FXのV字・A字の動きで損切りになることが多い…なぜこんな値動きになるんだろう?V字・A字の動きを攻略したい!
本記事ではこのような疑問に答えるべく、FXの代表的なチャートパターンである「V字」について深掘りしていきます。
ちなみに、V字の逆の動きがA字です。
FXでV字・A字を攻略できれば、トレードの成績も格段に上がります。
そこでこの記事では、FXのチャートがV字になる要因を解説するとともに、実際のトレードの場面でのV字・A字の攻略法についても詳しく解説していきます。
V字から派生するチャートパターンの攻略法についても詳しく解説してるので、ぜひ最後までご覧ください。
- FXでV字が形成される原因
- V字の攻略法
- V字から派生するチャートパターン攻略法
FXのV字とは
まずはV字・A字の形状をあらためて確認しましょう。
FXのV字は以下のようなチャートの動きのことを指します。
このような「急落→急騰」という値動きをラインで結ぶと、アルファベットの「V」の形になることからV字と呼ばれています。
急落したかと思ったら、すぐに下げ幅を取り戻すだけの急騰があるので、V字回復なんて言われ方もします。
一方、A字の場合は以下の通り。
A字の場合は逆V字とも呼ばれ、文字通りV字とは逆の動きのことを指します。
このようなV字・A字の動きはあらゆる時間足で形成されるものです。
そして、「急落から急騰」「急騰から急落」といった動きは、一種のダマシに近い動きなのでトレードの際には注意が必要になります。
下がると思ってエントリーした瞬間に急上昇するんですからね…気をつけなきゃです。
FXでV字が形成される要因
FXでV字・A字が形成される理由はいたってシンプルで、ある要因によってそれまでの売りと買いの力関係が変化したことに起因します。
ここではそんなV字・A字を引き起こす要因について詳しく見ていきましょう。
V字・A字もFXの他のチャートパターンと同様、大衆心理の現れでもあります。
重要な節目
重要な節目とは、直近の高値・安値やレジスタンス・サポートラインの中でも、特に多くの人が意識しているであろう重要なラインのことです。
具体的には、何度も止められているレジスタンス・サポートラインであったり、1.00000ドルや100.00円といったキリ番(ラウンドナンバー)のことを指します。
こうしたポイントは、利益確定や損切りの絶好の目安であり、なおかつ逆張りでの新規の売買が入りやすいポイントです。
そのため、それまでのトレンドの流れとは逆の動きが発生し、V字・A字が形成されやすくなります。
上のチャートでは、104.00円のキリ番で買いが入りV字が形成されているのがわかります。
それまでの下落の流れが、104.00円のラインに到達したことで一気に利益確定や新規の買いが生じたと思われます。
このように重要な節目では、V字・A字が形成されやすいので注意しましょう。
重要経済指標
重要経済指標発表時はボラティリティが拡大し、急騰・急落が起きやすい相場環境です。
特に、発表された指標の内容が予想とは違うものであればあるほど、市場にサプライズを与え、価格が上下に振れてV字・A字が形成されやすくなります。
なお、重要経済指標の例は以下の通りです。
- 米国雇用統計
- ADP雇用統計
- 消費者物価指数(CPI)
- ISM製造業景況指数
- FOMC(米国連邦公開市場委員会)政策金利決定会合
- ユーロ圏失業率
- 消費者物価指数(HICP)
- ユーロ圏小売売上高
- IFO景況感指数(ドイツ)
- ZEW景況感指数(ドイツ)
- ECB(欧州中央銀行)政策金利決定会合
- 日銀金融政策決定会合
- 日銀短観
このほか、要人の発言等によっても価格が大きく上下することもあります。
指標の中で特に注意したいのが米国雇用統計ですね。
ファンダメンタルズの変化
紛争やテロなどの地政学的リスクや、金利政策の大幅な変更、自然災害や疫病といったファンダメンタルズの変化は、長いスパンでのV字・A字が形成される大きな要因です。
