FXの分析手法でよく聞くネックラインって、どんなライン?
ネックライン?ただラインを引っぱるだけでしょ
トレードで利益を出せるようになるため、チャート分析を始めると辿り着く言葉、ネックライン。
ネックラインはトレード手法を勉強し始めると、わりと初期段階で目にします。
ローソク足へのライン引きはチャート分析の基本のため、トレーダーなら誰もが一度はネックラインの引き方について調べた道を通ったでしょう。
ネックラインは、ローソク足にラインを引くだけのシンプルな指標です。
でも実は、奥が深いんです。
ネックラインは引き方や位置によって、チャートの方向性を分かりやすく示してくれる指標となります。
初心に戻って、ネックラインについてもう一度勉強してみませんか?
✔ ネックラインの基礎知識
✔ ネックラインを使ったトレード手法
✔ ネックライントレードの注意点
✔ ネックラインと相性のいいインジケーター
今回はネックラインの基礎知識から引き方、ネックラインを使ったトレード手法まで、分かりやすく解説します。
FXのネックラインとは
ネックラインは、直近で価格が反転したポイントをつなぎ合わせた水平線・斜め線のことです。
おもにトレンド転換のサインとして意識されます。
トレンド転換のサインとして見られるため、ネックラインはトレンド終盤で発生します。
上昇トレンドであれば三尊天井(もしくはダブルトップ)、下落トレンドであればダブルボトム(トリプルボトム)などのチャートパターンと同時に、ネックラインがあらわれます。
ネックラインは、それ単体でエントリーできるものではありません。
チャートパターンや高安値更新、移動平均線、相場のモメンタムなどを見て、複合的に判断するための根拠のひとつとして捉えましょう。
その分、ネックラインを使えるようになれば、チャートの進行方向が分かるため、相場の大枠を把握できるようになるのです。
ネックラインの役割
ネックラインは、トレンド転換のチャートパターンが出現したときに現れますが、役割が3つあります。
ネックラインの3つの役割を見てみましょう。
①上昇トレンド終焉のレジスタンスライン
ネックラインは、上昇トレンド終盤でのレジスタンスライン(抵抗帯)として機能します。
上昇トレンドの最終局面で発生する三尊天井(ヘッド・アンド・ショルダー)やダブルトップの起点部分にネックラインを引くと、ネックラインが下落転換後のレジスタンスラインの役割を果たすようになります。
ネックラインが抵抗帯として出現すると、上昇トレンドから下落トレンドへの転換となります。
②下降トレンド終焉のサポートライン
ネックラインは、下落トレンド終盤でサポートライン(支持帯)としても機能します。
下落トレンドの終盤、相場の底にダブルボトム(トリプルボトム)を形成したのち、ネックラインがサポートラインとして出現します。
ネックラインが支持帯として働き、価格が支持帯以下に下がらなくなったら、下落トレンド終焉のサインです。
ネックラインにサポートされ、次のトレンド(上昇トレンド)へと転換していきます。
③トレンド転換のサイン
ネックラインは、トレンド終焉の合図になります。
上昇トレンドで出現したネックラインがレジスタンスライン(抵抗帯)として機能し、上昇継続できずに価格が下がれば、それは上昇トレンド終了のサインです。
反対に、下落トレンドで出現したネックラインがサポートラインとして機能し、下落できずに価格が上昇すれば、それは下落トレンド終了のサインです。
ここで大事なポイントがあります。
上昇トレンド終盤でのネックラインは、レジスタンスとして機能すると書きました。
でも、ネックラインがレジスタンスになる前のチャートの形をよく見てください。
上昇しようと試みたのち価格が下落。しかしネックラインに当たってふたたび反発。
はじめはサポートラインになっていませんか?
ネックラインは、出現場所によって、サポートラインとレジスタンスラインの両方になり得るのです。
ネックラインの種類
ネックラインは、トレンド終盤の転換点を示すサインだと話しました。
では、実際にどのようなチャートパターンのときに現れるのでしょうか?
