簡単なテクニカル分析でも勝てるの?
結局トレード手法は何が一番いいの?
トレード手法には初心者向きのものから上級者向きのものまで存在します。
しかし、初心者向きの手法だからといって上級者向きの手法より劣っているということではありません。
トレード手法の優劣を決めるのは、その手法とトレーダーとの「相性」です。
そこでこの記事では以下の6つについて解説していきます。
- ハイレバに向いているトレード手法の特徴
- 海外FXのテクニカル分析
- 海外FXの資金管理
- 海外FXのトレード手法を徹底解説
- 海外FXでトレードする際の注意点
この記事を読めば海外FXのトレード手法における重要な考え方を理解することができます。
また、記事の冒頭では海外FXを利用することの危険性について解説します。
WikiFXでは海外FXの利用をオススメしていません
まず前提としてWikiFXでは海外FXでトレードすることをオススメしていません。
理由は以下の2つです。
- 海外FXは違法の業態
- 詐欺などの被害にあうリスクが高い
この記事では海外FXのトレード手法について詳しく扱いますが、海外FX業者の利用を促進することを目的としていません。
海外FX業者は違法の業態
海外FX業者はそもそも違法の業態です。
この記事では海外FXを使ったトレード手法について解説していきますが、海外FXの利用は基本的にはオススメしません。
FX業者が日本で事業を行うためには金融庁から金融ライセンスを取得する必要があります。
そして日本の金融ライセンスを取得したFX業者は日本の規制に則った金融商品取引業を行う必要があります。
しかし海外FX業者は「ハイレバレッジ」「ボーナス」「ゼロカット」などを維持するために、あえて日本の金融ライセンスを取得していません。
当然これは違法にあたり、実際に金融庁の公式ホームページにて無登録で金融商品取引業を行う業者として有名な海外FX業者も取り上げられています。
WikiFXではその業者が日本の金融ライセンスを取得しているかどうかを簡単に調べることができます。
WikiFXにアクセスして、中央の検索バーに検索したいFX業者の名前を入力したら検索ボタンをクリックします。
検索結果が表示されるので該当するFX業者をクリックします。
画面左側にその業者が取得している金融ライセンスが表示されています。
日本の国旗が表示されているのが日本の金融ライセンスを取得している証拠です。
トレードの安全性を守るためにも日本の金融ライセンスを取得している国内FX業者を利用しましょう。
詐欺などの被害にあうリスクが高い
海外FX業者を利用することにより、詐欺や不当な出金拒否に遭遇するリスクが格段に上がります。
前述のように、日本で事業を行う海外FX業者は日本の金融ライセンスを取得する必要があります。
金融庁は規制下にあるFX業者がトレーダーにとって不利益になるような行為をしていないか常に取り締りを行なっています。
しかし、日本の金融ライセンスを取得していない海外FX業者は金融庁の規制下にないため、取り締まることができません。
したがって海外FX業者を利用して詐欺や出金拒否にあった場合でも、トレーダーが被った損失に対しての補償を期待することはできません。
トレーダーが海外FXを利用すること自体は違法にはなりませんが、海外FXを利用することには大きな危険性が伴うことを十分に理解しましょう。
ハイレバに向いているトレード手法の特徴
海外FXの最大の特徴はハイレバレッジです。
海外FX業者 | 最大レバレッジ |
---|---|
Exness | 無制限 |
is6FX(ハイレバレッジ口座) | 6,000倍 |
FBS | 3,000倍 |
XM(スタンダード・マイクロ口座) | 888倍 |
TitanFX(スタンダード口座) | 500倍 |
Axiory(スタンダード口座) | 400倍 |
国内FXの最大レバレッジは25倍に制限されている一方で、海外FXでは何百倍から何千倍ものレバレッジをかけることができます。
したがって海外FXのハイレバレッジは高いレバレッジが設定できるので、ハイリスク・ハイリターンなトレードが可能です。
