勝率の高いFXのピンバーを見極めたい!真摯に相場に挑む誰もが一度は考えることでしょう。
ピンバーはひと目で価格の方向性がわかるプライスアクションとして有名です。。
世界中のトレーダーと、たった1本のローソク足で次の一手を共有することもできます。
- ピンバーの基本知識
- ピンバーをトレードに使うメリットとデメリット
- ピンバーで勝率が高くなる時間足の選び方と使い方
- ピンバーを用いた3つのトレード手法と勝率を最大化する方法
長期トレンドに逆らわないピンバーを用いたトレード手法を身に着ければ、FXの勝率をグッと高くできます。
本記事より、ピンバーを活用した勝てるトレード方法を手にいれてください。
さっそく勝率の高いトレード手法を知りたい方は「ピンバーでFXの勝率が高くなる時間足とは」から読み進めてください。
FXのピンバーとは
ピンバーはトレンドの停滞・反転・転換のサインとなるプライスアクションです。
価格が大きく伸びたものの、反対勢力によって始値近くまで値が戻されたことを表しています。
ピンバーと呼ぶローソク足に定義はないですが、通常ヒゲの長さが実体の3倍以上とされています。
また、長いヒゲに対する反対のヒゲの末端までの長さは20~30%以内が目安です。
名前の由来はピノキオ(pinocchio)。彼の鼻のようなバーからピンバーとなりました。
ピンバーと類似ローソク足の違いを比較
ピンバーに似ているものの、実体やヒゲの長さの違いで異なる呼ばれ方をするローソク足があります。
- 下影陽線・下影陰線
- 上影陽線・上影陰線
一つずつ見ていきましょう。
下影陽線・下影陰線
下ヒゲが長いローソク足を下影陽線・下影陰線と呼びます。実体やヒゲの長さや比率は、ピンバーと同じく決まりがありません。
③は陽のカラカサ、③'は陰のカラカサと呼ばれます。②と②'に呼称はありませんが、上ヒゲと下ヒゲの長さがほぼ同じであれば十字線と呼びます。①と①'に呼称はありません。また③と③'をピンバーと呼ぶこともあります。
いずれも売りの力で下に値を伸ばしたものの、強い買いの力で始値近くに値を戻したことから上昇のサインになります。
上影陽線・上影陰線
上ヒゲが長いローソク足を上影陽線・上影陰線と呼びます。実体やヒゲの長さや比率は、ピンバーと同じく決まりがありません。
③は陽のトンカチ、③'は陰のトンカチと呼ばれます。②と②’に呼称はありませんが、上ヒゲと下ヒゲの長さがほぼ同じであれば十字線と呼びます。①と①’に呼称はありません。また③と③’をピンバーと呼ぶこともあります。
いずれも買いの力で上に値を伸ばしたものの、強い売りの力で始値近くに値を戻したことから下落のサインになります。
ピンバーが反転サインになる理由
買い圧力が強いピンバーが作られる過程から、反転サインになる理由を解説します。
折れ線で示した価格の動きからも明らかなように、いったん下落したものの、売り圧力を打ち消すほどの強い買いで終値が確定しています。
値動きのモメンタム(勢い)を見て、次はどちらに価格が動きそうですか?
