勝率の高いFXのブレイクアウトを見極めたい!
短い時間で大きく稼ぎたいと願う誰もが、何度も考えることでしょう。
ラインを抜けた後のダイナミックな値動きに翻弄され、ついつい高値づかみをした経験があるのではないでしょうか。
- ブレイクアウトの基礎知識とメリット・デメリット
- ブレイクアウトの勝率を高めるフォーメーションとパターン
- ブレイクアウトでだまされない方法
- 実践的で勝率の高いFXのブレイクアウト手法
長期トレンドに逆らわないブレイクアウトを徹底すれば、FXの収益率をグッと高くできます。
本記事より、ブレイクアウトを活用した勝てるトレード方法を手にいれてください。

さっそく勝率の高い手法を知りたい人は「FXのブレイクアウトで有効な4つのフォーメーション」から読み進めてください。
FXのブレイクアウトとは


FXのブレイクアウトはサポートラインとレジスタンスラインにより定められた一定の値幅から価格が抜ける瞬間を表しています。
レンジの上限または下限を抜けきった価格は値幅をともなって進むことが多く、FXのブレイクアウトは勝てる手法として活用されています。
ブレイクアウトは大きく2つに分けられます。
- レンジのブレイクアウト
- トレンドラインのブレイクアウト
1つずつ解説していきます。
レンジのブレイクアウト
レンジのブレイクアウトは、レンジ上限の(上値)抵抗線を超えるとき、または下限の(下値)支持線を割るタイミングを指します。


抵抗線をレジスタンスライン、支持線をサポートラインとも呼び、上昇方向にブレイクすることを上放れ、下落方向にブレイクすることを下放れとも言います。
レンジのブレイクアウトでは、トレーダーの新規注文と損切り注文が重なり、一方向に価格が伸びやすいです。
またレンジの期間が長いほど、ブレイクアウトした価格は大きな値幅を伴って伸びる可能性が高くなります。
トレンドラインのブレイクアウト
トレンドラインのブレイクアウトは下降トレンドのレジスタンスラインを超えるとき、または上昇トレンドのサポートラインを割るタイミングを指します。




トレンドラインのブレイクアウトが起こると、トレンド転換を狙うトレーダーの新規注文と順張りトレーダーの損切り注文が重なり、価格に勢いがつきやすくなります。
ただし、長期トレンドに逆らっている場合には価格が元の水準に押し返されることも多く、マルチタイムフレーム分析による環境認識が重要です。




FXでブレイクアウトを狙うメリット


FXのブレイクアウトには2つの大きなメリットがあるので、人気のトレード手法です。
- チャートパターンで判断できる
- 大きな値幅で一気に稼げる
ブレイクアウトをマスターすれば、大きく稼げることが分かります。
メリット①:チャートパターンで判断できる
ブレイクアウトが起きやすいチャートパターンは決まっており、FX初心者さんでも判断しやすいメリットがあります。
上限と下限の決められたラインを定め、ブレイクする瞬間を狙うシンプルな手法です。



ブレイクアウトに使えるチャートパターンは後ほど画像つきで解説します。
メリット②:大きな値幅で一気に稼げる
ブレイクアウトした価格は勢いづいて値幅を伸ばすことが多いです。
レンジを作っている間にブレイクを狙うトレーダーが準備するため、新規の注文が入りやすくなります。
またレンジの期間が長いほどにブレイク後の損切り注文も溜まるため、2種類の注文が重なって大きな値幅を伴うことが多くなります。
FXでブレイクアウトを狙うデメリット


FXのブレイクアウトだけで簡単に勝てるわけではありません。
- 綺麗なチャートパターンが少ない
- だましに遭うことも多い
デメリットを把握することで、ブレイクアウト手法の勝率を高めることができます。
デメリット①:綺麗なチャートパターンが少ない
FXのブレイクアウトはシンプルに判断できるメリットとは裏腹に、綺麗なチャートパターンが出現することは少ないです。
エントリーに用いる時間足を短くすることでカバーできますが、「だまし」に遭うことも多くなります。
そのため勝率の高いブレイクアウト手法にこだわると、エントリーチャンスは少なくなりがちな点がデメリットです。
デメリット②:だましに遭うことも多い
チャートパターンのみに頼ってブレイクエントリーしていると、だましに遭うことが多くなります。
だましとは、想定した値動きとは逆に価格が進むことです。
レジスタンスラインやサポートラインを抜けた後、再び価格がレンジに戻されることを指します。



FXのブレイクアウトとだましは切っても切れない関係です。後ほどだましを避けて勝率を高めるFX手法を解説します。
FXのブレイクアウト 4つのエントリー手法【基本】