ハイレバレッジを有効活用するために、海外FXでトレードする際は以下の2つの特徴を持った手法を採用することをオススメします。
- トレンドフォロー
- デイトレード
トレンドフォロー
トレンドフォローの手法は海外FXに向いていると言えます。
なぜならトレンドフォローの手法は勝率が安定しやすく、ハイレバレッジによる複利的な運用がしやすいからです。
トレンドフォローとは、ダウ理論や移動平均線などで示されるトレンドと同じ方向へのエントリーをすることをいいます。
トレンドフォローは順張りとも呼ばれ、初心者から上級者までが採用するFXにおける最も基本的な戦略になります。
トレンドフォローは大局的な流れと同じ方向にエントリーを行うため勝率が高くなりますが、トレンドの終わりにエントリーしてしまうと値幅が取れずに終わってしまいます。
一方、トレンドに対して反対方向へエントリーすることをカウンタートレード(逆張り)と呼びます。
カウンタートレードは大局的な流れに対して反対のエントリーを行うため勝率が格段に下がりますが、その分成功した時に大きな値幅が期待できます。
海外FXのハイレバレッジトレードでは負けたときの損失額が大きくなるので、勝率の高いトレンドフォローの手法を採用するようにしましょう。
デイトレード
海外FXのトレードスタイルにはデイトレードがオススメです。
特徴 | スキャルピング | デイトレード | スイングトレード | ポジショントレード |
---|---|---|---|---|
決済までの時間 | 数秒〜数分 | 数十分〜数時間 | 数日〜数ヶ月 | 数週間〜数年 |
トレードの頻度 | かなり多い | 多い | 少ない | かなり少ない |
難易度 | 上級者向き | 初級者向き | 中級者向き | 中級者向き |
FXには大きく分けて四つのトレードスタイルがあります。
その中でもデイトレードは短期の時間足でトレード戦略を組み、多い時には1日数回のエントリーを行うトレードスタイルになります。
デイトレードの際は、日足や4時間足、1時間で環境認識を行い、15分足や5分足でエントリーポイントを探っていきます。
デイトレードは海外FXのハイレバレッジとの相性がよく、多くのトレード回数を重ねることで短期間で複利的に資産を増やすことができます。
またデイトレードは短い期間で多くのトレード数を確保できるため、トレード手法のPDCAを早く回すことができ、トレード手法の改善を効率的に行うことができます。
海外FXのテクニカル分析
FXにはテクニカル分析が多数存在します。
移動平均線などの単純なものから、かなり複雑なテクニカル分析まで幅広く存在します。
FX初心者はテクニカル分析について以下のような間違った認識を持っていることが多いです。
- 複雑で難しいテクニカル分析を用いれば勝てるようになる
- 複数のテクニカル分析を多重的に使うことでより深いチャート分析ができる
したがってFXのトレードで勝てていない人ほど、移動平均線やダウ理論などの簡単なテクニカル分析を敬遠し、より難しくて先進的なテクニカル分析を好む傾向にあります。
しかしテクニカル分析自体に優劣はなく、自分のトレードスタイルやトレーダーとしての実力にマッチしたテクニカル分析を採用することが重要です。
テクニカル分析はいわば戦いに使用する武器です。力の弱い人が大きなハンマーを選んでもむしろ邪魔になるだけです。
つまり単純なテクニカル分析であっても使いこなすことができれば十分な結果を残すことは可能です。
そこでここでは代表的なテクニカル分析について解説していきます。
- 移動平均線
- ダウ理論
- トレンドライン
- マルチタイムフレーム分析
また後述するトレード手法に関してもここで紹介するテクニカル分析しか使用していません。
移動平均線
移動平均線とは一定期間の終値の平均をグラフで表したもので、テクニカル分析の中でもかなり知名度が高く人気があります。
移動平均線の最大の特徴は視覚的にトレンドを把握することが可能な点です。
移動平均線では以下の2つの要素によってその通貨ペアに現在トレンドが発生しているかを判断することができます。