3つのおもなパターンを紹介します。
①三尊天井・ダブルトップ
上記は、米ドル/ 円の日足チャートです。
中央部分がもっとも高くなる三尊天井(ヘッド・アンド・ショルダー)を形成しています。
三尊天井を形成後、青いラインで引いたネックラインがレジスタンスとなり、価格の上昇を妨げ下落していきました。
三尊天井の形成途中では、サポートとして機能していたネックラインがレジスタンスとしての機能に切り替わり、上昇トレンド終了となりました。
②ダブルボトム
こちらはポンド/ 円の時間足チャートです。
下落トレンドの終焉間近、ダブルボトムを形成し、下値を切り上げています。
追い打ちをかけるように、青色で引いたネックラインが、サポートラインとして機能。
下落を阻止しています。
その後時間をかけてエネルギーを貯めながら、上昇トレンドへと転換していきました。
③カップウィズハンドル
ユーロ/ 米ドルの4時間足チャートで説明します。
カップウィズハンドルは、カップの底のような形をした安値圏で出現するチャートパターンです。
下落トレンドのクライマックス場面です。
青いネックライン(サポートライン)に当たって反発し、反発部分がカップの取っ手のように見えることから、カップウィズハンドルと呼ばれています。
売り戻りたいトレーダーが、青色のネックラインで跳ね返され、価格が反転上昇していきます。
ネックラインの引き方
ネックラインは、直近で価格が反応し、何度か反転したポイントです。
ではその反転ポイントをどのように見つければいいのでしょうか?
「斜めライン」と「水平ライン」に分けて説明します。
斜めライン
こちらはユーロ/ 米ドルの4時間足チャートです。
下落トレンドがひと段落し、トレンド転換の合図であるトリプルボトムを作っています。
下値をわずかに切り上げると同時に、上値も切り上げていることがわかります。
切り上がった上値の点どうしを繋ぐと、斜めのネックラインが出現します。
その後斜めのネックラインがサポートとして機能。
価格は上昇し、上昇トレンドへと転換していきました。
ネックラインと聞くと水平ラインをイメージする方が多いと思いますが、ネックラインは水平ラインだけではありません。
上記のような斜めラインを覚えておくことで、エントリー根拠が格段に増えていきます。
水平ライン
米ドル/ 円の日足チャートです。
上昇トレンドの天井圏で、三尊天井(ヘッド・アンド・ショルダー)を形成しました。
左肩と右肩の付け根部分を一直線に結ぶことで、水平のネックラインが出現します。
ネックラインを見事下抜け、いよいよ下落トレンドの始まりかなと思った矢先、ネックラインへと価格が戻ってきます。
その後水平ネックラインが抵抗帯となり、価格が上がらずトレンドは反転。
上昇トレンドから下落トレンドへ移行していきました。
ネックラインを使った手法
ここからは、ネックラインを用いたトレード手法について解説していきます。
リターンムーブ
上記は、豪ドル/ 米ドルの日足チャートです。
上昇トレンドが弱まり、ヘッド・アンド・ショルダーを形成後、青いネックラインを下抜ける値動きとなりました。
下抜け後、ネックラインに戻ろうとする動きが見られましたが、これがリターンムーブです。
ネックラインの抵抗帯を上抜け、上昇トレンドを継続させようとするもネックラインに跳ね返されました。
レジスタンスのネックラインにタッチし、跳ね返された動きを確認し、売りエントリーを仕掛けます。
損切りポイントはヘッド・アンド・ショルダーの右肩のトップ部分(上部の緑色ライン)に設定。
利確ポイントはヘッド・アンド・ショルダーの右肩のトップ部分からネックラインにかけてと同じ値幅を狙いましょう。
利確ポイントが浅くならないよう、損切りポイントとのリスクリワードが1:1以上になることを心がけましょう。
ラインブレイク
ネックラインブレイクは、天底でのネックライン突き抜け後、リターンムーブの値動きを待たずにエントリーする方法です。
ネックラインのレジスタンスが機能しないとわかり、上抜けした時点ですぐに買いエントリーをします。
リターンムーブを待たないことで、ネックラインを上抜け価格が走った際に、エントリーチャンスを逃さずに済むことがメリットです。
エントリーチャンスを逃さない分、エントリー後にネックラインへの回帰の値動きが現れる可能性がある点だけ、注意しておきましょう。
ネックライントレードの注意点
ネックラインは意識されて反転したポイントをラインで結ぶだけの、シンプルな指標です。
シンプルさゆえの注意すべき点を、2つお伝えします。
①転換点だと決めつけない
ネックラインは上昇トレンド・下落トレンドの転換サインになるといいました。
ただ、ネックラインを引いても価格が反転せず、そのまま上昇トレンド・下落トレンドが継続する場合もあります。
本記事の序盤でもお伝えしましたが、ネックラインはそれ単体でトレードするものではありません。
ネックラインは、目線付けの補助指標です。
相場の強弱は、市場参加者の思惑の優劣によって変化します。
「ネックラインを引いたのだから、次はこのポイントで反転するはず」と決めつけず、ローソク足の値動きを見た上で他の根拠と照らし合わせつつ、方向性を判断しましょう。
②厳密に引き過ぎない
上昇トレンド終盤で現れるヘッド・アンド・ショルダーにネックラインを引いたと仮定してみてください。
現実のチャート上では、右肩と左肩の付け根がきっちり同値になることはあるでしょうか?
