
正直に言うと、FXの一目均衡表は難しそうな感じがするので今まで何となくスルーしてきた…
でも、トレーダーとしてレベルアップするために、一目均衡表のことを詳しく知ってトレードに活かしたい!
本記事ではこのような要望に応えます。
FXの一目均衡表は他のテクニカルと比べて表示されているラインが多いため、見方や使い方で難しいイメージを持たれている方は意外に多いものです。
しかし、一目均衡表は非常にシンプルな理論で成り立つテクニカルです。シンプルなのに勝てる手法だということで、世界中のトレーダーから称賛されています。



海外大手のファンドマネージャーも使っているんです。
そこでこの記事では、FXの一目均衡表の見方や使い方、他のインジケーターとの組み合わせ方や注意点について、初めての方にもわかりやすく解説していきます。
- FXの一目均衡表とは
- FXの一目均衡表の見方・読み方
- FXの一目均衡表の具体的な使い方・トレード手法
- 実際にFXで一目均衡表を使っているトレーダーの口コミ
参考として、実際に一目均衡表を使っているトレーダーの口コミもご紹介します。FXトレーダーとしてレベルアップされたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
FXの一目均衡表とは


一目均衡表は日本発祥のテクニカル指標。世界中で使われている有名な指標です。海外では「Ichimoku」として知られており、欧米の大手メディアでもたびたび登場します。



最初に、一目均衡表とはどんな手法なのか
簡単にご紹介します。
一目均衡表をわかりやすく解説
一目均衡表は、ヒロセ通商やDMMFX、楽天FXなど国内FX業者のツールではお馴染みのテクニカルインジケーター。そして、一目均衡表が導入されているのは国内だけではありません。


MT4やMT5、TradingViewなどの海外のメジャーなチャートツールにもたいていは「Ichimoku」がデフォルトで搭載されています
一目均衡表は、世界中の投資家・テクニカル派を唸らせた優れた指標です。テクニカルの王道ローソク足に並ぶ、日本生まれの超人気の分析手法なのです。
Xのアカウント名:Ichimoku (X)


You Tube 動画 : Samurai Ichimoku


海外ではIchimokuという名前を使うトレーダーも多く、一目均衡表への思い入れが伺えます。
一目均衡表の開発者と歴史
一目均衡表の歴史は古く、考案・開発者の細田悟一氏によって発表されたのが昭和初期の1936年のことです。
当初は「新東転換線」という名前で発表されましたが、細田氏がペンネームを「一目山人(いちもくさんじん)」としたのに合わせて「一目均衡表」と改名されました。





当時、都新聞(現在の東京新聞)の株式・商品担当記者であった細田氏が、相場の真髄を掴むために私設の研究所を設立。のべ2,000人のスタッフと7年の歳月をかけて一目均衡表を完成させたそうです。
もともと株式や商品相場の分析のために考案された一目均衡表ですが、FXにおいても優れたテクニカルとして高く評価されています。
一目均衡表の最大の特徴は「相場は買い方と売り方の均衡が崩れた時に大きく動く」を基本概念とし、未来と過去の時間軸にインジケーターが表示されている点です。
これにより「一目均衡表=一目で均衡がわかるチャート」の名の通り、売りと買いの優劣がひと目でわかるほか、相場が動きやすいポイントを的確に予想できるというものです。


表示されているラインが多いため、一見複雑そうです。しかし、ひとつひとつのラインはとてもシンプルな計算式のもとに成り立っています。
難しい計算式は使われていないことが、一目均衡表が広く使われている理由だとも言えるでしょう。
開発者である一目山人氏いわく、「一目均衡表は時間と値幅しか使っていない。」「国語と算数がわかれば、誰でも簡単に使える手法。」だとしています。
ただし、1本1本のラインが意味することをしっかり理解することが大切だとアドバイスしています。
by 3代目一目山人 – Youtube



なお、一目均衡表や一目山人氏に関する基本情報は公式サイトにて公開されています。
一目均衡表の詳しい見方・読み方については次のパートで詳しく見ていきましょう。



ほぼ全てのFXチャートで、一目均衡表は無料で利用できます。
ぜひトレードに活かしたいですね。
一目均衡表の見方・読み方


一目均衡表を理解し有効に活用するためには、各ラインの役割を根本的に理解することが重要です。
まずは、一目均衡表を構成するラインの見方や意味について見ていきましょう。
FXの一目均衡表を構成する5つのライン