ブレイクアウトのエントリー手法は4つのタイミングを基本にします。
- レンジ相場で上値抵抗線を超えたとき
- レンジ相場で下値支持線を割ったとき
- 下降トレンドでレジスタンスラインを超えたとき
- 上昇トレンドでサポートラインを割ったとき
FXのチャートパターンの前に、まずは狙い方の基本を押さえましょう。
①レンジ相場で上値抵抗線を超えたとき
1つ目は、レンジ相場の上値抵抗線を超えたタイミングです。


レンジ相場では一定の値幅で価格が水平に推移します。その間に複数の高値を結んだ水平線が上値抵抗線となり、価格上昇を抑え込みます。
レンジの期間が長く高値をつけた回数が多いほど、レンジの抵抗線ブレイクアウトで勝ちやすくなります。
②レンジ相場で下値支持線を割ったとき
2つ目は、レンジ相場の下値支持線を割り込んだタイミングです。


レンジ相場で複数の安値を結んだ水平線が下値支持線となり、価格下落を支え続けます。
レンジの期間が長く安値をつけた回数が多いほど、レンジの支持線ブレイクアウトで成功しやすくなります。
③下降トレンドでレジスタンスラインを超えたとき
3つ目は、下降トレンドでレジスタンスラインを超えたタイミングです。


価格がレジスタンスラインを超えると、上昇トレンドへ転換すると考える逆張りトレーダーの新規注文が入ります。
また、順張りトレーダーの損切り注文が重なるポイントにもなります。
ただし、長期下降トレンド内における短い時間足のレジスタンスライン・ブレイクアウトには注意が必要です。
価格が再び下降トレンドに押し戻される可能性が高くなります。
④上昇トレンドでサポートラインを割ったとき
4つ目は、上昇トレンドでサポートラインを割り込んだタイミングです。


価格がサポートラインを割り込むと、下降トレンドへ転換すると考える逆張りトレーダーの新規注文が入ります。
また、順張りトレーダーの損切り注文が重なるポイントにもなります。
ただし、長期上昇トレンド内における短い時間足のサポートライン・ブレイクアウトには注意が必要です。
価格が再び上昇トレンドに押し返される可能性が高くなります。
FXのブレイクアウトで有効な4つのフォーメーション


それではFXのブレイクアウトで有効なフォーメーションから紹介します。
- アセンディングトライアングル(上昇三角形)
- ディセンディングトライアングル(下降三角形)
- シンメトリカルトライアングル(対称三角形)
- ダイヤモンド・フォーメーション(ひし形)
フォーメーションは後述するパターンとは異なり、長い時間をかけて作られたチャート形状に用いられます。
またトライアングルは三角持ち合い(三角保ち合い)とも呼ばれ、トレーダーが注目する形状の一種です。
①アセンディングトライアングル(上昇三角形)
アセンディングトライアングルはレジスタンスラインが平行でサポートラインが右肩上がりの三角持ち合いです。


アセンディングトライアングルのブレイクアウトに成功すると、レジスタンスラインがサポートラインに転換します。
ブレイクアウト手法のエントリーと、損切り・利益確定の目安は次のとおりです。


【アセンディングトライアングルのブレイクアウト手法の例】
- エントリー:ブレイクアウト(買い①)、押し目(買い②)
- 逆指値:直近安値(損切①)、起点の安値(損切②)
- 利益確定:起点と山の頂点の値幅(利確①)、サポートラインのチャネル上限(利確②)
アセンディングトライアングルのブレイクアウトのみ買い①で共通します。
【補足】ブレイクアウト手法の損切り・利確について
FXのブレイクアウト手法における損切り設定と利益確定の目安はさまざまです。
例えば損切りについて、サポートラインの数pips下に設定するのも良いでしょう。
利益確定について、トレンド転換の起点とサポートラインまでの値幅も目安になります。


またエントリーについて本テーマから外れますが、だましを回避するためにブレイクアウトを一貫して無視するトレーダーもいるでしょう。
上図であれば、上昇ダウへの転換が確定する高値超えでロングすることにより、利幅は少なくなるものの逆行リスクを減らすことができます。
ポイントは、優位性の高いブレイクアウト手法に一貫して仕掛け続けること。
トレードは確率論ですから、同じ相場状況で手法が違っていたら安定して稼ぎ続けることができません。
なおブレイクアウトに限ったエントリーは1箇所のみですが、本記事ではだましを回避するために押し目買い・戻り売りのみ併せてご紹介しています。



トレーダーによって考え方が違いますね。この記事のトレードポイントを目安に検証を続け、勝率を高めていきましょう!
②ディセンディングトライアングル(下降三角形)
ディセンディングトライアングルはサポートラインが平行でレジスタンスラインが右肩下がりの三角持ち合いです。


