今回はFXの予測について解説していきます。為替がある程度予測できるようになれば勝率をグッと上げられます。そもそもFXの値動きを完璧に予測することは可能なのでしょうか。
結論ですが、FXの値動きを完璧に予測することはできません。
それができたら億万長者が量産されてしまいます。とはいえ、FXの予測をしなくていいわけではありません。勝率を上げていくためには、チャート分析を行ったり市場動向を確認したりすることは必要不可欠です。
この記事では、なぜ「FXの予測が必要なのか」「FXの予測をするにはどうすれば良いのか」について解説していきます。
FXの予測について

FX予測について言えることは、今も昔もこれからも予想が当たるのは50%だということです。これは初心者でも上級者でも変わらずに言えることです。
FXの予測に意味がないとは言えませんが、「絶対に当たる確証」がない以上は参考値として捉えるしかありません。分析を行い、方向性を見極めて可能性を高めることがFXの予測であることを覚えておいてください。
これから先の相場が「上がるのか」「下がるのか」について、初心者が1番最初に気になるのはわかります。しかし重点を置くポイントは、そこではありません。前述のとおり、FXの予測自体は50%を差ほど前後しません。ですので、考えるべきポイントは、FX相場を予測することではなく資金管理をどう行っていくかになります。
もちろん勝率を上げるために分析して努力することは大切ですが、FXで勝ち続けるには、予測するよりも資金管理に注力すべしです。正確には、1回のトレードにおける「利益」「損失」をコントロールすることで、FX予測の不確実性を回避できます。
とはいえ、FXは予測しなければ取引するきっかけがなくなってしまいますので、どのような方法があるのか見ていきましょう。
FX予測の基礎知識

まずは、FX予測の基礎知識について解説します。FXを予測するためには大きく分けて2つの手法が存在します。
- 【テクニカル分析】
チャートの値動きや過去データから予測する - 【ファンダメンタルズ分析】
世界情勢をもとに今後の値動きを予測する
FXの世界では、ただ「上がりそう」「下がりそう」だから取引を行うのではなく、根拠に基づいた行動をしていきます。もちろん「上がりそうだから買っておこう」と根拠もなく闇雲にトレードを行っていくことも可能ですが、絶対に勝ち続けることはできません。
少しでも勝率を上げるためにも、この2つの分析を理解しておく必要があります。
FX予測をするための2つの手法
それぞれの特徴や違いを見ていきましょう。
テクニカル分析
テクニカル分析とは、過去のチャート上の値動きを分析して今後の値動きを予測するものです。逆にいえばチャート上の動きしか見ていないので、国の経済情勢などは無視した予測になっています。

例えば日本とアメリカが戦争していようが、その影響は一切考慮されません。
テクニカル分析には、いくつかの代表的な指標がありますので、紹介します。
- ローソク足
- 移動平均線
- ボリンジャーバンド
- RSI
- 一目均衡表
上記のような感じでさまざまなテクニカル指標が存在します。まだまだ紹介しきれない指標はたくさんありますが、指標同士を組み合わせたり、設定を細かく決めたりして利用していきます。
テクニカル分析は、相場の方向性を判断するのに適しています。
ファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズ分析は、テクニカル分析とはまったく違った分析を行います。その国の経済状況や要人発言によって動かされる相場の値動きを予測するものです。つまり急な相場変動は、ファンダメンタルズ分析の予測が外れたときに起きやすくなっています。



ファンダメンタルズ分析をせずに取引を行うのは、かなりのリスクを背負うことになります。
- 金融政策
・・・金利を上げたり下げたりすることで、経済のバランスを整えます。金利以外にもさまざまな施策が打たれます。 - 経済指標
・・・毎月第一金曜に発表される「米雇用統計」が有名です。ほかにも注意すべき経済指標は多くあります。 - 要人発言
・・・アメリカのFRB議長であったり、日本の日銀総裁の会見での発言は通貨バランスに大きな影響を与えます。 - 地政学的リスク
・・・戦争や災害で国の経済状況が変化することで通貨価値が変化します。地政学的リスクは予測することが非常に難しくなります。
ファンダメンタルズ分析は、上記のことを考慮して予測していきます。テクニカル分析に比べて経済知識が必要になるので、難易度は少し上がります。しかしファンダメンタルズ分析を行わなければ不意に訪れる暴落・暴騰リスクに備えることができません。ですので、ファンダメンタルズ分析を避けていては、勝てるようになりません。勝てないというよりもリスク管理ができていないので、資金を守ることができないのです。