一目均衡表は5つのラインで構成されています。
- 基準線
- 転換線
- 先行スパン1
- 先行スパン2
- 遅行スパン
1本1本のラインは深い意味を持ち、それぞれの役割があります。5つのラインの意味や役割、計算式を解説していきます。
1.基準線
基準線は、過去26日間の最高値と最安値の平均値を結んだ線で、相場の中期的な方向性を示します。


基準線の傾きは、平均値がどのように推移しているかを表したものです。
よって以下のように相場を分析します。
- 基準線が上向き=上昇トレンド
- 基準線が下向き=下降トレンド
- 基準線が横這い=もみ合い(レンジ)
基準線の方向を見ることで、相場の大まかな流れを見ることができます。



日足チャートは「過去26日間の平均値」となり、4時間足は「4時間×26」で1時間足では「1時間×26」で計算されます。
時間足ごとに直近のローソク足26本分の最高値・最安値の平均値が基準線で表示される仕組みです。
※基準線の計算式(日足の場合)
基準線=(過去26日間の最高値+過去26日間の最安値)/2
2.転換線
転換線は、過去9日間の高値と安値の平均値を結んだ線で、相場の短期的な方向性を示します。


転換線が基準線より上にあれば直近では上昇が強く、転換線が基準線より下にあれば下落が強いという分析ができるでしょう。現在や直近の価格動向を教える役割を果たしています。



基準線と転換線の違いは、移動平均線でいうと基準線が中長期線で、
転換線を短期線として見るイメージです。
※転換線の計算式(日足の場合)
転換線=(過去9日間の最高値+過去9日間の最安値)/2
3.先行スパン1
先行スパン1は、基準線と転換線の平均値を2で割って26日先にずらしたもの。相場の将来的な方向性を想定します。


将来の方向性とは、日足なら26日後、4H足なら106時間後、1H足なら26時間後の価格を意味しています。先行スパンで相場予想のヒントが得られる仕組みです。



先にずらすとは、チャートの右側に先行させて表示するということです。
※先行スパン1の計算式
先行スパン1=(基準線+転換線)/2
4.先行スパン2
先行スパン2は、過去52日間の高値と安値の平均値を26日先にずらしたもので、相場の長期的な方向性を示します。


先行スパン2の流れの中で、先行スパン1が上下していくイメージです。どちらの線が上に来るかによって、相場の見方も変わってきます。
先行スパン1と先行スパン2で囲まれた領域を「雲」と呼び、一目均衡表では重要な役割を果たします。


雲の見方は以下の通り。先行スパン1と2の位置づけによって、上昇トレンド・下降トレンドの可能性が違ってきます。
- 雲が上向き+ローソク足が雲の上にある⇒上昇トレンド
- 雲が下向き+ローソク足が雲の下にある⇒下降トレンド
- 雲が横這い+ローソク足が雲の中にある⇒もみ合い(レンジ)



「先行スパン1・先行スパン2」を「先行スパンA・先行スパンB」と呼んだりもします。
※先行スパン2の計算式(日足の場合)
先行スパン2=(過去52日間の最高値+過去52日間の最安値)/2
5.遅行スパン
遅行スパンとは、当日の終値を26日後ろにずらしたもので、現在と過去の価格動向のズレ・違いを示します。





後ろにずらすとは、チャートの左側に遅行させて表示するということです。
遅行スパンとローソク足の関係から売買シグナルを読むことができます。
- 遅行スパンがローソク足よりも上にある⇒買いが優勢
- 遅行スパンがローソク足よりも下にある⇒売りが優勢
※遅行スパンの計算式(日足の場合)
遅行スパン=当日の終値



ここまで見てきたように、一目均衡表では5本のラインそれぞれが教えるヒントを総合的に分析していく手法です。
FXの一目均衡表の設定方法
次に設定方法を見ておきます。
一目均衡表は、主要なチャートにはデフォルトで搭載されているので、設定方法もとても簡単です。
MT4・MT5の場合は「挿入」→「インディケーター」と進み「Ichimoku Kinko Hyo」を選択すると表示されます。


細かなパラメーターの設定に関しては、特にこだわりがなければデフォルトの設定から始めてみましょう。
- 転換線:期間9
- 基準線:期間26
- 先行スパン2(B):期間52
デフォルトが最強のパラメータの設定だという意見もあるようです。