ディセンディングトライアングルのブレイクアウトに成功すると、サポートラインがレジスタンスラインに転換します。
ブレイクアウト手法のエントリーと、損切り・利益確定の目安は次のとおりです。


【ディセンディングトライアングルのブレイクアウト手法の例】
- エントリー:ブレイクアウト(売り①)、戻り目(売り②)
- 逆指値:直近高値(損切①)、起点の高値(損切②)
- 利益確定:起点と谷の底の値幅(利確①)、レジスタンスラインのチャネル下限(利確②)
ディセンディングトライアングルのブレイクアウトのみ売り①で共通します。
③シンメトリカルトライアングル(対称三角形)
シンメトリカルトライアングルはレジスタンスラインとサポートラインの角度が対称に近い三角持ち合いです。
上昇トレンドや下降トレンドの後に、高値が切り下がり、安値を切り上げながら、長い時間をかけて値動きが収縮していきます。


アセンディングトライアングルとディセンディングトライアングルよりも、売買が拮抗する中で気迷いも生じ、ブレイクする方向の予想が難しくなります。
ブレイクアウト手法のエントリーと、損切り・利益確定の目安は次のとおりです。


【シンメトリカルトライアングルのブレイクアウト手法の例】
- エントリー:ブレイクアウト(買い①)、押し目(買い②)
- 逆指値:直近安値(損切①)、起点の安値(損切②)
- 利益確定:起点と山の頂点の値幅(利確①、②、④)、サポートラインのチャネル上限(利確③)
シンメトリカルトライアングルのブレイクアウトのみ買い①で共通します。
④ダイヤモンド・フォーメーション(ひし形)
ダイヤモンド・フォーメーションはレジスタンスラインとサポートラインの角度が対称に近いひし形を指します。
相場の天井圏や底値圏で発生するとトレンドが反転・転換するサインとされています。


シンメトリカルトライアングルよりも狭い値幅で買いと売りが拮抗するなかで気迷いも生じており、ブレイクする方向の予測が難しくなります。
ブレイクアウト手法のエントリーと、損切り・利益確定の目安は次のとおりです。


【ダイヤモンド・フォーメーションのブレイクアウト手法の例】
- エントリー:ブレイクアウト(買い①)、押し目(買い②)
- 逆指値:直近安値(損切①)、起点の安値(損切②)
- 利益確定:起点と山の頂点の値幅(利確①、②、④)、サポートラインのチャネル上限(利確③)
ダイヤモンド・フォーメーションのブレイクアウトのみ買い①で共通します。
FXのブレイクアウトで有効な4つのパターン


ここからはフォーメーションよりも短い期間に作られるFXのブレイクアウトで有効な4つのパターンです。
- レクタングル(ボックス)
- ペナント(三角保ち合い)
- フラッグ(旗)
- ウェッジ(くさび)
1つずつ図解します。
①レクタングル(ボックス)
レクタングルは平行なサポートラインとレジスタンスラインの範囲内で価格が推移し、長方形の見た目からボックスとも呼ばれます。
トレンドを形成する途中の小休止で表れる一方、相場に材料がないときは長期間にわたる幅の長いレクタングルが作られます。


レクタングル(ボックス)のブレイクアウトに成功すると、レジスタンスラインがサポートラインに転換します。
ブレイクアウト手法のエントリーと、損切り・利益確定の目安は次のとおりです。


【レクタングル(ボックス)のブレイクアウト手法の例】
- エントリー:ブレイクアウト(買い①)、押し目(買い②)
- 逆指値:直近安値(損切①)、起点の安値(損切②)
- 利益確定:起点と山の頂点の値幅(利確①)
レクタングル(ボックス)のブレイクアウトのみ買い①で共通します。
②ペナント(三角保ち合い)
ペナントはレジスタンスラインとサポートラインの角度が対称に近い三角保ち合いです。
シンメトリカルトライアングルよりも短い期間に作られた対称三角形に用いることが一般的で、2種類に分けられます。
- 上昇ペナント(小さな上昇三角形)
- 下降ペナント(小さな下降三角形)
1つずつ図解します。
上昇ペナント(小さな上昇三角形)
上昇ペナントは上昇トレンドにおける小休止で形成されることが多く、価格は売買を拮抗させながら収縮し、レジスタンスラインをブレイクアウトして上放れします。