FX予測ツールやアプリの紹介


FXの予測に関するツールやアプリの紹介をしていきます。まず基本的に利用する3つのツールを紹介します。
- 経済指標カレンダー
- 為替ニュース
- リアルタイムチャート
どんなに初心者でも、どんなに上級者でもこれら3つの情報をおろそかにしているトレーダーは勝つことができません。
それでは1つずつどんなツールなのか見ていきましょう。
経済指標カレンダー
定期的に各国の経済データが発表される予定のことです。毎月・毎週に発表されるデータをもとに、その国の経済状況を把握して今後の経済価値を判断していきます。
経済指標カレンダーを見ればわかりますが、1日にたくさんの情報が発表されます。ですが、すべての発表において大きな通貨変動が起きるわけではありません。むしろ基本的には、まったく変化しません。
そもそも経済指標カレンダーというものは、各証券会社で提供してくれているものであり、統一された書式で見るわけではありません。内容はほぼ同じものの、表示は少し異なることがあります。重要なのは下記2項目です。
- 予想値
- 重要度
予想値と結果が離れるほど、相場への影響は大きくなります。発表された瞬間に予想値を上回っていた場合などは、一瞬の判断をしなければなりません。ここで重要なのは、冷静な判断をすることです。さらに上級のテクニックになりますが、予想値を見たときに違和感があるときは、相場が大きく動いてもいいように逆指値注文などで対応しておくことです。
重要度に関しては、言わなくてもわかるかもしれませんが、指標の中でもランク分けがされています。だいたい3段階で区別されており、もちろん3段階中3の重要度であれば注視しなければなりません。逆に重要度が低い指標に関しては、さほど気にする必要はありません。「完全に無視するべし」とは言いませんが、もしドル円を取引しているのであれば、アメリカと日本に関する指標発表時にのみ備えておけば大丈夫です。
為替ニュース
為替ニュースは、経済指標カレンダーとは違い、突発的に出てきた為替に影響するようなニュースのことを言います。
例えば「アメリカのトランプ大統領が辞任を発表しました。」というニュースが流れたら、為替に大きな影響を与えることになります。こうした予期せぬニュースにより相場が変動することもありますので、為替ニュースにもアンテナを張っておく必要があります。
突発的な相場変動は対策なしには、避けることができません。ですので大切なのは、万が一の時に備えてストップロス注文を入れておくことです。初心者にやりがちなミスとしては「ポジポジ病」というものが挙げられます。
何の根拠もないが、ポジションを持っていないと落ち着かないので、トレードを行ってしまう現象です。
なにげなく持ったポジションにはイグジット(出口)が考えられていません。利益が出ようと損失が出ようとどこまでもポジションを持ち続けてしまいます。そんなときに突発的な大きい為替ニュースが飛び込んできた場合に、対処が困難になりますので避けるべき行動の1つです。


リアルタイムチャート
リアルタイムのチャートを見て、次の値動きを予想します。
初心者がいきなりチャートのみを確認して予測することは、とても難易度が高いです。ただ過去の値動きを確認したり、これからの値動きを予測するには、リアルタイムチャートは欠かすことができないアイテムです。
業者提供ツール紹介
業者が提供してくれている無料・有料ツールを紹介していきます。最近では「AI」を駆使したツールが多く出てきています。これからはどんどんツールも進化していき精度も上がっていくはずです。
基本的に予測ツールを利用すれば、初心者でテクニカル分析がわからなくても相場の未来を予測することができます。
セントラル短資FX「みらいチャート」


「みらいチャート」を提供しているセントラル短資FXは、金融業界で100年以上の実績がある信頼できるFX会社になります。
みらいチャートは、過去チャートよりAIが未来の相場を予想して、一致度が高い3つのパターンを表示してくれます。また7つのテクニカル指標別に相場の方向性も教えてくれます。
まさに「みらいチャート」という名前にぴったりな予測ツールです。


auじぶん銀行「AI外貨予測」


「AI外貨予測」はスマートフォンから操作が可能で、見て受け取って取引するだけと難しいことは一切ありません。
2022年には、グッとデザイン賞の受賞していますので、わかりやすい設計になっています。
的中率も公開されており、2022年12月31日時点では、71.5%という驚異の数字をたたき出しています。通知はプッシュ通知で瞬時に受け取ることができて、アレクサなどの音声サービスにも対応しています。
みんなのFX「TMサイン」