- 移動平均線の角度
- 移動平均線とレートの位置関係
具体的には「移動平均線の角度が上向き」で「レートが移動平均線より上にある」場合はその移動平均線の期間においては上昇トレンドが発生しているといえます。
逆に「移動平均線の角度が下向き」で「レートが移動平均線より下にある」場合はその移動平均線の期間においては下降トレンドが発生しているといえます。
しかし、1本の移動平均線だけではトレンドの発生を正確に知覚することは難しいです。
上の図では、1本の移動平均線を何度も跨いでいるためどちらにトレンドが発生しているのかを判断するのが難しいです。
したがって移動平均線でトレンドの発生を把握するために、異なる期間の2本または3本の移動平均線が同時に使われることが多いです。
3本の移動平均線を使った場合に現れる、「長期の移動平均線」「中期の移動平均線」「短期の移動平均線」が順番に並んだ状態をパーフェクトオーダーと呼び、強いトレンドが発生していることを示唆しています。
上図は先ほどと同じ期間のチャートですが、1本の移動平均線では判断できなかったトレンドも3本の移動平均線があることでトレンドを視覚的に判断できるようになりました。
また短期の移動平均線が長期の移動平均線に対して下から上に(上から下に)突き抜ける現象のことをゴールデンクロス(デッドクロス)と言います。
ゴールデンクロスは短期的な終値の平均が長期的な終値の平均を上回るという現象を表しているため、上昇トレンドが始まることを示唆しています。
一方でデッドクロスは短期的な終値の平均が長期的な終値の平均を下回るという現象を表しているため、下降トレンドが始まることを示唆しています。
上図でもゴールデンクロス・デッドクロスが発生した付近ではトレンドが転換していることがわかると思います。
このように移動平均線はトレンドの始まりや終わりを視覚的に捉えることができるので、とても便利なテクニカル分析と言えます。
しかし一方で視覚的であるが故にトレーダーの主観的な判断が入りやすいことがデメリットとして挙げられます。
例えば上図の赤丸の部分では、200SMAがどの程度上向けばトレンドが発生しているとみなすのかはトレーダーの主観的な判断によるところになります。
また移動平均線はサポートやレジスタンスとしての機能も果たします。
したがって、移動平均線のサポート・レジスタンス機能を利用したトレード戦略を練ることも可能です。
また移動平均線にも様々な種類があり、有名なものとしてSMAとEMAがあります。
以下ではSMAとEMAの違いについて解説していきます。
SMA
SMA(Simple Moving Average)は単純移動平均線とも呼ばれ、移動平均線の中で最も基本になるものです。
単純移動平均線では一定期間の終値の平均を計算し、グラフで表します。
とあるデータの5日単純移動平均線をグラフにおこします。
1日目の終値:120
2日目の終値:104
3日目の終値:121
4日目の終値:130
5日目の終値:129
以上のようなデータが取れた場合
この5日間で形成される平均値は
(120+104+121+130+129)/5=120.8
つまり5日目の終値が形成されたタイミングで120.8に点が打たれることになります。
6日目の終値:110
だった場合、2日目〜6日目の5日間の終値の平均値を計算するので
(104+121+130+129+110)/5=118.8
つまり6日目の終値が形成されたタイミングで118.8に点が打たれることになります。
このようにして単純移動平均線ではグラフが形成されていきます。
単純移動平均線では計算式からわかるように5日間で記録した終値を全て同じ重さで扱っています。
したがって直近の値動きを反映しにくいというデメリットがあります。
しかし逆に言えば、直近の値動きに左右されにくいことからダマシに遭いにくいという捉え方をすることもできます。
EMA
EMA(Exponential Moving Average)は指数平滑移動平均線とも呼ばれ、直近の値動きに重きを置いた移動平均線になります。
EMAでは直近の終値のレートを2倍して平均を求めるので、直近の値動きに敏感に反応します。
