徹底したテクニカル分析で相場に向き合った伝説のトレーダー、ギャンの考えが詰まっているギャン理論。
トレーダーであれば必ず知識として蓄えておきたい理論です。
でも、FXは○○理論が多くて、すでに手いっぱい…

ギャン理論はダウ理論に並ぶ”最重要理論”だから、学習必須なの
生涯トレーダーとして生きていく覚悟のある方は、知識として頭にのみならず、心にもずっと留めておきたいセオリーでもあります。
今回はギャン理論で有名なギャンの生涯についてから、有名な【ギャンの価値ある28のルール】について、さらにはMT4を用いての実際のトレード活用まで網羅的にお伝えします。
✔ ギャン理論とは?
✔ ギャンという人物について
✔ 【ギャンの価値ある28のルール】について深掘り
✔ ギャン理論を落とし込んだリスク管理方法
✔ ギャン理論を活かしたトレード手法
本記事の後半で、ギャン理論をより深く学べるオススメ書籍もご紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
ギャン理論とは?


ウィリアム・D・ギャンが徹底した理論とルール
ギャン理論とは、20世紀に活躍した商品トレーダーのウィリアム・D・ギャンが、自身のトレード経験から得た知見をまとめた【相場理論】のことです。
徹底したテクニカル分析と過去検証はもとより、相場に向き合う上での11のモットー(心構え)も提唱しています。
ギャン自身の武勇伝としては、1929年の世界大恐慌の日付と下落率を1年以上前に的確に予測していた逸話があります。
ギャン理論の中核を成すものに、【ギャンの価値ある28のルール】があり、おもにテクニカルに関して理論展開しています。
そもそもウィリアム・D・ギャンとは?
ギャン理論を生み出したウィリアム・D・ギャンとは、どのような人物なのでしょうか?
生い立ちとともにギャンのトレード人生を見てみましょう。
父は陸軍軍人、母は熱心なメソジスト
ウィリアム・D・ギャン(以下ギャン)は1876年に米国南部のテキサス州にて農家(綿花)の3兄弟の末っ子として生まれました。
父親はアメリカ・スペイン戦争に従事した陸軍軍人で、母親は熱狂的なメソジストでした。
出典:ジョージ・マクロークリン/青柳孝直 「ギャン理論」 総合法令出版 1996年
とくに母親は、ギャンに牧師になってほしいと願っていたそうです。
熱心な母親の勧めと、熱狂的なキリスト教信者が多いテキサスという土地柄も相まって、ギャンは聖書を暗記するまで読み続けました。
聖書に書かれた文脈の意味を研究するとともに、数学と歴史に傾倒した学生時代を過ごしました。
家計の事情で大学進学を断念、綿花向上へ


数学と歴史に傾倒した天才肌であったギャンですが、家計の事情から大学進学は断念し、高校を卒業すると同時に親友の綿花工場で働きはじめました。
一方、親友がコロンビア大学に進学したことに強く刺激を受け、ギャンはわずかな給料から天引きした資金を元に、相場へと取り組み始めていきます。



