海外FXの金融ライセンスって何?国ごとの特徴や信頼性を解説

金融ライセンスってそんなに重要なの?

海外FXの金融ライセンスにはどんなものがあるの?

FX業者を選ぶ際には業者ごとの特徴を把握し、それらを比較検討することが重要になってきます。

その中でもFX業者としての信頼性を裏付ける重要な要素として、

「どこの国の金融ライセンスを取得しているか」

が挙げられます。

そこでこの記事では、以下の2つについて解説していきます。

  1. 金融ライセンスとは?
  2. 各国の金融ライセンス
目次

金融ライセンスとは?

金融ライセンスについて解説するイメージ

海外FX業者の〇〇は△△の金融ライセンスを取得しているから安心!

海外FX業者の公式HPや海外FXに関する記事を見ていると、このような文言を目にすることが多いと思います。

結論から言うと、金融ライセンスを取得しているからといって安全な業者だと決めつけるのは少々危険な考え方です。

ではそもそも金融ライセンスとはなんなのでしょうか?

また、金融ライセンスであればどこの国のものでも同じくらいの安全性が担保されるのでしょうか?

そこでここでは以下の2つについて解説していきます。

  1. 金融ライセンスはなぜ必要なのか?
  2. 金融ライセンスの分類

金融ライセンスはなぜ必要なのか?

FX業者にとって金融ライセンスは顧客に対して取引の信頼性や安全性を保証するために必要なものです。

FX市場には全ての市場参加者を取り締まるような国際的な機関が存在しない代わりに、それぞれの国や地域の金融規制当局がFX業者に対して規制を設けています。

FXには東京証券取引所のような物理的な取引所は存在せず、インターバンク市場と呼ばれる電子取引システムに基づいて取引が行われます。

FX業者が金融事業を展開するためには、その国の金融規制当局が定める金融ライセンスを取得する必要があり、金融規制当局が定める規制に従う必要があります。

金融規制当局によって規制の内容は千差万別ですが、登録しているFX業者の監督やトレーダーの保護などを目的にしている点はどの金融規制当局でも一致しています。

もしFX業者が規制に反してトレーダーに対して悪質な対応をするようなことがあれば、ライセンスの取り消しや罰則などの処置が行われることになります。

金融ライセンスは4つに分類される

金融ライセンスの難易度金融ライセンスの名称取得要件の目安
レベル1(レベルA)FINMA、FSA①資本金$2,000万〜
②厳格なレポーティング義務
③高品質なサービス提供
④現地事務所を持っている
⑤$12万5,000ドルの年会費
レベル2(レベルB)FCA、ASIC①STP方式の場合は資本金$10万〜②DD方式の場合は資本金$100万〜
③現地事務所を持っている
※金融ライセンスの取得に$3万5,000〜$5万
レベル3(レベルC)CySEC、MFSA、FMA①資本金$3万〜
②簡易的なレポーティングの義務
③現地事務所を持っている
④安価な納税義務
※金融ライセンスの取得に$3万5,000〜$5万
レベル4(レベルD)BVIFSC、IFSC、FSA、(SVGFSA)①資本金の要件なしの場合あり
※金融ライセンスの取得に$2万〜$3万、数千ドルしかかからない場合あり
金融ライセンスの4つの分類

各金融規制当局が発行している金融ライセンスは取得のための要件の厳しさや監視の程度によって大きく4つのランクに分類することができます。

例えばスイスのFINMAは金融ライセンスを取得するための要件や金融規制当局による規制が最も厳しいとされており、レベル1やレベルAと呼ばれています。

レベル1は英語ではLevel1やTier1と表記されることが多いです。

一方でイギリス領ヴァージン諸島のBVIFSCやベリーズのIFSCなどはレベル4やレベルDと分類されることが多く、中には資本金の要件がないライセンスもあり、金融規制当局による規制がかなり緩いとされています。

SVGFSAは正確には金融ライセンスを発行していないと考えられます。詳しくは後述します。

より高いランクのライセンスほど金融規制当局からの規制が厳しいので、その分FX業者の信頼性が高くなります。

ただしどの金融ライセンスを取得するかは各FX業者のビジネスモデルや規模に依存することなので、金融ライセンスのレベルの高低がFX業者としての質を反映している訳ではありません。

