FXでのデイトレードとスキャルピングの違いは?
自分は、どちらが向いているのだろう?
デイトレードとスキャルピングは、どちらも1日の中で取引が完結するトレードスタイルです。
ですが、デイトレードとスキャルピングの違いが分からず、本当に自分に適しているのはどちらかわからない方も多いです。
違いを理解せずに取引すると、トレードスタイルに合わない時間足や分析方法を使ってしまい、なかなか勝てなくなる原因になるかもしれません。
できれば自分に合ったトレードスタイルがどちらなのか理解した上で、選択したいところです。
- デイトレードとスキャルピングの違い
- デイトレードが向いている人の特徴
- スキャルピングが向いている人の特徴
この記事を読めば、FXのデイトレードとスキャルピングの違いから、それぞれのトレードスタイルに向いている人の特徴まで理解できます。
自分がデイトレードとスキャルピングのどちらに向いているのかが分かるので、ぜひ最後までご覧ください。
FXのデイトレードとスキャルピングの違い4つを比較
デイトレードとは、1日の間に注文チャンスがあれば注文と決済を数回行うトレードスタイルのことです。
対してスキャルピングとは、短時間で何度も注文と決済を行って利益を積み重ねるトレードスタイルのことです。
デイトレードとスキャルピングを比較すると、違いが4つあります。
- 時間足
- 1日の取引回数
- 1回の取引時間
- 分析方法
違い | スキャルピング | デイトレード |
---|---|---|
時間足 | 1分足~15分足 | 5分足~日足 |
1回の取引時間 | 数秒~数分 | 数十分~24時間 |
1日の取引回数 | 数回~数十回 | 1回~数回 |
分析方法 | テクニカル分析がメイン | テクニカル分析がメイン たまにファンダメンタルズ分析 |
違い1.時間足
トレードスタイル | スキャルピング | デイトレード |
---|---|---|
時間足 | 1分足~15分足 | 5分足~日足 |
デイトレードとスキャルピングの違い1つ目は「時間足」です。
デイトレードは「5分足~日足」を中心に使用します。
なぜならトレンド分析を日足~1時間足で行い、注文するときはそれよりも2つ下の時間足で行うからです。
下位足のトレンドは、上位足に従う傾向があります。
例えば、15分足が下降トレンドでも4時間足が上昇トレンドならば、最終的には上昇トレンドになります。
つまり、長い時間足でトレンドの方向性を確認してから短い時間足で同じ方向へ注文を出せば、無事にトレンドに乗れるので勝ちやすくなります。
一方スキャルピングは「1分足~15分足」を中心に使用します。
理由は、トレンド分析も短い時間足で行うことが多いからです。
スキャルピングは直近の数時間で発生したトレンドが確認できればいいので、長い時間足を使って分析することはあまり重要ではありません。
例えば4時間足で上昇トレンド、15分足では下降トレンドだったとます。
この状況で1分足を使って1時間取引するなら、15分足の下降トレンドにしたがって動く確率の方が高いでしょう。
というのも4時間足のトレンドが1分足に影響を与えるよりも、15分足のトレンドの方が先に影響を与えるからです。
違い2.1日の取引回数
トレードスタイル | スキャルピング | デイトレード |
---|---|---|
1日の取引回数 | 数回~数十回 | 1回~数回 |
デイトレードとスキャルピングの違い2つ目は「1回の取引回数」です。
デイトレードは1回の取引時間が「1回~数回」となります。
なぜなら「違い1.時間足」でも解説した通り、デイトレードはスキャルピングよりも長い時間足で取引するからです。
トレードスタイル | スキャルピング | デイトレード |
---|---|---|
時間足 | 1分足~15分足 | 5分足~日足 |
長い時間足だと、ローソク足が出現・確定する時間も長くなります。
すると、注文や決済するタイミングも長めになるため、必然的に1回の取引時間も長くなるのです。