近年では、2020年のコロナウイルスの世界的なパンデミックが最たる例で、この時ほとんどの主要通貨ペアでは、日足レベルでのV字・A字が形成されました。
例えば、当時のドル円のチャートを見るときれいなV字が形成されているのがわかります。
2020年の2月から3月にかけて、ドル円は10円以上乱高下したため、上のチャートような日足レベルでの大きなV字が形成されました。
重要経済指標発表時は、どちらかという短期的な値動きになりやすいのですが、ファンダメンタルズの変化はこのような長いスパンでのV字・A字が形成される場合があります。
それにしてもきれいなV字ですね。
「東京・ロンドン・ニューヨーク」各市場ごとのトレンドの変化
FXでV字・A字が形成される要因のひとつとして、「東京」「ロンドン」「ニューヨーク」といった各市場ごとのトレンドの変化があげられます。
特に最も市場参加者が多くなるNY時間は、それまでとは逆の流れになりやすく、V字・A字が形成されやすいので注意が必要です。
ちなみに世界3大市場のオープンとクローズの時間は以下の通りになります。
世界3大市場 | オープン | クローズ |
---|---|---|
東京市場 | 9:00 | 17:00 |
ロンドン市場 | 16:00(冬時間17:00) | 翌2:00(冬時間3:00) |
ニューヨーク市場 | 21:00(冬時間22:00) | 翌6:00(冬時間7:00) |
デイトレードやスキャルピングをメインにしている方は、各市場が開いている時間帯を覚えておきましょう。
ストップ狩り
ストップ狩りとは、機関投資家やヘッジファンドなどの大口投資家が意図的にレートを動かし、主に個人トレーダーのストップロスを引き出させて利益を得る行為のことを指します。
上のチャートのように、直近の安値(高値)やキリ番といった多くのトレーダーがストップロスを設定しているポイントが狙われやすい傾向にあります。
結果的に多くのストップを巻き込み、それが上昇(下降)要因となってV字・A字が形成されるといった流れです。
いわゆるダマシの動きですね。
また、市場参加者が少なくボラティリティが低下している局面でもストップ狩りが起こりやすく、日本時間の早朝などは注意が必要になります。
FXのV字攻略法
ここからはFXのV字攻略法として以下の3点を解説していきます。
- おすすめのトレード手法
- V字が形成される前触れ
- V字の注意点
それぞれ詳しく見ていきましょう。
おすすめのトレード手法
FXでV字・A字が形成された局面でのおすすめのトレード手法は、短期的な動きに惑わされず「長期足のトレンド方向へエントリーする」ことです。
V字・A字の多くは、急落から急騰への切り替わりが早いため、エントリータイミングがつかみにくい傾向があります。
そのため、優位性の高いトレードを目指すのであれば、大きなトレンドに従い、シンプルに「逆張り」と「押し目・戻り」でエントリーすることをおすすめします。
急落・急騰しているチャートでは、つい飛び乗りたくなる気持ちもわかりますが、安易な飛び乗りは往々にして良い結果が出ないものです。
具体的なエントリーポイントとしては、逆張りの場合は以下の通りになります。
ポイントとしては、あくまでも長期足のトレンドに従うということです。
したがって、V字で長期足が上昇トレンド場合、またA字で長期足が下降トレンドの場合は、逆張りでのエントリーは見送ることをおすすめします。
押し目買い・戻り売りの場合は以下の通り。
A字の場合は以下の通りになります。
長期足のトレンドに逆らわずに押し目・戻りでエントリーすることによって、逆張りの場合よりも優位性の高いトレードが可能になります。
V字が形成されるサイン
V字・A字の形成を前もって予測することは出来ませんが、相場が反転する際に現れやすいサインというのは存在します。
そうした反転のサインをきっかけにV字・A字が形成されることはよくあることです。
ここからはそんなV字・A字が形成される前触れにもなる、相場の反転のサインについて見ていきます。