注意

金融ライセンスのランクは正式に定められたものではありません。

特にレベル4のオフショアと呼ばれる地域の金融ライセンスの規制は改善傾向にあり、以前よりも資本金の要件が厳しくなっています。

各国の金融ライセンス

各国の金融ライセンスについて解説するイメージ

ここでは主要な各国の金融ライセンスの特徴について詳しく説明していきます。

まず各国の金融規制当局に関する基本的な情報を以下の項目に分けて記載します。

項目
  • 名称
  • 所在地
  • 目的/方針
  • FX業者に関する規制内容
  • 登録しているFX業者
  • ライセンスの難易度

※「FX業者に関する規制内容」に関しては、FXのトレーダーに関わる部分のみを取り上げています。

その後、補足するべき情報に関しても解説していきます。

FINMA 

FINMAのイメージ
項目内容
名称スイス金融市場監督局
所在地スイス
目的/方針・金融市場の機能を保護する
・市場参加者の保護
・スイスの金融市場の競争を促進し、評判を高める
FX業者に関する規制内容・主要通貨ペアの最大レバレッジ100倍
・ゼロカットの義務
・最大10万スイスフランの補償
・DMA方式の義務化
登録しているFX業者サクソバンク
ライセンスの難易度レベル1(レベルA)
FINMA

FINMA(Swiss Financial Market Supervisory Authority)は規制が非常に厳しいことで知られるスイスの金融規制当局で、レベル1に分類されます。

FINMAの規制下にあるFX業者は外国為替公認銀行として登録する必要があり、相場に想定外の出来事が発生した時にでも破産しないほどの運転資金を持っている必要があります。

つまり、FINMAの規制下にあるFX業者はDMA方式を採用するリクイディティ・プロバイダー(LP)としての役割を担っています。

外国為替公認銀行とは、政府の認可を受けて外国為替業務を行う銀行のことを指します。

FINMAの規制下にあるFX業者がコンプライアンスに違反する行為を行なった場合はライセンスの取消処分を下すことはできますが、FX業者に対して罰則や罰金を課すことは原則不可能です。

また、FINMAはESMA(The European Securities and Markets Authority)による規制を受けているため、EU全体でサービスの提供をすることができます。

ESMAとは

ESMAについて解説するイメージ

ESMAはEU全体の投資家を保護し、安定的で秩序ある金融市場を促進することを目的とするEUの金融規制当局です。

ESMAは現行のMiFIDⅡ(Markets in Financial Instruments Directive)に基づいてEU加盟国の各金融規制当局に対して同一の規制を適用することを要請しています。

MiFIDとはEU内の金融市場の整備と、投資家の保護を目的に制定されたEUの金融規制であり、EU加盟国はMiFIDの規格に沿って法整備をする必要があります。

MiFIDは2007年にEU全体に施行されましたが、2018年に現行のMiFIDⅡに変更されました。

FINMA以外にも以降で紹介するCySECやFCAもESMAによる規制を受けています。

FSA 

FSAについて解説するイメージ
項目内容
名称金融庁
所在地日本
目的/方針・金融システムの安定/金融仲介機能の発揮
・利用者保護/利用者利便
・市場の公正性・透明性/市場の活力のそれぞれを両立させることを通じて、企業・経済の持続的成長と安定的な資産形成等による国民の厚生の増大を目指す
FX業者に関する規制内容・最大レバレッジ25倍
・信託保全義務
・ロスカットルールの設定義務
・追証請求義務
・両建ての禁止
登録しているFX業者サクソバンク
FOREX.com
OANDA JAPAN
IG証券
AvaTrade
楽天証券
ライセンスの難易度レベル1(レベルA)
FSA

金融庁は世界的にはFSA(Financial Services Agency)という名称で認知されており、日本でサービスを提供するFX業者はライセンスの取得が義務付けられています。

