FXのハーモニックパターンとは?逆張りポイントの見つけ方

そもそもFXのハーモニックパターンとはなんだろう?
こんな疑問に始まり、美しい幾何学模様をみて興味を深めた人も多いはず。

逆張り手法として使われていますが、勝率の高いトレードとして活用できるのでしょうか。

この記事で分かること
  • ハーモニックパターンの基礎知識
  • ハーモニックパターンをFXトレードに使うメリットとデメリット
  • ハーモニックパターン 4つの基本形を用いたトレード手法
  • ハーモニックパターンを用いた逆張り手法の勝率を高める方法

本記事を通じて、ハーモニックパターンの基本と勝てるトレードへの使い方が分かります。

無機質なチャートを彩るパターン分析の基本をお伝えするとともに、逆張りの有効性を高める方法まで解説していきます。

目次

ハーモニックパターンとは

ハーモニックパターンはフィボナッチ数列を応用したチャートパターン分析の一つです。

上のモニターに映る幾何学模様。美しいアゲハ蝶の外形にも見えませんか?
「チャートはアート」と言われる良い例で、FXトレーダーの中にはハーモニックパターンのアート的な側面に惚れて利用している人がいるかもしれません。

実はハーモニックパターン、まだ研究途上のテクニカル分析手法です。
4つの基本形に加えていくつかの派生系、さらには新種が生まれている点にも注目が集まります。

ハーモニックパターンの特徴

ハーモニックパターンには大きく分けて2つの特徴があります。

  1. フィボナッチを用いたパターン分析
  2. チャートパターンが豊富

順番に解説します。

特徴①:フィボナッチを用いたパターン分析

ハーモニックパターンはフィボナッチ比率(※)と幾何学的なチャートパターンを掛け合わせて作られています。

FXトレードでは相場が反転・転換するサインとして利用され、他の指標と併用することで逆張りの勝率を高めることも可能です。

フィボナッチに準じた美しいパターンを描くため、初心者さんにも分かりやすいチャート分析です。

(※)フィボナッチ比率とは:フィボナッチ数列から導き出された規則性のある比率。数列ともに、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチ氏が発見。

フィボナッチ数列は1からはじまり、「1つ前の数字を足していくだけ」の数字の並びです。

1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377, 610, 987, 1597・・・

フィボナッチ比率は、フィボナッチ数列の中の数字を使って割り算すると、次のような規則性を発見できます。

割り算の仕方規則性
ある数字を次の数字で割る55 ÷ 890.618
ある数字を前の数字で割る987 ÷ 6101.618
ある数字を1つ飛ばした後の数字で割る21 ÷ 550.382
ある数字を1つ飛ばした前の数字で割る1597 ÷ 6102.618

1.618は「黄金比」と言われ、古代ギリシャでは神の比とまで言われていたそう。

アートの世界では絵画や建築、ビジネスの世界では名詞などに活かされています。ハーモニックパターンの要素でもある黄金比さがしは、何気ない日常にアクセントを与えてくれそうです。

特徴②:チャートパターンが豊富

ハーモニックパターンは4つの基本形の他に、トレードで試してみたくなるいくつかのパターンが開発されています。

  1. ガートレー(発見者の名前)
  2. バット(コウモリ)
  3. バタフライ(蝶)
  4. クラブ(カニ)

4つの基本形はトレードで広く使われています。さらにハーモニックパターンの派生型がいくつも存在します。

オルトバット、ディープクラブ、5-0パターン、スリードライブ、サイファー、ネンスター、シャーク、ブラックスワン、ホワイトスワン、ナヴァーロ 200、One2One など

欧米のトレーダーが積極的に情報発信しているので、Tradingview等のコミュニティで新種のハーモニックパターンの使用例を参考にするのも良いでしょう。

今回は「ハーモニックパターン 4つの基本形」に焦点を当て、後ほど勝率の高い逆張りトレードに活用する方法を解説します。

ハーモニックパターンの原則【5地点の定め方】

まずはハーモニックパターンが完成する原則を知り、FXトレードで使えるようにしていきましょう。

ハーモニックパターンの原則

ハーモニックパターンは「X, A, B, Cの地点」を定めて、「D地点」からの反転の値動きを予測するために使われます。
XA、AB、BCの長さ・比率、各地点を結んで生まれる波形より、CDがどこまで伸びるかを計算します。