買いの方が勝率が高そうですね。
ポイントは多くのトレーダーがあなたと同じ見方をしていること。ピンバーには「反転のサイン」という市場の共通認識があります。
FXは大衆心理が働く方向に動きやすい傾向にあります。ピンバーが作られる過程を知ることで、トレードでの有効性が高いことが分かりますね。
ピンバーが発生しやすい価格帯と有効性
FXの勝率を高めるピンバーが発生しやすい価格帯は次のとおりです。
- 上ヒゲのピンバー:抵抗帯(レジスタンスゾーン)、高値圏(天井圏)
- 下ヒゲのピンバー:支持帯(サポートゾーン)、安値圏(底値圏)
ドル円のチャートで確認しましょう。マルチタイムで確認するため、週足・日足・4時間足・1時間足を一画面に表示しています。
週足・日足・4時間足が上昇トレンドですが、一旦の天井(橙四角)をつけてから下落に転じました。
注目するポイントは、水平線137円を支えに発生したピンバー(①)のあとに売り圧力にさらされることなく上昇していることです。
実際はトレードに使えないピンバーが時間足を短くするほど多く発生するため、勝つためのトレードに有効なピンバーの見極めが重要です。
後ほど「時間足の考え方:ダウ理論とトレーダーの共通認識について」で解説しますが、長期トレンドを優先するため、上ヒゲの長いピンバー(P')でのエントリーは控えることが基本になります。
一方で下ヒゲの長いピンバー(P)の場合、強い支持線のない価格帯で発生しており、買いの根拠としては頼りないという判断ができます。
水平線137円は日足でも明確に2回高値を付けた価格帯であり、4時間足では売買の交錯が確認できますね。
今回は4時間足と1時間足ともにピンバーを1本の同時確定(①)で上昇しましたが、長い時間足から導かれた水平線の近くでは有効なピンバーが出現しやすくなります。
FXのピンバーが発生しやすい価格帯と有効性のポイントは2つです。
- 複数回レートが反発した高値圏(抵抗帯)・安値圏(支持帯)で発生したピンバーは信頼性が高い
- 抵抗帯・支持帯ではない価格帯に発生したピンバーの信頼性は低い
テクニカル分析で水平線を引いておき、ピンバーの発生を意識して値動きを分析することで稼げるトレードチャンスを逃さないでしょう。
合成ピンバーと時間足の関係
表示する時間足を変えるだけでピンバーが出現することがあります。「合成ピンバー」を確かめ、ダマシを避ける方法を考えてみます。
合成ピンバーとは:ローソク足2本以上をを重ねて作られた1つのピンバー
チャートはドル円の日足と4時間足です。日足のピンバー(①)は4時間足6本(緑四角)を合成したものです。
4時間足以下では強い売り圧力にさらされていたものの、ニューヨーク市場で買い戻され、一日を終えてみたら上昇トレンドが継続する流れになりました。
つまり、ピンバーか否かはトレーダーが表示する時間足で異なることが分かります。
見た目が変わるピンバーなんかでトレードの勝率を高くできるの?
いわゆる「ピンバーのだまし」は避けたいですね。答えは簡単、エントリーに使う時間足を長くすることで勝率の高いトレードにピンバーを活用できます。
上述の「ピンバーが発生しやすい価格帯と有効性」でも図示したとおり、1時間足では空白の価格帯で頻出していましたね。
表示される時間足の数に比例して、FXで勝率の悪い合成ピンバーが多く作られてしまいます。
後ほど「ピンバーでFXの勝率が高くなる時間足とは」で解説しますので、ぜひ最後までご覧になってください。
【FX】ピンバーが発生する4つのプライスアクション
複数のローソク足の中に出現するピンバーも、トレンドの停滞・反転・転換のサインになります。
- スパイクハイ
- スパイクロー
- フェイクセットアップ
- フォールスブレイクアウト
代表的な4つのプライスアクションをご紹介します。
①スパイクハイ
上昇トレンドの停滞・反転・転換のサインとなるプライスアクションです。
値を上に伸ばしたものの強い抵抗にあい、始値近くまで押し戻されたことを示しています。
FXにおいてスパイクは、瞬間的に突出した高値と安値を付ける値動きを指したり、上図①に出現した実体の短いローソク足単体の呼称にもなります。
スパイクがピンバーや先述の「上影陽線・上影陰線」であってもひとえにスパイクハイと呼び、終値が下に伸びるほど売り圧力の高まりを示しています。
②スパイクロー
下降トレンドの停滞・反転・転換のサインとなるプライスアクションです。
値を下に伸ばしたものの強い抵抗にあい、始値近くまで押し返されたことを示しています。
スパイクがピンバーや先述の「下影陽線・下影陰線」であってもひとえにスパイクローと呼び、終値が上に伸びるほど買い圧力の高まりを示しています。
③フェイクセットアップ