ブレイクアウト手法のエントリーと、損切り・利益確定の目安は次のとおりです。


【上昇ペナントのブレイクアウト手法の例】
- エントリー:ブレイクアウト(買い①)、押し目(買い②)
- 逆指値:直近安値(損切①)、起点となる安値(損切②)
- 利益確定:起点と山の頂点の値幅(利確①、②、④)、サポートラインのチャネル上限(利確③)
上昇ペナントのブレイクアウトのみ買い①で共通します。
下降ペナント(小さな下降三角形)
下降ペナントは下降トレンドにおける小休止で形成されることが多く、価格は売買を拮抗させながら収縮し、サポートラインをブレイクアウトして下放れします。


ブレイクアウト手法のエントリーと、損切り・利益確定の目安は次のとおりです。


【上昇ペナントのブレイクアウト手法の例】
- エントリー:ブレイクアウト(売り①)、戻り目(売り②)
- 逆指値:直近高値(損切①)、起点となる高値(損切②)
- 利益確定:起点と谷の底の値幅(利確①、②、④)、レジスタンスラインのチャネル下限(利確③)
下降ペナントのブレイクアウトのみ売り①で共通します。


③フラッグ(旗)
フラッグはサポートラインとレジスタンスラインが一定の値幅を保ち、上または下方向に価格が推移して旗に似た見た目をしています。
トレンドを形成する途中の小休止で発生しやすく、フラッグを作る前のポール(安値と高値を結んだ直線)の長さがトレンドの強さの指標になります。
- 上昇フラッグ(上向きフラッグ)
- 下降フラッグ(下向きフラッグ)
1つずつ図解します。
上昇フラッグ(上向きフラッグ)
上昇フラッグは上昇トレンドが一服するときに出現することが多く、買い方・売り方が呼吸を合わせるように値幅を保ち、レジスタンスラインをブレイクして上放れします。


上昇フラッグのブレイクアウトに成功すると、レジスタンスラインがサポートラインに転換します。
ブレイクアウト手法のエントリーと、損切り・利益確定の目安は次のとおりです。


【上昇フラッグのブレイクアウト手法の例】
- エントリー:ブレイクアウト(買い①)、押し目(買い②)
- 逆指値:起点となる安値(損切①)、直近安値(損切②)
- 利益確定:起点と山の頂点の値幅(利確①、②、③、④)
上昇フラッグのブレイクアウトのみ買い①で共通します。
下降フラッグ(下向きフラッグ)
下降フラッグは下降トレンドが一服するときに出現することが多く、売り方・買い方が呼吸を合わせるように値幅を保ち、サポートラインをブレイクして下放れします。


下降フラッグのブレイクアウトに成功すると、サポートラインがレジスタンスラインに転換します。
ブレイクアウト手法のエントリーと、損切り・利益確定の目安は次のとおりです。


【下降フラッグのブレイクアウト手法の例】
- エントリー:ブレイクアウト(売り①)、戻り目(売り②)
- 逆指値:起点となる高値(損切①)、直近高値(損切②)
- 利益確定:起点と谷の底の値幅(利確①、②、③、④)
下降フラッグのブレイクアウトのみ売り①で共通します。
④ウェッジ(くさび)
ウェッジはサポートラインとレジスタンスラインの値幅を狭めながら価格が推移し、尖った先端の形状からくさびとも呼ばれます。
トレンドの継続と反転の両方で出現し、大きく2つに分けられます。
- 上昇ウェッジ
- 下降ウェッジ
順番に図解します。
上昇ウェッジ
上昇ウェッジは、上昇トレンド中に高値の値上り幅を小さくしながら現れる形状と(下図左)、下降トレンドにおける戻り調整で安値を切上げる形状(下図右)の2種類があります。


上昇ウェッジのブレイクアウトに成功すると、サポートラインがレジスタンスラインに転換します。
ブレイクアウト手法のエントリーと、損切り・利益確定の目安は次のとおりです。


【上昇ウェッジのブレイクアウト手法の例】
- エントリー:ブレイクアウト(売り①)、戻り目(売り②)
- 逆指値:直近高値(損切①)
- 利益確定:起点と谷の底の値幅(利確①、②)
上昇ウェッジのブレイクアウトのみ売り①で共通します。
下降ウェッジ
下降ウェッジは、下降トレンド中に安値の値下がり幅を小さくしながら現れる形状と(下図左)、上昇トレンドにおける下落調整で高値を切下げる形状(下図右)の2種類があります。


下降ウェッジのブレイクアウトに成功すると、レジスタンスラインがサポートラインに転換します。
ブレイクアウト手法のエントリーと、損切り・利益確定の目安は次のとおりです。


【下降ウェッジのブレイクアウト手法の例】
- エントリー:ブレイクアウト(買い①)、押し目(買い②)
- 逆指値:直近安値(損切①)
- 利益確定:起点と山の頂点の値幅(利確①、②)
下降ウェッジのブレイクアウトのみ買い①で共通します。
FXのブレイクアウト「だまし」とは