後ほど解説する4つのハーモニックパターンを知っておくことで、値動きが反転するD地点を大よそ定められます。
D地点に価格が到達してからエントリーする、完全逆張りのFX手法に利用します。

ハーモニックパターンを使う2つのメリット

ハーモニックパターンを逆張りトレードに使うメリットは2つです。。

  1. 損小利大の逆張りができる
  2. チャートパターンに当てはめるだけ

1つずつ解説します。

メリット①:損小利大の逆張りができる

ハーモニックパターンがモデル通りに出現したら、世界中のトレーダーがエントリーしたくなるでしょう。

型にカチッとハマれば、D地点からの大きな値幅取りを期待できます。

メリット②:チャートパターンに当てはめるだけ

美しいハーモニックパターンはFX初心者さんの目にも明らか。

フィボナッチから導かれており、値動きがX, A, B, Cの定義された位置に近いほど理想的なチャートパターンが出現します。
FXトレードでは美しいハーモニックパターンの発見に全力を尽くすのみです。

数値を覚えるのは大変なので「ハーモニックパターン 4つの基本形」をト何度も見返してくださいね。

ハーモニックパターンを使う2つのデメリット

ハーモニックパターンをFXトレードに使うと、2つのデメリットがあります。

  1. チャートパターンの出現率が低い
  2. 損切りが重なることも

順番に解説します。

デメリット①:チャートパターンの出現率が低い

理想的なハーモニックパターンはほとんど出現しません。

FXトレードに使うためには、5地点をずらしながら考える必要があります。FXで稼ぐことを目的にすると、ストレスを溜め込む原因になりかねませんね。

ハーモニックパターンに重点をおくのであれば、5地点を多少ずらしながらトレードポイントを探ってみてください。

デメリット②:損切りが重なることも

ハーモニックパターンは表示している時間足に対して完全な逆張りです。

長期トレンドに沿った順張りであったとしても、短い時間足の値動きが激しくなり、損切りさせられる可能性が高くなります。

損小利大のメリットとはうらはらに、損切り貧乏のデメリットが潜んでいることを忘れないようにしましょう。

【FX】ハーモニックパターン 4つの基本形

ここからはハーモニックパターンの4つの基本形をご紹介します。

  1. ガートレー
  2. バット
  3. バタフライ
  4. クラブ

1つずつ解説します。

①ガートレーとは

ガートレーは、今もなお新種が開発されているハーモニックパターンの原点です。
ガートレーは発見者のH.M. Gartley(HMガートレー)氏の著書「Profits in the Stock Market」で公になりました。

FXトレードでは以下の成立条件を参考にして、チャート内に発生するガートレーの発見を優先します。

ガートレーの成立条件

ガートレーの成立条件は次の通りです。
以下、X, A, B, C, Dは価格、矢印(→)は値動きを表します。

  • Bは、X→Aの0.618 リトレースメント
  • Cは、A→Bの0.382~0.886 リトレースメント
  • Dは、X→Aの0.786 リトレースメント
  • C→Dは、A→Bの1.13~1.618 拡張

実際にトレードする際は次のように注文します。

  • エントリー:Dの価格帯
  • 利益確定:Aの価格帯
  • 損切り:X割れ・超え

ガートレーを用いたFXは逆張り手法なので、損切りだけは厳守してくださいね。

カチッとはまれば有効!実際は柔軟に対応することが求められます。

ガートレーを用いたトレード手法

ドル円の日足チャート、X(2020年3月10日安値)とD(2020年7月31日安値)です。概ねガートレーの条件を満たしています。

ここからはガートレーを例にして、他の3つのハーモニックパターンにも共通した逆張りトレードを完了するまでの流れを解説します。

  1. ハーモニックパターンを用いた買いのトレードにおける考え方
  2. ハーモニックパターンを用いたエントリーの方法
  3. ハーモニックパターンを用いた損切りと利益確定の決め方

なお、売りのトレードは180度ひっくり返した見方になるだけです。

①ハーモニックパターンを用いた買いトレードの考え方

ドル円の価格がC→Dに推移する過程で、ガートレーがチャートに浮かび上がってきます。あとは、X・A・B・Cを定めてガートレーの成立を想定し、Dに価格が近づくのを待つのみです。