レンジ相場(保ち合い)のブレイクに失敗した後、反対方向に価格の動きを加速させます。
保ち合いの上限・下限を抜けたものの強い抵抗に合い、長い上ヒゲ・下ヒゲを作って終値が確定します。
保ち合いの上限・下限を抜けた方向にポジションがとられることから、損切りが値動きを促すとされています。
なおピンバーの箇所のローソク足はスパイクでも良いですし、先述の「下影陽線・下影陰線」でもかまいません。
④フォールスブレイクアウト
トレンドが停滞・反転・転換するサインとなる価格の動きです。
長い時間足で意識される抵抗帯・支持帯の突破に失敗し、トレンド転換から値動きを加速させることもあります。
トレンド相場ではフォールスブレイクアウトを確認し、レンジ相場ではフェイクセットアップの発生をトレードに利用します。
なおピンバーの箇所のローソク足はスパイクでも良いですし、先述の「下影陽線・下影陰線」でもかまいません。
ピンバーを用いたFXトレード2つのメリット
実際にピンバーをFXトレードに使うメリットは大きく分けて2つあります。
- シンプルで使いやすいプライスアクション
- トレーダー心理を最速で読み取れる
1つずつ解説します。
メリット①:シンプルで使いやすいプライスアクション
FXは大衆心理が働く方向に価格が動きやすい傾向にあります。
ピンバーは世界中のトレーダーがひと目で分かるシンプルで使いやすいプライスアクションです。
FX相場においてピンバーは、トレンドの停滞・反転・転換のサインになる共通の認識もあります。
強い支持線・抵抗線に反発して作られたピンバー。そのシンプルな1本のローソク足を見たら、他のトレーダーと次の一手が同じになる確率は高いでしょう。
メリット②:トレーダー心理を最速で読み取れる
ピンバーは値動きそのものを表すプライスアクション、終値の確定で瞬時に次の値動きの予測に使えます。
ローソク足一本は4本値で構成され、実体と上ヒゲ・下ヒゲの長さに投資家心理が反映されます。
一方で移動平均線などのインジケーターは価格を元に表示されるため、ピンバーよりも遅効性があります。
従って適切な位置に発生したピンバーの使い方を極めることで、トレンドの反転・転換の初動エントリーを可能にします。
ピンバーを用いたFXトレード2つのデメリット
ピンバーは常にトレンドの停滞・反転・転換を教えてくれるわけではありません。
- ピンバー単独では有効性が低い
- ピンバーか迷ったら使わない
FXトレードに使うデメリットは大きく分けて2つあります。
デメリット①:ピンバー単独では有効性が低い
ピンバーは相場という大きな流れの極一部を切り抜いて見ています。
そのためセオリー通りの動きにならないこともあります。
先述の「ピンバーが発生しやすい価格帯と有効性」のとおり、反発の目安になる水平線が存在しない価格帯のピンバーは有効性が低くなります。
また「合成ピンバーと時間足の関係」のとおり、1つの時間足だけ分析していたらダマシに終わることも多いでしょう。
ただし、長期トレンドへの順張りと遅効性のない水平線を併せることでこのデメリットはカバーしていけます。
デメリット②:ピンバーか迷ったら使わない
あなたがピンバーの判断に迷ったら、同じチャートを見ている世界中のFXトレーダーも同じように迷っています。
先述のピンバーです。長いヒゲが実体の2.0倍ほどの長さだったらどうでしょうか。
ひと目でピンバーとしての怪しさを感じるでしょう。
決してピンバーを値動き予測にこじつけないでください。
相場からダマシをくらい、損失の原因になりかねません。
ピンバーでFXの勝率が高くなる時間足とは
FXで稼ぐためにピンバーで勝率が高くなる時間足について深堀りしてみます。
- 時間足の考え方:ダウ理論とトレーダーの共通認識について
- ピンバーで勝率が高くなる時間足の使い方
- トレードスタイルに合わせた時間足の選び方
順番に解説していきます。
時間足の考え方:ダウ理論とトレーダーの共通認識について
株式市場を分析するために誕生したダウ理論。いまではFXでも有効なことから世界中のトレーダーが利用しています。
ダウ理論の中に「トレンドは明確な転換サインが出るまで続く」の法則が記されています。
これを2つに言い換えると次のとおり。
- 価格が安値切り上げ高値更新をする間、上昇トレンドが継続する
- 価格が高値切り下げ安値更新をする間、下降トレンドが継続する
シンプルですが重要です。世界中のFXトレーダーの共通認識になっています。
加えて、次のことを覚えておきます。
長期トレンドは短期トレンドよりも優先する
これもFXトレーダーの共通認識です。
「順張りが大事!」「長い時間足に逆らわないで!」と、FXの成功者からよく耳にしませんか?