TMサイン(テキストマイニングサイン)は、AIによってドル円が1時間後に上がるか下がるかを予測するツールです。みんなのFXが配信する為替ニュースをもとにテキストデータをAIが読み取り解析します。為替ニュースを見ただけでは、売買判断が難しい初心者には参考になるツールです。
またTMサインを利用したEA「テキストマイニングAI」も利用可能です。為替ニュースを読み取るEAは、ほかのFX会社でもあまり見られないので、興味があれば試してみるのもありです。
投資の森


投資の森は、証券会社ではなく投資の予想を提供しているサイトになります。FX以外にも日経平均株価などさまざまなコンテンツで充実しています。見ているだけで投資の勉強になりそうなので、初心者はブックマークすることをおすすめします。
細かい分析を毎日見ることができて、メインコンテンツはAIによる市場予想です。無料でもレポートを見ることはできますが、有料会員になるとさらに詳しい内容を見ることができます。
アルパカ証券「アルパカアシスト」


このサービスはアルパカ証券で口座開設したのちに利用できます。「AI予報」というAI技術を駆使した予測機能に加え、IFAからの助言を聞いて投資に向き合うことができます。
「Independent Financial Advisor(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」の略称であり、証券取引など資産形成に精通し、特定の金融機関に属さない独立・中立的な立場から資産管理のアドバイスを行う資産運用アドバイザーのこと
AIと人の力を最大限に生かした本サービスは、お互いのデメリットを補いつつすばらしい結果をもたらします。2021年8月からサービス開始と比較的新しいサービスですので、これからの伸びしろも大きいです。
FX予測のポイントと注意点


FXを予測するうえで、大事なポイントと初心者が陥りやすい注意点を解説していきます。
予測に絶対はない
初めから伝えているのでわかると思いますが、大事なポイントなのでもう一度念を押しておきます。テクニカル分析で予想通りの動きをしていようが、ファンダメンタルズ分析で予想通りの結果が出ようが、思った通りに相場が動くとは限りません。
例えばテクニカル分析では、「ダマシ」と呼ばれる現象があります。ダマシが発生するとレンジ相場だと思っていたが、上にブレイクアウトして上昇トレンドになろうかというところで、あっさりとレンジに戻ってきてしまうというような現象です。 簡単にいうとテクニカル分析の過去予想では、上昇していく形だったがあっさりと下降していってしまったという現象が往々にして起こるということです。
同じくファンダメンタルズ分析でも、予想値が発表されているが、予想通りの結果になったとしても思った通りの値動きをするとは限りません。予想されていた数値がすでに相場に織り込み済みの場合があります。そうなると相場への影響は反映されていますので、ほとんど値動きが発生しないこともあります。
上記は一例になりますが、予想というのは過去データを分析することで精度の高い予測を実現できます。これから先も同じ事例が起こることもありますし、未知の値動きをすることもたくさんありますので、それを踏まえて予測していきましょう。


テクニカル分析を組み合わせ過ぎない
テクニカル分析の部分で少し説明しましたが、分析に使用する指標は種類が多くすべてを使いこなすのは困難です。実際に使うことは可能ですが、チャート上にすべてのサインが表示されるのでごちゃごちゃして訳がわからなくなります。
初心者ほどたくさんのテクニカル指標を使いがちですが、最初のうちは1つの指標を使ってみて自分との相性を確かめていきましょう。そのうちなんとなく目に留まる指標や気になる指標が現れると思いますので、それらを重点的に使用していくのがおすすめです。
テクニカル分析によるエントリーポイントをすべて確認して、すべてトレードを行っていたらすぐに資金が底をつきます。テクニカル指標を組み合わせるということは、組み合わせた分だけエントリーポイントが出現するということです。FXの予測をより正確なものにするには、数あるエントリーポイントの中から確実性の高いところをピンポイントで狙う必要があります。
容易にテクニカル分析で多くの指標を使用するのは、落とし穴である可能性があります。
通貨ペアは固定する
FXの予測をするときに重要なのが、情報収集になります。情報収集するにあたり、いろいろな通貨の情報を調べるのはなかなか骨が折れます。ですので、まずは1つの通貨ペアに絞ってトレードを行っていくのが良いでしょう。
例えば「ドル円」であれば基本的には、「日本」「アメリカ」両国の経済情勢にアンテナを張ることで今後の相場動向を知ることができます。



