FXをやられている方であれば、少なくとも1回は次のように思ったことがあるのではないでしょうか。
FXの成績がなかなか安定しない…FXで勝ち続けることって不可能なの?
結論から先にお伝えすると、FXで勝ち続けることは不可能ではありません。
なぜなら、個人投資家であっても実際に勝ち続けている人が存在するからです。
実際にTwitterなどのSNS上では、勝っている人の発信を多く目にします。
しかし、FXで勝ち続けることが簡単ではないのも確かです。
そこでこの記事では、FXで勝ち続けることが不可能ではない理由を説明するとともに、FXで勝ち続ける人が実践してること、逆にFXで負けている人の特徴についても解説していきます。
また、FX勝ち続ける上で障壁となる人の心理的効果についてもプロが詳しく解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
- FXで勝ち続けることが不可能ではない理由
- FXで勝ち続ける人が実践してることと負ける人の特徴
- FX勝ち続ける上で障壁となる心理的効果
【結論】FXで勝ち続けることは不可能ではない
まずはFXで勝ち続けることが不可能ではない理由を、データをもとに解説していきます。
また、FXと他の投資との比較や、実際にFXで勝っている人のリアルな声も確認してみましょう。
「FXは9割の人が負ける」は嘘
FXは「9割の人が負ける」と言われたりもします。
中には、FXは99%の人が負けているなんてことを言う人もいますよね。
しかし、実際のトレーダーの勝ち・負けについてのデータというのは、いずれもアバウトな数字ばかりのもので、正確なデータがないのが実際のところです。
そんな中、公的な機関によるデータとして、金融先物取引業協会が2018年に公表した「外国為替証拠金取引の取引顧客における金融リテラシーに関する実態調査」は、FXトレーダーのリアルがわかる貴重なデータとなっています。
これは、FXを行っている20代〜70代の男女1,000名に聞き取り調査を行ったもので、取引による損益の状況などが分かる内容になっています。
この調査によると、FXで利益を出している人とそうでない人の割合は以下の通りです。
- 利益を出している人→60.3%
- 損失を出している人→39.7%
9割の人が負けているどころか、半数以上の人が「勝っている」ことになります。
なお、FXの取引経験年数に関しては以下の通りです。
FX取引経験年数 | 割合 |
---|---|
5年以上 | 44.9% |
3年以上5年未満 | 15.1% |
1年以上3年未満 | 21.4% |
6ヶ月以上1年未満 | 6.9% |
3ヶ月以上6ヶ月未満 | 5.1% |
1ヶ月以上3ヶ月未満 | 4.8% |
1ヶ月未満 | 1.8% |
半数近くの人が5年以上の取引経験があることがわかります。
つまり、勝ち続けている人は確実にいるということです。
なお、年代別の利益の詳細は以下の通りになります。
性別・年代 | 利益額が100万円以上 | 利益額が50万円以上100万円未満 | 利益額が20万円以上50万円未満 | 利益額が20万円未満 | 利益を出している人の合計 |
---|---|---|---|---|---|
男性・20代 | 2.9% | 10.6% | 5.8% | 42.3% | 61.5% |
男性・30代 | 11.6% | 7.1% | 10.4% | 37.3% | 66.4% |
男性・40代 | 7.2% | 7.2% | 14.0% | 34.2% | 62.6% |
男性・50代 | 7.6% | 6.1% | 7.6% | 28.8% | 50.0% |
男性・60〜70代 | 4.9% | 5.8% | 10.7% | 28.2% | 49.5% |
男性計 | 7.9% | 7.3% | 10.1% | 35.1% | 60.9% |
女性・20〜30代 | 9.8% | 6.1% | 8.5% | 30.5% | 54.9% |
女性・40〜50代 | 3.8% | 5.7% | 5.7% | 43.8% | 59.0% |
女性・60〜70代 | 6.0% | 8.0% | 14.0% | 34.0% | 62.0% |
女性計 | 6.3% | 6.3% | 8.4% | 37.1% | 58.2% |
合計 | 7.5% | 7.1% | 10.1% | 35.6% | 60.3% |
年代別だと、男性の30代が利益を出している割合が多く、100万円以上の利益を出している割合も一番になります。
ちなみに、損失の割合は以下の通りです。
性別・年代 | 損失額が-20万円未満 | 損失額-20万円以上-50万円未満 | 損失額-50万円以上-100万円未満 | 損失額100万円以上 | 損失を出している人の合計 |
---|---|---|---|---|---|
男性・20代 | 30.8% | 6.2% | 2.9% | 1.9% | 38.5% |
男性・30代 | 23.1% | 6.0% | 1.9% | 2.6% | 33.6% |
男性・40代 | 26.1% | 7.2% | 1.8% | 2.3% | 37.4% |
男性・50代 | 31.8% | 7.6% | 3.0% | 7.6% | 50.0% |
男性・60~70代 | 33.0% | 6.8% | 5.8% | 4.9% | 50.5% |
男性計 | 27.1% | 6.2% | 2.6% | 3.1% | 30.1% |
女性・20~30代 | 32.9% | 6.1% | 2.4% | 3.7% | 45.1% |
女性・40~50代 | 33.3% | 4.8% | 0% | 2.9% | 41.0% |
女性・60~70代 | 30.0% | 4.0% | 0% | 4.0% | 38.0% |
女性計 | 32.5% | 5.1% | 0.8% | 3.4% | 41.8% |
合計 | 28.4% | 5.9% | 2.2% | 3.2% | 39.7% |
損失は男性の50代〜70代の割合が多くなっているのがわかります。
FXを始めるなら、若いうちから始めた方が良いということですね。
FXで勝ち続けるには「退場」しないことが重要
FXで勝ち続けている人が多くいることはわかりましたが、ではいったいどうすれば、勝ち続けられるのでしょうか?