ブレイクアウトの「だまし」とは、エントリーしてから想定方向に価格が伸びずに失速し、元の水準に戻されてしまうことです。
1つの時間足に出現したチャートパターンのみを頼りにしていると、FXのブレイクアウトで失敗することが多くなります。
そもそもFXのブレイクアウトのだましを見極められるのでしょうか?
まずはだまされる2つのパターンを見ていきましょう。
①ブレイクアウトのだまし 正解パターン
1つ目のブレイクアウトのだましは、最終的に想定方向に価格が伸びるパターンです。


サポートラインに損切り設定しておけばよかったものの、含み損に耐えられずロスカットしてしまい悔しい思いをした人も多いはず。
FXのブレイクアウトは小口のトレーダーが参加しやすいことから、大口のトレーダーが仕掛けやすいともされています。
例えば、価格がレジスタンスライン近辺にあるときに、まず大口が大量の買いでブレイクをさせて、慌てて小口が買い注文を入れます。
すかさず大口が売り浴びせて価格をレンジ内に押し返し、小口が損切りをして諦めます。
安くなったところで再び大口が買い上げていき、ブレイクアウトが完成していく流れです。



だましを需給の観点から考察してみると面白いものです。チャート分析以外でだましを見極める方法を発見できるかもしれませんね。
②ブレイクアウトのだまし 不正解パターン
2つ目のブレイクアウトのだましは、想定方向と逆に価格が伸びるパターンです。


サポートラインを割り込んでから価格下落に勢いがつき、損切りしておいてよかったと「ホッ」とした経験があるのではないでしょうか。
主に長期トレンドとは反対方向にブレイクアウトしたときのだましで、トレンド形成が再出発するときに起こります。



一度このだましを体験しておくだけで、損切りの重要性を深く理解できるでしょう。
ブレイクアウトのだましは見極められるの?
ブレイクアウトのだましを見極めるのは至難の業です。損切りの重要性が相場で語られ続ける一因でもあるでしょう。
一方でだましを避ける方法を組み合わせれば、FXのブレイクアウトで勝てる確率が格段にアップします。
だましを見極める精度を高めるために、さっそく確認していきましょう!
勝率アップ!ブレイクアウトのだましを避ける6つの方法


ブレイクアウトのだましを避ける6つの方法は次のとおりです。
- 長期トレンドの順張り
- レンジ形成の時間が長い
- チャートパターンが綺麗
- ボラティリティの高い時間帯
- ローソク足の終値でエントリー
- 押し目・戻り目を待つ
6つの方法を組み合わせて、ブレイクアウトの勝率を高めていきましょう。
①長期トレンドの順張り
第一に長期トレンドに逆らわないことです。順張りに徹するだけで、FXのだましに遭うことを減らせます。
先にブレイクアウトのだましを2つ見ましたが、長期トレンドの中でこのようになっています。




左は短い時間足のブレイクアウトが長期トレンド(赤矢印)に対する順張りのため、価格が再び上昇に転じています。
右は短い時間足のブレイクアウトが長期トレンド(青矢印)に対する逆張りのため、高値づかみした価格が下落に転じてしまいました
「長期トレンドは短期トレンドよりも優先する」ことがFXトレーダーの共通認識であることを忘れないようにしましょう。
なお、長短異なる時間足を分析してトレードの精度を上げる方法を「マルチタイムフレーム分析」といいます。以下の記事で詳しく解説しましたので、ぜひご参考ください。


②レンジ形成の時間が長い
レンジが作られている時間が長いほど、ブレイクした方向に伸び続ける確率が高くなります。
「エネルギーを溜めている」と表現されますが、長いレンジからのブレイクアウトは大きく稼げるチャンスです。
レンジの期間が長いということは相場が気迷っている証拠。トレーダーの間でもブレイクアウトした方向に仕掛けていく機運が醸成されています。
またレンジ形成の時間が長ければ日足や4時間足でも確認でき、短い時間足を使わないでだましを避けることに役立ちます。
なお上記のトライアングル(三角持ち合い)のブレイクアウトが、短期間に形成されるペナントよりも大きな値動きになる理由でもあります。
③チャートパターンが綺麗
あなたが綺麗だと感じたチャートパターンを、世界中のトレーダーも同じ感覚で見ています。
つまり、ブレイクアウトでエントリーする共通の認識が勝手に生まれるのです。
ただし、ラインをブレイクした後に価格が伸びるかは別の話。先述の長期トレンドが大きく影響します。
「ブレイクアウトは初心者でも狙いやすい」と言われますが、チャートパターンだけで判断すると損切りが重なってしまうので注意しましょう。
④ボラティリティの高い時間帯
ブレイクアウトの勝率を上げるために高いボラティリティが欠かせません。
ラインをブレイクしてから勢いがつけばレンジ内に価格が戻されることが少なくなります。
ボラティリティが高くなるのはマーケット参加者が多く取引が活性化している時間帯です。
主にロンドン市場とニューヨーク市場は取引高が大きくなります。
市場 | 開場している時間帯(日本時間) |
---|---|
ロンドン市場 | 16時~翌1時(夏時間) 17時~翌2時(冬時間) |
ニューヨーク市場 | 21時~翌6時(夏時間) 22時~翌7時(冬時間) |
特に2つの市場の開場時間が重なる時間帯は値動きが勢いづいてきます。