JFSAとも呼ばれることもあります

規制のレベルは非常に厳しく、金融庁の規制下では現在最大レバレッジが25倍に統一されています。

もともと日本ではレバレッジ規制が整備されておらず、ハイレバレッジでの取引が可能でした。

しかし2010年に初めてレバレッジ規制が導入され、最大レバレッジ50倍にまで限定されるようになりました。

また翌年の2011年からは現行の最大レバレッジ25倍にまで規制されるに至っています。

金融庁では投資家の資金を信託保全により保護することが義務付けられているので、FX業者が破産するようなことがあっても、投資家の資金の安全が保たれます。

日本国内でFXを行う際は、金融庁のライセンスを取得しているかを確認するようにしましょう。

WikiFXで金融ライセンスを調べる方法

WikiFXではFX業者が金融庁のライセンスを取得しているかどうかを簡単に調べることができます。

WikiFXで金融ライセンスを調べる手順1

WikiFXにアクセスして、調べたいFX業者名を中央の検索バーに入力します。

WikiFXで金融ライセンスを調べる手順2

検索結果が表示されるので、該当するFX業者をクリックします。

WikiFXで金融ライセンスを調べる手順3

表示されたページの左側から、FX業者が取得している金融ライセンスを確認することができます。

金融庁のライセンス表示されていることを確認してください。

金融庁のライセンスを取得しないまま、日本のトレーダーにサービスを提供する海外FX業者は違法です。

海外FX業者を利用することは違法になりませんが、詐欺などの被害にあう可能性があるので、使用を控えましょう。

FCA 

FCAのイメージ
項目内容
名称金融行動監視機構
所在地イギリス
目的/方針・消費者の保護
・イギリスの金融システムの安定と維持
・競争の促進
FX業者に関する規制内容・最大8.5万ポンドの補償
・最大レバレッジ30倍(条件付きで400倍)
・口座開設ボーナスによる勧誘の禁止
・入金ボーナスによる勧誘の禁止
・ゼロカット
・分別管理
登録しているFX業者サクソバンク
FOREX.com
OANDA JAPAN
IG証券
AvaTrade
ライセンスの難易度レベル2(レベルB)
FCA

FCA(Financial Conduct Authority)はイギリスの金融規制当局でレベル2に分類されますが、ライセンス取得にかかる料金と運転資金の要件はレベル1の金融規制当局よりも厳しく設定されています。

そのことからもFCAは世界最難関の金融ライセンスともいわれています。

2008年の金融危機以降、FCAではFX業者が経営破綻した際の顧客の資産の安全性を保証する様々な規定を定めています。

その一例としてFCAのガイドラインには顧客資金取扱規定(CASS)が定められています。

CASSではFX業者が経営破綻した場合でも顧客の資産の安全を守るために、分別管理の徹底を義務化しています。

また、FCA規制下の金融機関は金融サービス補償スキーム(FSCS)に加入することが義務付けられています。

FSCSはFX業者が経営破綻した際でも、顧客に最大8.5万ポンド(約1000万円)まで補償することを法的に定めています。

以上のようにFCAでは非常に厳しい規制が敷かれており、ライセンスを取得しているFX業者は高い信頼性を得ることができます。

ASIC 

ASICのイメージ
項目内容
正式名称オーストラリア証券投資委員会
所在地オーストラリア
目的/方針金融サービス法を実施し、オーストラリアの消費者、投資家、債権者を保護するために企業行動を規制すること
FX業者に関する規制内容・分別管理
・ゼロカット
・最大レバレッジ30倍
・強制ロスカットが証拠金維持率50%
・ボーナスやプロモーションの禁止
登録しているFX業者サクソバンク
OANDA JAPAN
IG証券
AvaTrade
楽天証券
ライセンスの難易度レベル2(レベルB)
ASIC

ASIC(Australia Securities & Investment Commission)とはオーストラリアの金融規制当局で、レベル2のライセンスに分類されます。