とあるデータの5日指数平滑移動平均線をグラフにおこします。
1日目の終値:120
2日目の終値:104
3日目の終値:121
4日目の終値:130
5日目の終値:129
以上のようなデータが取れた場合
この5日間で形成される平均値は
(120+104+121+130+129)/5=120.8
つまり5日目の終値が形成されたタイミングで120.8に点が打たれることになります。
ここまではSMAと同じです。
6日目の終値:110
6日目の終値が取れた場合、2日目〜6日目の5日間に6日目の終値をもう一度足したものの平均値を計算します。
6日目の終値は2回足されているので、6日間分のデータとして扱います。
(104+121+130+129+110+110)/6=117.3
つまり6日目の終値が形成されたタイミングで117.3に点が打たれることになります。
このようにEMAでは直近の終値を重視することから、トレンドの始まりやトレンドの終わりをSMAよりも早く察知することができます。
しかしデメリットとして直近の値動きに反応しすぎてしまい、ダマシに遭いやすいという特徴があります。
このようにSMAとEMAに優劣をつけるのは難しく、直近の値動きをどれだけ重視するかによって移動平均線を使い分けるべきです。
ダウ理論
ダウ理論はアメリカの証券アナリストであったチャールズダウが株のチャート分析について提唱した理論です。
ダウ理論では6つの基本原則が提唱されています。
- 平均株価は全ての事象を織り込む
- トレンドには3種類ある
- 長期トレンドは3段階からなる
- 平均は相互に確認されなければならない
- トレンドは出来高でも確認されなければな
- トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する
この基本原則はFXにも適用することができ、テクニカル分析の基礎的な考え方になっています。
この中で特に重要なのは6つ目の基本原則である「トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する」です。
ではここで言う明確の転換シグナルとはなんでしょうか。
ダウ理論では上昇トレンドと下降トレンドを以下のように定義しています。
上昇トレンド:高値と安値が切り上がっている状態
下降トレンド:高値と安値が切り下がっている状態
つまりダウ理論における明確な転換シグナルは以下のような状態を指します。
上昇トレンドの終了:高値の更新に失敗して、直近安値を下回った時
下降トレンドの終了:安値の更新に失敗して、直近高値を上回った時
ダウ理論にはどこを高値または安値とするかに関しての明確な定義がありません。
しかし「スイングハイ・ スイングロー」と呼ばれる客観的に高値と安値を定義する方法があります。
以下ではスイングハイ・スイングローについて解説します。
スイングハイ・スイングロー
スイングハイ・スイングローとはダウ理論における高値と安値を客観的に判断するために使われる理論です。
高値の定義:最高値のローソク足を中心に最高値よりも低いローソク足がn本ある
安値の定義:最安値のローソク足を中心に最安値よりも低いローソク足がn本ある
スイングハイとは高値を定義する際に使われ、スイングローは安値を定義する際に使われます。
スイングハイ・スイングローで使用するローソク足の本数をn本としているのは、トレーダーによって設定している本数が異なるからです。
本数に関する決まりはないので、特にこだわりがないようであれば一番採用率が高い6本で設定することをオススメします。
有名トレーダーのラリー・ウィリアムズが彼の著書の中で6本を推奨したことから、現在ではn=6が一般的になっています。
n=6で設定した場合、上図のように高値と安値を判定していきます。
スイングハイ・スイングローを用いることで、ダウ理論における高値と安値を客観的に判断することができるので、大変有効的な理論と言えます。
トレンドライン
トレンドラインも主要なテクニカル分析のうちの1つです。