進学断念を環境のせいにせず、やるべきことを見つけたギャンはカッコイイ!
24歳で商品トレーダーの道へ
24歳になると、オクラホマにて本格的に商品相場を開始しました。
実家が綿花業だったことに加え、自身も綿花工場で働いていたこともあり、農産物への興味が強かったようです。
「すべての相場の原点は商品にある」と説き、自身の基礎とする商品取引から株式、通貨に至るまで、多くの相場を張っていきました。
テクニカルに忠実な徹底した分析
ギャンはトレーダーとしての駆け出し時代、数千ドルベースの損失を被ります。
相場に対しての一般的な知識を持たないままで、トレードしていたからです。
そこからは一念発起し、勉強を始めました。
そして、相場では一定の時間内での上昇と下落が繰り返されることに注目し、9ヶ月間を要して、オクラホマからニューヨークのアスター図書館とロンドンの大英博物館に足繁く通い、1820年からの証券取引記録を調べ上げます。
仕手筋の市場操作方法を知りたかったからです。
ギャンは過去の取引記録を調べていくうちに、相場のパターンを発見していきます。
長期的な市場データを分析したギャンは、相場の周期性と時間による値動きに注目しました。
そして米国最大の鉄道会社、ユニオン・パシフィック株の下落や小麦価格の上昇、さらには有名な1929年の世界大恐慌の予測を見事に当てていったのです。
トレーダーに重要視される【サイクル理論】
膨大な分析によって小麦価格の推移で戦争時期を予知できるとしたギャンは、相場において値動きが繰り返されることに着目します。
これがギャンによる相場の【サイクル理論】です。
サイクルとは英語で【周期・循環】を意味しますが、ギャンのサイクル理論は、「この宇宙のすべてのものは円かだ円を描いている」という考えを根本としており、今ある価格は時間の経過で、必ずその場所に戻ってくると言っています。
サイクル理論の中では、ギャンは短期的な時間軸を重視せず、長期的な時間軸に重きを置いていました。
以下がギャンが重要視したサイクル理論の時間軸です。
1. 1,000年サイクル ➡ 歴史的イベントが多い。923年のフランス戦争の1,000年後、ふたたびフランスとドイツで戦争が勃発
2.100年サイクル ➡ 1821年にアジアでのコレラ流行。1920年にはスペイン風邪。2020年に新型コロナウイルス
上記のサイクル期間をベースとし、ギャンは「小サイクル」として、以下の周期を提唱しました。
以下のサイクルは、トレードに応用できそうです。
1. 15年サイクル
2. 13年サイクル ➡ 小麦は13年サイクルになりやすい
3. 10年サイクル
4. 7年サイクル
5. 5年サイクル
6. 3年サイクル
7. 1年サイクル ➡ 1年はサイクル理論として短期的すぎる
⑦の1年サイクルは、サイクル理論として期間が短すぎるので、ギャンは推奨していません。



では、われわれFXトレーダーがサイクル理論を活用するには、どうすればよいだろう?
次章で解説していきます。


FXにおけるギャン理論とは?


負けトレーダーだったギャンが一念発起し、膨大な過去データを検証した結果、【サイクル理論】を生み出しました。
では、長期スパンのサイクル理論やギャン理論を、どのようにFXの理論に落とし込んで行けばいいでしょうか?
3つのポイントを見てみましょう。
① 価格は時間に等しい
ギャンが展開した長期的な時間軸の【サイクル理論】ですが、ギャンは「相場では万物同様にサイクルが存在し、そのサイクルは価格と時間に支配されている」といっています。
つまり…
時間の経過は、価格の上下動に等しい。
ということです。
チャートで詳しく見てみましょう。


USD/JPYの日足チャートです。
137円ミドルから151円ミドルに上昇するまで、50日以上を要しました。
しかしながら、151円台から137円への下落には20日とかかっていません。
つまり、価格が時間を凌駕したサイクルが出現したということです。
価格の大きさと時間の経過は、あるポイントで同等になる ➡ 元いた場所にもどる
これが、FXでのサイクル理論であり、元いた価格に戻る力が強まったということです。
この現象は、強いトレンドが発生したあとによく見られます。
② 徹底した過去検証(チャートのパターン化)
晩年には、現在価値で50億米ドル(日本円で6,500億円以上)の資産を形成したギャンですが、トレード開始時から順調に勝ち続けていた訳ではありませんでした。
トレードで負け続けた結果一念発起し、過去検証に徹したのです。
我々FXトレーダーがギャンを見習えることがあるとすれば、過去検証の徹底ではないでしょうか?
以下に過去検証のやり方を記していきます。
MT4でのストラテジーテスター
MT4には「ストラテジーテスター」という過去の値動きを振り返り学習するツールが標準装備されています。
自分で振り返りたい通貨と時間軸、期間を設定できるので、「あの時の指標発表前後はどのような値動きをしたのだろう?」といった復習ができるのです。
ストラテジーテスターの設定方法


まず、MT4の「表示」タブから「ストラテジーテスター」をクリックします。


画面下部に、上記のような設定フォルダが開きます。
ご自身で復習したい通貨ペアや時間軸、期間を設定し、「スタート」を押しましょう。
速度も変更できるので、ストラテジーテスターの画面上にトレンドラインや水平線を引いて、値動きの確認をしてみてください。
③ リスクを限定化する
どんなに大きく稼いでも、どれだけ最短で利益を出せても、継続的に勝ちトレードを積み上げられなければ、相場で生き残ることはできません。
なぜなら、リスクを限定化しないトレードは、いずれ退場へとつながるからです。
では、リスクを限定化するにはどうしていけばいいのでしょうか?
次章でいよいよ具体的なトレードルールを見ていきます。
【ギャンの価値ある28のルール(鉄則)】とは?