逆にスキャルピングは、1度注文してから決済するまでの時間は「数秒~数分」と短いです。
使う時間足も「1分足~15分足」と短いため、必然的にデイトレードよりも1日の注文回数が多くなります。
違い3.1回の取引時間
トレードスタイル | スキャルピング | デイトレード |
---|---|---|
1回の取引時間 | 数秒~数分 | 数十分~24時間 |
デイトレードとスキャルピングの違い3つ目は「1回の取引時間」です。
デイトレードは1回の取引時間として「数十分~24時間」を費やします。
なぜなら「違い2.1日の取引回数」でも解説した通り、1日の取引回数がスキャルピングよりも少ないからです。
トレードスタイル | スキャルピング | デイトレード |
---|---|---|
1日の取引回数 | 数回~数十回 | 1回~数回 |
デイトレードの1日の取引回数は「1回~数回」と少ないため、一度に取れる利益幅をできるだけ多く取る必要があります。
対してスキャルピングは、1日の取引回数が「数回~数十回」と多いため、デイトレードよりも少ない利益幅でも十分利益が残せるのです。
つまり1回の取引時間を長めにして取引回数を減らすのが「デイトレード」で、取引時間を短くしてできるだけ取引回数を増やすのが「スキャルピング」と言えます。
違い4.分析方法
トレードスタイル | スキャルピング | デイトレード |
---|---|---|
分析方法 | テクニカル分析がメイン | テクニカル分析がメイン たまにファンダメンタルズ分析 |
デイトレードとスキャルピングの違い4つ目は「分析方法」です。
デイトレードは「テクニカル分析をメイン、たまにファンダメンタルズ分析」をします。
なぜならデイトレードが使う時間足は「5分足~日足」と比較的短いため、値動きを統計的にまとめて視覚化できるテクニカル分析の方が合っているからです。
ですが、長期に渡って相場に影響を与えるファンダメンタルズ分析も、最低限で必要です。
特に下記のファンダメンタルズは、デイトレードでも押さえておきましょう。
- FRB(FOMC)金利政策発表
- 経済イベント(アメリカ大統領選挙、ジャクソンホール会議)
- G7首脳会議
- 経済危機(リーマンショック、ギリシャ金融危機、ブリグジットなど)
- 大国の経済破綻リスクに関するニュース
- 地政学リスク(戦争やパンデミックなど)
一方スキャルピングの分析は、完全に「テクニカル分析がメイン」となります。
というのも「違い3.1回の取引時間」で解説した通り、1回の取引時間が「数秒~数分」と非常に短いからです。
トレードスタイル | スキャルピング | デイトレード |
---|---|---|
1回の取引時間 | 数秒~数分 | 数十分~24時間 |
ファンダメンタルズも多少影響しますが、テクニカル指標で出現するシグナルにしたがった方が素早く注文や決済ができます。
よって注文や決済の判断を短時間で求められるスキャルピングでは、テクニカル指標だけを使った方が合理的と言えます。
デイトレードが向いている人の特徴4つ
ここからは、デイトレードが向いている人の特徴を紹介していきます。
「スキャルピングが向いている人の特徴4つ」と比較し、トレードスタイルを決める参考にしてください。
一般的にデイトレードは初心者向きと言われており、その理由とされる特徴は4つあります。
- 3~4時間の取引時間が確保できる人
- 落ち着いてトレードしたい人
- スワップポイントが付かないことを気にしない人
- 不要な注文を我慢できる人
デイトレードが向く人1.3~4時間の取引時間が確保できる人
デイトレードが向いている人の特徴1つ目は、「3~4時間の取引時間が確保できる人」です。
デイトレードはトレンド分析した後に注文チャンスが来るまで数時間待つ必要があるため、時間確保が出来ない方には向いていないと言えます。
デイトレーダーのスケジュール例を示すと、下記の通りです。
- トレンド分析:30分~1時間