ASICは金融規制当局の名称で、ライセンスの名称はAFSL(Australian Financial Services License)です。

ASICは近年の相場の不安定さから、多くの投資家が大きな損失を被ることを未然に防ぐために、FXに関する規制を強めています。

かつてASICによるレバレッジ制限は緩く、最大レバレッジ500倍までの取引が認可されていましたが、2021年から最大レバレッジ30倍まで大幅に下げられました。

また、トレーダーの口座資金を保護する目的で、

  1. 強制ロスカットの水準を証拠金維持率50%に設定
  2. ゼロカットの義務化

などの施策を取り入れることを義務化しました。

また、投資家を勧誘するためのボーナスやプロモーションをFX業者が行うことを禁止するなど、FX業者に対する規制を強めているのが特徴です。

CySEC

CySECのイメージ
項目内容
名称キプロス証券取引委員会
所在地キプロス
目的/方針投資家の保護と金融市場の健全な発展のために効果的な監督を行うこと
FX業者に関する規制内容・主要通貨ペアの最大レバレッジ30倍(ESMA)
・マイナー通貨ペアの最大レバレッジ20倍(ESMA)
・強制ロスカットが証拠金維持率50%(ESMA)
・ゼロカット(ESMA)
・トレーダーへのインセンティブ禁止(ESMA)
・最大2万ユーロの補償
・分別管理
登録しているFX業者exness
XM
ライセンスの難易度レベル3(レベルC)
CySEC

CySEC(Cyprus Securities and Exchange Commission)はキプロスの金融規制当局で、レベル3に分類されています。

CySECは金融規制当局の名称で、ライセンスの名称はCIF(Cyprus Investment Firm)です。

キプロスは2004年にEUに加盟し、金融規制をMiFIDの規制に基づいて改善していきました。

そのことによりCySECの規制下にあるFX業者はEU内でも金融サービスを展開することができるようになり、CySECのライセンスに対する需要は高まっていきました。

CySECの規制下にあるFX業者はICF(Investor Compensation Fund)という機関への登録をすることになります。

もしFX業者が破綻した際に、その業者を利用していたトレーダーはICFに対して資本の一部を最大2万ユーロまで補償するように請求することができます。

ESMAでは2018年8月1日からFX取引に対しての様々な措置を新しく導入しました。

  • 主要通貨ペアの最大レバレッジ30倍
  • マイナー通貨ペアの最大レバレッジ20倍
  • 強制ロスカットが証拠金維持率50%
  • ゼロカット
  • トレーダーへのインセンティブ禁止

これらの規制は小口の個人トレーダーに対してのみ適用されます。

したがって、ESMAの規制下にあるCySECでは同様の規制が適用されています。

FINMAもESMAの規制下ですが、FINMAのライセンスを取得できるのは一定以上の資本金を持った外国為替公認銀行だけなので、この限りではありません。

キプロスは2013年に発生したギリシャショックの際に、キプロス国内の金融機関の破綻があったことから、一時CySECに対する評判は落ちてしまいました。

しかし、ギリシャショック以降の規制の強化により再び信頼できる金融規制当局であるとして国際的な認知度が上がっています。

MFSA 

MFSAのイメージ
項目内容
名称マルタ金融サービス局
所在地マルタ
目的/方針独立で、積極的で信頼できる金融規制当局として、市場の完全性を保護し、消費者の利益と保護のために金融セクター内の安定性を維持すること
FX業者に関する規制内容・主要通貨ペアの最大レバレッジ30倍(ESMA)
・マイナー通貨ペアの最大レバレッジ20倍(ESMA)
・強制ロスカットが証拠金維持率50%(ESMA)
・ゼロカット(ESMA)
・トレーダーへのインセンティブ禁止(ESMA)
・最大10万ユーロの補償
登録しているFX業者FXDD
ライセンスの難易度レベル3(レベルC)
MFSA

MFSA(Malta Financial Services Authority)はマルタの金融規制当局で、レベル3に分類されます。

かつてのMFSAはFXに関して全く規制を設けていないオフショアライセンスと見なされていました。

しかし2004年にEUに加盟したことによってMiFIDに沿った金融規制の整備が進み、EU圏内でのサービス提供が可能になりました。

これに加えて、マルタでは法人設立が税制上有利なこともあり、MFSAのライセンスを取得する業者が増え続けています。

FMA 

FMAのイメージ
項目内容
名称ニュージーランド金融市場統制局
所在地ニュージーランド
目的/方針公正で効率的かつ透明性のある金融市場の発展を促進すること
FX業者に関する規制内容・分別管理
・最大レバレッジ500倍
・最大20万ニュージーランドドルの補償
登録しているFX業者IG証券
CMC Markets
ライセンスの難易度レベル3(レベルC)
FMA