28のルールはすべてのトレーダーの手本となる
ギャンはトレードを行う際、つねに頭に入れておくべき28のルールを提唱しました。
おもにテクニカルに関してですが、トレードを行う上での心構えにも通じるところがあるので、ぜひ28条すべてを理解していきましょう。
ギャンの価値ある28のルール
- 損失額は投入金額の毎度1/10以下になるよう取引する
- ストップロスを必ず入れる
- 過剰売買を避ける
- トレーリングで利益を確保する
- トレンドに従う
- 迷ったらトレードを見送る
- 流動性が高い場所のみでトレードする
- 1銘柄のみでなく、分散投資する
- 指値は使わず、成行注文のみ
- 根拠がないのに手仕舞わない
- 取引利益は別口座で管理する
- スキャルピングはしない
- ナンピンはNG
- 焦って取引しない
- 利小損大を避けよ
- 入れたストップロスをキャンセルしない
- ポジポジしない
- ロングだけでなくショートでも儲ける
- 値ごろ感で取引しない
- ピラミッティングのタイミングは慎重にせよ
- 大きいトレンドの時だけピラミッティングせよ
- 両建てするな
- 根拠がないなら、ポジションを変えるな
- 儲けたあとは、取引量を減らせ
- 相場の天/底を予測するな
- アナリストを無視せよ
- 損失直後は、取引量を減らせ
- 正しい位置でのみエントリーせよ
上記を読んでみて、ご自身に刺さったルールはありましたか?
6条 迷ったらトレードを見送る
これは王道中の王道ではないでしょうか?
自分の中で確固たる根拠が複数見当たらない場合でも、どうしても「チャンスを逃したくない!」という機会損失の概念が頭をよぎる時があります。
しかしながら、相場においては、機会損失の概念は禁物です。
相場はサイクルであり、同様のチャンスはまた訪れます。
ご自身の中で少しでも不安要素があったら、その時のエントリーは思い切って見送る勇気を持ちましょう。
26条 アナリストを無視せよ
26条の「アナリストを無視せよ」は、「自分が相当の知識を持っていると認識している人を除いて」という脚注があるものの、要は他人の言動に惑わされるなということです。
相場では、大衆の大多数が相場の反転を予想していても、自分は上昇トレンドが継続すると思っていた際、少数派だった自分の思惑通りになることが往々にしてあります。
現代では、ツイッターなどのSNSでのポジショントークに引きずられず、自分のテクニカル分析を信じてトレードしていきましょう。
28のルールを”自分流”にアレンジせよ
【ギャンの価値ある28のルール】を読んで、「あれ?」と思った箇所はありませんでしたか?
そんな時は、28のルールをベースにしつつ、自分自身でアレンジするのがベターです。
たとえば、下記のルールを見てみましょう。
12条 スキャルピングはしない
これは、「わずかな利益のために売買を繰り返さない」ということですが、スキャルピングが主軸の方もおられるでしょう。
のちに解説するリスクリワードのバランスの章でも触れますが、勝率が高い場合、スキャルピングは大いにありだと思います。
ですので、利益を積み重ね続けているのであれば、ご自身のトレードスタイルを優先することが大切です。
9条 指値は使わず、成り行き注文のみ
これもトレーダーによって賛否両論あるのではないでしょうか。
値動きが活発になる時間帯に予定が入っていて、チャートを観察できない場合もあるでしょう。
売買注文は、しっかりとストップロスを入れることを前提に、指値と成行で注文していきましょう。
運用ルールの徹底