順張りを徹底するFXトレーダーは、長期トレンドに沿って価格の流れにシンプルについていきます。
つまり、ダウ理論の法則に素直に従い、大衆心理が働く方向に価格が動くことを意識しているのです。
ピンバーに限らずFXの勝率を高めるためには、「長期トレンドを優先して、明確な転換サインが出るまで素直についていく」ことを忘れないようにしましょう。
あなたにぴったりな勝率の高いトレード手法の見つけ方を以下の記事で解説しているので、あわせてご覧になってください。
ピンバーで勝率が高くなる時間足の使い方
「ピンバーは1時間足で使うと勝率が高くなりそう。」
「1時間も待てないから5分足のピンバーはどうだろう?」
たくさんの疑問が湧いてくるでしょう。ただし、「ピンバー」という相場の局所を切り取ったプライスアクションにとらわれないでくださいね。
まずは大局(長期トレンド)をみる。それが先の解説でした。
その上で「合成ピンバーと時間足の関係」でお伝えした通り、「短い時間足はダマシが多くなる」ことを思い返してください。
2つをかけ合わせて導き出せる、ピンバーで勝率が高くなる時間足の使い方は次のとおり。
- 長期トレンドに沿って表れるピンバーは勝率が高い
- 長い時間足のピンバーほどダマシが少ない
それなら月足のピンバーに限定してトレードしたら凄く稼げるの?
稼げるかどうかはまた別物。時間足を長くすればピンバーの出現率が低くなりますし、資金効率が悪くなります。
よって、勝率の高いピンバーを厳選して稼ぐためにはご自身のトレード目的を明確にすることが大切です。
トレードスタイルに合わせた時間足の選び方
日中チャートに張り付ける人と仕事でNY時間に限られる人、子育てで隙間時間のみトレードできる人では時間足の選び方が異なります。
ピンバーで勝率の高いトレードを実現するには、同じ時間足を使い続けることが必須です。
理由は、トレードは確率的に優位性が高い方向に仕掛け続けるものであり、エントリー条件が崩れると成立しなくなるため。
そのためトレードスタイルの選択が大切。あなたにピッタリの時間足を決めるため、トレード手法と期間を見ていきましょう。
トレードスタイル | ポジションの保有期間 | 狙う値幅 | エントリー時間足 | 長期の時間足 |
---|---|---|---|---|
スキャルピング | 数秒~数分 | 5~十数pips | 1分足、5分足 | 15分足、1時間足 |
デイトレード | 数時間~1日 | 数十pips~50pips | 5分足、15分足、1時間足 | 4時間足、日足 |
スイングトレード | 数日~数週間 | 50pis超 | 1時間足、4時間足 | 日足、週足 |
エントリーの時間足と長期の時間足について、デイトレードを例にして解説しますね。
「時間足の考え方:ダウ理論とトレーダーの共通認識について」の通り、基本の順張りは長期トレンドに沿ったトレードを徹底していきます。
デイトレードであれば、長期の時間足に示した4時間足と日足のトレンドに合わせることを指しています。エントリーに使う時間足が1時間足または15分足です。
いち早いエントリーで利益を伸ばすため、5分足を使っても良いでしょう。その代わり、注文直後の逆行やダマシのローソク足が多くなることを忘れないでください。
トレードスタイルに応じたエントリーの時間足に定義はないですが、概ね一覧表の選び方で大丈夫です。
こちらのページをお気に入りに登録して、時間足えらびに迷ったときは読み返してくださいね。
ちなみに、異なる時間足を総合的に分析してトレードの精度を上げる方法を「マルチタイムフレーム分析」といいます。
以下の記事で詳しく解説しましたので、ぜひご参考ください。
【FX】ピンバーを用いた3つのトレード手法
まずはピンバーの使い方を確認し、その後FXで稼ぐために勝率の高い3つのトレード手法を解説をしていきます。
ピンバーを利用したエントリーと損切りの方法
ピンバーを用いたエントリーと損切りは次のとおりです。
- 買いの場合:エントリーはピンバーの高値を抜けたとき、損切りはピンバーの安値を割ったとき
- 売りの場合:エントリーはピンバーの安値を抜けたとき、損切りはピンバーの高値を超えたとき
シンプルなルールなので、FXの初心者さんでも即実践できますね。
ではなぜ、ピンバーのFX手法で誰もが成功できないのでしょうか?
