到達確率チャートの的中率がすごい!使い方を画像付きで解説

トレーダーのみなさんは、どのようなFXの「アノマリー」をご存じでしょうか?

「お盆時期は円高になりやすい」であったり、「12月はNZドルが上昇しやすい」など。

もしくは「新月・満月は価格の分岐点になりやすい」といったアノマリーも、聞いたことがあるかもしれません。

今回ご紹介する【到達確率チャート】は、75%以上である地点に価格が到達する確率を可視化したツールです。

でもFXツールって胡散臭さが…

到達確率チャートは完全無料のインジケーターなので安心して使えるよ

この記事でわかること

✔ 到達確率チャートの基礎知識
✔ 到達確率チャートの基盤であるピボットの読み方
✔ 到達確率チャートの読み方
✔ 到達確率チャートを用いたエントリー手法

「アノマリーであってアノマリーではない」、過去10年間のデータに基づき作成された到達確率チャートについて、基礎からエントリー方法まで、分かりやすく解説していきます。

目次

到達確率チャートとは?

到達確率チャートとは、ある価格帯に到達する確率を可視化したチャートのことです。

テクニカル指標のピボットをベースに、当日の値動きがある地点まで下がる確率、またはある地点まで上がる確率を、ラインとパーセンテージで教えてくれます。

到達確率チャートは、その日当日のみ確率予想が有効です。

チャート画面を1日中凝視しなくても、1日1回、NY市場が引けたあと(=アジア時間の寄り付き)にチャートを確認することで、その日のトレード範囲とトレードの成功確率が分かるようになります。

1日1回のチャート確認でオーダーを入れることができ、利食い(TP)と損切り(SL)も同時に設定できるため、とても効率的です。

山中康司氏が考案

到達確立チャートは、有限会社アセンダント創業者の山中康司氏により考案されました。

山中康司氏のプロフィール

  • 1959年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。
  • 1982年、バンク・オブ・アメリカ入行。為替トレーディング業務に従事。
  • 1989年にVP、1993年にプロプライエタリー・マネージャーに就任。
  • 1997年、日興証券(現SMBC日興証券)に入社。
  • 1999年、日興シティ信託銀行の為替資金部次長に就任。
  • 2002年、金融コンサルティング会社、アセンダントを設立。

日興シティ信託銀行時代には、為替・債券・デリバティブの取引業務を行っていました。

上記の経歴から、法学部を卒業後、一貫して金融畑にて為替ディーリングに携わっていたことが分かります。

ご自身の会社を設立後は、金融情報の配信や、セミナー講師、コンサルティングを務めています。

「テクニカル指標の読み方・使い方」を筆頭に、書籍も執筆しています。

また、アセンダントの取締役のみならず、

  • 金融リテラシー協会の代表理事
  • 投資助言会社トリロジーの取締役
  • TradingViewの日本ディレクター

も兼任しています。

直近では、Wiki FX JapanのYouTube講師にも就任しました。

17の通貨ペアで有効

到達確率チャートは、現在FX13通貨ペアと、ゴールドなどのCFD4銘柄をメインに展開しており、暗号資産4ペアでもチャートを確認することができます。

  • FX13通貨ペア
  • CFD4銘柄
  • 暗号資産4ペア

主要通貨ペアの【米ドル円】や【ユーロ円】などのクロス円はもちろんのこと、エマージング通貨の【トルコリラ円】や【米ドル/南アフリカランド】なども扱っています。

FXでの通貨ペアは、以下の13ペアです。

主要通貨米ドル円
ユーロ円
ポンド円
ユーロ米ドル
ポンド米ドル
オセアニア豪ドル円
豪ドル米ドル
NZドル円
NZドル米ドル
エマージングトルコ円
米ドルトルコ
南アランド円
米ドル南アランド

主要なクロス円が含まれているので、ご自身で普段取り引きされている通貨ペアが該当していたのではないでしょうか。

デイトレ~スイングで保有

到達確率チャートでは、当日の始値と2日前の終値をベースに、のちほど解説するピボットレートを用いてエントリーをしていきます。

そのため、基本的にはその日のうちの決済が望ましいです。

ただし、FXは流動的な相場であり、ボラティリティの高低によってはターゲットラインに到達しないことも考えられます。

その際は、NYクローズでのボラティリティや変動幅を考慮し、いったん決済。

その後翌日も前日と同様水準のポジションを持つことも出てくるでしょう。

いずれにしろ、状況判断が必要になるので、次章以降でお話しするエントリー手法をご参考下さい。

勝率は75%以上

到達確率チャートでは、エントリーポイントから決済ポイントに到達する確率が75%以上の時のみ、GOサインを出しています。

FXにおいての75%の確率は、皆さんはどう捉えられるでしょうか?