【ギャンの価値ある28のルール】を掘り下げていくと、運用ルールについても触れられていることがわかります。



生涯で5,000億円を稼ぎ出したギャンの運用ルールを見てみましょう!
利益を損失にしない
これは、4条で書かれている「トレーリングで利益を確保する」にあたります。
利益が乗ってきた時点で、トレーリングを発動させ、ストップロスのレベルを繰り上げていくということです。
ボリンジャーバンドの到達位置などを参考に、ご自身の時間軸に見合ったpipsでトレーリングストップを有効に使っていきましょう。
ストップロス注文を置いたらキャンセルしない
これは、16条の「入れたストップロスをキャンセルしない」にあたります。
エントリーをした途端、すぐに逆行してしまい、思わずストップロスをずらしたくなったことはありませんか?
ギャンはこの行動を厳格に禁じています。
一度入れたストップロスをずらす必要がないように、エントリー前に徹底して損切り位置の正確さを確認しましょう。
基本的には、直近高安値を上回る位置にストップロスを置きますが、詳しくは次章の【ギャン理論を用いたトレード手法】で解説していきます。
正当な理由がない限りポジションを変えない
これは、23条の「根拠がないなら、ポジションを変えるな」にあたります。
エントリーの際、確固たる根拠をもってポジションを持ったはずなので、確固たる根拠がない限り、イグジットを早めたりしてはいけません。
初心者は利益を早々に確定したがりますが、自分が設定したポイントに達するまでは、ポジションの成り行きを静観しましょう。
ギャン理論を用いたトレード手法とは?


ここからは、いよいよギャン理論を駆使したトレード手法について解説していきます。
おもに【ギャンの価値ある28のルール】をベースに手法を探っていきます。
相場の中間で利益を上げる
【ギャンの価値ある28のルール】の25条に示されている「相場の天/底を予測するな」は、言い換えればトレンドの途中で利益を掴めということです。
「もうそろそろ天井だろう」と値ごろ感で逆張りエントリーしたものの、価格がどんどん伸びるのは、FXではよくあることです。
「新版 ギャン理論」の中では、ギャンは最高安値をつけた半値ポイントで、トレンドの継続性を見極めろと書かれています。


上記は、上昇トレンドの最高値圏にて、右肩下がりのダブルトップを形成しています。
最高値からの半値ポイントは、重要なサポートとして機能しやすい性質があるため、半値ラインであるDを下回ったところで、上昇トレンドの終焉と見なされます。
よって、トレンド方向からの戻りがあった場合は、つねにDラインに達しているかを確認し、トレンドが継続していることが確認できた時点で、トレンドと同じ方向へエントリーします。
つまり、相場の天底には触らないということです。



「頭と尻尾はくれてやる」という気概で相場に向き合いましょう


正しい位置でエントリーする
【ギャンの価値ある28のルール】の28条にある「正しい位置でのみエントリーせよ」は、不適切なタイミングでのポジション保有の禁止ということです。
では、正しい位置でのエントリーとは、いったいどのようなトレードなのでしょうか?
戻り安値をねらう


上記のような上昇トレンドがあったとしましょう。
Aのポイントで買いエントリーをした場合、戻り安値のポイントを経て、B地点に達するまでは、ポジションがマイナスのままです。
レバレッジを調整し、損失をしっかりと規定範囲内に限定していれば、多少の含み損には耐えられるでしょう。
しかしながら、ハイレバレッジでポジションを持っていたらどうでしょう?
相場が少し逆行するだけで、せっかく方向感はあっていたのに、すぐに損切りになってしまうのではないでしょうか。
【ギャンの価値ある28のルール】の23条「根拠がないなら、ポジションを変えるな」に則ることができなくなってしまいます。
相場は波の複合体でできており、サイクルを繰り返します。
少しでも価格を優位な位置に引きつけてからエントリーすることを徹底しましょう。


ギャン理論を活かしたMT4インジケーターとは?


【ギャンの価値ある28のルール】を活かした手法を解説しましたが、MT4では、ギャン理論に基づいた「ギャンライン」「ギャンファン」「ギャングリッド」が標準装備されています。
これら3種のインジケーターは、より根拠を増やすサポートをしてくれます。
3つのインジケーターは、大別すると、以下の機能となります。
- ギャンライン ➡ 大きなトレンド相場の把握
- ギャンファン ➡ サポレジポイントの選定
- ギャングリッド ➡ トレンドの継続性・逆張りポイントの選定
さっそく各種インジケーターの使い方を解説していきます。
① ギャンライン
ギャンラインは、トレンドをいち早く見つけるための分析ツールです。
45度の角度で引かれたラインにて、長期トレンドの有無を測ります。
ギャンによると、360度の1/8である45度は、トレンド形成において重要な角度だと言っています。
通常であれば、トレンドラインは2点を結んで引きますが、ギャンラインは起点の1点のみを頼りとします。
また、ギャンラインとローソク足が交差した点をトレンド転換点とし、トレンドの変化を読み取ります。
ギャンラインの引き方