ひとえにマルチタイムフレーム分析ができていないから。値動きが逆行しやすい価格帯に出現したピンバーでトレードすることに原因があります。
しつこいですが、長期トレンドを優先した正しい環境認識のもとでピンバーのFX手法が活躍します。
さて、ピンバーを使ったエントリーは大きく分けて2つあります。
- ピンバー単体で反転を狙うエントリー方法(反転とはこれまでの流れが変わること)
- ピンバーを転換サインにしたエントリー方法(転換とはこれまでの流れが別の向きに変わること)
FXでは反転と転換は混同されがちなので、本記事では用語を使い分けて相場に適用していきます。
勝率の高いピンバーエントリーの見極めに役立つので、忘れないでくださいね。
- ピンバー単体で反転を狙うエントリー方法は、長期トレンドに反した逆張りを含む
- ピンバーを転換サインにしたエントリー方法は、短期トレンドが転換して長期トレンドに一致する順張りのみ
ピンバー単体で反転を狙うエントリー方法
ピンバーが出現したらシンプルにエントリーする方法は、大きく分けて2つあります。
- 長期トレンドに沿った価格帯に発生したピンバー
- 長期トレンドに反した価格帯に発生したピンバー
順番に解説します。
①長期トレンドに沿った価格帯に発生したピンバー
ドル円の1枚チャートに週足・日足・4時間足・1時間足を表示しました。
モニターが1枚でもマルチタイムフレーム分析がしやすくなりますよ。
4時間足でピンバー(①)が確定してからのロングです。エントリーする前のトレード想定を解説します。
まずは各時間足のトレンド認識です。
- 週足:上昇トレンド
- 日足:上昇トレンド
- 4時間足:上昇トレンド
- 1時間足:下降トレンド
先述の「時間足の考え方:ダウ理論とトレーダーの共通認識について」より、高値切り下げ安値更新をした1時間足のみトレンドが崩れています。
これを見て「デイトレチャンスが近い!」と察した方は、長期トレンドを優先されている証拠です。
週足・日足・4時間足より、水平線137円は強い支持帯(緑点線枠)として働きそうな価格です。
この支持帯を背景にして1時間足のピンバーが発生。さらに4時間足でもピンバーになっています。
結果的に1時間足のピンバー出現以降、ほとんど逆行することなく長期トレンドへ回帰しています。
続いては、長期トレンドに反したピンバー発生からの逆張りエントリーを見ていきましょう。
同じドル円のチャートで、少し過去に現れた1時間足のピンバーで確認します。
②長期トレンドに反した価格帯に発生したピンバー
ドル円は1998年の5,6,7,8,9月に139円超をつけていましたが、時間経過の点から強い抵抗帯として働くと仮定するのは根拠に乏しく、キリ番を意識した新規のショートが入る程度でしょう。
案の定、高値圏で発生したピンバー(②)の後の価格は素直に伸びていません。ピンバー(①)後の順張りとの違いは明らか。
またピンバー(②)の高値が139.392円で次の高値が139.386円より、FX業者によってはスプレッド等で損切りになることもあるでしょう。
ピンバー直上に抵抗帯もなく長期トレンドに対する逆張りのため、逆行するリスクを考えたらエントリーは避けるべき場面です。
ここで「ピンバー単体で反転を狙うエントリー方法」についてまとめます。
長期トレンドに沿った短い時間足におけるピンバーの反転サインは勝率の高いFX手法として有効である
インジケーターを組み合わせた手法等ありますが、まずは長期トレンドへの順張りを徹底することをおすすめします。
ところで、さらに勝率の高いピンバーのエントリー方法を知りたくありませんか?