FMA(Financial Markets Authority)はニュージーランドの金融規制当局で、レベル3に分類されます。

ニュージーランドの金融規制当局としてよく勘違いされるのがFSPR(Financial Service Providers Register)です。

ニュージーランドで金融事業の事務所をかまえる際にはFSPRへの登録が必ず必要になります。

しかし、FSPRに登録したからといって、ニュージーランドの金融ライセンスを取得したことにはなりません。

ニュージーランドの金融ライセンスを取得するためには、ニュージーランドの金融規制当局であるFMAが発行するDIL(Derivative Issuer Licence)を取得する必要があります。

DILはニュージーランドの中で最も取得するのが難しいライセンスだと言われています。

このややこしい仕組みを悪用して、FSPRに登録しているだけの業者が金融ライセンスを取得しているように振る舞うという悪質なケースも発生しています。

ニュージーランドの金融ライセンスを取得しているかを調べる際は、FMAによるライセンスであることを確認するようにしましょう。

BVIFSC

BVIFSCのイメージ
項目内容
名称イギリス領ヴァージン諸島金融サービス委員会
所在地イギリス領ヴァージン諸島
目的/方針・一般市民と市場参加者の利益を保護する。
・業界が最高の国際規制基準と最良のビジネス慣行に準拠していることを保証する。
・正当な商取引のプライバシーと機密性を守り、国境を越えたホワイトカラー犯罪に対抗する
FX業者に関する規制内容特になし
登録しているFX業者HotForex
ライセンスの難易度レベル4(レベルD)
BVIFSC

BVIFSC(The British Virgin Islands Financial Services Commission)はイギリス領バージン諸島(以下BVI)の金融規制当局で、レベル4に分類されます。

BVIFSCはFX業者の規制に関しては非常に緩い姿勢をとっています。

まずBVIFSCの規制下のFX業者には特に最低資本金の定めがありません。

レベル1やレベル3の金融規制当局の場合、相場の急激な変動に耐えられるほどの資金を常に用意しておく必要があることを踏まえれば、非常に緩い規制だと考えられます。

またトレーダーの資金の分別管理や補償に関する規制がなく、注文の執行方式に関する規制もありません。

BVIはタックスヘイブンであり税制上の優遇措置を受けられることから、金融ライセンスを取得するFX業者が多いです。

BVIはEUが公表した租税に関するグレーリストに挙げられています。
それ以降、金融ライセンスの取得には現地事務所を設立することが義務付けられました。

しかし、トレーダの安全性を保証する様な規制があまり設けられていないので、金融ライセンスとしての信頼性は低いです。

IFSC

IFSCのイメージ
項目内容
名称ベリーズ国際金融サービス委員会
所在地ベリーズ
目的/方針消費者を保護し、国際金融サービスセンターとしてのベリーズの評判を高め、優れたビジネスを慣行を促進すること
FX業者に関する規制内容・分別管理
登録しているFX業者XM
FBS
ライセンスの難易度レベル4(レベルD)
IFSC