もちろん、期間に決まりはありません。慣れてきたら、それぞれのトレード手法に合った期間設定を探ってみてください。


MT4/MT5のインジケーターはパラメーター設定の画面から、期間・色・ラインの設定が行えます。
Tradingviewの場合は「インジケーター」から進み、検索項目に「一目均衡表」と入力・選択すればOK。Tradingviewはブラウザー版が誰でも無料ですぐに使えますので、すぐに試してみることができます。


Tradingviewでも期間はデフォルトの設定になっていますが、期間や各ラインの配色や種類・太さは変更可能です。


一目均衡表は表示されるラインが多いので、パッと見た時にどれが何のラインなのかをすぐに認識できるよう、自分仕様でカスタマイズすることをおすすめします。


とくに基準線は、トレンドの大まかな方向性を見る基準のラインですので、赤など目立つ色にしておくとわかりやすいでしょう。
【深掘り】一目均衡表を読み解く上で知っておきたい3大理論
一目均衡表がこの世に誕生してから、多くのアナリスト達がさまざまな方法でこの指標の理論や活用方法を解釈してきています。
解釈の仕方によって、一目均衡表の使い方も若干変わってくるのが現状で、いかに正しくラインを読みこなしていくかが勝負を左右するといわれています。
数ある理論の中で、とりわけ有名なのが「一目均衡表の3大理論」と呼ばれるものです。この「3大理論」は、開発者である一目山人氏が唱えたように紹介されることが多いですが、実は全く別の人物によって紹介された理論です。
あくまでも、一目均衡表を解釈する1つの方法です。先に見た一目均衡表の5本のラインや雲の分析に有効だとされています。
「3大理論」では以下の3つの理論から一目均衡表を捉えていきます。
- 波動論
- 時間論
- 水準論(値幅観測論)
「波動論」とは、相場全体の流れを見るための方法で、一目均衡表全体の流れを意味しています。この波動論を構成しているのが「時間論」と「水準論」です。
一目均衡表と3大理論の関係(イメージ)


では、3つの理論をそれぞれ順番に見ていきます。



3大理論は一目均衡表の的確な売買シグナルを得るヒントとして使えます。ここでは大切なポイントのみを解説していきます。
時間論
時間論とは、相場のトレンドが転換するタイミングを「時間」の視点から分析する理論です。
時間論では、基本数値と呼ばれる「9」、「17」、「26」といった一定の間隔で相場は変化するとされています。



基本数値は「転換線の期間9」や「基準線の期間26」といった風に一目均衡表の5本のラインや雲に反映されています。
また、基本数値以外にも、基本数値を組み合わせた「33」、「42」、「52」、「65」、「76」、「226」、「675」といった複合数値も相場が変化するタイミングとして使われます。
このほか、対等数値という考え方もあり、これは過去の相場で変化するまでにかかった期間が、次の変化日になるという考え方です。ごくシンプルに相場を捉えていく点で、一目均衡表の理念に最も近いと言えるでしょう。


波動論
波動論は、相場の動きを波として捉える理論です。
基本的な波動は以下の3つになります。
- I波動:上昇または下降している形(波動の最小単位)
- V波動:「下降→上昇」、または「上昇→下降」と動き「V」や「逆V」になる形
- N波動:「上昇→下降→上昇」、または「下降→上昇→下降」と動き「N」や「逆N」になる形


これら3つの波動の中で最も重要なのはN波動です。
実際の相場は、I波動のみが継続することは稀です。価格の上昇と下降が繰り返されるので、N波動に近いパターン連続となる場合が多くなります。
波動論でも「すべての波動はN波動に集約される」と考えられています。



N字パターンを意識することで、次の値動きが予想しやすくなるのです。


水準論(値幅観測論)
水準論(値幅観測論)とは、相場は一定の範囲内で変動するという考え方のもと、それまでの相場の動きから今後の相場の上昇幅や下落幅を計算する理論です。
値幅の代表的な計算方法には「E計算値」「V計算値」「N計算値」「NT計算値」の4つがあり、図で表すと以下の通りになります。


どこを基準にするかで微妙な違いはありますが、いずれにせよそれまでの値幅から次の値幅を予測してるのがわかります。
こうした水準論の考え方は、エントリーやエグジットのタイミングを計るのに役立ちます。



要するに、過熱した上昇・下落エネルギーが、いったん逆方向に調整されて、再び上昇・下落を引き起こすということですね。
ダブルトップ&ボトムのブレイクや、レンジブレイクなどの局面でも値幅を計るのに使えそうです。