インジケーターのサイン
通貨の「買われすぎ」「売られすぎ」といった相場の過熱感を表すオシレーター系のインジケーターは、トレンド転換の可能性を示してくれるものです。
そのため、オシレーター系インジケーターが示すサインがV字・A字の前触れになるケースも多くあります。
なお、FXで代表的なオシレーター系インジケーターは以下の通りです。
- RSI
- ストキャスティクス
- MACD
RSIは一定期間の値動きに対して、値上がり幅と値下がり幅がどれだけの割合を占めているかを計算し、買われすぎなのか売られすぎなのかを判断するテクニカル指標です。
RSIの値が70を超えると、「買われ過ぎ」とされ、価格が下落する可能性が高くなります。
逆に、RSIの値が30を下回ると、「売られ過ぎ」とされ、価格が上昇する可能性が高くなります。
つまり、RSIの「70以上・30以下」というゾーンでは、V字・A字が形成されやすいということです。
ストキャスティクスは、インジケータライン(%K)とシグナルライン(%D)という二本の線で構成されており、数値が80%以上の場合は「買われすぎ」と判断され、20%以下の場合は「売られすぎ」と判断されます。
したがって、ストキャスティクスの場合は「80%以上・20%以下」のゾーンでV字・A字が形成されやすくなります。
MACDはMACDラインとシグナルラインの交差が相場転換の可能性を示してくれます。
MACDラインがシグナルラインを上抜く(ゴールデンクロス)と上昇トレンドの始まりを示し、下抜く(デッドクロス)場合は下降トレンドの始まりを示しており、V字・A字の前触れとなることがあるので注意が必要です。
これらインジケーターのサインを確認したら、V字・A字を想定してエントリーの準備をしましょう。
ローソク足の形状によるサイン
ローソク足の形状の中でも、相場が反転する際に現れやすいものがあり、それらをV字・A字形成の手がかりとすることができます。
まず、1番わかりやすいのが、上ヒゲ・下ヒゲがあるローソク足です。
このようなローソク足の長いヒゲは、それまでとは反対の売買の勢いが強くなっていることを示すものです。
そのため、ここからはV字・A字が形成される可能性も高くなります。
また、上下にヒゲができる十字足は相場の迷いを示すものですが、均衡状態から一気にV字・A字へと向かうこともあるので注意が必要です。
次に、相場の天井や底値圏で転換のサインとして現れやすいのは以下のローソク足のパターンになります。
節目となるレジスタンスやサポートライン、直近の安値や高値でこれらのローソク足のサインが出た場合は、本格的なトレンド転換とともにV字・A字の形成に注意するようにしましょう。
そのほか、酒田五法も相場転換の判断に役立ちます。
江戸時代の相場師本間宗久によって考案された、ローソク足の並びを基本としたテクニカル分析のひとつ。
「三山(さんざん)」「三川(さんせん)」「三空(さんくう)」「三兵(さんぺい)」「三法(さんぽう)」という5つのチャートのパターンが基本。
なお酒田五法に関しては、以下の記事で詳しく解説してるのでチェックしてみてください。
V字の注意点
V字・A字の注意点は以下の通りです。
- 予測が難しく安易な飛び乗りにはリスクがある
- 一過性の動きで終わる場合がある
V字・A字が形成されそうなポイントやタイミングはある程度予測を立てれますが、しかし100%確実ではありません。
どんなに強いレジスタンスやサポートラインでも、反応せずに一瞬でブレイクすることもありますし、米雇用統計のような重要指標発表後であっても値動きがあまり無いことだってあります。
逆に、方向感の無い値動きの少ない状態から、要人の発言により相場が二転三転し、V字・A字を繰り返すこともあります。
そのため、V字・A字がいつ形成されるかを完璧に予測するのはほぼ不可能であり、V字・A字を見込んだ安易な飛び乗りは非常にリスクの高いトレードになるので注意が必要です。