続く「ピンバーをトレンド転換のサインにした方法」で解説していきます。
ピンバーを転換サインにしたエントリー方法
この手法は「短期トレンドが転換して長期トレンドに一致する順張りのみ」となります。
引き続きドル円のチャートで確認していきましょう。
水平線①’と②’が「トレンド転換のサインとなるピンバー」を確認してから作られた勝率の高いエントリーポイントです。
理由は短い時間足のトレンド転換が確定して長期トレンドに一致する水平線のため。水平線(①’)を例にして順張りトレードの想定プロセスを解説します。
先述の分析の通り、週足・日足ともに上昇トレンドを継続しています。
水平線135円は日足のローソク足でも収縮(売買の交錯)が確認でき、支持帯(サポート帯)として働きそうですね。
日足でピンバー(①)の発生を確認し、短い時間足(4時間足以下)でエントリーポイントを探りにいきます。4時間足でもピンバー(①)が出現しています。
4時間足は高値(①’)を付けた後に押し目を作り、再び上昇して高値(①’)をブレイクした後は日足高値の節目まで素直に伸びています。
水平線(①’)がピンバーを転換サインにしたあとの勝率が高いエントリーポイントになる理由を解説します。
トレンドを視覚的に判断するため、4時間足の高値と安値を緑色の線で結び、1時間足の高値と安値を青色の線で結びました。
チャートをスッキリ眺めるため、ローソク足のない4時間足の値動きを右側に抽出しています。
先述の「時間足の考え方:ダウ理論とトレーダーの共通認識について」でお伝えした「上昇トレンドは価格が安値切り上げ高値更新をする間継続する」に照らし合わせると、環境認識は次のとおりです。
- 週足:上昇トレンド
- 日足:上昇トレンド
- 4時間足:上昇トレンドからレンジ移行の可能性あり
- 1時間足:下降トレンド
4時間足の上昇トレンドの崩れかけと1時間足の下降トレンドを見て、「間もなく大きな値幅を取れる買いのエントリーが近いかも?」と想定することが大切。
勝率の高いトレードは長期トレンドに沿った順張りでしたね。1時間足と4時間足の崩れかけトレンドが、日足と週足に波及すると考えないように!
ピンバーを転換サインにしたFX手法の最重要ポイントは次の通りです。
- 4時間足:安値(b)より安値(c)が高いので上昇トレンド継続 = 安値切り上げ型のWボトム形成
- 1時間足:Wボトムのネックライン(①’)ブレイクは1時間足の下降トレンドの転換を確定させる
4時間足は安値(b)をつけたことから、上昇トレンドからレンジに移行するサインが出ていました。
しかし、安値(c)をつけて価格が上昇に向かったことで上昇トレンド継続が濃厚です。安値切り上げ型のWボトムは上昇トレンドサインとしても信頼性が高まります。
そしてWボトムのネックライン(①’)のブレイクは、1時間足が下降トレンドから上昇トレンドに転換することを確定させました。
この手法はピンバーを転換サインにして、「短期トレンドが転換して長期トレンドに一致する順張りのみ」を狙う手法でしたね。
一連の流れを振り返ります。
- 週足と日足が上昇トレンドの中、日足は支持帯(135円)でピンバーが出現
- 4時間足は安値切り下げぎみ(b)でレンジへの移行が示唆される中、安値切り上げ(c)を確定
- 1時間足が上昇トレンドへの転換を確定させるWボトムのネックラインブレイクでエントリー
常にダウ理論がベースにあり、長期トレンドを正しく把握する。その上でピンバーは勝率の高いFX手法としてフル活用していけます。
なお高値(②’)についても波形は違いますが想定方法は同じなので、ピンバーを転換サインにしたFX手法の検証にお役立てください。
ちなみに長期トレンドの順張りを優先にした、勝率の高いFXの押し目買い・戻り売りの見極め方もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
手法①:ピンバーと水平線によるFX手法
このFX手法は、次のように水平線を使ってロング・ショートのトレードをします。
- 安値圏の水平線:支持線として考え、ピンバー発生後にロングを狙う
- 高値圏の水平線:抵抗線として考え、ピンバー発生後にショートを狙う
反転サインのピンバーと転換サインのピンバー確定後のエントリーの違いをドル円のチャートで確認します。
よーく見ると、4時間足のWボトムネックライン(①’)ブレイク前にもピンバー(①)出現後に高値を抜けていますね。
4時間足を拡大して、ピンバー単体で反転を狙うエントリーと転換サインにしたエントリー方法について考察しましょう。
再度ピンバー(①)に注目してください。ドル円の週足と日足ともに上昇トレンドです。
なぜピンバー(①)の高値抜けのエントリーや高値(②’)ブレイクエントリーは、高値(①’)より勝率が高くないのか?