FXの一目均衡表の具体的な使い方


ここからは、一目均衡表の具体的な使い方を解説していきます。
一目均衡表の5つのラインは全てに意味があり、それらの意味を知ってはじめてトレードに役立つものです。一目均衡表で、最も重要だともいわれている「雲」から順番に見ていきましょう。



どこよりも、わかりやすく解説します。
FXの一目均衡表で様々な使い方ができる「雲」について
一目均衡表の雲とは、先行スパン1と先行スパン2の間の領域のことで、雲とローソク足の位置関係から相場の方向性と勢いを判断できるほか、エントリーにも使用できます。
一目均衡表の「雲」の使い方①【抵抗帯・支持帯】
雲は抵抗帯および支持帯として機能し、雲が上向きでその上にローソク足があれば上昇トレンド、雲が下向きでその下にローソク足があれば下降トレンドであることを示しています。


なお、トレンドを見るにあたって雲の厚さを重視しがちですが、実際には相場の方向性や勢いとはあまり関係がないとされています。
どちらかというと支持線・抵抗線としての役割の方が大きいと言えます。雲が厚いと雲を抜けるまでに時間がかかり、当然ながら雲が薄いと早めの上抜け・下抜けが期待できます。
ただ、雲の向き・角度は、トレンドの勢いや強さを教えることがあります。上向きの雲をローソク足が上に抜ける時は強い上昇。下向きの雲をローソク足が下に抜ける時は強い下降シグナルと見れます。
逆に雲が横這いで、その中にローソク足がある時は、方向感の無い相場状況です。


このような性質を利用して、雲をレンジ相場からのブレークサインとして使うことも可能です。
横向きの雲の中あるローソク足が、上に抜けたら「買いエントリー」、下に抜けたら「売エントリー」が狙えるチャンスです。
また、雲をレジスタンスやサポートと同様に使う方法もあります。つまり、雲に触れた相場はそこから反発・反転する可能性が高いということです。


トレンドフォローでエントリーしたい時に、雲の位置がひとつの目安となるでしょう。



雲はサポート・レジスタンスラインの帯のようなものだと思ってください。厚ければ厚いほど反発しやすく、抜けにくくなります。
また、雲が現在のチャートの先に表示されているのも大きなポイント。
レートの先にある雲の状態から、今後の相場の流れや、価格が戻るポイントなどの相場予測に役立ちます。


上のチャートのように先行する雲の向きや厚さから、今後の値動きの可能性が探れるというわけです。
利確や損切りラインの目安としても参考になるのです。
「雲」の使い方②【ねじれ】
雲のパターンで重要とされているのが「雲のねじれ」です。
一目均衡表の先行スパン1と2が交差し、上下入れ替わることを「雲のねじれ」と呼びます。


一目均衡表の雲のねじれは、相場がこれまでとは違う新しい流れが起きやすい状況にあることを示すものです。
そのため雲のねじれを、新たなトレンドの発生や加速、またはトレンド終焉といったように、相場の転換点と捉えることができます。


例えば、上図チャートでは、いったん価格がレンジに入った上昇トレンドが、ちょうど「雲のねじれA」の直後から再び上昇に向かっています。ローソク足は転換線・基準線の上にとどまり、遅行線が高くそびえていることからも上昇の気配がキャッチできるところです。
また、「雲のねじれB」のように、上昇トレンドが始まった直後で「ねじれ」が生じて、価格調整に入ることを示唆しています。


また、その時の相場動向によっては、上図チャートのようにトレント転換後の一時的な価格変動として雲のねじれが遅れて出現することもあります。
一目均衡表の雲のねじれはトレンド相場・レンジ相場を問わず頻繁に起こります。従って、雲のねじれのみを単独でシグナルとするのは無理があるでしょう。5本のラインとローソク足の関係から総合的に見極めることが判断のコツです。



トレンド転換か価格調整か迷うところですね。
FXの一目均衡表の基準線と転換線のクロスは売買シグナル
一目均衡表の基準線と転換線は、それぞれのラインの方向性や相互の位置づけから、トレンドの方向性を教えてくれます。
- 基準線が上向きなら上昇トレンド
- 基準線が下向きなら下降トレンド
- 転換線が基準線より上にあれば買い優勢
- 転換線が基準線より下にあれば売り優勢
とくに注目されているのが、転換線と基準線がクロスするポイントです。
一目均衡表では、転換線と基準線のクロスを「好転」と「逆転」と呼んでおり、意味は以下の通りです。
- 転換線が基準線を下から上に抜ける→「好転」=買いシグナル
- 転換線が基準線を上から下に抜ける→「逆転」=売りシグナル