また、V字・A字の動きは一過性の動きで終わる場合があります。
つまり、急騰・急落の動きが一段落するとボラティリティが低下し、方向感の無いレンジの動きになることもあるということです。
V字・A字の動きが、市場のちょっとしたノイズだったみたいなこともよくあります。
したがって、目先の急騰・急落の動きに惑わされず、しっかり環境認識を行った上でトレードすることが必要になります。
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【覚えておきたい】FXのV字から派生するチャートパターンとトレード手法
FXでは様々なチャートパターンがありますが、V字・A字から派生するものがいくつか存在します。
以下にあげるFXの代表的なチャートパターンは全てV字・A字の動きを経て形成されるものです。
- ダブルトップ・ダブルボトム
- ヘッドアンドショルダー(トップ&ボトム)
- 三角持ち合い
それぞれの形状とトレード手法について詳しく見ていきましょう。
色々なチャートパターンを知っておくことで、急な値動きにも対応できるようになります。
ダブルトップ・ダブルボトム
ダブルトップ・ダブルボトムは、相場の転換を示す代表的なチャートパターンで、アルファベットの「M」や「W」の形をしているのが特徴ですが、よく見みるとV字・A字が組み合わさって構成されているのがわかります。
ダブルトップの場合はA字→V字→A字という動きからネックラインをブレイクすることで、それまでの上昇トレンドから下落トレンドへと転換します。
ダブルボトムの場合はV字→A字→V字という動きです。
ダブルトップ・ダブルボトムの具体的なトレード手法は、ネックラインブレイク及びブレイクの戻り・押し目狙いになります。
戻り・押し目を狙う場合は以下の通り。
ネックラインがレジサポ転換するのが鉄板の形になりますが、ネックラインにタッチする前に上昇・下落することも多いので注意しましょう。
なお、ダブルトップ・ダブルボトム及び、類似チャートパターンであるトリプルトップ・トリプルボトムの攻略法に関しては以下の記事で詳しく解説してるので参考にしてみてください。
ヘッドアンドショルダー(トップ&ボトム)
ヘッドアンドショルダー(トップ&ボトム)は、ダブルトップ・ダブルボトムほど頻繁に出現するチャートパターンではないですが、出現した際には高い確率でトレンドが反転します。
ヘッドアンドショルダーに関しても、V字とA字の組み合わせによって形成されているのがわかります。
トレード手法は以下の通りです。
①はヘッドアンドショルダーが形成されるのを見越してのエントリーで、②はネックラインのブレイク、③はブレイクの戻りでのエントリーになります。
ヘッドアンドショルダーボトムの場合は以下の通り。
なお、ヘッドアンドショルダーの攻略法に関しては、以下の記事で詳しく解説してるのでチェックしてみてください。
三角持ち合い
三角持ち合いは一種のレンジの状態で、「売り」と「買い」が拮抗している際に形成されるチャートパターンです。
このように、V字・A字の動きが繰り返えされ「売り」と「買い」で方向感が定まらないのがわかります。
したがって、三角持ち合いでのトレードは、ブレイクした後の押し目・戻りが狙い目です。
なお、三角持ち合いの攻略法に関しては下記の記事で詳しく解説してるので参考にしてみてください。
まとめ
ここまで見てきたように、FXのV字・A字は急騰・急落が立て続けに起こるチャートパターンです。
予測するのが難しく、安易な飛び乗りにはリスクはありますが、決して攻略できないチャートパターンではありません。
V字・A字が形成される要因を把握し、注意点や形成の前触れについてもしっかり理解した上で、トレードを重ねていきましょう。
どんなチャートパターンにも当てはまることですが、まずは環境認識ありきです。
長期足のトレンドは必ずチェックしましょう。
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