②ハーモニックパターンを用いたエントリーの方法

エントリーの方法に決まりはありません。Dに到達した時点でエントリーしても良いですが、逆張り手法なので他のトレード方法と併用するのが良いでしょう。

例えば、支持線からの反発、プライスアクションによる買いサイン、オシレーター系インジケータの反転サインがあげらえます。

ハーモニックパターンを補足する、Dの価格帯で生じたエントリーサインで信頼性を高め、勝率の高い逆張りトレードへとつなげていきます。

③ハーモニックパターンを用いた損切りと利益確定の決め方

損切りはX、利益確定の目安はAです。先述のとおり、ハーモニックパターンのメリットは損小利大であること。

逆張り手法ですので、Xで損切りをせずにナンピンでカバーすることを考えないようにしましょう。

【補足】ハーモニックパターンで稼ぐためのポイント

ハーモニックパターンを用いて勝率が高く稼ぐトレードをするために、ガートレーを用いて少し深堀りしてみます。

ハーモニックパターンで稼ぐためのトレード想定

チャートは先ほどのドル円の日足です。高値切り下げ・安値更新により下降トレンドが確定しています。つまり長期トレンドにも反する中で、ガートレーで逆張りを狙う格好です。

ロングが劣勢の環境下、Dでの買いエントリーを補足する材料は下ヒゲの長い大陽線のプライスアクションのみ。

一方で、利益確定(A)に到達するまでには、AとB、①と②を結ぶ下降トレンドラインや、支持帯(四角点線枠)から抵抗帯へ転換する可能性がある価格帯が存在します。

結果としてAに到達することなく、長期トレンドに沿って下落に転じてしまいました。本トレードが示唆することは次のとおり。

長期トレンドを分析せず、ハーモニックパターンを発見して損小利大のイメージを持つのは早計かも。

つまり、市場の共通認識である「長期トレンドは短期トレンドよりも優先する」ことを念頭に、ハーモニックパターンを短期トレンドの逆張りサインとして用いるくらいがちょうど良いのかもしれません。

②バットとは

バットはハーモニックパターンの中でも発生率が高いとされています。
Wトップ・WボトムがコウモリのBat(バット)に見えたら、エントリーが近いサインです。

FXトレードでは以下の成立条件を参考にして、チャート内に出現するバットの発見を優先します。

バットパターンの成立条件

バットの成立条件は次の通りです。
以下、X, A, B, C, Dは価格、矢印(→)は値動きを表します。

  • Bは、X→Aの0.382~0.50 リトレースメント
  • Cは、A→Bの0.382~0.886 リトレースメント
  • Dは、X→Aの0.886 リトレースメント
  • C→Dは、A→Bの1.618~2.618 拡張

実際にトレードする際は次のように注文します。

  • エントリー:Dの価格帯
  • 利益確定:Aの価格帯
  • 損切り:X割れ・超え

バットを用いたFXは逆張り手法なので、損切りを厳守しましょう。

バットパターンを用いたトレード手法

ポンドドルの日足チャート、X(2018年8月15日安値)とD(2018年10月30日安値)です。概ねバットの条件を満たしています。

バットの買いのトレードにおける考え方、エントリーの方法、損切りと利益確定の決め方は、「ガートレーを用いたトレード手法」と同じになります。

なお、ハーモニックパターンの成立条件からの乖離をどこまで許容するか?上図のバットは検証の材料にできるでしょう。

③バタフライとは

バタフライは、ガートレーやバットよりもD地点の押し目・戻り目が深くなったチャートパターンです。
上昇・下降チャネル等から価格が外れたとき、蝶のButterfly(バタフライ)が浮かび上がればエントリーが近いサインです。

FXトレードでは以下の成立条件を参考にして、チャート内に発生するバタフライの発見を優先します。

バタフライの成立条件

バタフライの成立条件は次の通りです。
以下、X, A, B, C, Dは価格、矢印(→)は値動きを表します。

  • Bは、X→Aの0.786 リトレースメント
  • Cは、A→Bの0.382~0.886 リトレースメント
  • Dは、X→Aの1.27 リトレースメント
  • C→Dは、A→Bの1.618~2.24 拡張