- 注文チャンス待ち:2時間
- 注文:30分~1時間
トレンド分析は「1時間足~日足」を使って時間足を順に短くしていきながら、注文ポイントを探していきます(マルチタイムフレーム分析)。
注文ポイントが見つかったらトレンド分析で使った時間足よりも2つ下の時間足に移行し、シグナルが出るまで待ちます。
シグナルが出たら注文と同時に利確や損切りも設定して、決済されるまで見守ります。
つまり、上記のスケジュールを一通りこなすのにトータルでおよそ3~4時間かかるため、時間確保が厳しい方は他のトレードスタイルを検討した方がいいでしょう。
デイトレードが向く人2.落ち着いてトレードしたい人
デイトレードが向いている人の特徴2つ目は、「落ち着いてトレードしたい人」です。
「違い2.1日の取引回数」でも解説した通り、デイトレードはスキャルピングよりも取引回数が少ないため、取引が1日当たり「1回~数回」となります。
1回の注文にじっくり時間をかけられるため、落ち着いてトレードできるのです。
しかしスキャルピングだと、短時間に何度も注文と決済を繰り返すため、取引はとても忙しくなります。
よって焦らず落ち着いてトレードしたい方には、デイトレードが向いていると言えるでしょう。
デイトレードが向く人3.スワップポイントが付かないことを気にしない人
デイトレードが向いている人の特徴3つ目は、「スワップポイントが付かないことを気にしない人」です。
スワップポイントとは、通貨ペア間で発生する金利のことです。
金利の高い通貨を買っている状態なら、スワップポイントが1営業日毎に付与されます。
付与されるタイミングは、ニューヨーク市場のクローズ(冬時間6:55、夏時間5:55)からオープン(冬時間7:10、夏時間6:10)をまたいだ時点です。
デイトレードはその日のうちにポジションを決済してしまうことが多いので、スワップポイントが付く機会は少ないでしょう。
もしスワップポイントが欲しければ、スイングトレードなどのポジションを長期間保有するトレードスタイルの方が向いています。
よってスワップポイントが付かなくても気にしない方には、デイトレードが向いていると言えます。
デイトレードが向く人4.不要な注文を我慢できる人
デイトレードが向いている人の特徴4つ目は、「不要な注文を我慢できる人」です。
デイトレードは、テクニカル指標でシグナルが出たのを確認してから注文します。
ですが、毎日必ずシグナルで出るわけではないので、時にはシグナル無しで1日が終わる事も珍しくありません。
人によってはどうしてもポジションを持ちたい気持ちが我慢できず、注文してしまうことがあります。
この心理状態は「ポジポジ病」と呼ばれ、1度発症すると、しばらくFXを止めるなどをしないと克服できません。
ポジポジ病にならないためにも日頃からルールを明確化して、それを遵守できる方がデイトレードに向いていると言えます。
スキャルピングが向いている人の特徴4つ
一般的にスキャルピングは上級者向きと言われており、その理由とされる特徴は4つあります。
- 集中力を維持して即断即決できる人
- 短時間で稼ぎたい人
- 取引時間の確保が難しい人
- チャートを見続けられる人
スキャルピングが向く人1.集中力を維持して即断即決できる人
スキャルピングが向いている人の特徴1つ目は、「集中力を維持して即断即決できる人」です。
スキャルピングは1回の取引に費やす時間が「数秒~数分」と短く、しかも注文と決済を数十回も繰り返します。
そのため、デイトレードよりも短時間で多くの往復注文を何度も繰り返すため、集中力が必要です。
またチャートパターンやプライスアクション、酒田五法などを駆使し、シグナルが出たら注文や決済を素早く行う必要があります。
もし取引中に注文や決済を躊躇していると、利益を取り逃がしたり、損切りが間に合わなかったりなど損益に直結するため、危険です。
そのためスキャルピングは、高い集中力を維持しつつ、即断即決できる人が向いていると言えます。