そのひとつの答えが退場しないことです。
退場とは、取引による損失が重なり、やめざるを得ない状況でFXをやめることを指します。
退場してしまっては、勝ち続けるどころではありません。
逆に言うと、勝ててはいなくとも退場せずに踏みとどまれていれば、勝てるようになる可能性は残されているということです。
FXは為替相場の変動によって利益を得る投資であり、時に高いリスクも伴います。そのため、特にFX初心者の多くは、多額の損失を出してしまい、FXから退場してしまいます。
全くのFX初心者で、1年以上取引を継続できるのは全体の30%程度と言われています。
また、FX中上級者であっても、損切りできずにポジションを塩漬けしてしまったり、不用意なナンピンによって1回のトレードで退場せざるを得なくなることだってあります。
したがって、FXで勝ち続けるようになるためには、まずは退場しないことが重要ということです。
そのため、退場しないための資金管理や、トレード手法、メンタルコントロールといったことを身につけることが何よりも必要になります。
FXと他の投資との比較
FXは他の投資と比べても非常に難易度が高い投資です。
それが「FXで勝ち続けることは不可能」という声があがる所以でもありますが、FXと他の投資をリスクとリターンという観点で比較すると以下のようになります。
このように、FXは他の投資に比べてリターンが高い一方で、リスクも高い特徴があり、投資の難易度としてはかなり高くなります。
しかし一方で、FXは他の投資に比べて圧倒的少ない資金で始められるメリットがあります。
確かに難しい投資ではありますが、リターンの大きさからも取り組む価値がある投資と言えるでしょう。
銀行にお金を預けておいても利息は微々たるもの。リスクを取らないと資産は増えません。
FXの勝ち組のリアルな声
ここでは、実際にFXで勝っている人たちの声をTwitter上から集めてみました。
中には「秒速で1億稼ぐ男」で有名な与沢翼さんのFXに関する発信もありますので、ぜひチェックしてみてください。
Twitterから拾ってきたFXの勝ち組のリアルな声
「勝っている人がいる」=「勝つことは不可能ではない」ということですからね。
FXで勝ち続ける人が実践していること
FXで勝ち続ける人には、勝ち続けるだけの理由があります。
ここではそんなFXで勝ち続ける人が、日々のトレードの中で実践してることについて見ていきましょう。
損小利大の徹底
投資の世界ではよく言われることですが、利益を残すためには損小利大の徹底が必要になります。
特にFXのようなリスクが高い投資の場合、取引ごとの利益が損失よりも上回っていることが重要です。
例え勝率が5割であったとしても、常に損失よりも利益が大きければ、理論上はプラスになります。
具体的には、リスクリワード1:2を達成できれば、まず負けはしません。
1回の取引の損失と利益の比率のこと。リスクリワードレシオとも呼ばれる。
例えば、損失が1万円で利益が2万円なら、リスクリワードは1:2ということ。
勝ち続ける人は必ずといっていいほど、この点を意識しており、実践してるポイントになります。
トレード日記をつける
トレード日記をつけることで、自分のトレードの傾向やパターンを把握できます。
FXで勝ち続ける人は、すでに十分な結果を出しているのにも関わらず、トレード日記をしっかりとつけているものです。
人によっては、トレードの詳細をブログやTwitterで発信することがトレード日記代わりになっている場合もありますね。
トレード日記をつけていれば、成功と失敗の原因がわかるのはもちろん、自分の癖や感情の動きも客観視でき、勝率アップにつながります。
なお、具体的なトレード日記の書き方については、以下の記事で解説していますので参考にしてみてください。
複利運用
FXで勝ち続ける人は、資産を増やす過程で複利運用を行っている場合が多いです。
複利運用とは、利益や利息が生じるごとにそれらを元本に組み込み、運用に回して資金を増やしていく資産運用法のことを指します。
FXにおける複利運用とは、取引で出た利益を出金せずにその都度証拠金に組み込むことです。
FXにはレバレッジがあるので、証拠金が増えれば増えるほど、より大きな利益を狙えます。
そうして得た利益を再び証拠金に組み込んでいくことで、長期的に勝ち続けることができるようになります。
トレードしない選択肢を持つ
FXで勝ち続ける人は、常に「トレードしない選択肢」を持っています。