IFSC(International Financial Services Commission)はベリーズの金融規制当局で、レベル4に分類されます。

ベリーズは金融規制当局による規制も緩く、タックスヘイブンという性質も持ち合わせているので、多くのFX業者が設立されています。

しかし近年はIFSCのライセンス取得に関する難易度が高くなってきています。

IFSCの金融ライセンスが発行された当初、ライセンス発行に必要な資本要件は$10万でしたが最近になって50万ドルに引き上げられました。

加えてライセンス申請時には$1,000の初期費用がかかり、ライセンスの更新料として年間$2万5000かかります。

ゆえに、以前より悪質なFX業者がベリーズに会社を設立することが少なくなってきています。

ベリーズはCFATF(カリブ海金融行動特別委員会)のメンバーであり、その規制のもとマネーロンダリング対策に力を入れています。BVIもCFATFの一員です。

FSA 

FSAのイメージ
項目内容
名称セイシェル金融サービス局
所在地セイシェル
目的/方針国内の経済開発戦略に沿って、また国内および国際的な規制基準と業界水準に厳密に準拠して、セイシェルの金融サービス業界の成長と発展のための助けとなる環境を作り上げること
規制内容特になし
登録しているFX業者exness
XM
HotForex
ライセンスの難易度レベル4(レベルD)
FSA

FSA(The Seychelles Financial Services Authority)はセーシェルの金融規制当局で、レベル4に分類されています。

2014年3月1日にSIBA(Seychelles international Business Authority)から現在のFSAに改名されたという歴史があります。

セイシェルはタックスヘイブンであることからマネーロンダリングなどの犯罪の温床になりやすいという特徴もあることから、FSAではアンチマネーロンダリングに力を入れています。

また、FSAのライセンスは最低資本金が5万ドルあれば登録でき、勧誘目的でのボーナスやプロモーションなどにも特に規制が設けられていないことから、悪質なFX業者による詐欺まがいの行為が度々報告されています。

FSAの規制の緩さを利用して、ハイレバレッジや豊富なボーナスなどのサービスを提供するためだけにライセンスを取得しているFX業者が数多く存在します。

タックスヘイブンとしての人気はあるにしても、セイシェルの金融規制当局による金融ライセンスには権威性がほとんど無いと考えて良いでしょう。

SVGFSAは金融規制当局ではない

SVGFSAは金融規制当局ではないことを解説するイメージ

SVGFSA(St. Vincent and the Grenadines Financial Services Authority)はセントビンセントおよびグレナディーン諸島(以下SVG)の金融規制当局ではありません。

The FSA does not issue any licenses to carry on the business of FOREX Trading or Brokerage or Binary Options Trading nor does the FSA “Regulate, Monitor, Supervise or License” international Business Companies (IBCs) which engage in such activities.

FSAは外国為替取引、証券会社、またはバイナリーオプション取引の事業を継続するためのライセンスを発行しません。またFSAは、そのような活動に従事するインターナショナルビジネスカンパニー(IBC)の「規制、監視、監督、またはライセンスの発行」もしません。

SVGFSA公式HP

IBCとは別名オフショア会社とも呼ばれ、会社の設立国とは別の国でのみビジネスを行うことができる会社を指します。

SVGFSAは公式で以上のような文書を発表しており、FX業者に対するライセンスを発行していないことを明言しています。

SVGFSAが発行しているのはあくまでもインターナショナルビジネスカンパニーとして登録した際の登録証明書だけであり、そこには金融ライセンスとしての権威性は全くないと考えて良いでしょう。

FX業者がSVGFSAを金融ライセンスのようにアピールしている際は十分に注意してください。

まとめ:金融ライセンスの特徴を理解し、より安全な業者を選ぼう

ここまで、世界各地の金融ライセンスについて詳しく解説してきました。

金融ライセンスはこの記事で紹介したものに限らず、多くの国で発行されています。

金融ライセンスには取得の難易度が高いものから、すぐに取得できてしまう難易度の低いものまでピンキリであることを理解していただけたと思います。

海外FX業者が多数の金融ライセンスを取得していても、難易度の低い金融ライセンスばかりでは安全性が確保されていることにはなりません。

一方で海外FX業者が難易度の高いライセンスを取得していても、詐欺被害に遭う確率がゼロになるわけではありません。

日本でFXをする際は金融庁(FSA)に登録されている業者であることが最も安全な証拠と考えて良いでしょう。

WikiFXでは資金の安全性やサービスの観点から、基本的にWikiFXでは国内業者をオススメしています。

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この記事を書いた人

早稲田大学法学部を卒業後、FXでトレードを続けながらFX専門のWebライターとして活動。
海外滞在を通して身につけた英語力を武器に、英文献を用いた多角的な記事の執筆が得意。

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