スキャルピングが向く人2.短時間で稼ぎたい人
スキャルピングが向いている人の特徴2つ目は、「短時間で稼ぎたい人」です。
スキャルピングはレバレッジを大きく設定することによって、取引1回当たりの利益を増やせられます。
例えば国内FXの最大レバレッジは25倍ですが、海外FXならば最大レバレッジを数百倍に設定できるため、うまく活用すれば効率的に稼ぐことができます。
ただし、あまりにも大きなレバレッジをかけ過ぎると1回当たりの損失も大きくなるので、注意が必要です。
スキャルピングが向く人3.取引時間の確保が難しい人
スキャルピングが向いている人の特徴3つ目は、「時間確保が難しい人」です。
「違い2.1日の取引回数」や「違い3.1回の取引時間」でも解説した通り、スキャルピングはデイトレードよりも短時間で大量回数の取引をこなす、短期集中型のトレードスタイルです。
日中働いていて取引する時間が無いサラリーマンやOLの方でも、取り組めやすいトレードスタイルと言えます。
違い | スキャルピング | デイトレード |
---|---|---|
1回の取引時間 | 数秒~数分 | 数十分~24時間 |
1日の取引回数 | 数回~数十回 | 1回~数回 |
スキャルピングなら、1回の取引時間は「数秒~数分」で完了します。
後はその取引を「数回~数十回」繰り返すだけなので、トータルの取引時間は1~2時間しかかかりません。
しかも値動きが1日の中で一番大きくなるニューヨーク時間ならば、21時以降(冬時間なら22時以降)から取引できます。
サラリーマンやOLの方が帰宅してからでも取引に間に合いやすい時間帯なので、オススメです。
夏時間 | 21時~ |
冬時間 | 22時~ |
スキャルピングが向く人4.チャートを見続けられる人
スキャルピングが向いている人の特徴4つ目は、「チャートを見続けられる人」です。
「違い1.時間足」でも解説した通り、スキャルピングはデイトレードよりも短い時間足を使って取引します。
トレードスタイル | スキャルピング | デイトレード |
---|---|---|
時間足 | 1分足~15分足 | 5分足~日足 |
スキャルピングは「1分足~15分足」と短い時間足のため、取引中はずっとチャート画面を見続ける必要があるのです。
もし途中で席を離れるとトレードチャンスを逃したり、利確や損切りが間に合わなかったりなどの原因になりやすいので、思うようには稼げなくなります。
チャート画面を見続けることが苦痛に感じるなら、デイトレードなど他のトレードスタイルに切り替えた方がいいでしょう。
まとめ:デイトレードは初心者向きだが、スキャルピングは上級者向き
ここまでFXデイトレードとスキャルピングの違いや、それぞれのトレードスタイルに向いている人の特徴などを解説してきました。
- 時間足はデイトレードが「5分足~日足」と長めで、スキャルピングは「1分足~15分足」と短め
- 1日の取引回数は、デイトレードよりもスキャルピングの方が圧倒的に多い
- 1回の取引時間は、デイトレードよりもスキャルピングの方が短い
- スキャルピングはテクニカル分析のみでOKだが、デイトレードは最低限のファンダメンタルズ分析も必要
- デイトレードは3~4時間の時間確保さえできれば落ち着いてトレードできるため、初心者向き
- スキャルピングは短時間で何度も注文と決済の決断を繰り返す技量が必要なため、上級者向き
デイトレードは、3~4時間の時間確保さえできれば落ち着いてトレードできるため、初心者向きと言えます。
対してスキャルピングは、短時間で何度も注文と決済を繰り返す技量が必要なため、上級者向きと言えるでしょう。
使う時間足はデイトレードなら「5分足~日足」と長いため、相場状況を考えながらゆっくり取引したい人に向いています。
一方スキャルピングは「1分足~15分足」を使うので即断即決が求められますが、短時間で稼ぐことができます。
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