つまり、必ずしも相場の全ての動きに反応するわけではなく、明確なトレードチャンスがない場合や、リスクリワードで損失の方が上回るような状況ではトレードを見送るということです。
こうした姿勢と真逆なのが、初心者に多く見られるポジポジ病になります。
ボジポジ病とは、トレードの優位性がないのにも関わらずポジションを保有してしまうことです。
FXの相場には、常にチャンスがあるわけではありません。
小幅な値動きが何日も続くこともありますし、逆に指標や要人発言の影響で価格が急騰・急落することだってあります。
そうした、勝てる見込みが限りなく低い相場環境では、トレードを控えることも勝ち続けるためには必要になります。
トータルプラスを目指す
FXで勝ち続ける人は、損切りを行うことがあっても「トータルプラスであれば問題なし」という考えのもとにトレードを行っています。
そのため、たとえ損切りが重なったとしても、冷静さを失うことはありません。
どんなに優れたトレーダーでも、FXで勝率10割というのはありえないので、この「トータルプラス」という考え方は非常に重要になります。
FXで勝ち続けられない人は目先の利益に一喜一憂し、損切りが続いた場合などは、損失を取り戻すための無理なトレードをしがちです。
しかし、勝ち続けるためには常に冷静さを失わず、トータルプラスという考え方が必要になります。
FXのトレードで負け続けるのはこんな人
FXで勝ち続けるためには、まずは負け続ける原因を取り除く必要があります。
ここでは、FXで負け続ける人の特徴について説明します。
これからあげることは絶対に真似しちゃいけません。
聖杯探しを常に行っている
FXで俗に言う「聖杯」とは、絶対に勝てる万能の手法のことを指します。
当然のことですが、いかなる相場状況においても絶対に勝てる手法など存在しません。
ただ、勝てていない人にとって「絶対に勝てる」「必勝法」といった言葉はとても魅力的に聞こえるのも確かです。
実際にそうした言葉で誘う投資詐欺や情報商材も多く存在します。
しかし、そうした聖杯探しは、無駄に時間と資金を費やすだけで、トレードで勝てるようにはなりませんので注意しましょう。
適切な損切り・利益確定ができていない
FXで勝ち続ける人は、リスクリワードを意識した適切な損切り・利確ができています。
しかし負け続ける人は、損切りできずにポジションを塩漬けしたり、利確のタイミングを逃して相場が反転し、わずかな利益で決済するということをやってしまいがちです。
どれだけ適切なタイミングでエントリーしたとしても、決済の部分を疎かにしては、勝ち続けることはできません。
特に、負け続ける人は適切な損切りができていない傾向があります。
それまでコツコツ重ねてきた利益を、1回の損切りで吹き飛ばしてしまう、いわゆる「コツコツドカン」が多いのも負け続ける人の特徴です。
練習しない
一般的によく言われていることですが、「知っている」と「出来る」の間には大きな壁があります。
FXの場合だと、トレード手法や損切り・利確の方法、環境認識やマルチタイムフレーム分析のやり方など、「知っている」だけでは決して勝てるようにならなく、実際に「出来る」ようにならないと、勝ち続けることできません。
エントリーひとつ取っても、レンジをブレイクしたらエントリーすると決めているのに、早めに入ってしまったり逆に遅れてしまうのは、ひとえに練習不足が原因と言えます。
つまりFXは、自然に「出来る」ようになるまで練習しないと、勝てるようにはならないということです。
- 知識の壁(知ること)
- 行動の壁(やってみること)
- 気づきの壁(やってみて初めてわかること)
- 技術の壁(出来るようにすること)
- 習慣の壁(意識しなくても出来ること)
検証しない
FXは、検証なくして勝てるようにはなりません。
しかし、負け続ける人は自分のトレードを振り返らずに、同じミスを幾度となく繰り返してしまいます。
何がダメだったのか、どうすればよかったのか、その検証作業を行わなければ、トレードの技術は上達せず、結果的にいつまでも勝てるようになりません。
逆に勝ち続ける人は、「FXで勝ち続ける人が実践してること」のパートでも言及しましたが、トレード日記をつけて必ず検証作業を行っているものです。
勝ち続けるためには、失敗を失敗で終わらせない努力が必要になります。
ギャンブルトレードを行う
FXで負け続ける人に多いのが、イチかバチかのギャンブルトレードを行ってしまうことです。