まず、MT4の「挿入タブ」から「ギャン」➡「ギャンライン」を選択します。


ギャンラインは、ラインを引く際、自分自身で角度を調整する必要があります。
角度の目安として、以下の【1×1】の45度になる正四角形をイメージしましょう。
直近高値と安値に引いたギャンラインの角度が45度に近いほど、トレンドが強いことを示します。


ギャンラインより下位にいた場合、下降トレンドの継続とみなし、ギャンラインとローソク足が交差した時点で、トレンド転換とみなします。
下記のようにギャンラインとローソク足が交差したことでトレンド終了となり、下降トレンドからの転換(レンジ相場への移行)に突入していきます。


上向きのギャンラインが引けた場合は、上昇トレンドとみなします。
逆にギャンラインがキレイに引けなかった場合は、力強いトレンドが発生している局面ではないと判断しましょう。
② ギャンファン
ギャンファンは、複数のラインがサポレジとして機能するインジケーターです。


価格の底を起点とし、ローソク足の天井に向けてギャンファンを当てることで、ローソク足の力の強弱を測ることができます。
【1✕1】のギャンラインを中心とし、上下に8本のラインを追加した計9本の扇状(ファン)のラインが、トレンドの強弱を示してくれます。
なお、ギャンファンを構成する各ギャンラインの角度は以下になります。
ライン | 角度 |
1×8 | 82.5度 |
1×4 | 75度 |
1×3 | 71.25度 |
1×2 | 63.75度 |
1×1 | 45度 |
2×1 | 26.25度 |
3×1 | 18.75度 |
4×1 | 15度 |
8×1 | 7.5度 |
ギャンファンの引き方


ギャンラインと同様、MT4の「挿入」タブから「ギャン」➡「ギャンファン」を選択します。
起点となる安値にポイントを合わせ、高値に【1✕1】が当たるように線を引いていきます。
理想としては高値と安値の角度を45度とすることですが、必ずしも45度の角度にする必要はありません。
そのあたりは、ローソク足の反転ポイントをギャンファンに当てて、臨機応変に使っていきましょう。


ギャンファンを当てると、上記のようにライン上でキレイに価格が反転したりサポートしていることがわかります。
ギャンファンは長期足であるほど効力を発揮するので、できれば長期足に当ててみてください。
③ ギャングリッド
ギャングリッドは、ギャンラインを等間隔のグリッド状に並べた、トレンドの継続性を測るインジケーターです。


ギャングリッドの位置を把握することで、トレンドの切り替わりや方向転換の場所を示してくれます。
また、上下ラインをサポレジ転換点として、逆張りエントリーもできます。
ギャングリッドの引き方


MT4の「挿入」タブから「ギャン」➡「ギャングリッド」と進みます。
安値を起点とし、高値が終点となるように、グリッドを調整します。


上記のように上昇トレンドがギャングリッドにサポートされ継続していましたが、ギャングリッドを割り込んでいきました。
サポートを割り込んだことで、上昇トレンドの継続性が絶たれたことがわかります。
その後チャートはレンジとなりましたが、サポートだったギャングリッドは、レジスタンスとして役目を変化していきました。
このように、トレンドの強弱性を測り、逆張りポイントとしてギャングリッドを活用することが可能です。
基本はギャンライン
ギャンファンもギャングリッドも、ギャンラインを基本として展開されていることがお分かりになったと思います。
これらのインジケーターは、相場の流れや強弱性を分かりやすく示してくれます。



ぜひご自身で使いやすいものをピックアップしてみてね!


FXで勝ち組になるために絶対にしなければいけないのが『検証』です!
ただ、リアルトレードでの検証には膨大な時間が必要です…



本当に稼げる手法なのかスグに検証できたらいいのに…
そんな方にWikiFX Japanがオススメしているのが「Trade Trainer」というツールです。
Trade TrainerはMT4上で動くトレード検証ソフトで、過去のチャートを用いて実際に売買を行いながら手法の検証が可能です!
WikiFX Japanでは数々の検証ソフトを実際に利用して比較していますが、
ズバリ…Trade Trainerが最も使いやすいソフトだと感じます。



買い切り型ソフトで価格がリーズナブルなのもポイントですね!
手法が実際の相場で通用するか、チェックしてからトレードに臨めば怖いものナシです!
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リスク・リワードのバランス


ギャンはギャン理論の中で、「資金管理の大切さ」について、強く説いています。
ギャン理論を振り返りながら、リスクテイクの方法について見ていきましょう。
リスク・リワード・レシオ(RRR)
15条の「利小損大を避けよ」とは、ストップロス(リスク)までの距離よりもテイクプロフィット(リワード)への距離を長く取れる場所でのみエントリーせよ。ということです。