トレンドラインは現在発生しているトレンドの高値同士または安値同士で結んだ線のことをいい、そのトレンド形成で意識されているラインを可視化することができるテクニカル分析です。
トレンドラインはサポートやレジスタンスとして機能するため、トレード戦略を立てる上で重要なテクニカル分析になります。
トレンドラインの引き方に関しては個人差が生じやすく、人によって全く異なるトレンドラインが引けてしまうことがあります。
また自分のトレードに都合の良いトレンドラインを引くことも可能なため、トレーダーの主観が入りやすいというデメリットもあります。
そこでここでは客観的なトレンドラインを引く方法を解説していきます。
客観的なトレンドラインを引く方法
先ほど紹介したスイングハイ・スイングローを使用することによって客観的なトレンドラインを引くことが可能です。
トレンドラインの引き方の手順は以下の通りです。
- ダウ理論上のトレンドの形成を確認する
- ダウ理論上のトレンドの始点となる高値(安値)と2つ目の高値(安値)を結んでトレンドラインを引く
- トレンドラインがブレイクされても、ダウ理論上のトレンドが継続したらトレンドラインを引き直す
ここでは実際に下降トレンドに対してトレンドラインを引いていきたいと思います。
まず、ダウ理論的にトレンドが形成されていない時にはトレンドラインを引くことはできません。
トレンドラインを引くのはダウ理論によってトレンドが形成された時です。
ダウ理論的に下降トレンドが形成されたので、「トレンドの始点となる高値」と「直近高値」を結んだトレンドラインを引きます。
1回目に引いたトレンドラインをブレイクする値動きを見せました。
トレンドラインは一度ブレイクされてしまうと、サポートやレジスタンスとして機能はあまり期待できません。
ブレイクの認定基準も人によって違いますが、今回はローソク足の実体でトレンドラインを割った場合をブレイクとみなします。
しかし直近高値を上抜いていないので、ダウ理論的な下降トレンドはまだ継続しています。
トレンドラインをブレイクした後に高値と安値の切り下げが行われたので、下降トレンドが継続しています。
この時、「トレンドの始点となる高値」と「直近高値」を結ぶことで、新たなトレンドラインを引きなおします。
このようにしてダウ理論上のトレンドが継続する限りトレンドラインを引き続けます。
トレンドラインは角度によってそのトレンドの勢いを可視化することができます。
上図の例ではトレンドラインの角度が緩くなったことから、下降トレンドの勢いが弱まったことを示唆しています。
トレンドラインの引き直しの際は、トレンドラインの角度が緩くなることはあっても、角度が急になることはないので注意しましょう。
マルチタイムフレーム分析
マルチタイムフレーム分析とは1つの時間足だけではなく、様々な時間足を多角的に分析することを指します。
マルチタイムフレーム分析を行うことによって、継続的なトレンドの中でも押し安値や戻り高値などの最適なエントリーポイントを見つけることができます。
押し安値で買うことを「押し目買い」、戻り高値で売ることを「戻り売り」と言います。
例えば上位足で下降トレンドが発生している場合でも、より下位足を見ていくと小さな上昇トレンドが発生している時があります。
下位足の上昇トレンドの終わりと下降トレンドの始まりをつかむことができれば、戻り売りを行うことができます。
このようにマルチタイムフレーム分析を行って押し目買いや戻り売りを狙うことによって、大きな値幅を期待できるようになります。
海外FXの資金管理
ここまで主要なテクニカル分析について解説してきました。
テクニカル分析は重要ですがそれと同じくらい重要なのが資金管理です。
テクニカル分析について詳しく知っていても資金管理をおろそかにしていると簡単に破産することになってしまいます。
そこでここでは海外FXのハイレバレッジを利用した資金管理について解説していきたいと思います。
- 利確・損切りラインはテクニカル分析に基づく
- トレードの資金率を統一する
利確・損切りラインはテクニカル分析に基づく
海外FXの資金管理で最も重要なのが利確・損切りラインをあらかじめ決めておくことです。