ドル円の取引をしているからといって、ヨーロッパの情報はまったく見なくて良いというわけではありません。
自分が取引していく通貨ペアを絞ることで、予測を立てやすくなるのは事実です。
トレンドラインを信用し過ぎない
チャートを見て1番最初に覚えることが、おそらく「トレンドライン」でしょう。トレンドラインは信用性もあり、今の方向性をしっかりと確認することができます。しかしトレンドというものは、いつか終わりが来て下降トレンドへと切り替わっていきます。
トレンドラインはただ線を引くだけですので、わかりやすく習得もしやすくなっています。私もそうでしたが、初心者のうちはトレンドラインを信用し過ぎてしまい、裏切られることも多く経験するでしょう。
トレンドラインを使いこなすことも重要ですが、頼りすぎてしまわないように注意が必要です。


裏技はない
- 確実に
- 絶対に
FXの世界において上記の言葉は意味を成しません。絶対に当たるロジックがない限り、FXの予測において「裏技」「近道」などといった抜け道は存在しません。
絶対に当たるロジックを探したら情報商材屋のカモにされるだけですので、絶対にやめましょう。
FXの世界において成功している人は、成功のロジックを人に教えることはありません。なぜならその手法を使えば稼げるからです。わざわざ大事な手法を販売してまで稼がなくてもいいのです。
FXは自分でいろいろ試行錯誤して自分なりに勝率を上げることも魅力の1つです。ですので、これからFXを始める人は、近道など考えずに自分なりの答えを導き出してください。
情報商材やFX予測に関するよくある質問


FX予測は初心者でもできますか?
FXの予測をするのは、すぐにできるようになります。ただし上級者のような確率で予測していくには、経験値と知識を付けていく必要があります。
FX予測が外れる場合はありますか?
もちろんあります。
最初にも言いましたが、予測自体は初心者でも上級者でも50%程度とあまり変わらないでしょう。
しかしエントリータイミングや資金管理など総合的な能力に圧倒的に差がありますので、予測精度は同じでも利益率には大きな差が生まれるはずです。予測が外れたときの対処法が、初心者と上級者ではまったく違います。
ツールと経験者の予測はどちらが正しいですか?
一概にどちらが正しいとは言い切れません。
最近はAI予測ツールも多くなってきていていますが、完全に相場を予測することは難しいでしょう。やはり完全に予測を行うことは現段階では厳しいです。
FX予測を100%当てたいのですが、どうしたら良いですか?
FXの予測が100%当てることができたら、全員が勝ってしまうのであきらめてください。今後しばらくは予測100%の手法やツールは出てこないでしょう。
FX予測が外れた場合、どうすれば良いですか?
FXを予測するうえで1番大切なのが、予測が外れたときになにをするのかということです。初心者と上級者の違いは、ここにあります。まずは予測が外れたということは、現在含み損を抱えています。その含み損をどこで損切りするのかが、初心者を抜け出す第一歩です。
予測が外れた場合にズルズルとポジションを持ち続けるのではなく、切り替えることが大事です。予測が外れたときにするのではなく、予測が外れたときのために「損切り設定」を入れていくことが最優先でやることです。
まとめ:FX予測を完璧に行うのは難しい


結論ですが、予測を完璧に行うことは難しい問題です。FXで取引していくうえで予測に重点を置くことは、得策ではありません。予測は取引を行うまえの行動ですが、取引を行ったあとの行動にこそ集中しなければ資金を増やしていくことはできません。
FXの予測を完璧にこなすことは難しいので、予測が外れたときにこそ最善の判断をする必要があります。最初の段階として「損切り設定」を入れておくことは、資金管理の第一歩です。
これからFXを始めるのであれば、予測に注力するのではなく、資金管理の方法を最初に学ぶと今後の運用が楽になります。
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