⑤ローソク足の終値でエントリー
ローソク足の終値がブレイクアウトを確定してからエントリーする方法です。
終値はその時間に起きたすべての事象を織り込んで決まることから、最重要の価格とされています。
同じブレイクアウトであっても、市場心理が異なる様子を見てみましょう。


左側のローソク足は終値がレンジ内に押し戻された事実より、ショート勢力に負けた弱気を感じ取れるのではないでしょうか。
一方で右側のローソク足は終値がレンジを突き抜けて確定し、ロング勢力が強気に傾くことを想像できます。
さらに、レジスタンスラインがサポートラインに転換していくことも支えになるでしょう。
⑥押し目・戻り目を待つ
ブレイクアウトした後の押し目・戻り目を待つことで、FXのだましを減らすことができます。
ただし「押し目待ちに押し目なし」の相場格言が示すとおり、強い相場ではブレイクして価格が戻ってこないことも多々あります。
先述の通り、トレードで稼ぐには優位性の高い手法で仕掛け続ける必要があります。
ブレイクアウト手法にも一貫性をもたせるため、押し目・戻り目を待つか否かを予め決めておきましょう。


FXで勝てるブレイクアウト手法【実践】


それではFXで稼ぐために勝てるブレイクアウト手法を解説していきます。
改めて相場の共通認識を確認しましょう。
長期トレンドは短期トレンドよりも優先する
相場の原則に従うだけで、ブレイクアウトの勝率は格段に上がります。
つまり、マルチタイムフレーム分析をして長期トレンドを把握し、短い時間足でブレイクアウトするポイントを厳選することが大切です。
ドル円で3つの具体例を見ていきましょう。
- 日足のアセンディングトライアングルブレイクアウト
- 日足の上昇フラッグのブレイクアウト
- 4時間足の上昇ペナントのブレイクアウト
1つずつ実際のチャートを用いて解説します。
日足のアセンディングトライアングルブレイクアウト
まずはだましに遭いにくい日足以上のブレイクアウトからみていきます。
ドル円大相場の初動、2022年3月6日のブレイクアウトです。
週足は上昇トレンドが一服し、日足は概ねアセンディングトライアングル(三角持ち合い)を作っています。





カチッとはめ込める綺麗なチャートパターンはそうそう出現しません。トレードで稼ぐためにも完璧な美形を求めないでくださいね。
週足でも2つ確認できる高値116.350円(①)のブレイクアウトで買いエントリーです(②)。
週足と日足ともに、アセンディングトライアングルの上昇起点の値幅分の価格帯でワンクッション入れたものの、ダイナミックな再上昇で突き抜けていきました。
相場格言「押し目待ちに押し目なし」の典型例です。
日足以上で日数をかけてつくられたトライアングル(三角保ち合い)には相当なエネルギーが溜まっていました。
日足の上昇フラッグのブレイクアウト
上記で116.350円をブレイクアウトしたドル円は131円超に到達。押し目を作る間に日足で上昇フラッグを作りました。


上昇フラッグのレジスタンスラインのブレイクアウトで買いエントリーです(①)。
市場稀に見る強烈なブル相場のなか、押し目を待ち構えていたドル円トレーダー。
上昇フラッグ起点の値幅分の利確価格帯で上値を抑え込まれたものの、2日急落分をくつがえす値上りで139円を超えていきました。
さて、日足をよくよく見ると上昇ペナントもできていますね。4時間足以下にブレイクダウンしてみましょう。
4時間足の上昇ペナントのブレイクアウト
上記の上昇フラッグのエリアを4時間足と1時間足で表示したところ、綺麗な上昇ペナントが出現しました。