なお、基準線は過去26日間の最高値と最安値を結んだラインで、転換線が過去9日間の最高値と最安値の平均値を結んだラインです。
2本のラインが交差する「好転」「逆転」は比較的に多く出現します。勝率を向上させるには、他のテクニカルと同様、総合的に分析・判断する必要が出てくるでしょう。



移動平均線のゴールデンクロスとデットクロスと同じイメージですね。
基準線と転換線のクロスが中期移動平均線と短期移動平均線のクロス。
雲のねじれがそれよりも長い時間軸の移動平均線のクロスのようなイメージです。
また、強いトレンドの最中には、基準線と転換線がそれぞれ支持線や抵抗線になる場合もあります。


このあたりは、強いトレンドが発生している際の移動平均線と同じイメージになります。1つのパターンや理論にこだわらずに、臨機応変にラインの意味や役割を解釈していくことが一目均衡表では求められます。
実践しながら学び、それぞれにとっての最善の方策を導き出していきましょう。
FXの一目均衡表の遅行スパンで現在と過去を比較
そして、一目均衡表でもう1つ抑えておきたいラインが遅行スパンです。
遅行スパンは、当日の終値を26日後ろにずらしたもので、現在の価格と過去の価格を比較するものです。
遅行スパンがローソク足の上にある場合は「現在の価格>過去の価格(26日前)」となり、その時に買い注文を行った人は含み益が出ていると判断でき、現在は買いが優勢と分析できます。


一方、遅行スパンがローソク足の下にある場合は「現在の価格<過去の価格(26日前)」となり、その時に売り注文を行った人は含み益が出ていると判断でき、現在は売りが優勢と分析できます。


このように遅行スパンは、過去(26日前)に取引した人が現在どのような状況なのかを可視化することで、現在の売り買いの勢力を分析するものです。



相場の勢力や売買比率、市場ムードの分析に使うのがおすすめです。
なお、遅行スパンがローソク足を下から上に抜けることを「遅行スパンの好転」と呼び、売買勢力の転換が予想されます。


一方、遅行スパンがローソク足を上から下に抜けることを「遅行スパンの逆転」と呼び、買いから売りへの勢力の逆転を意味します。


一目均衡表の鉄板パターンを覚えよう
一目均衡表には5つのライン全てが「買い」を示している「三役好転」というシグナルと、5つのライン全てが「売り」を示している「三役逆転」というシグナルがあります。
「三役好転」と「三役逆転」を最強手法と見なすトレーダーもいるようです。
「三役好転=買い」の条件は以下の通り。
- 転換線が基準線を上抜けする
- 遅行スパンがローソク足を上抜けする
- ローソク足が雲を上抜けする


一方、「三役逆転=売り」の条件は以下の通りになります。
- 転換線が基準線を下抜けする
- 遅行スパンがローソク足を下抜けする
- ローソク足が雲を下抜けする


ちなみに「三役」が揃わなくても、「転換線が基準線を上抜けする+ローソク足が雲を上抜けする」といった「二役」でも一目均衡表では信頼性の高いシグナルと言え、エントリーのチャンスになります。



「三役好転」「三役逆転」は、移動平均線のパーフェクトオーダーと同じようなイメージですね。


【FX実践編】一目均衡表と他のインジケーターを組み合わせた最強トレード手法


一目均衡表をより有効に使うためには、他のインジケーターと組み合わせる方法があります。他の分析手法からも裏付けを取ることで根拠を固め、より精度の高い分析や勝率の高いトレードができるようになります。
ここでは、他のインジケーターを組み合わせたトレード手法をいくつか見ていきましょう。
FX実践編①一目均衡表×移動平均線
FX初心者の方にもおすすめなのが、一目均衡表と移動平均線を組み合わせたシンプルなトレード手法です。
売買ルールは以下の通り。
- 一目均衡表と長期の移動平均線(75〜200日)を1本表示
- 移動平均線の上に基準線と雲がある場合にロング
- 移動平均線の下に基準線と雲がある場合にショート
- 「ローソク足が雲抜け」+「ローソク足が基準線抜け」でエントリー
- 押し目・戻りを狙う場合は基準線での反発でエントリー
- エグジットは基準線をエントリーとは逆方向に抜けたタイミング