また、利確・損切りラインはテクニカル分析に基づいて決定されるべきであり、トレーダーの主観によって決定されるべきではありません。
テクニカル分析に基づいた利確・損切りラインとは以下のようなものを指します。
【トレードの条件】
- 3本のSMAでパーフェクトオーダー
- 25SMAの反発を確認してエントリー
- 利確:50SMAをローソク足の実体で割り込む
- 損切り:50SMAのライン上
25SMA、50SMA、100SMAでパーフェクトオーダーが形成されました。
25SMAでの反発が確認されたので、エントリーをします。
損切りの逆指値を現在の50SMAのラインに設定します。
エントリーの後、レートが伸びて再び50SMAをローソク足の実体で割り込んだので利確の決済注文を出します。
このように、テクニカル分析によって利確・損切りラインは設定されるべきです。
海外FXでは短時間で大きな資金が動くため、トレード中に恐怖心を抱いてしまうことがあります。
恐怖心が働いたことが原因で、損切りの位置を遠くにずらしてしまったり、早めに利確してしまうというミスが発生してしまう可能性があります。
それらのミスを未然に防ぐためにも、あらかじめ利確や損切りの位置をテクニカル分析によって客観的に決定しておくべきです。
もし現在使用している手法に損切りや利確に関するルールがないのであれば、その手法ではいつか心理的なことが原因で大きな損失を被ってしまう可能性が高いので、注意しましょう。
トレードの資金率を統一する
トレードの資金率はトレード手法の破産確率に直接影響します。
資金率とは口座残高に占める許容損失額の割合のことです。
バルサラの破産確率という理論では「勝率」と「リスクリワード比率」と「資金率」の3つの変数があれば、その手法で破産する確率を表から求めることができます。
【バルサラの破産確率:資金率5%】
【バルサラの破産確率:資金率10%】
上の表のようにバルサラの破産確率では資金率ごとに表が異なり、勝率とリスクリワード比率が同じでも資金率が高いほど破産確率は高くなりますま。
つまりどれだけ勝率とリスクリワード比率が高い手法であっても、資金管理を疎かにすれば破産してしまう可能性が高いことを示しています。
また、正確な破産確率を求めるためにはトレードごとの資金率が統一されている必要があります。
国内FXでは許容損失幅を狭く設定しているときには、レバレッジ不足でトレードの資金率が下がってしまいます。
一方で海外FXのハイレバレッジであれば、あらゆる損切り幅に対しても資金率を維持することができます。
とはいえトレードの資金率を下げることで国内FXのレバレッジ不足という問題は解決されます。
【前提条件】
・口座残高:10万円
・資金率:10%
・1ドル=100円
・国内FXの最大レバレッジ:25倍
・海外FXの最大レバレッジ:1000倍
テクニカル分析に基づいて現在のUSD/JPYレートから10pips離れたところに逆指値を置きたいとします。
資金率が10%ということは許容損失額は1万円です。
現在レートから10pips離れた逆指値で許容損失額1万円を実現するためには、10万通貨を保有する必要があります。
しかし国内FXでは、口座残高が10万円の時に保有できる最大ポジションは25,000通貨なので、資金率10%のトレードを実現することができません。
一方で海外FXでは、口座残高が10万円の時に保有できる最大ポジションは100万通貨なので資金率を維持することができます。
このように海外FXではハイレバレッジがあることで、許容損失幅が狭いトレードに対しても資金率を一定に保つことができます。
海外FXのトレード手法を徹底解説
ここでは以上で解説したテクニカル分析をもとに、実際のトレード手法を解説していきます。
FXのトレードにおける基本的な考え方に沿ったトレード手法になるので、参考にしてみてください。
また後述しますが、トレード手法は過去検証を通して自分で開発するべきものです。
ここで紹介する手法を使用する際は、あくまでも自己責任でお願いします。
トレード手法の概要
このトレード手法で使うテクニカル分析は以下の4つです。