答えは安値(d)を安値(b)が更新したから。つまり、4時間足の上昇トレンドが一旦終了するサインになっています。
これにより高値(②’)や安値(e)をつけてピンバー(①)が出現した段階では、4時間足が高値切り下げ安値更新に向かう可能性も高いのです。
ところが、高値(①’)を作ると様子が変わります。4時間足の安値切り上げ(b→e)高値更新(②'→①')とともに上昇トレンド継続が確定したからです。
それゆえピンバーを転換サインにしてからの高値(①’)ブレイクは素直に値が伸びていきます。ダウ理論の観点から、デイトレーダーの目線が一致するブレイクポイントになっているためです。
一方でピンバー(①)でのエントリーや高値(②’)ブレイクは直近安値損切り設定でも勝ちトレードになりますが、強い売り圧力にさらされています。
このことからも、短期トレンドが長期トレンドに一致するポイント=大衆が賛同する水平線の見極めの重要性が分かります。
それでは水平線を一本だけ追加します。ドル円のチャートをマルチタイムフレームに戻しますね。
水平線135円は日足でも明確な支持帯です。ただし、デイトレードのエントリーに使えないので4時間足以下を確認します。
水平線134.5円が支持線として働くことを想定して追加しました。理由は4時間足の大陰線の売りを全て解消した価格だからです。
水平線は高値安値はもとより、各時間足の大陽線・大陰線の始値・終値は大量に注文が入った起点・終点であり、支持線・抵抗線として機能することが多々あります。
日足では分からない水平線134.5円について、デイトレでエントリーポイントを決めるために4時間足以下を分析することで発見できました。
そして水平線134.5円を支持線として出現したピンバー(①)。その後4時間足の上昇トレンド再開、1時間足の上昇トレンドへの転換を確定させる高値(①’)ブレイクへとつながります。
水平線の引き方は、高値安値、各時間足の大陽線・大陰線の始値・終値を目安にしてください。
マルチタイムフレーム分析で水平線を何度も引くことにより、各時間足のトレンドも正確に分析できるようになりますよ!
手法②:ピンバーとトレンド系インジケーターによるFX手法
続いて勝率の高いピンバーの信頼性を補足するために、トレンド系インジケーターの代表である移動平均線を用いたFX手法です。
チャートはドル円です。単純移動平均線を使用し、日足の20日線を各時間足に表示させてシンプルに考えていきます。
設定期間は次の通りです。
- 週足:4期間
- 日足:20期間
- 4時間足:120期間
- 1時間足:480期間
20日線にした理由は、1週間の営業日は20日間が多いため。SMAでもEMAでも構いません。重要なことは、設定を固定して一定期間つかい倒して活用方法を見出すことです。
移動平均線で相場の流れを見るとともに、トレンドの強弱を測る方法は次のとおりです。
- 傾き:急なときは強いトレンドが発生している
- 価格との乖離:大きいときは強いトレンドが発生している
以上より、ドル円は強烈な上昇トレンド(ブル相場)であることが分かります。従って、上昇サインとなるピンバーが発生したら積極的にロングを狙う局面と言えます。
なおエントリー方法は上述の通りです。例えば、日足のピンバー(①)の確定で入るのも良いですし、転換のサインとして、短い時間足のトレンド転換を狙うこともできます。
移動平均線だけでは心もとない場合、水平線135円も上昇を支える材料とします。その際は事実ベース(過去から導ける)で引ける水平線を優先してください。
移動平均線は期間設定などの主観が入り遅効性があるため、優先度は下がります。
【補足:グランビルの法則について】
移動平均線をトレードで使う際に、グランビルの法則が有効とされています。ただし、法則に当てはまる買いサイン・売りサインのポイントにおけるピンバーの出現で単純にエントリーしないようにしましょう。
例えば、移動平均線に価格がクロスしたということはトレンドが弱っている証拠。ピンバーの出現で法則通りにエントリーすると損切り貧乏になるかもしれません。