筆者としては、75%の到達確率はとても高いと考えます。

ご自身が1通貨ペアしか取引していないのであれば、到達確率チャートでのエントリーチャンスがないと判断される場合は、見送る方がいいでしょう。

しかし到達確率チャートでは、13もの豊富な通貨ペアを表示しています。

75%のGOサインが出ていない通貨ペアは、到達確率を用いてのエントリーを見送り、GOサインが出ている通貨ペアに取り組んでいくのも賢明です。

到達確率チャートの仕組み

山中康司氏が考案した到達確率チャートは、ロバート・クラウスにより開発されたチャートです。

フィボナッチゾーンを用いたHPFZをベースとしています。(HPFZ:High Probability Fibonacci Zone)

ロバート・クラウスは等間隔ピボットを使用していました。

また、ロバート・クラウスは、ジョン・ジャクソンによるジャクソン・ゾーンをベースとしました。

そのジョン・ジャクソンは、過去10年間のピボットレートへの到達確率を集計・計算していきました。

2者の開発を山中氏がまとめたことにより、ピボットレートを用いて、「今日はトレードが有効なのか?」を体系的に可視化することができたのです。

ピボットとフィボナッチが基盤

開発したRSIの開発で有名なジョン・ワイルダーは、ピボットを開発した人物でもあります。

到達確率チャートは、ワイルダーが開発したピボットをベースとしています

そのピボットをフィボナッチゾーンに取り入れ、到達確率チャートが形成されています。

言い換えれば、到達確率チャートはピボットレートの算出手法を簡易化したものです。

通常のピボットでは、ピボットの上下の値幅が変動します。

そこを到達確率チャートでは、前日のレンジを単純化した公式を使用しています。

上記の表を見てみてください。

オレンジ色で書かれている【レジスタンス・ゾーン1】は、終値に0.5をかけた値となります。

要は、前日の終値の半値が、レジスタンス1になるということです。

緑色の【サポート・ゾーン1】も同様です。前日の終値の半値位置が、サポート1として機能します。

6つのフィボナッチ・ゾーン

ピボットレートは、前日の高値・安値・終値の3本値をベースとし、平均化して算出します。

ピボットの上下にレジスタンスとサポートの各3本、計6本のラインが表示されます。

到達確率チャートは、ピボットを中心にして6つのゾーンから成り

  • ピボットから上位3つのゾーン ➡ レジスタンス・ゾーン
  • ピボットから下位3つのゾーン ➡ サポート・ゾーン

としています。

ピボットレートは、常にゾーン3とゾーン4の間に置かれています。

フィボナッチはどう使われるのか?

到達確率チャートでは、ピボットをベースとして使われることが分かりました。

では、フィボナッチはどのように使われるのでしょうか?