- 単純移動平均線
- ダウ理論
- トレンドライン
- マルチタイムフレーム分析
この手法では上位足のトレンドに対して、下位足で押し安値や戻り高値を探ってエントリーする手法です。
単純移動平均線は以下の3本を表示させます。
- 25SMA(黒)
- 50SMA(オレンジ)
- 100SMA(緑)
ダウ理論の高値と安値の判定にはスイングハイ・スイングローのn=6を使用します。
この手法では以下の時間足を使用します。
- 上位足:4h足
- 下位足:15分足
またトレードの資金率は10%に設定します。
【エントリー】
- 4h足でダウ理論上でのトレンド形成
- 4h足の3本のSMAがパーフェクトオーダー
- 15分足で4h足のトレンドとは逆のトレンドラインが引ける
- 4h足の25SMAにタッチした後、15分足のトレンドラインがブレイクされた
- 15分足のダウ理論上のトレンドが崩れた
【損切りライン】
- 4h足の押し安値または戻り高値の位置に損切りの逆指値
【利確ポイント】
- 15分足のトレンドが崩れたとき
【資金管理】
- 口座残高10万円
- 最大レバレッジ1,000倍
- 1回のトレードにつき資金率10%
それでは実際のトレードを見ていきましょう。
エントリー
テクニカル分析 | 15分足 | 4h足 |
---|---|---|
移動平均線 (25SMA、50SMA、100SMA) | ー | パーフェクトオーダー |
ダウ理論 (n=6) | 下降トレンド | 上昇トレンド |
現在EUR/USDの4h足の25SMA、50SMA、100SMAでパーフェクトオーダー、かつダウ理論的に上昇トレンド形成しています。
よって4h足の上昇トレンドで押し目買いのポイントを探していきます。
15分足では4h足とは反対の下降トレンドが形成されていて、トレンドラインを引くことができます。
ローソク足が4h足の25SMAで反発するような値動きを見せ、その後15分足のトレンドラインをブレイクしました。
トレンドラインのブレイクの後、15分足の下降トレンドの直近高値を実体で上抜けたところでエントリーをします。
損切りラインは4h足の押し安値に設定します。
現在レートから損切りの逆指値までの値幅は約45pipsで、資金率は10%なので取引数量を計算します。
口座残高10万円に対して資金率10%なので、逆指値にかかった際の損失額は
10万円×10%=1万円
損切りの逆指値までの値幅は45pipsなので、
45pipsレートが逆行した際に1万円の損失が出る取引数量を保有することになります。(1ドル=100円で計算)
したがって、
10,000÷0.45≒22,222
約2万2,000通貨をエントリーします。
決済
エントリー後、15分足ではダウ理論上の上昇トレンドが形成されました。
15分足の上昇トレンドにおいて、高値と安値の切り上げが起こるたびに、直近安値に逆指値を動かしていきます。
したがって利確するのは15分足の上昇トレンドの直近安値を下回り、逆指値に触れた時です。
値動きに合わせて、損切りの逆指値を動かしていくことをトレーリングストップと言います。
以上がこのトレード手法の全容です。
このトレード手法は単純なテクニカル分析のみを使用したトレンドフォローの手法になります。
このトレード手法を参考に、トレード手法を自分なりに開発してみてください。
海外FXでトレードする際の注意点
ここまで海外FXのトレード手法に関して解説してきました。
FXのトレード手法はシンプルなテクニカル分析であったとしても、組み合わせ次第で深いチャート分析が可能になります。
しかし、海外FXのトレード手法に関しては以下の2つの注意点についても理解しておく必要があります。
- 一攫千金を狙わない
- トレード手法は自分で開発する
注意点1:一攫千金は狙わない
1つ目の注意点は一攫千金を狙ってはいけないと言うことです。
海外FXのトレードにおいて一攫千金を狙ってはいけない理由は2つあります。
- 利確・損切りのタイミングが遅れてしまうから
- 大きな税金を取られることになるから