上のチャートは、一目均衡表と200SMA(単純移動平均線)を表示させたものです。
基準線と雲が移動平均線を上に抜けたところからエントリーの準備をし、ローソク足が雲と基準線を抜けたタイミングでエントリーします。
エグジットは基準線を下抜けたタイミングです。
チャートの左側の部分のように、移動平均線の下に基準線と雲が推移し、ローソクと基準線が雲の中にある場合はエントリーを見送ります。
シンプルですが非常に優位性の高いトレード手法で、初心者にもわかりやすくおすすめです。移動平均線は使用頻度が高い200SMAを使っています。



この手法では転換線と遅行スパンは使用しないので、色の設定で見えなくしておく方法もあります。
FX実践編②一目均衡表×MACD
MACDと一目均衡表も人気の組み合わせで、エントリーポイントが明確になります。一目均衡表はラインが多いのでオシレーター系との相性は抜群。
売買ルールは以下の通りです。
- 雲が上向きでローソク足が雲の上にある場合にロング
- 雲が下向きでローソク足が雲の下にある場合にショート
- 「ローソク足の雲抜け」+「MACDのシグナル抜け」でエントリー
- エグジット①エントリーとは逆方向へのMACDのシグナル抜け
- エグジット②ローソク足が雲の中に入る
- エグジット③ダイバージェンス
一目均衡表の雲でトレンドを判断し、MACDのゴールデンクロス・デッドクロスでエントリーします。


エグジットは、上のチャートのようにエントリー方向とは逆方向へのMACDのシグナル抜けが起きた場合です。
また、ローソク足が雲の中に入った場合、そしてダイバージェンスが発生した場合でもエグジットします。
チャートの値動きと、テクニカル指標の動きが逆行する現象のこと。
相場のトレンドが弱まり、反転を示すサインとして用いられる。


このように、一目均衡表とMACDを組み合わせたトレード手法では、エントリータイミングが明確になるだけでなく、反転のサインをいち早く察知できるためエグジットも明確になります。


FX実践編③一目均衡表×RSI
一目均衡表とRSIの組み合わせも覚えておきたい最強の手法です。この手法では、精度の高い「押し目買い・戻り売り」のタイミングが計れるようになります。
売買ルールは以下の通り。
- 基準線+雲が上向きでローソク足が両方の上にある場合にロング
- 基準線+雲が下向きでローソク足が両方の下にある場合にショート
- 「RSIの値が30〜70以内」+「ローソク足が基準線で反発」でエントリー
- エグジット①ローソク足が基準線をエントリーとは反対方向へ抜けたタイミング
- エグジット②RSIの値が30以下・70以上になってから再び30〜70以内に戻ったタイミング


RSIでは70以上が買われすぎ、30以下が売られすぎのサインです。
上図チャートのように、RSIが30〜70以内にあるということは、上昇・下降の余地があると見れます。ローソク足が基準線で反発すればエントリーのチャンスです。
エグジットは、ローソク足がエントリーとは反対方向に基準線を下抜けしたタイミングが狙いどころ。あるいは下図のように、RSIが30や70に触れたあたりを狙ってもよいでしょう。





売られすぎたら今度は買われますし、買われすぎたら売りが入ってきますからね。
このように、一目均衡表とRSIを組み合わせることによって、「押し目買い・戻り売り」といった難しいエントリーも、タイミングの精度が上がります。



トレンドフォローのエントリーは逆場りの形になるので、タイミングが難しいんです。
この他、一目均衡表と相性がいいインジケーターにDMI、RCI、ボリンジャーバンドなどがあります。






FXで勝ち組になるために絶対にしなければいけないのが『検証』です!
ただ、リアルトレードでの検証には膨大な時間が必要です…



本当に稼げる手法なのかスグに検証できたらいいのに…
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FXで一目均衡表を使用しているトレーダーの口コミ


さて、実際に一目均衡表を使ってみたところはどうなのでしょう。一目均衡表を使っているトレーダーのリアルな口コミを集めてみました。
使い方や分析方法に関する様々な声がありましたので、どうぞ参考にしてみてください。
一目均衡表を使用しているトレーダーの口コミ






https://twitter.com/fwm5o4zWoY76708/








X(旧Twitter)の口コミでは、一目均衡表に関して否定的な意見は極めて少なく、満足している様子でした。あらためて一目均衡表が優れたテクニカルであることがわかります。
ダウ理論やストキャスティクスなど、その他のインジケーターと合わせて使っているトレーダーが多いことも参考になるでしょう。