下の図をご覧ください。

レジスタンス・ゾーン1を算出する数式には、【0.5】と【0.618】がかけられている2つがあります。

0.5の半値とフィボナッチの61.8%の両方を用いることで、ゾーンに幅を持たせ、突発的な値動きに対応できるようにしています。

上記の図(到達確率チャート)にて赤枠で囲われ、斜線となっている部分が、【*0.5】と【*0.618】された値となっています。

これこそが到達確率チャートの醍醐味で、ピボットレートをゾーン化して捉えられるようになっています。

このように、到達確率チャートは、数値を簡素化し誤差を修正しているので、裁量トレーダー向きとなっています。

到達確率チャートの確認場所

到達確率チャートは、ピボットとフィボナッチをベースとしたゾーンで、価格ターゲットを捉えることがわかりました。

では、つぎに到達確率チャートを確認できる場所をお伝えします。

FX羅針盤

到達確率チャートは、価格.comが運営する【FX羅針盤】にて毎朝更新されています。

到達確率確率チャートの値は当日のみ有効のため、毎日9:00頃までに情報が更新されます。

早速、到達確率チャートの開き方を見てみましょう。

到達確率チャートの開き方

FX羅針盤】のトップページ右側カラムに表示されている【FX羅針盤コンテンツ】を確認。

【FX羅針盤コンテンツ】の中にある【到達確率チャート】をクリック。

クリックすると、【到達確率チャート まとめ】が表示されます。

その中にある【到達確率チャート 最新記事】の2段目、【到達確率チャート】をクリックしましょう。

上記をクリックすると、【主要通貨】【オセアニア】【エマージング】【株価指数】【商品】とカテゴリーが表示されます。

ご自身で確認したいペアをクリックしていきましょう。

試しに【ドル円】をクリックしてみます。

すると下記のように、到達確率チャートが表示されました。

到達確率チャートの読み方は、次章で説明していきます。

山中康司氏のTwitter

到達確率チャートは、考案者の山中康司氏のツイッターでも確認できます。

Twitterの検索ボックスで【山中康司】とサーチをかけてみましょう。

山中氏のつぶやきを見ることができます。

山中氏が平日毎日9時前後までに【今日の80%】としてつぶやいています。

ツイッターでは該当ペアを示してくださっているので、どの通貨ペアを取引すればいいのか、判断が容易です。

ぜひ山中氏のツイッターを確認してみてください。

なお【到達確率チャート】は、プロダクトにより終値の時刻が異なることから、各商品の情報更新時間が異なります。

午前7-10時の間で山中氏のツイッターを注視しておきましょう。

到達確率チャートの読み方

ここからは到達確率チャートの読み方を見ていきましょう。

到達確率チャートは、【FX羅針盤】から検索します。

米ドル円を例に紹介していきます。

【米ドル円】の到達確率チャートをクリックすると、下記の情報が表示されます。

赤枠で囲った部分が、到達確率チャートを数値化したデータです。

上記では時間足を使用しています。

3つのサポート・ゾーンと3つのレジスタンス・ゾーン

【到達確率チャートの仕組み】の章でもお伝えした通り、到達確率チャートは6つのゾーンに分かれています。

  • ゾーン1~3 ➡ サポート
  • ゾーン4~6 ➡ レジスタンス

として表示されます。

中心となるピボットレートは、3と4の間にあります。

下記は【金(ドル)】の到達確率チャートです。

上記到達確率チャートの左上に表示されるポップの【Zones】と書かれている部分が、サポート&レジスタンスとなります。

オープン・ゾーンとクローズ・ゾーン

到達確率チャートには6つのゾーンがあることを踏まえた上で、次のステップへ進みましょう。

オープン・ゾーンとクローズ・ゾーンです。

  • オープン・ゾーン ➡ 当日始値が前日のピボット(H+L+C/3)に該当するゾーン 
  • クローズ・ゾーン ➡ 前日終値が2日前のピボット(H+L+C/3)に該当するゾーン

となります。

オープン・ゾーンは、今日いくらで始まる】を示しており、通常3か4となります

クローズ・ゾーンは1~6までの6通りです

また、オープン・ゾーンとクローズ・ゾーンを組み合わせると、36通りの組み合わせができることになります。

上記到達確率チャートの赤枠で囲まれた部分が、【オープン・ゾーン】と【クローズ・ゾーン】です。

Reachedが100の部分が始値

では、到達確率チャートのポップで示されている、最下段にある【Reached】は何を示すのでしょうか?

