかります。

そもそも上昇トレンド中のチャネルライン下限へのタッチは上昇再開を示唆しているため、上向きのハンマーが出やすい状況です。

そこで上昇示唆のハンマーがしっかり出たということは、セオリー通りにロングを打つと成功確率が高いということですね。

逆に上昇トレンド中のチャネルライン上限へのタッチ時には下降示唆の上ひげは出にくくなります。

そもそも上昇トレンドは上向きへの圧力が強く、押し目を作れても勢いが出にくいからです。

そのため下降するにしてもダラダラ下がる場合が多く、しっかりした転換示唆のひげの発生確率も低くなってしまいます。

ここでわかるのは、あくまでひげはサブ根拠のひとつとして使っているに過ぎない点です。

「トレンドフォローでレジサポ転換、長いひげによる後押しを受けエントリー」というレベルの使い方が適切なので、あまりひげに固執しすぎないようにしましょう。

連続するヒゲでトレンド転換を読むトレード

画像のチャートは上昇トレンドのため、基本的にロングを狙う場面です。

押し目を付けて上がっている場面なのでショートは狙っていません。

1度落ちましたが再び上がっていき、ロングが強い場面でした。

しかしここでロウソク足の雲行きが怪しくなってきます。

陽線といえども上ヒゲがかなり長いロウソク足が出て、次に優柔不断なコマ足、3つ目にはまた上ヒゲが長いロウソク足が出ました。

かなり上昇の雲行きが怪しく見えますが、このヒゲが前回高値付近で見られたのが注目ポイントです。

このまま落ちれば綺麗なダブルトップになるのです。

次のロウソク足は長めの陰線で、直前の陽線を否定するような動きを見せています。

この時点で複数の下落根拠が揃っているので高値更新を損切りにショート。

結果的に大きな下落を取れました。

トレンド継続中でも、意識される価格帯で転換を示唆するヒゲが連続で出たためトレンド転換をいち早く察知することができました。

ひげだけでトレードが完結する場面は少ないですが、連続で出たひげや長いひげは注目です。

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この記事ではヒゲの基礎から使い方までを解説しました。

ひげはトレーダーにとって非常に身近で見た目で判断しやすいですが、その反面大きな根拠にはしづらいのが欠点です。

ひげに固執すぎるのは他の根拠を見逃すことにもなりかねないので、あくまでも根拠の中のひとつとして扱うようにしましょう。

ひげを使いこなせれば、より安定したトレードが可能になるでしょう。

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この記事を書いた人

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