口コミでは、買いシグナル・売りシグナルを上手に使いこなして、FXでもそこそこ勝っている人が多い印象を受けました。
FXの一目均衡表の注意点


一目均衡表は非常に優れたテクニカルです。しかしながら、どんなに優れた手法であっても、それだけで必ずすぐに勝てるというわけではありません。
ここでは一目均衡表の注意点について見ていきます。
使いこなすには経験が必要!
一目均衡表は、ひと目で相場動向や売買シグナルが掴めるよう考案されたインジケーターです。シンプルであることが一目均衡表の利点ではあるものの、5本のラインを即座に読めるようになるには、一定以上の経験を要します。
使い方には間違った認識もある!
一目均衡表は、冒頭でも触れたように世界中で人気の手法です。人気があるだけに、利用する投資家・トレーダーも多く、そのぶん多種多様な考え方や解釈の仕方が存在します。
中には、誤った認識が一般化しているケースもあるため、この機会にチェックしておきましょう。
- レンジ相場には不向き → 雲やラインをレンジのレジサポとして使える
- 短期足では使えない → 日足が定着しているだけで、時間足を問わず使える
- ダマシ → そもそもダマシとは何か?解釈の違いが生じるだけ
- 絶対的なパターンというものはない → 臨機応変にラインの意味を読み取ろう
これは、一目均衡表に限ったことではありませんが、リアルタイム・チャートの動きとインジケーターが描くパターンの種類はそれこそ無限に存在します。
「○○になった売り、○○なら買い」といった、型にハマった考え方では対処できないことも多いです。
あらゆる角度から、あらゆる要素をくみ取り、柔軟にかつシンプルに相場が読めることが一目均衡表が目指すところです。まずは先入観を持たずに、5本のラインとじっくり付き合っていきましょう。
一目均衡表を本でも学ぼう!
一目均衡表は本で入手することも可能です。一目山人氏みずからが執筆・出版した当時の書籍(原著)が公式サイトや古書店で販売されています。全部で6冊出版されているらしく、再販ものでも入手が難しい状況。


手書きチャートの解説も載っているかなりレアなプレミアものです。再販ものの中古でも3万円~4万円程度。新品に近い場合は5万円以上の値がつくこともあるようです。投資を兼ねて購入してもいいかもしれません。
他にもカジュアルな参考書やガイドならAmazonや楽天で3,000円~5,000円程度で探すことができます。スキャルピングやスイングトレードにおける転換線・基準線の使い方を解説したものなど、幅広いテーマがあります。


また、三代目である一目山人氏の「現代の一目均衡表には本質的に分析方法に誤解がある」と指摘する書籍も、Amazonなどで入手可能です。





海外でも英語版のIchimoku Chartの本がたくさん出ています。
興味がある方は色々探してみてください。
FXの一目均衡表に関するよくある質問


それでは、最後に一目均衡表に関するよくある質問をピックアップしてみました。迷った時や戸惑った際の参考にしてみてください。
FXの一目均衡表は5分足〜1時間足でも使えますか?
一目均衡表は日足以外のどんな時間足でも使えます。
例えば、5分足で一目均衡表を表示させた場合の基準線は、直近のローソク足26本分(5分×26本=130分)の最高値・最安値の平均値ということになります。
転換線や先行スパン1・2も同様に表示されるので、1分、5分、1時間とあらゆる時間軸での相場分析が可能です。
一目均衡表をFXで使用する際、期間の設定はどうすればいいですか?
ひとまずはデフォルトで使ってみるのがおすすめです。
- 転換線:期間9
- 基準線:期間26
- 先行スパンB(2):期間52
上記のデフォルト設定が一般的に広く使われています。中には「7、22、42」あたりで設定するというケースもあり、とくに決まりはありません。慣れてきたら、設定を変えて試してみるとよいでしょう。
FXは一目均衡表のみで勝てるものですか?
一目均衡表は、未来と過去の時間を表す5つのラインが、相場の方向性や転換ポイントを教える売買シグナルツールとして使えます。一目均衡表のみで勝つことも不可能ではないでしょう。
しかし、一目均衡表をだけを使ってすぐに勝てるというわけではありません。
重要なのは、その時々の相場状況に合わせて、いかに一目均衡表を読みこなせるようになるかです。