特に、続けて損切りにあってしまった場合など、損失を取り返そうと無謀なトレードをしてしまう傾向があります。
イチかバチかのトレードを繰り返していては、偶然勝つことはあっても、勝ち続けることはできないどころか、退場を余儀なくされてしまうでしょう。
FXはギャンブルではありません。
FXはあくまでも投資であり、細かな環境認識やトレード戦略がない限り、勝ち続けることはできないものです。
FXで勝ち続ける上で障壁となる3つの心理的効果
FXの成績がなかなか勝てないという人は、以下の心理的効果を知っておきましょう。
- プロスペクト理論
- 認知的不協和理論
- 確証バイアス
これらは、FXを難しくする心理的な障壁となり得ます。それぞれ詳しく解説していきます。
プロスペクト理論
プロスペクト理論は損失回避の原則とも呼ばれる、人のリスクと不確実性に対する非対照的な反応を示した行動経済学の理論です。
プロスペクト理論では、人がリスクを評価する際に、得ることができるものよりも失う可能性のあるものの方が重要視される傾向があることを示しています。
FXの場合では、損失を回避してポジションを塩漬けにしたり、含み益が出たポジションをすぐに利確してしまうことなどがそれに当たります。
つまり、行動経済学に照らし合わせると、人は誰しもがコツコツドカンをやってしまう傾向があるということです。
したがって、損切りや利益確定に関しては、しっかりしたルールを作って行うことをおすすめします。
ここに2つの選択肢があります。
ひとつは確実に1,000円もらえるというもの。
もうひとつは50%の確率で2,000円もらえるか、50%の確率で0円になるというものです。
ここで多くの人は確実に1,000円もらえる方を選択します。
期待値としては双方同じであるのにも関わらずです。
なぜなら、確実に1,000円もらえる方が、半分の確率で0円になるリスクを冒すよりも安心だからという心理が強く働くからです。
認知的不協和理論
認知的不協和理論とは、自分の考えと行動が矛盾したときに感じる不安や違和感を解消するために、考えを変更することにより行動を正当化する現象を説明した理論です。
簡単に言うと「人は皆、自己正当化したがる」ということです。
FXに当てはめると、トレードプラン通りにエントリーしたものの値動きが逆行して含み損を抱えた場合などで、「そのうち含み益になる」「今の値動きはたまたまだ」といった具合に自分のエントリーを正当化することを指します。
本来は、相場の値動きに合わせてトレードプランを臨機応変に変更するべきなのですが、人は自分の考え自体を変更して行動を正当化する傾向があるので注意が必要です。
「健康に悪いとわかっていながらタバコが止めれない」→
「タバコはストレス解消になる」「タバコを吸っている人でも健康な人はいる」と自分に言い聞かせる。
確証バイアス
確証バイアスとは、人は自分が正しいと信じる情報を過剰に重視し、それ以外の情報を無視や軽視する傾向のことです。
FXの場合だと、たとえばチャートの形状からドル円が下落する予測を立て、ショートでのエントリーを考えていたとします。
しかし、ファンダメンタルズの変化によりドル円に上昇要因が出たとしても、それを一切無視してしまうことを指します。
当然、このような状況でエントリーしても良い結果は出ないでしょう。
FXで勝ち続けるためには、確証バイアスに陥ることなく、市場の動向を適切に把握するのはもちろん、異なる視点からの客観的な情報収集が必要になります。
「ダイエットにおいて、炭水化物を抜くのが最も効果的な方法だと信じている」→
炭水化物抜きダイエットを支持する研究結果や成功例ばかりを探し出し、反対の意見やダイエット方法を無視する。
まとめ
FXで勝ち続けることは不可能ではありません。
そのためには、まずは退場しないことです。
退場せざるを得ない損失さえ被らなければ、長期に渡って勝ち続ける可能性が生まれます。
あとは、勝ち続ける人が実践していることを愚直に真似しましょう。
最後にもう一度、勝ち続ける人が実践していることを載せておきます。
- 損小利大の徹底
- トレード日記をつける
- 複利運用
- トレードしない選択肢を持つ
- トータルプラスを目指す
トレードは技術です。
常に検証を重ね、自分なりの投資スタイルを確率させ、日々トレードスキルを磨いていきましょう。
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