上昇ペナントのブレイクアウトのセオリーに従えば、1時間足でレジスタンスラインを抜けたときに買いエントリーです(①)。だましに遭うものの、長期トレンドに沿って再び上昇に転じています。
くわえて1時間足では、新たに作られた高値①により上昇トレンドが確定しました。
ブレイクアウトのだましを避けるトレードアイデアとして、高値②を超えたロングがあげられます。長期トレンドに沿って短い時間足が上昇トレンドを作り始めるポイントです。
チャートパターンのみを頼りにするトレードは心もとないので、長期のトレンドだけでもしっかり分析しておくと良いですね。



今回はチャートパターンに焦点を当てたブレイクアウトの解説です。実際にはパターン+水平線などで、FXブレイクアウトの勝率を高めていけます。
大きく稼げるブレイクエントリーの共通点
FXで大きく稼げるブレイクアウトを考察しましょう。
エントリーポイントに共通することは「長期トレンドに沿った短い時間足のブレイクアウト」と集約できます。
相場の共通認識である「長期トレンドは短期トレンドよりも優先する」ことに基づき、上記3つの実例で示したとおりです。
なぜ相場はそのような値動きをするのでしょうか。
ダウ理論の中で「トレンドは明確な転換サインが出るまで続く」の法則が記されており、次の2つに言い換えられます。
- 価格が安値切り上げ高値更新をする間、上昇トレンドが継続する
- 価格が高値切り下げ安値更新をする間、下降トレンドが継続する
シンプルですが重要です。世界中のFXトレーダーの常識になっています。
つまり長期トレンドに合わせた短い時間足のブレイクアウトは、ダウ理論におけるトレンド継続の初動をとらえている可能性が高い。それゆえ値動きが勢いづいて値幅をともない、大きく稼げることが多いのです。
では、なぜ大きく稼げるブレイクエントリーは一気にモメンタム(勢い)が高まるのでしょうか。
理由は3つの注文が重なるポイントになるためです。
- ブレイクアウトで入る新規注文
- ブレイクアウトに乗り遅れた注文
- 損切りと利益確定
ブレイクアウトは初心者さんでも見分けやすいラインでしたね。それゆえ、各注文が溜まりやすいポイントにもなっています。
まずはマルチタイムフレーム分析で長期トレンドを正確に把握する。
続いて、ブレイクアウトに有効なフォーメーションやパターンを短い時間足で見つけていく。
2ステップで勝率が高い上に大きく稼げるFXのブレイクアウトを可能にします。
FXでブレイクアウトの勝率を高くするインジケーターと活用法


FXでブレイクアウトの勝率を高くするインジケーターは大きく2つに分けられます。
- ブレイクアウトを知らせるインジケーター
- ブレイクアウト間近を示すインジケーター
FXの取引プラットフォームMT5またはMT4で使用するインジケーターをご案内します。
①:ブレイクアウトを知らせるインジケーター
FXでブレイクアウトしたポイントを知らせるMT5またはMT5のインジケーターの一例です。
サインの種類 | インジケーター名 |
---|---|
三角持ち合いのブレイクを示す | Demark Trend Alert、Td Points Line Auto |
高値安値のブレイクを示す | DonchianBreakoutSystem_v1.1.2 button |
ペナントのブレイクを示す | Td Points Line Auto |
②:ブレイクアウト間近を示すインジケーター
ブレイクアウト間近を示すインジケーターのサインを確認した後、自らエントリーポイントを定めてトレードするかを決めるときに役立ちます。
サインの種類 | インジケーター名 |
---|---|
レクタングル(ボックス)を示す | Atm Pure Breakout Zone、4Session、Auto_Sessions_v2.91 button |
三角持ち合いを示す | 00-Mac5_v100、Td Points Line Auto、price-patterns |
上昇ウェッジ・下降ウェッジを示す | price-patterns |
高値安値ブレイク前を示す、サポート・レジスタンスラインを引く | Support Resistance Breakout Arrows、ZigZag_DowT |
ボリンジャーバンドのブレイク前を示す | bollinger_bands_mtfalertsarrows_nmc |
エリオット波動の第3波前を示す | Semafor+123Triangles、123PatternsV7 Alerts |
プライスアクションを示す | ATM Master Candle 、FRThreeMethods、Reverse_Master |
チャートパターンではなく、値動きそのものを見るプライスアクションからブレイクアウトを狙う手法などもあります。
FXのブレイクアウト手法の幅を広げる際に、参考になさってください。
ブレイクアウトの勝率を高めるインジケーターと使い方
ここからはブレイクアウトの勝率を高めるインジケーターの使い方のご紹介です。
パターン判別の精度が比較的高いとされる「price-patterns」を用いました。
上記「4時間足の上昇ペナントのブレイクアウト」に適用してみます。