一目均衡表を徹底的に学び、ラインの意味や役割を理解したうえで、自分なりに読み解く力をつけていきましょう。


FXの一目均衡表を使った最も優位性の高いエントリーポイントを教えてください
一目均衡表の最強の売買シグナルは「三役好転」と「三役逆転」だと言われています。「三役好転」が買いのサイン、「三役逆転」が売りのサインになります。
ただし、どんなに優れた手法も100%確実ではありません。



その他の分析手法と組み合わせながら、根拠を固めていきましょう。
詳しくは「一目均衡表の鉄板パターンを覚えよう」のパートでも解説してるので参考にしてみてください。
FXでは主に4時間足でチャートを見てるのですが、一目均衡表をどのように使えばいいですか?
なぜ、4時間足を使うのか、まずはトレード戦略を明確にしましょう。一目均衡表はどの時間足でも機能する手法です。
中長期スイングトレードなら4時間足でエントリーを探る方法として、または、短期トレードでは中長期の流れを確認する方法として4時間足で一目均衡表が使えます。
雲のねじれや、基準線と転換線のクロスといったシグナルは、時間足が変わっても使い方は同じです。
FXの一目均衡表の「雲」だけ使ってトレードしたいのですが、他の線を消して「雲」のみ表示させることはできますか?
可能です。
インジケーターの設定で、先行スパン1・先行スパン2以外の色「None」に設定するとチャート上に表示されます。ただし、本来の一目均衡表とは、若干意図が異なることを理解しておくことが大切です。
FXインジケーターの中には一目均衡表の雲と遅行スパンのみが表示される「スパンモデル」のような、カスタマイズ版も多く存在します。
MT4・MT5では、一目均衡表の無料インジケーターや無料ツールがインストールできます。気になるものがあればチェックしてみてください。
- 「Brooky_Rsi_Ichimoku」:一目均衡表にRSIを表示
- 「Ichimoku mtf kumo cross alerts + arrows nmc」:ローソク足の雲抜けを矢印で表示
- 「 wajdyss_Ichimoku_Indicator_V1」:基準線とローソク足のクロスを矢印で示す
- 「Sm Ichimoku Scanner」:複数通貨ペア・複数時間足の一目均衡表を表示
- 「Ichimoku Cloud at a Glance」:複数時間足の雲の状態を表示
- 「 FFx Ichimoku」:複数時間足の一目均衡表を表示
- 「Ichimoku Cloud」:雲のみ表示
- 「 Kijun-Sen with alert」:基準線のみ表示
- 「Tenkan and Kijun Color Fill」:基準線と転換線の間を塗りつぶす
FXで自作のEAで自動売買を行う場合、一目均衡表のシグナルはアルゴリズムとして利用できますか?
利用できます。
実際に、一目均衡表の基準線とローソク足クロスや、雲のブレイクアウトでトレードするEA(エキスパート・アドバイザー)は、有料・無料含めて複数あります。
気になる方は、MQL5コミュニティやMT4マーケットから検索してみてください。




FXの一目均衡表の雲抜けでエントリーするのは間違っていますか?
基本的には間違っていません。
ただし、そこに至るまでの動きや直前・直後の動き、その時の市場動向、雲やパターンなど、さまざまな要素をトータル的に考慮する必要があります。
トレードの経験を積んで、その雲抜けが「本当にエントリーのサインなのか」を判断するスキルを身に付けていきましょう。



なお、WikiFXではあらゆるタイプの分析手法をご紹介しています。一目均衡表と併せて参考にしてみてください。


FXの一目均衡表まとめ


一目均衡表は、独自の視点で市場を分析し、トレンドの方向性や転換のタイミングを捉えるのに非常に役立つテクニカルです。
一目均衡表で重要なラインは5つ。
- 基準線
- 転換線
- 先行スパン1
- 先行スパン2
- 遅行スパン
1本1本のラインが持つ意味や役割を深く理解することで、最適なエントリー、利確・損切のポイントが見えてくるでしょう。
一目均衡表の売買シグナルは、誰かが教えるパターンで覚えるのではなく、自分自身で気づいて初めて有効な手法となり得ます。そのためにも、日々コツコツと鍛錬していくことが勝てる秘訣です。
世界中のトレーダーに支持されているからには、その理由があるはず。ぜひとも、この機会に日本発の一目均衡表を使いこなしていきましょう。
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