実際にトレードする際は次のように注文します。

  • エントリー:Dの価格帯
  • 利益確定:Aの価格帯
  • 損切り:X割れ・超え

C→Dに価格が動く過程で、次に紹介するクラブに切り換えることもあるでしょう。いずれにしても、バタフライも逆張り手法なので、損切りを徹底するようにしてください。

バタフライを用いたトレード手法

キウイドルの4時間足チャート、X(2021年10月18日安値)とD(2021年11月12日安値)です。概ねバタフライの条件を満たしています。

バタフライの買いのトレードにおける考え方、エントリーの方法、損切りと利益確定の決め方は、「ガートレーを用いたトレード手法」と同じになります。

④クラブとは

クラブとは、バタフライよりもD地点の押し目・戻り目が深くなったチャートパターンです。
上昇・下降チャネル等から値動きが逸脱したとき、蟹のCrab(クラブ)を見いだせたならエントリーが近いサインです。

FXトレードでは以下の成立条件を参考にして、チャート内に出現するクラブの発見を優先します。

クラブの成立条件

クラブの成立条件は次の通りです。
以下、X, A, B, C, Dは価格、矢印(→)は値動きを表します。

  • Bは、X→Aの0.382~0.618 リトレースメント
  • Cは、A→Bの0.382~0.886 リトレースメント
  • Dは、X→Aの1.618 リトレースメント
  • C→Dは、A→Bの2.618~3.618 拡張


実際にトレードする際は次のように注文します。

  • エントリー:Dの価格帯
  • 利益確定:Aの価格帯
  • 損切り:X割れ・超え

バタフライの延長からクラグに変化したのなら、どこまで押し・戻りが深くなるか測り難い状況。エントリーしてもすぐに逆行するリスクをはらんでいます。

クラブも3つのハーモニックパターンと同じ逆張り手法なため、損切りを守って資金管理を徹底してください。

クラブを用いたトレード手法

ドル円の1時間足チャート、X(2022年6月21日価格)とD(2022年6月23日安値)です。概ねクラブの条件を満たしています。

クラグの買いのトレードにおける考え方、エントリーの方法、損切りと利益確定の決め方は、「ガートレーを用いたトレード手法」と同じになります。

【FX】逆張りインジケーターを併用したトレード手法

ハーモニックパターンと逆張りインジケーターを併用したトレード手法

先ほどのハーモニックパターンのみの逆張りトレードは、心もとなく感じたのではないでしょうか。ここからは逆張り指標の代表RSIを用いて、ハーモニックパターンで勝つためのトレードを考えていきましょう。

ハーモニックパターンとRSIを用いた逆張り手法

チャートはクラブで使用したドル円の1時間足です。そのままRSI(期間14)を表示します。RSIの見方は次のとおりです。

  • RSIが20%~30%を割ると売られ過ぎサインなので買いを考える
  • RSIが70%~80%を超えると買われ過ぎサインなので売りを考える

実際には価格がDに向かう過程でRSIの30割れを想定しながら追跡します。水平線(②)は過去に売買が交錯しているので、支持帯して反発の目安になります。

結果的にハーモニックパターンのクラブ完成、RSI30割れからの反転上昇と逆張り手法が決まりました!

なお、クラブが出現したポイントは、長期トレンドに沿った短期トレンドの逆張り。スイングトレーダーとデイトレーダーがともにロングで待ち構えている環境です。

ハーモニックパターンで勝率の高いトレード手法

やはり、ハーモニックパターンを勝つためのトレードに使って稼ぐには、長期トレンドに沿った短期トレンドの逆張りサインとして活用するのが賢明ではないでしょうか。

FXのハーモニックパターンはエッジの効いた逆張り手法

FXのハーモニックパターンはエッジの効いた逆張り手法

フィボナッチに導かれたFXのハーモニックパターン。定義にはまる端麗な姿を見ることは稀ですが、だからこそエッジの効いた逆張り手法として、損小利大のトレードに活用できるでしょう。

この記事のまとめ
  • ハーモニックパターンはフィボナッチを用いたパターン分析
  • ガートレー・バット・バタフライ・クラブを基本形として派生型が存在、新種が開発されている
  • ハーモニックパターンは損小利大の逆張り手法としてトレードに利用する
  • 長期トレンドに沿った短期トレンドの反転・転換サインとして高い有効性が示唆される

ある種アートとして、無機質なFXチャートに色どりを与えてくれるハーモニックパターン。
でも、ここまでお読みのあなたは勝率の高いトレードに応用したいはず。

本記事を足がかりに、ハーモニックパターンを稼ぐためのトレードにお役立ていただければ幸いです。

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