移動平均線は大きな流れを読むことを基本とし、トレードでは水平線をベースにエントリーと損切りを定めることで、リスク管理を徹底した勝率の高いFXトレードを継続できるでしょう。
手法③:ピンバーとオシレーター系インジケーターによるFX手法
続いて勝率の高いピンバーの信頼性を補足するために、オシレーター系インジケーターの代表であるRSIを用いたFX手法をご紹介します。
チャートはドル円です。RSIの考え方は次の通り。
- RSIが70%~80%を超えると買われ過ぎサインなので売りを考える
- RSIが20%~30%を割ると売られ過ぎサインなので買いを考える
RSIを使った勝てるピンバーのFX手法は次の通りです。
長期トレンドに対する短い時間足の逆張りサインとして使う
ドル円のマルチタイムフレーム分析で環境認識をしましょう。各時間足のトレンドの判断は「時間足の考え方:ダウ理論とトレーダーの共通認識について」でお伝えした内容です。
- 週足:上昇トレンド
- 日足:上昇トレンド
- 4時間足:上昇トレンド(レンジ入りも考える)
- 1時間足:下降トレンド
ここで1時間足のピンバー(①)に注目してください。RSIは30%を割って売られすぎサインが発生しています。
くわえて4時間足の高値かつ売買が交錯した水平線137.5円が支持線として働くと考え、長期トレンドへ回帰する想定を持ち、1時間足のピンバー(①)確定でロングです。
なおデイトレであれば、時間軸を短くしてV字回復も想定する局面になります。1時間足のピンバー(①)を15分足でも確認します。
15分足でもピンバーが出現。その後、安値切り上げ型のWボトムを形成し、ネックライン(①’)をブレイクして綺麗に値を伸ばしました。
1時間足では「ピンバー単体で反転を狙うエントリー方法」ですが、15分足では「ピンバーを転換サインにしたエントリー方法」になっています。
長期トレンドに沿った順張りを徹底してV字回復を想定していれば、15分足は勝率の高いピンバー手法として強気に狙っていけます。
相場は生き物です。1つの想定にカチッとはめ込まず、少しずつ柔軟に対応できるように心がけていきましょう。
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そんな方にWikiFX Japanがオススメしているのが「Trade Trainer」というツールです。
Trade TrainerはMT4上で動くトレード検証ソフトで、過去のチャートを用いて実際に売買を行いながら手法の検証が可能です!
WikiFX Japanでは数々の検証ソフトを実際に利用して比較していますが、
ズバリ…Trade Trainerが最も使いやすいソフトだと感じます。
買い切り型ソフトで価格がリーズナブルなのもポイントですね!
手法が実際の相場で通用するか、チェックしてからトレードに臨めば怖いものナシです!
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まとめ:ピンバーはFXの勝率を高めるトレードサイン
「ピンバーを使ってFXで勝ちたい!」ご要望にお応えすべく、テクニカル的な相場の本質をお伝えし、勝率の高いトレードを可能にする長期トレンドの順張りを軸にして解説しました。
- ピンバーはトレンドが停滞・反転・転換するサインとなるプライスアクション
- ピンバーは単体でトレンドの反転を狙えるとともに転換のサインとしても活用できる
- ピンバーは長期トレンドに沿った短期トレンドの転換サインにすることで勝率を最大化できる
ピンバーの性質上、一本確定でのシンプルなエントリーや逆張りのサインとして使われているのを目にするでしょう。
ただしダウ理論や市場の共通認識をふまえて、長期トレンドに沿った順張りが基本にあることを忘れないでください。
マルチタイムフレーム分析による各時間足の分析、その過程に出現するピンバーを頼りに、最高のエントリーポイントを定めてくださいね。
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