一攫千金を狙ってはいけない理由の1つ目は、利確や損切りのタイミングが遅くなってしまうからです。
一回のトレードで大きな利益を得ようとすると、テクニカル分析による利確のシグナルを無視してポジションを余計に長く持ってしまうことがあります。
また一攫千金を狙って一度で大きなポジションを保有してしまうと、損切りをためらってしまう原因にもなります。
一攫千金は狙って出すものではなく偶然訪れるものとして考えてください。
一攫千金を狙ってはいけない理由の2つ目は、一攫千金で得た利益には大きな税金がかかるからです。
所得額 | 税率 | 内訳 | 所得控除 |
---|---|---|---|
195万円以下 | 15% | 所得税5%+住民税10% | 0円 |
195万円~330万円以下 | 20% | 所得税10%+住民税10% | 9万7,500円 |
330万円~695万円以下 | 30% | 所得税20%+住民税10% | 42万7,500円 |
695万円~900万円以下 | 33% | 所得税23%+住民税10% | 63万6,000円 |
900万円~1,800万円以下 | 43% | 所得税33%+住民税10% | 153万6,000円 |
1,800万円以上~ | 50% | 所得税40%+住民税10% | 279万6,000円 |
海外FXで得た利益には総合課税が適用されるので、大きな収入があればあるほど税金が大きくなります。
海外FXに対してかかる所得税や住民税は、その年に得た所得を確定申告することで確定します。
つまり、一攫千金で得た大きな利益を確定申告するとかなり大きな税金を払う必要があります。
また、確定申告後のトレードで大きな損失を被ったとしても確定申告分の多額の税金は残るので、税金の支払いに苦しめられてしまう可能性があります。
もしトレードでたまたま大きな利益が出た場合は、利益分を銀行口座へ出金し現金化しておくという対策をとるようにしてください。
注意点2:トレード手法は自分で開発する
2つ目の注意点はトレード手法は自分で開発する必要があるということです。
確かに他の人のトレード手法を使って利益を上げる事は可能です。
しかし他の人のトレード手法を使っている場合、そのトレード手法にとって想定外の出来事が起きた際にどのように対応したらいいか分からなくなってしまいます。
自分で開発した手法であれば、現在の相場でうまく手法が機能しなくなってきていることをデータから読み取ることができ、適宜修正を加えることが可能です。
トレード手法を開発するためには、過去検証と言う作業が必須です。
過去検証とは過去数年分の値動きを見て、自分のトレード手法が過去の相場においてどのようなパフォーマンスを発揮したかのデータを取る作業です。
過去検証の結果、その手法が十分な勝率とリスクリワード比率を達成しているのであれば、現在の相場でも使う価値があると考えられます。
また過去検証をしているトレード手法であれば、トレードで連敗していても想定内であるならば安心して手法を使い続けることができます。
しかし他の人のトレード手法で連敗を記録すると、トレード手法に対しての信頼を保てなくなり計画性のないトレードに走ってしまいます。
まとめ:相性の良いトレード手法を自分で開発しよう
ここまで海外FXのトレード手法について解説してきました。
トレード手法に使うテクニカル分析の難易度はトレードの成績には直接影響しません。
シンプルなテクニカル手法であっても、他のテクニカル分析と組み合わせて使用することによって多角的な分析が可能になります。
今回ご紹介したトレード手法は、基本的なテクニカル分析の組み合わせ方の一例です。
大切なのは試行錯誤しながら自分と相性の良いトレード手法を開発することです。
自分で開発したトレード手法であれば手法の欠陥にも気付きやすく、運用成績を改善していくことが可能です。
また前述のように、金融庁のライセンスを取得していない海外FXには危険な側面が多いです。
したがってWikiFXでは海外FX業者よりも国内FX業者の利用をオススメします。
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