ないとは言い切れないまでも、右肩と左肩の付け根の価格が同じになることは稀です。
ネックラインというよりも、【ネックラインを引いた帯】として、反転ポイントの指針とするようにしましょう。
ネックラインと相性のいいインジケーター
ネックラインはトレンド相場の転換を示してくれるサポートツールのひとつです。
ネックライン単体ではエントリー根拠として乏しいですが、他のインジケーターと組み合わせることでエントリー根拠の確度が上がり、トレードが成功しやすくなります。
ここでは、ネックラインと相性のいい、相場の天底が近いサインを教えてくれるRSIについて説明します。
RSIの売られ過ぎ・買われ過ぎをチェック
RSI(Relative Strength Index)は、相場の「売られ過ぎ・買われ過ぎ」を相対的に指数化したインジケーターです。
要するに、上昇トレンド・下落トレンドの終焉を教えてくれます。
RSIが30を下回っていたら「売られ過ぎ」となり、70を超えていたら「買われ過ぎ」となります。
上のチャートでは、RSIが70を超え、「買われ過ぎ」サインが点灯しています。
RSIが70をオーバーしたのちに、上昇トレンドの終焉・ダブルトップが出現しました。
ネックラインとRSIを組み合わせる際は、RSIのシグナルが先に点灯するので、RSIの超過サインを見つけたら「そろそろネックラインを引けるようになるかな?」と、準備をしておきましょう。
RSIのダイバージェンス
ダイバージェンス(divergence)は、英語の名詞で「相違」や「逸脱」を表します。
FXでは、ダイバージェンスは「逆行現象」と解釈され、トレンド転換のシグナルになっています。
上のチャートでは、ローソク足が上昇基調となっていますが、RSIは70オーバーから下降基調に入っています。
RSIとローソク足の進行方向が逆行しています。
これがFXのRSIでのダイバージェンスです。
ネックラインの下抜けも相まって、その後相場は下落トレンドへとシフトしていきました。
RSIのダイバージェンスとネックラインはタイムラグなく確認できるため、トレンド転換を探るのに非常に相性がよくなっています。
ネックラインを自動抽出するインジケーター
ネックラインはトレンド相場のクライマックスで引けることが多いため、トレンド相場の天底を示してくれるインジケーターを導入して、ネックラインを引きやすくしてみましょう。
自分ではしっかりとチャートパターンを見つけられているつもりでも、チャートパターンを見落としている可能性もあるかもしれません。
そんなときに、チャートパターンの自動検出ツールが役立ちます。
今回はMT4でチャートパターンを自動検出してくれる【price-patterns】を紹介します。
三尊や逆三尊を自動検出してくれる【price-patterns】
【price-patterns】は、三尊天井や逆三尊など9つのチャートパターンを自動で検出してくれる無料ツールです。
ダブルトップはもちろん、逆三尊やウェッジも自動抽出してくれます。
下落トレンド終盤に現れるチャートパターンは緑色で、上昇トレンド終盤に現れるチャートパターンは赤色でわかりやすく示してくれます。
抽出チャートパターンは、以下の9つです。
- 三尊
- 逆三尊
- ダブルトップ
- ダブルボトム
- トリプルトップ
- トリプルボトム
- 三角持ち合い
- 上昇ウェッジ
- 下降ウェッジ
【price-patterns】のインストール方法
こちらからダウンロードしてみましょう。
(※英語サイトですが、サイト上部にある「DOWNLOAD NOW」を押せば、簡単にダウンロードできます)
- 【price-patterns】をダウンロードする
- ダウンロードしたzipファイルを解凍する
- MT4を起動し、「ファイル」タブから「データフォルダを開く」をクリック
- 「MQL4」フォルダから「indicators」フォルダを開く
- 解凍した「price-patterns」をコピーし、「indicators」フォルダにペーストする
indicatorsに【price-patterns】が入ったことを確認し、いちどMT4を閉じます。
再度MT4を開いて「表示」タブから「ナビゲーター」を開き、「price-patterns」をチャート上へドラッグ&ドロップしましょう。
FXで勝ち組になるために絶対にしなければいけないのが『検証』です!
ただ、リアルトレードでの検証には膨大な時間が必要です…
本当に稼げる手法なのかスグに検証できたらいいのに…
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まとめ
ネックラインの基礎知識からラインの引き方、ネックラインを使ったトレード手法まで解説しました。
ネックラインは、トレンド転換のチャートパターンと同時に出現します。
ネックラインは、あくまでトレンド転換を見極める補助的指標のひとつであり、もっとも重要なのはローソク足の値動きです。
ただ、ネックラインでの反発を確認することで、次の方向性を見極める手助けとなります。
この記事をきっかけにチャート上にネックラインを引いて、トレンドの方向性を見極める達人になりましょう。
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