週足と日足のエントリーポイントにはパターンが検出されていません。
4時間足ではダブルボトム(Double Bottom)を示し、ネックラインを抜けたら上昇トレンドを再開することが示唆されています。
1時間足では上記とは異なり、2つの高値と安値を結ぶ価格が違うことで上昇ウェッジ(Rising Wedge)と判別しています。
FXのブレイクアウトで勝率を高めるインジケーターの使い方は次のとおりです。
- マルチタイムフレーム分析で長期トレンドを把握する
- 異なる時間足でチャートパターンが重複するかを確かめる
- エントリーに使う時間足のチャートパターンを重視する
各時間足でチャートパターンが確認されたら、異なる時間足のトレーダーと価格の方向性が一致するので、ブレイクアウトした後に大きな値幅で稼ぐことができるでしょう。
エントリーで使用する時間足において、長期トレンドに沿った方向にチャートパターンが出現したら、ブレイクアウトで勝ちやすいことを知らせてくれています。



リアルタイムでチャートパターンを正確に表示するインジケーターは少ないようです。MT5・MT4の情報の宝庫「MQL5コミュニティ」もご参考ください。


FXで勝ち組になるために絶対にしなければいけないのが『検証』です!
ただ、リアルトレードでの検証には膨大な時間が必要です…



本当に稼げる手法なのかスグに検証できたらいいのに…
そんな方にWikiFX Japanがオススメしているのが「Trade Trainer」というツールです。
Trade TrainerはMT4上で動くトレード検証ソフトで、過去のチャートを用いて実際に売買を行いながら手法の検証が可能です!
WikiFX Japanでは数々の検証ソフトを実際に利用して比較していますが、
ズバリ…Trade Trainerが最も使いやすいソフトだと感じます。



買い切り型ソフトで価格がリーズナブルなのもポイントですね!
手法が実際の相場で通用するか、チェックしてからトレードに臨めば怖いものナシです!
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FXのブレイクアウトについてよくある質問(FAQ)


ここからはFXのブレイクアウトについてよくある質問をまとめます。
ブレイクアウトの勝率が高い時間帯は?
ブレイクアウトの勝率を高めるにはボラティリティが欠かせません。値動きが大きくなる時間帯はロンドン市場とニューヨーク市場が開場しているときです。
上記「④ボラティリティの高い時間帯」に開場時間をまとめたので、ご参考ください。
また、東京時間におけるブレイクアウトの有効性は、ボラティリティの低さから上記の時間帯より劣ると言えます。
ただし、ドル円と日経平均の取引高は大きく、東京時間に生じたブレイクアウトがトレンド形成の初動になることもあります。
FXのブレイクアウトでおすすめの本は?
勝てるFXのブレイクアウトに使える実用的な本であれば、「AmazonのKindle Unlimited」が良いでしょう。毎月一定額を支払うことで、全ての登録書籍が読み放題になります。
特定のチャートパターンに特化したブレイクアウト手法や、既存のFX手法を検証した電子書籍もありました。
従来の書籍の中には理論の検証を重視した学術的なものが含まれます。
一方でキンドルアンリミであれば、コストを安くしてFXのブレイクアウト手法を学ぶことができるでしょう。
スイングトレードで勝てるブレイクアウト手法はある?
スイングトレードだからこそだましを減らしてブレイクアウトで勝つ確率を高くできます。
上記「FXで勝てるブレイクアウト手法【実践】」で解説したとおり、週足のトレンドに合わせた日足のブレイクアウトにより、ドル円の大相場で稼ぐことができました。
ポイントは長期トレンドに沿った短い時間足のブレイクアウトに徹することです。
日足以上のトレンドを把握し、4時間足以上に発生するチャートパターンを活用してスイングトレードのブレイクアウトを狙いましょう。
勝てるFXのブレイクアウトでたくさん稼ごう!


「勝率の高いブレイクアウトで稼ぎたい!」ご要望にお応えすべく、後半はテクニカル的な相場の本質となる長期トレンドの順張りを軸にして解説しました。
- FXのブレイクアウトはレンジとトレンドラインのブレイクに分けられる
- FXのブレイクアウトは大きく稼げるメリットとは裏腹にだましに遭いやすい
- 4つのトライアングルと4つのパターンはFXのブレイクアウト前のサイン
- 長期トレンドに沿った短い時間足のブレイクアウトを狙うことで勝率を最大化できる
FXのブレイクアウトの性質上、チャートパターンに力点をおいた手法を多く目にするでしょう。
ただし、「だまし」の存在によってリスクが伴うことをお伝えしてきました。
ダウ理論や市場の共通認識をふまえて、長期トレンドに沿った順張りが基本にあることを忘れないでください。
マルチタイムフレーム分析による各時間足の分析、その過程に出現するブレイクアウトのチャートパターンを頼りに、最高のエントリーポイントを定めてくださいね。
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