この部分が、当日の始値と前日の終値を示しています。

下記到達確率チャートでは、【Close Zone】が3、【Open Zone】が4となっていることがわかります。

【Open Zone】が4と示されており、【Reached】では4のゾーンが100となっています。

Reached100の左右を確認

次に【Reached】が100となっている両隣を見てみましょう。

上記の到達確率チャートでは、左側のゾーン3が89、右側のゾーン5が62と書かれています。

これが、その日中(NYクローズまで)に到達する確率を示したもの=到達確率です。

到達確率チャートでのエントリーチャンス

到達確率チャートでは、当日の始値を基準としてエントリーに最適なタイミングを、分かりやすく可視化しています。

エントリーサインの点灯についてみていきましょう。

×印が赤でエントリー可能

下記の到達確率チャートでは、緑線で囲んだ×印が、赤色となっています。

×印が赤色になるのは、到達確率が75%以上のタイミングです。

逆に到達確率が75%に達していない場合は、下記のように×印がグレーとなっています。

このように、到達確率チャートでは、エントリー可否を分かりやすく可視化しています。

ピボットレートは当日のみ有効

なお到達確率チャートでは、当日の始値と2日前の終値から算出しており、ゾーンの数値を簡素化しているため、レートの有効性を当日のみとしています。

為替取引は月曜日のオープンから土曜日の朝(だいたい6時頃)まで24時間取引となっていますが、ここでは、当日をNY時間のクローズとして算出します。

当日のボラティリティによっては、サポートとレジスタンス・ゾーンに到達せず、NYクローズを迎えてしまうこともあり得ます。

その場合、NYクローズをもっていったんポジションを手仕舞うのが賢明です

翌日に更新される到達確率チャートの確率を再確認し、前日と同様水準で75%以上の確率サインが点灯していれば、再度エントリーをしていきましょう。

到達確率チャートでのエントリー方法

到達確率チャートの読み方をマスターしたところで、さっそく到達確率チャートを使ってエントリーする方法を学んでいきましょう。

到達確率チャートでは、3点を決めるだけの非常にシンプルなエントリー手法です。

基本は逆張り

到達確率チャートでは、当日中のサポート・ゾーンとレジスタンス・ゾーンへの到達確率を示してくれます。

上記のようにピボットからレジスタンス・ゾーン、サポート・ゾーンに到達する確率が75%以上であれば、そのゾーンに達した時点で、逆張りエントリーを行います。

エントリーと決済ポイントは、以下の手順です。

  • S1で買いPで売る ➡ 上抜けたらS2で買い増しS1で売る
  • R1で売りPで買う ➡ 下抜けたらR2で売り増しR1で買う

このように、基本は逆張りエントリーとなります。

上記は、昨日のレンジ幅の半分が利益として残る手法です。

ストップ・ロスはエントリー・ゾーンの1つ上下

例えば、S1で買いエントリーをして、P(ピボット)で利確しようとした場合、ストップ・ロスの位置は、S2となります。

売りエントリーであれば、R1がエントリーポイントとして、ピボットに向けての反転の値動きを見越していきます。

この時のストップ・ロスは、R2となり、エントリーから1つ上のゾーンを損切りポイントとして設定します。

リスク・リワードは1:1

このように、到達確率チャートを用いてのエントリーは、利確位置(ピボット)とエントリーポイント、損切りポイントの値幅が、1:1となっていきます。

あくまで確率論ですので、当然サポートとレジスタンス・ゾーンが機能せず、上抜け・下抜けする強いトレンドが発生する場面に遭遇することも出てきます。

その場合は、R2・S2の上抜け方に注目し、勢いの強さ(モメンタム)を自分なりに判断していきましょう。

基本的には、R2・S2を超えた時点でポジションをスクエアにすることをオススメします。

IFO注文を使用

到達確率チャートを用いてのトレードでは、エントリーポイントと利確ポイント、損切りポイントが明確となっているので、IFOを用いてのエントリーが最適です。

IFOとは?

IFO注文とは、IFD+OCOの注文方法です。

IFD(If Done)とは、いわゆる指値注文のことです。

この水準に到達したら、エントリーをするというふうに注文予約ができます。

一方のOCO(One cancels the other)は、その名の通り2つの注文を同時に出し、どちらかが成立するともう一方は自動キャンセルされる便利な注文方法です。

IFDとOCOの両方を兼ね備えたIFO注文で、エントリー・ポイント、ストップ・ロス、テイク・プロフィットの3点を事前に入力して注文していきましょう。

そうすることで、1日のうちに何度もチャートを確認したりチャートに張りついたりする必要がなく、ほったらかしで利益を出すことができます

ただし、到達確率が75%以上の通貨ペアに逆張りエントリーすることを徹底しましょう。

上記のYouTubeでも、エントリーについて解説しています。

まとめ

今回は山中康司氏が開発した【到達確率チャート】について、到達確率チャートの読み方から理論、到達確率チャートを用いてのトレード手法までを解説してきました。

到達確率チャートは、ピボットとフィボナッチがベースとなっており、当日のNY時間終了まで、サポート・レジスタンスの値が有効です。

当日のボラティリティによっては、サポート・レジスタンスゾーンに届かないこともあるでしょう。

当日の指標発表や要人発言などを考慮しながら、到達確率が高い通貨ペアで、快適なトレードをしていきましょう。

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この記事を書いた人

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