リスク・リワードは一般的に、1:1がよいとされています。
ストップロスの位置を直近高安値に設定することが多いですが、その場合、直近高安値のストップロスの位置と同等以上のpipsを取れる位置に利確が来るポイントでエントリーしましょう。
ポジションサイジング
【ギャンの価値ある28のルール】のいちばん最初に登場するのが、第1条の「損失額は投入金額の毎度1/10以下になるよう取引する」です。
これはポジションサイズが投入資金の1/10なのではなく、予定損失が1/10以内に収まるようにエントリーするということです。
資金を守れなかった時点で、資金を増やすゲームから退場せざるを得なくなります。
損失額を限定し、次のチャンスに乗るためにも、損失額は限定しましょう。
マーチンゲールは正なのか?
これは第13条の「ナンピンはNG」と同義です。
マーチンゲールとは、損失が出た際、次にエントリーする金額を2倍に増やすことで、前回までの負け分を取り返そうとする行為のことです。
マーチンゲールは非常に危険であり、そもそも【ギャンの価値ある28のルール】の第27条、「損失直後は、取引量を減らせ」にも反しています。
「損失を取り返す」という考えは、FXでは禁物です。
損失は経費として考え、次のチャンスをゆったりと待ち構える姿勢で取り組みましょう。


ギャン理論を体系的に学べるオススメ本3選


① 伝説の株必勝法「W.D.ギャンの28鉄則」


伝説の株必勝法「W.D.ギャンの28鉄則」は、金融論が専門の大学教授である林康史氏による、不動のギャン理論体形本です。
ギャン自身が商品・株式トレーダーだったこともあり、「株式必勝」と書かれていますが、FXにも十分流用できます。
成功法を教えるというよりも、どうしたら失敗しないかを説いてくれる一冊です。
とくにリスク管理に関して丁寧に書かれており、リスクの最小化が結果的に資産を増やすと書いています。
丁寧なリスク管理についての解説とともに、テクニカルについての章も読み応えがあります。
② 新版 ギャン理論


新版 ギャン理論は、日本におけるギャン理論研究の第一人者としての定評を得た青柳孝直氏によって書かれた解説書です。
「究極の相場理論」と題して、「自然界に偶然は存在しない!」と述べ、論理的に説明されています。
ギャンのテクニカル理論を主要銘柄に当てはめて説明するとともに、マイナー通貨でもギャン理論を用いて解説しています。
学生時代に数学に傾倒したギャンがトレード生涯において重要視していた占星術についても、サイクル理論に織り交ぜながら詳しく掘り下げて書かれています。
テクニカルに重きを置いた「ギャンの価値ある28のルール」についてはもちろんのこと、日常の過ごし方のメンタル面にフォーカスした【相場に向き合うときの11の心構え】についても書かれています。
ギャン理論を体系的に学びたい方はもちろん、ギャンの相場への取り組み姿勢からトレード手法まで網羅したい方にオススメの一冊です。
③ デイトレード


そして最後の1冊としてご紹介するのが、デイトレードです。
オリバー・ベレスの不動の名作で、トレードを始めたての人でも目にしたことがあるのではないでしょうか?
もはやトレーダーとしてのバイブルとして認識されているといっても過言ではない一冊です。
「デイトレード」はギャン理論をそのまま書き留めているわけではありませんが、ギャンが重視している【資金管理】や【エントリー根拠】、さらには【相場との向き合い方】まで、全トレーダーの心にしみる言葉を残してくれています。
始めのうちは何度も読み返すことが多くなるかもしれないので、複数冊の購入でもオススメできます。
まとめ


今回は晩年まで大損失を被ることなく相場を愛し相場に愛された真のトレーダー、ウィリアム・D・ギャンのギャン理論について解説してきました。
ギャン理論とwebで調べると、【ギャンの価値ある28のルール】がヒットしますが、ギャンの並々ならぬ過去検証と分析、相場に対峙する際のメンタル面など、ギャンの生き方自体がギャン理論を形成しているのだと気づかれたでしょうか。
ギャンのように相場に愛されるトレーダーであり続けるためにも、日々検証をしていき、落ち着いたメンタルで相場に向き合い続けられるよう、ぜひ時おりこの記事を読み返してみてください。




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